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第二章
第121話 【学園からの頼み・2】
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それから俺はソファーに座り直し、呼び出された理由をエルドさんに聞いた。
「学園からの依頼ですか?」
「学園というより、学園長であるエリナ本人からだな。学園には、生徒だけが参加できる大会が行われるのはアルフも知っているな?」
「はい。知ってます」
年に一度、冬休み明けのテストを終えてから春に行われる学園で最も盛り上がる行事。
初等部と高等部に別れ、それぞれの部門で優秀な生徒を決める大会だ。
「実はエリナからアルフには、是非参加して欲しいと頼まれてな」
「大会にですか? でも前にその話を師匠達にした時に、俺のレベルは高すぎるからやめておいた方が良いと言われましたよ?」
既に俺のレベルは100を超えており、スキルに関しては俺以上に持ってる者は居ないとさえ師匠達から言われている。
そんな俺が学生の大会に出たら、生徒が可哀想だと師匠が言って、俺は出場はしないでおこうと考えていた。
「儂もそう思っていたんだが、ここ数年で学園も変わってきているみたいで商人科の生徒を下に見ている現状を変えたいらしいんだ」
「あ~、成程……」
学園に通っていて数ヵ月、そんな雰囲気は俺も感じていた。
商人科は勉強メインの学科の為、他の科から下に見られている。
ただ俺の場合、王子であるレオルドと交友関係があり、ルクリア商会に所属してる冒険者という事もありそういう態度を取られた事はない。
「でもそれ俺が出た所で、俺だけが特別だと思われるんじゃないんですか?」
「儂も同じ事をエリナに言ったが、それでも少しは変わるだろうからと言ってな……」
「う~ん……分かりました。大会には参加する事にしますね」
そう言うと、エルドさんは「ありがとな、アルフ」とお礼を言って解散した。
その後、広場に戻ってきた俺はアリスと大会について話をした。
「俺だけが優秀な成績残しても、態度は変わらないと思うけどな~」
「それは私も思う。何人か商人科から優秀な人が出たら、態度も変わると思うけど……」
「そうだよな~……アリスも大会に出てみる? アリスの魔法の技術なら、いい成績残せそうだけど?」
レベルに関してはアリスはそんなに高くは無いが、俺との訓練をずっとして来た事で魔法の技術は高く、魔力もそこそこ高い。
師匠もアリスの魔法は、既に冒険者で食っていけるレベルだと評価していた。
「う~ん……お家に帰ったら、お父さん達に聞いてみるね。上位を目指したいけど、自分がどれだけ魔法の技術が上がったのか試したい気持ちはあるから」
アリスは、少しだけやる気に満ちた表情でそう言った。
その後、アリスとの訓練を終えてアリスを見送った俺は夕食を食べに食堂に向かった。
「あれ、師匠にフローラさん? どうしたんですか?」
食堂に向かうと、食堂の前で師匠とフローラさんが居た。
「アルフが来るのを待っていたんだよ。取り合えず、飯を受け取って席に座ろう」
師匠からそう言われた俺は、師匠達と一緒に食堂に入り料理を受け取って席に着いた。
「エルドさんから聞いたよ。アルフが学園の大会に出場するんだろ?」
「あっ……その、師匠から出ない方が良いと言われていたんですが、エルドさんから頼まれてしまったので」
「別に責める為に待っていた訳じゃないから、安心しろ。それに俺も参加しない方が良いと言ったのは、学園側に迷惑になるだろうと思って言っただけだから、その学園の長であるエリナさんがアルフに出て欲しいと言ってるんなら、別に構わないと思ったんだよ」
「私も同じよ。アルフ君のレベルだと、生徒に対して申し訳と思ってやめておいた方が良いって言ってたけど、学園長から許可が降りたのであれば話は変わってくるわ。アルフ君、全員蹴散らして上を目指すのよ」
そうフローラさんは言うと、師匠も頷き「訓練の成果を見せつけてやれ」と笑みを浮かべてそう言った。
「学園からの依頼ですか?」
「学園というより、学園長であるエリナ本人からだな。学園には、生徒だけが参加できる大会が行われるのはアルフも知っているな?」
「はい。知ってます」
年に一度、冬休み明けのテストを終えてから春に行われる学園で最も盛り上がる行事。
初等部と高等部に別れ、それぞれの部門で優秀な生徒を決める大会だ。
「実はエリナからアルフには、是非参加して欲しいと頼まれてな」
「大会にですか? でも前にその話を師匠達にした時に、俺のレベルは高すぎるからやめておいた方が良いと言われましたよ?」
既に俺のレベルは100を超えており、スキルに関しては俺以上に持ってる者は居ないとさえ師匠達から言われている。
そんな俺が学生の大会に出たら、生徒が可哀想だと師匠が言って、俺は出場はしないでおこうと考えていた。
「儂もそう思っていたんだが、ここ数年で学園も変わってきているみたいで商人科の生徒を下に見ている現状を変えたいらしいんだ」
「あ~、成程……」
学園に通っていて数ヵ月、そんな雰囲気は俺も感じていた。
商人科は勉強メインの学科の為、他の科から下に見られている。
ただ俺の場合、王子であるレオルドと交友関係があり、ルクリア商会に所属してる冒険者という事もありそういう態度を取られた事はない。
「でもそれ俺が出た所で、俺だけが特別だと思われるんじゃないんですか?」
「儂も同じ事をエリナに言ったが、それでも少しは変わるだろうからと言ってな……」
「う~ん……分かりました。大会には参加する事にしますね」
そう言うと、エルドさんは「ありがとな、アルフ」とお礼を言って解散した。
その後、広場に戻ってきた俺はアリスと大会について話をした。
「俺だけが優秀な成績残しても、態度は変わらないと思うけどな~」
「それは私も思う。何人か商人科から優秀な人が出たら、態度も変わると思うけど……」
「そうだよな~……アリスも大会に出てみる? アリスの魔法の技術なら、いい成績残せそうだけど?」
レベルに関してはアリスはそんなに高くは無いが、俺との訓練をずっとして来た事で魔法の技術は高く、魔力もそこそこ高い。
師匠もアリスの魔法は、既に冒険者で食っていけるレベルだと評価していた。
「う~ん……お家に帰ったら、お父さん達に聞いてみるね。上位を目指したいけど、自分がどれだけ魔法の技術が上がったのか試したい気持ちはあるから」
アリスは、少しだけやる気に満ちた表情でそう言った。
その後、アリスとの訓練を終えてアリスを見送った俺は夕食を食べに食堂に向かった。
「あれ、師匠にフローラさん? どうしたんですか?」
食堂に向かうと、食堂の前で師匠とフローラさんが居た。
「アルフが来るのを待っていたんだよ。取り合えず、飯を受け取って席に座ろう」
師匠からそう言われた俺は、師匠達と一緒に食堂に入り料理を受け取って席に着いた。
「エルドさんから聞いたよ。アルフが学園の大会に出場するんだろ?」
「あっ……その、師匠から出ない方が良いと言われていたんですが、エルドさんから頼まれてしまったので」
「別に責める為に待っていた訳じゃないから、安心しろ。それに俺も参加しない方が良いと言ったのは、学園側に迷惑になるだろうと思って言っただけだから、その学園の長であるエリナさんがアルフに出て欲しいと言ってるんなら、別に構わないと思ったんだよ」
「私も同じよ。アルフ君のレベルだと、生徒に対して申し訳と思ってやめておいた方が良いって言ってたけど、学園長から許可が降りたのであれば話は変わってくるわ。アルフ君、全員蹴散らして上を目指すのよ」
そうフローラさんは言うと、師匠も頷き「訓練の成果を見せつけてやれ」と笑みを浮かべてそう言った。
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