特性【プレイヤー】に覚醒した俺は、前世の記憶を思い出し異世界を楽しむ

霜月雹花

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第一章

第18話 【成果・2】✤

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 それから一週間、俺は実験と薬草採取、偶に鑑定の仕事、というルーティンを繰り返した。
 そして、その日々のおかげで俺のステータスかなり成長した。


名 前:クリス
年 齢:10
性 別:男
特 性:プレイヤー

レベル:5
筋 力:590
体 力:620
魔 力:680
敏 捷:560
・固有能力
【天賦の才】
・スキル
【剣術:6】【調理:7】【身体強化:5】
【魔力操作:7】【魔力感知:4】【火属性魔法:6】
【水属性魔法:6】【調合:8】【調薬:8】
【算術:10】【話術:5】【交渉術:4】
【作法:3】
・加護
豊穣神の加護


 実験ばかりしていたせいか、初期に習得した【剣術】を一気に抜き。
 【調薬】と【調合】は、俺の持つスキルの中で二番目にレベルが高くなった。
 また商業ギルドに登録してから、俺は商人として必要な勉強をして新しく4つのスキルを習得。
 その内の一つである【算術】は入手したのと同時に、一気にスキルレベルは上限に達した。

「前世の記憶のせいだろうけど、まさかこんな形で初めての上限レベルのスキルを獲得するとは思わなかったな」

 【算術】に関しては特に上位スキル等は無く、単純に計算能力がより頭の中で早く出来るようになった。
 そのおかげで実験にも活用できたので、習得して良かった。

「レベルに関しては、もう少し上げても良かったけど最近は採取ばっかりだったからな」

 ここ最近、討伐依頼は受けずに薬草採取やその他の採取系の依頼でお金を稼ぎつつ、実験に使う素材を採取していた。
 そのおかげで既に納得できるレベルの品は出来て、今は更にそこから改良できるか試している。
 そうして今日も実験を終え、帰宅した俺は夕食の準備に取り掛かった。
 この数日、実験以外にも成果があったのは勿論、毎日している料理だろう。

「【調理】スキルを早い段階で手に入れて、レベルもそれなりに上がったおかげで最初の頃に比べてかなり美味しくなった」

 スキルのレベルはその行動に対し、効果を与えるので【調理】スキルが7となっている俺の料理はかなり美味しい。
 なんならただのスープでも味の調整のおかげか、かなり美味しく仕上がる。

「ただいま~、今日も美味しい匂いがしてるわね」

「おかえりなさい。アリシアさん、それにノアさんも」

「ええ、今日もお邪魔するわね」

 最近、ノアさんは毎日アリシアさんの家に来ている。
 理由としては、実験の成果報告と言っているが、実際は夕飯とその日に完成した試作品を試す為だろう。

「そう言えば、そろそろ実験が終わりそうなんですけど、販売するってなると個数が必要ですよね? 大体、いくつ用意してればいいですかね?」

「どこの層に向けて販売するかで在庫は決まるわ。クリス君は、自分の作った〝せっけん〟は何処に向けて売りに出すつもりなの?」

「そうですね……俺としては、貴族向けというよりも平民向けですかね。正直、貴族は今でも高い〝せっけん〟を使って綺麗にしてますけど、平民の方達は高い〝せっけん〟を買えないのでそこに向けて販売したいんですけど……アリシアさん達の反応からして、もし俺が売り出したら貴族も買いに来ますよね?」

 現在の〝せっけん〟も使う程、身を綺麗にしたい貴族達が新しい〝せっけん〟に興味を示さない訳が無い。
 更に効果もそっちの方が優れていると知ったら、平民の分なんて直ぐに消えてしまう。

「だとしたら、貴族向けと平民向け同時に出すとかかしら? ちょっと成分を変えて、高級そうな梱包すれば貴族は喜んでそっちを買うと思うわ」

「そ、そんな事で貴族が平民向けのを買わなくなりますかね?」

「貴族って意外とそう言う所気にするのよ。少しでも高級そうに見える方を買って、自分の方が上だって見せたいのよ。後は単純に同じ貴族同士の牽制にもなるものね」

「そうね。あまり効果が違う物でも、安い方を使っていたら馬鹿にされたりするのよ」

 アリシアさん達からそうアドバイスを貰った翌日、俺はエドガーさんにも同じような事を聞いた。
 すると、アリシアさん達が言った事とほぼ同じ事を言われて、貴族向けと平民向けの二つを同時に出す事にした。

「まあ、少し成分変えるのは問題ないけど梱包とかだよな……流石に人を雇うか?」

 ここまで一人で進めて来た俺は、初めて人手の足りなさを感じた。
 頑張れば梱包も自分で出来はするだろうが、そうなると作成時間が限られて物が用意出来なくなってしまう。

「……う~ん。取り合えず、エドガーさんに相談してみるか」

 ついさっき商業ギルドから出たばかりだったが、俺は再び商業ギルドへと戻って来て人員に関しての相談をエドガーさんにした。
 エドガーさんは俺がその事で聞きに来ると予想しており、既に良さそうな人を選んでくれていた。
 俺はその人選の中から、気になる人を何人か選んで後日面接をする事にした。
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