特性【プレイヤー】に覚醒した俺は、前世の記憶を思い出し異世界を楽しむ

霜月雹花

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第一章

第11話 【初めての狩り・3】

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 今回作った料理は、三品。
 ボア肉のスープ、ボア肉と野菜炒め、ボア肉のハンバーグ。
 野菜炒めとハンバーグ、どっちかにしようかなと考えていたが二つの事を考えていたら、どっちも食べたくなって両方作る事にした。

「あ~、凄く美味しい~」

 アリシアさんは待っていた時間もあったからか、一口食べるといつも以上に美味しそうに食べてくれた。
 俺も自分の分を食べてみたが、かなり美味しい出来栄えに自分でも料理で食っていけそうかもと思ってしまった。
 
「私、クリス君と一緒に住むまでボア肉の料理ってそこまで好きじゃなかったけど、クリス君のおかげで好物になりかけてるわ」

「そうなにですか? ボア肉、安いから使ってましたけど人気あんまりないんですか?」

「貴族にはあまり人気は無いわね。オークとか、後は偶にだけどワイバーンのお肉は凄く美味しかったって記憶してるわね」

 この世界には、ドラゴンやワイバーンといった竜種は勿論いる。
 ドラゴンは目撃情報も少なく、そもそも遭遇したら命が無いと言われてる生物。
 それとは違って同じ竜種ではあるものの、害獣レベルのワイバーンは上位の冒険者であれば討伐も可能。
 そしてワイバーンの肉は美味しいらしく、貴族の間でも人気なお肉だとアリシアさんに教えて貰った。

「それで初めての魔物との戦いはどうだった?」

「思ったより簡単でした。入念に作戦を考えたりしてたのもあったんですけど、戦い自体はあっさりでしたね」

「まあ、クリス君の能力だったら怪我はしても、負ける事は無いだろうしね。剣術も出来て、魔法ももう既に戦いに使えるレベルだしね」

「魔法は確かにそうですけど、今回は使わなかったんですよね。ボア肉を取りたかったので」

 戦う前、俺はボア肉が欲しくて魔法は使わないと勝手に決めていた。
 そのおかげで沢山のお肉が手に入ったが、魔法を使っていればもっと簡単にやれていただろう。

「なのでまた明日、別の討伐依頼を受けて今度は魔法で戦ってみようと思います」

 そうアリシアさんに宣言した俺は、宣言通り次の日も冒険者ギルドへとやって来て討伐依頼を受けて街の外に出掛けた。
 今回受けた討伐依頼の対象は、ボアと同じく魔物の中では弱い方とされているスライム。
 スライムにも沢山の種類が居るが、今回倒すのは普通のタイプ。
 スライムだからと油断して近づくと、スライムも魔法を使う個体も居るので危険な目に合う可能性もあるので十分注意して探索を始めた。

「昨日とは違って、別の魔物は見かけるけどスライムは見つけられないな……」

 森に入って30分が経ち、俺はスライムを未だに見つけられていない。
 ここに来るまで、ボアやゴブリンと言った他の魔物は発見して、それらも勿体ないので討伐して進んで来た。
 ゴブリンに関しては採れる素材は無いので魔法を使って戦い、簡単に倒せてしまった。

「本当はスライム戦までは止めておこうと思ったけど、数も居て危なかったからな」

 ボアは昨日と同じく、三体だったので問題なく素材も欲しいので剣術で倒した。
 しかし、その次に現れたゴブリンは5体と、今の俺では剣術で戦うには不利な数のゴブリンだった。
 だからとっておこうと思っていた魔法を解禁して、5体のゴブリンを討伐した。

「スライム何処だよ~」

 嘆きに近い言葉を漏らしながら、俺は森の奥へと進んでいった。
 そうして更に10分程探索をすると、ようやく目標のスライムを発見した。

「特におかしな個体では無いよな? 単純に俺の運が無かっただけか?」

 ここまで探しても見つからなかった為、俺は少し警戒しながらスライムの周りを確認した。
 しかし、特にこれといって怪しい点も無く、俺は取り合えずスライム達を魔法で倒す事にした。

「——ッ!」

「……うん。何も起こらないな」

 スライムを倒し、討伐証明となる〝スライムのコア〟を回収。
 それと、欲しいと思っていたスライム液も瓶に詰めて回収をした。
 その後、俺は来た道を警戒しながら戻り森の外に出て、それから少し経って王都へと戻って来た。
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