路地裏在住の私でしたが、聖女になって求婚されています！

フェリーズの心配

「なるほど...そうだったんですね...」
「うんうん。それと、敬語。」
？
「やめてくれないかな？君は聖女になるんだからさ。立場的には皇族と対等なんだ。」
「そうだったん...ね。」
「あはは～、敬語になりそうだった～笑」
「もう！からかうのはやめてよ！」
(恥ずかしい...)
「ごめんごめん、あと、呼び方、ジークでいいから。」
「え、な、名前まで...？さすがにダメなんじゃ...」
「いいのいいの！気にしないで！」
「わ、わかった...ジー...ク...」
彼はえへへ～と嬉しそうな声色で笑う。
かわいい...
「それはそうと、聖女になる？ならない？」
「え...？」
(選択できるんだ...)
「真剣な話をすると、」
急に、ジークは真剣な顔つきになる。
「今、この世界には聖女は一人もいないんだ。だから、騎士や貴族たちが毎日魔物を狩っている。だから彼らの休む暇がなくてね。」
「そうなんだ...」
思っていたよりも大変な状況のようだ。
どうしたものか...
「だから、できることならフェリーズ、君に聖女になってほしい。どうかな？」
(どうかな、と言われても...)
「うーん、聖女がいないことの重大さが分からないし、見に行ってみないとなんとも...」
すると、ジークは何かを思いついたように手をたたいた。
「わかった、じゃあ今度行ってみようか！」
「え...いいの？迷惑にならない？」
「大丈夫大丈夫！もしものときはフェリーズに守ってもらうから！！」
「ええ...」
(大丈夫かな...心配...かも...)