特性【プレイヤー】に覚醒した俺は、前世の記憶を思い出し異世界を楽しむ

霜月雹花

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第一章

第75話 【家・3】

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「「……え?」」

 お風呂場へと案内し、中にアリシアさん達を入れると風呂場の光景に驚き固まった。
 俺の渾身の力作である風呂場は、この世界では金が掛かる造作であり尚且つ大浴場の様な形となっている。
 いくつかの風呂があり、普通の風呂は勿論のこと、寝ながら入れる風呂だったり、冷たい水が入ってる風呂だったりといくつか用意してある。
 そして水風呂が用意してあると言う事は、勿論サウナも風呂場に作ってある。
 前世、そこまで通ったりしていた訳ではないのだが、折角作るなら作っても良いかなと思って作ってみた。

「ちなみにあそこの扉から外に出れて、外にも一つだけお風呂があるんです」

「クリス君がお風呂に力を入れるだろうとは予想してたけど、まさかここまでのお風呂を用意してあるなんて……」

「外にまでお風呂があるの? でも、それ外から見られるんじゃないの?」

「そこはちゃんと考えて作ってますよ」

 俺はそう言いながら、アリシアさん達を連れて露天風呂の方へと案内した。
 露天風呂の区画だけ、壁が作られていて天井には外からは見られない様に霞ガラスが付けられている。
 ちなみに壁はあるが、空気が入りやすい造りをしてるのでここでサウナから出た後に寝ると最高だろうと考えている。

「本気出し過ぎよ。こんなお風呂は王族でも持ってないわよ?」

「お風呂は好きですからね。あっ、ちなみにここは男性用のお風呂で隣に同じ造りの女性風呂も用意してますので、アリシアさん達ならいつでも入りに来て良いですよ」

「「嘘でしょ!?」」

 同じ造りの風呂があると伝えると、アリシアさん達はまた同じタイミングで驚いた反応をした。
 俺はそんな二人を連れて、隣の女性風呂へと案内すると「本当にある……」と驚いていた。

「あんなのが待ってるなんて、予想も出来なかったわ」

「大きなお風呂があるんだろうなと考えてたけど、まさかあんな数のお風呂を用意してあるなんて……あれ、お湯を張るだけでも時間掛からない?」

「魔道具だと時間が掛かりますけど、自分で入る際は自分で入れますから、それに毎日全部お湯を張らず、入りたいお風呂にだけお湯を入れて楽しむって事も出来ますので」

「そういう楽しみ方をするのは、クリス君だけよ……」

 案内を終えた後、リビングへと戻って来て驚き疲れたアリシアさん達にお茶を出し雑談タイムへと入った。

「さっきいつ来ても良いって言ってたけど、本当に来ても良いの?」

「そもそも家を出た理由としては、商人として立派な家を持てと言われたからです。別にアリシアさん達との生活が嫌になってとかじゃないので、いつでもいいですよ。何なら逆にアリシアさん達が俺の家に住んでも良いですよ?」

「……正直魅力的な提案だけど、流石にそれは私の親が許してくれないわね。結婚前の私が一応は、男性であるクリス君の家に住むのは許してくれないと思うわ」

「クリス君に対してそれは無いと思うわよ? 逆にエリスさんが私も泊るとか言いだすと思うわよ。クリス君の事だから、ノアの両親も家に招待するつもりなんでしょ?」

 アリシアさんのその質問に対して、招待しようとしてる人達の中に入っているので頷いた。

「……逆に止める立場で大変になりそうね。先にお父様に話を通しておいた方が良いわね」

「その方が良いわよ。正直、私は親の事は考えてないし、住みたいって正直に思ったけど、自分の家もあるから遊びに来るだけにしておこうかしら」

「家近いですからね。いつでも遊びに来て下さい」

 その後、この家で初めて料理をする事になり、折角ならとアリシアさん達も一緒に料理を作る事になった。
 広くて使いやすく、元食堂で料理を教えてる時よりも作業がしやすかった。

「本当にいいお家を建てたわね。こんなの体験したら、自分でも同じ家を持ちたいと思っちゃうけど、どれだけお金を掛かったのか知りたくはないわね……」

「まあ、貯め込んでいたのでかなり放出はしましたね。ですけど、まだまだ貯金には余裕があります」

「下手したら、その辺の貴族より総資産はクリス君のが上な気がするわね」

「その予想多分あったるわよ。だって、クリス君は商人の顔と冒険者の顔も持ってるし……」

 二人はそこで止まりそれ以上は考えるのを止め、調理に集中する事にした。
 そうして昼食を作り食べていると、家の呼び鈴が鳴ったので俺は玄関へと向かった。
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