外れスキルと馬鹿にされた【経験値固定】は実はチートスキルだった件

霜月雹花

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第二章

第138話 【大会後・3】

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 そして数日間の休日は休養に使い、休みが明けて学園に登校した俺はある変化を感じた。

「うん。大会前より視線を感じるな……」

 大会以前から既に少し注目を集めていた俺は、今はガッツリと視線を集めていた。
 俺はこの感じにはまだ慣れてない為、速足で教室へと向かい自分の席に座った。

「アルフ君、凄く人気者だね」

「まあ、こうなる事は予想してたけど、予想よりもかなり注目を浴びてるな……」

「最後の試合の時に、かなり派手な魔法を使ってたからじゃないかな?」

 その可能性はあるだろうな……と、俺はリサの言葉を聞きながら溜息を吐いた。
 その後、その日は一日生徒は勿論の事、教師陣からもかなり視線を集めていて居心地の悪い学園生活を送った。

「早速、学園を休んで修行にでも行こうかな……」

 一日の授業を終え、商会へと帰宅した俺はアリス達と訓練をしつつそう愚痴を零した。

「えっ、アルフ君学園に来なくなっちゃうの!?」

「いや、少しだけだよ? 今の感じが落ち着くまで身を潜めようかなって」

 俺の話を聞いていたアリスは、驚いた様子で聞き返してきた。

「私がアルフ君の立場だったら、暫くは学園に来ないって選択するかも……あそこまで注目を浴びてると精神的にもきつそうだしね」

 俺の言葉に対してリサは頷きながら言うと、レインも「大変そうだったしね」と今日の事を振り返りながらそう言った。

「私の学年でもアルフ君の話題で持ち切りだったし、今の学園で一番の有名人だと思うよ。あんなに強い学生って、多分今まで居なかったと思うし」

「アルフの場合、魔法だけじゃなくて剣術も使えるから更に知名度が上がった感じだね。父さん達もあんなにアルフが強くなってるって知って、兵士になってくれないかなって言ってたよ」

「僕の父さんもエルドさんの邪魔が無ければ、王城で雇えたのにって悔しそうにしてたね」

 そうして新しく訓練仲間として加わったヘレナさんは、上級生の間でも俺の話題があったと言うと。
 レオルド達も、王族と王城関係者が俺の事を欲しがってると教えてくれた。

「アリス。暫く、俺が居なくてもリサ達と学園で勉強出来る?」

「出来なくはないけど、アルフ君が居ないのは寂しい……」

「うっ……」

 俺の言葉を聞いたアリスは悲し気にそう言い、俺は言葉が詰まってしまった。
 その後、訓練中はその話はやめる事にして訓練に集中する事にした。
 そして訓練を終えて、アリス達を見送った俺は事前にエルドさんに話し合いがしたいとお願いしていたのでエルドさんの部屋に向かった。

「それでアルフ。話とはなんだ?」

「はい。実は学園での生活についてお話がありまして」

 それから俺は、エルドさんに相談をする事にした。

「ふむ……確かにそうなる事は予想はしていたが、予想を遥かに超えていたみたいだな」

「ヘレナさん曰く、上級生でも俺の話で持ち切りらしいので学園全体が俺に注目してるのかも知れません」

「それでアルフは学園を暫く休みたいが、アリスは嫌そうだったと……難しい話だな」

 エルドさんは顎に手を当てて、難しい表情をしていた。
 それから俺とエルドさんが話し合っていると、部屋に師匠がやって来た。

「おお、アレン。良い所に来た!」

「エルドさんとアルフが話し合いをしてると聞いて来ましたけど、何の話し合いをしていたんですか?」

 師匠は話し合いの内容も知らず、エルドさんから歓迎され困惑した表情でそう言った。
 俺はそんな師匠に対して、話し合い内容を共有すると、師匠は「それはかなり難しいな……」と言った。

「休む権利はアルフは持ってるから学園を休む事は出来るけど、アリスがどう思うかだな……本人に聞いてみて、嫌そうだったのか?」

「嫌とは断言されませんでしたけど、悲し気な表情を浮かべて寂しいとは言われましたね」

「……アリスもアルフが苦労してる姿は見てると思うし、ちゃんと話し合ってみた方が良いとは思うぞ。まあ、アリスの気持ちは寂しいというのが本音だと思うけどな」

 そう師匠から言われた俺は、明日アリスと話し合う事に決めた。
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