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第一章
第20話 【成果・4】
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それから部屋を出て行ったエレナさんは、10分程して部屋に戻って来た。
「アイザック。この〝せっけん〟凄いわ。ほらっ、こんなに手がすべすべよ」
部屋に入るなり、エレナさんはそう言いながらアイザックさんに手を見せた。
エレナさんの手を見たアイザックさんは、真剣な表情で「確かにすべすべだな」と手を触りながら言った。
「凄い物を作ったみたいだな……まあ、それもその筈か誰もが成功しなかったスライム液で作った〝せっけん〟だから、それだけの効果もあるんだろう」
「そうですね。最初の頃に作った物でも、ある程度の洗浄効果はありました」
「ふむ、それでこの新しい方の販売にここに来たと」
「はい。今後、店としてやっていくのでその元手となる資金を集める為です」
アイザックさんは俺とのやり取りをしてる最中、隣では母娘の美容トークが始まっていた。
そんな中、何とか真剣な話をしようとしていたアイザックさんは溜息を吐き、諦めたような表情をした。
「まさか、妻と娘がここまで〝せっけん〟で夢中になるとはな、夫であり親であったが知らなかったよ」
「男性も綺麗好きな方はいますけど、女性は特に多い印象ですね。それに俺が作ったのは、他の方にも試してもらいましたけど女性の方からの人気は凄かったですね」
ノアさん以外の女性、アリシアさんは勿論の事なのだがリンさんにも渡して試してもらっていた。
その感想としては、凄く肌のつやが良くなって髪の質感も普段よりもサラサラして同僚から羨ましがられて楽しかったと聞いた。
「そうなのか? だとしてら、王妃様も凄く気に入るんだろうな……成程、それでノアは家にこの話を持ってきたのか」
「はい。エレナさんが王妃様とよく茶会をしてるから、渡すならエレナさんが言いと言われましたね」
「となると、国中が騒ぎになるだろうな。今のうちに対処が出来るから良いが、いつまで騒ぎが続くだろうか見当がつかないな」
その後、用意して来た〝せっけん〟は全てラントリス家が購入してくれた。
そのお金はほぼ平民が一年で稼ぐ金額の数年分だったが、ラントリス家はポンッと支払った。
流石、貴族だなと思いつつこれで元手が手に入り、俺も色々と動けるようになった。
「ノアさん、その店に関してはこのお金で用意するんですけど、今後もあそこの作業場使わせてもらえませんか?」
「勿論良いわよ。どうせ、今の私よりもクリス君のが必要だもの」
「ありがとうございます。そのお礼として、今後新しいのが出来ましたら直ぐにお渡ししますね」
「ふふっ、楽しみに待ってるけど、無理をしたら駄目よ」
そうノアさんから言われた俺は、健康には十分気を付けて実験をすると約束をした。
それからノアさんとは別れて、俺は商業ギルドへとやって来た。
そしてエドガーさんと会い、店舗となる場所へと行く事にした。
元々、店舗は作るかつくらないか迷っていた。
しかし、出店で販売すれば騒ぎになるだろうし、作業場に客を来るようにしてもノアさんに迷惑を掛けてしまう。
その他にも色々と考え、結果として作った方が良いだろうとなり、店舗となる場所は以前から考えていた。
「その感じ、元手は手に入れたみたいだな」
「はい。無事にラントリス家が全部購入してくれました」
「姉さんは昔から綺麗好きだから、新作の〝せっけん〟が出たらそりゃ全て欲しがるか……」
ノアさんからは〝叔父〟と聞いていたから、どっちの家系の人かな? と思っていたが、エレナさんの弟だとここで初めて分かった。
まあ、でも確かに何となくエドガーさんとエレナさんは似てる部分もある。
「ここが今日から俺の店か、冒険者になって一ヵ月も経ってないのに商人になって店舗を持つって変な人生してますよね」
「確かにな、それもこんな大通りだからクリスは運も良いな」
今回、俺の店舗は大通りに面した店舗。
二階建ての造りとなっていて、一回が販売スペースで二回は休憩や寝る事も可能。
元々は、雑貨屋だったらしいが他に人気の店が出来て辞めた為、この店舗が売りに出されていた。
俺はタイミングよくその話を聞いて、数日以内にお金を用意するからと確保してもらっていた。
王都、それも一等地だったのでかなりの値段はした。
しかし、契約金分を払えば月払いで支払っていけるらしいので、それで購入する事にした。
「クリスの〝せっけん〟は絶対に売れるだろうから、直ぐに借金も返せるだろうよ。まあ、準備するのはかなり大変だろうが」
「そうですね。ここから面接や、貴族用と平民用で分けたりと準備が沢山あるので大変そうですが、楽しんでやろうと思います」
その後、店舗の鍵を受け取ってエドガーさんと別れた俺は、取り合えず店舗の掃除から始める事にした。
「アイザック。この〝せっけん〟凄いわ。ほらっ、こんなに手がすべすべよ」
部屋に入るなり、エレナさんはそう言いながらアイザックさんに手を見せた。
エレナさんの手を見たアイザックさんは、真剣な表情で「確かにすべすべだな」と手を触りながら言った。
「凄い物を作ったみたいだな……まあ、それもその筈か誰もが成功しなかったスライム液で作った〝せっけん〟だから、それだけの効果もあるんだろう」
「そうですね。最初の頃に作った物でも、ある程度の洗浄効果はありました」
「ふむ、それでこの新しい方の販売にここに来たと」
「はい。今後、店としてやっていくのでその元手となる資金を集める為です」
アイザックさんは俺とのやり取りをしてる最中、隣では母娘の美容トークが始まっていた。
そんな中、何とか真剣な話をしようとしていたアイザックさんは溜息を吐き、諦めたような表情をした。
「まさか、妻と娘がここまで〝せっけん〟で夢中になるとはな、夫であり親であったが知らなかったよ」
「男性も綺麗好きな方はいますけど、女性は特に多い印象ですね。それに俺が作ったのは、他の方にも試してもらいましたけど女性の方からの人気は凄かったですね」
ノアさん以外の女性、アリシアさんは勿論の事なのだがリンさんにも渡して試してもらっていた。
その感想としては、凄く肌のつやが良くなって髪の質感も普段よりもサラサラして同僚から羨ましがられて楽しかったと聞いた。
「そうなのか? だとしてら、王妃様も凄く気に入るんだろうな……成程、それでノアは家にこの話を持ってきたのか」
「はい。エレナさんが王妃様とよく茶会をしてるから、渡すならエレナさんが言いと言われましたね」
「となると、国中が騒ぎになるだろうな。今のうちに対処が出来るから良いが、いつまで騒ぎが続くだろうか見当がつかないな」
その後、用意して来た〝せっけん〟は全てラントリス家が購入してくれた。
そのお金はほぼ平民が一年で稼ぐ金額の数年分だったが、ラントリス家はポンッと支払った。
流石、貴族だなと思いつつこれで元手が手に入り、俺も色々と動けるようになった。
「ノアさん、その店に関してはこのお金で用意するんですけど、今後もあそこの作業場使わせてもらえませんか?」
「勿論良いわよ。どうせ、今の私よりもクリス君のが必要だもの」
「ありがとうございます。そのお礼として、今後新しいのが出来ましたら直ぐにお渡ししますね」
「ふふっ、楽しみに待ってるけど、無理をしたら駄目よ」
そうノアさんから言われた俺は、健康には十分気を付けて実験をすると約束をした。
それからノアさんとは別れて、俺は商業ギルドへとやって来た。
そしてエドガーさんと会い、店舗となる場所へと行く事にした。
元々、店舗は作るかつくらないか迷っていた。
しかし、出店で販売すれば騒ぎになるだろうし、作業場に客を来るようにしてもノアさんに迷惑を掛けてしまう。
その他にも色々と考え、結果として作った方が良いだろうとなり、店舗となる場所は以前から考えていた。
「その感じ、元手は手に入れたみたいだな」
「はい。無事にラントリス家が全部購入してくれました」
「姉さんは昔から綺麗好きだから、新作の〝せっけん〟が出たらそりゃ全て欲しがるか……」
ノアさんからは〝叔父〟と聞いていたから、どっちの家系の人かな? と思っていたが、エレナさんの弟だとここで初めて分かった。
まあ、でも確かに何となくエドガーさんとエレナさんは似てる部分もある。
「ここが今日から俺の店か、冒険者になって一ヵ月も経ってないのに商人になって店舗を持つって変な人生してますよね」
「確かにな、それもこんな大通りだからクリスは運も良いな」
今回、俺の店舗は大通りに面した店舗。
二階建ての造りとなっていて、一回が販売スペースで二回は休憩や寝る事も可能。
元々は、雑貨屋だったらしいが他に人気の店が出来て辞めた為、この店舗が売りに出されていた。
俺はタイミングよくその話を聞いて、数日以内にお金を用意するからと確保してもらっていた。
王都、それも一等地だったのでかなりの値段はした。
しかし、契約金分を払えば月払いで支払っていけるらしいので、それで購入する事にした。
「クリスの〝せっけん〟は絶対に売れるだろうから、直ぐに借金も返せるだろうよ。まあ、準備するのはかなり大変だろうが」
「そうですね。ここから面接や、貴族用と平民用で分けたりと準備が沢山あるので大変そうですが、楽しんでやろうと思います」
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