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侵入者
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Side メアリー
「で、結局?二人はどういう関係なのよ」
「俺様はお前の名前なんて知らないから自己紹介願いたいんだが…」
「普通、そういうのって自分から名乗るものじゃないかしら?」
「レイド・バトラーだよ。どうせ知ってるんだろ、お前」
「知っていてもそれが正しいかは分からないわ。クレア・マイラーよ」
二人、何か仲悪いな。あんまり一緒にいないほうが良さそう。確かに昨日の出会いとか噂とか、いろいろ最悪だし納得できるけど。本当はそこまで悪い人じゃないって分かってほしい気持ちもあるけど…。でもフォローはしない。
「別に何も関係ねぇよ。ただいろいろあって俺様の容姿を変えようってなってこうなっただけ」
「そうそう。よく分かんないけどそういうこと」
「ふーん。何ら特別なことはないと…まあ、今はそういうことにしときますかね」
意外とクレアはすんなりと引いてくれた。他の面々も黙ってはいるが何も言うことはないらしい。ていうか私がフェリア様好きなの知ってるから疑うとか無いはずなのに…単純にからかってやがる。
「でも、レイドがそんな髪型とか変えるとはな。なんか不良感増したぞ」
「は…?」
「何でそんな髪型にしてるんだよ」
……言えないよな。そんな感想言われた後だと。いや、私もちょっと思ったよ。なんかこう、ヤンキー感でたなって。不真面目度増したなって。いやでも言えないじゃん?仕方ないじゃん?後に引けなかったんだよね。髪型変えようって言ったものの良い髪型も思いつかずデコ出しにしとけ、と安直な考えでその髪型にしたんでね。あのね、適当に褒めてたら明日もそれにしようって言っちゃったんだよね。あはは…
「ほら、若干親しみやすさが出たことないか?」
黙り込み、レイは後ろの三人と目を合わせたあと、こちらを向き一言。
「まあ、そういう時もあるよな」
にこり、その笑顔はとても清々しいものだった。みるみる表情が恐ろしくなるレイド…
「おい!メアリー!」
「はは!そういう日もあるよね!!」
「はい、お前もう協力しねぇぞ!クソが!なにが悲しくてこんなイメチェンしなきゃならねぇんだ!恥ずいだろうが!今まで何も髪の毛いじってこなかったやつが急に変えたら、恥ずいだろうが!!」
「し、しらないわよ!今日一日は責任持って一緒にいてあげるわよ!」
「いらねーーよ!!何考えてるんだ!!まじぶっ飛ばすぞ!!」
レイドに本格的に怒られそうになった時にチャイムがなった。しかし、そのチャイムは普段とは違うものだった。
「緊急事態時のものね」
フェリア様の表情が固くなる。その言葉通りアナウンスが流れ、侵入者が数人この学校にいると言った。
「でも、おそらく実践力を測るためで、侵入者って言っても実際には学校側が雇った人だろうな。じゃあ俺は北行くから」
「ここで俺様の素晴らしい活躍を見せる時だと?ふーむ。じゃあ東棟でも行くとするか」
「本当の侵入者の場合もあるから、みんな油断は禁物だよ?じゃあボクは西棟かな」
「そうね…私は南棟に見に行くわ」
それぞれの方向に駆けていく四人。周囲の人々も思い思いの方向にそれぞれ走っていく。残されたのはフェリア様と私。
「平民、貴方はどうするの?」
「えーと…、とりあえず連絡通路を渡り中央の棟に行き、侵入者を見つけようと考えています」
「まあ、平民なりにいい考えじゃない?でも緊急事態時の反応の仕方って暴徒を迎え入れる、なんてマニュアルじゃないわよね。ついてきなさい」
流石に止まって話し合うには時間がないためか、走りながら話す。
「…安全地帯に逃げる?」
「そうよ。この学校には緊急事態時用の安全地帯、魔法で作られた絶対要塞と呼ばれる生徒と先生のみ入ることができる魔法棟があるのよね」
「…それって中央の棟じゃないですか?確かアナウンスとともに魔法がかけられるっていう」
「これがもし学校側の仕掛けたものだとしたら、マニュアル通り生徒が確実に集まる中央の棟に侵入者を仕掛けると思うわ」
「でも、私のような平民って戦う、なんて考えなんて浮かばないんですよ。だから集まるのは非戦闘的な人達じゃないですか?」
実際本当の緊急事態だと思ったし、その上戦うなんて思いもしなかった。マニュアル通りに過ごそうと思っていた。
「まあ、何人も雇った暴徒の中には誰でもいいから戦いたい、と思う人が一人紛れていても不自然じゃないわ。それより」
中央の棟にもうつくので、ペースダウンして歩き、息を整えるフェリア様。
「わたくし、中等部の頃からこの訓練の侵入者の位置、外したこと無いわよ?」
自慢気な笑みを浮かべ、目の前に見える一人の男に目を向けるフェリア様。その目は正に捕食者の目をしていた。
「で、結局?二人はどういう関係なのよ」
「俺様はお前の名前なんて知らないから自己紹介願いたいんだが…」
「普通、そういうのって自分から名乗るものじゃないかしら?」
「レイド・バトラーだよ。どうせ知ってるんだろ、お前」
「知っていてもそれが正しいかは分からないわ。クレア・マイラーよ」
二人、何か仲悪いな。あんまり一緒にいないほうが良さそう。確かに昨日の出会いとか噂とか、いろいろ最悪だし納得できるけど。本当はそこまで悪い人じゃないって分かってほしい気持ちもあるけど…。でもフォローはしない。
「別に何も関係ねぇよ。ただいろいろあって俺様の容姿を変えようってなってこうなっただけ」
「そうそう。よく分かんないけどそういうこと」
「ふーん。何ら特別なことはないと…まあ、今はそういうことにしときますかね」
意外とクレアはすんなりと引いてくれた。他の面々も黙ってはいるが何も言うことはないらしい。ていうか私がフェリア様好きなの知ってるから疑うとか無いはずなのに…単純にからかってやがる。
「でも、レイドがそんな髪型とか変えるとはな。なんか不良感増したぞ」
「は…?」
「何でそんな髪型にしてるんだよ」
……言えないよな。そんな感想言われた後だと。いや、私もちょっと思ったよ。なんかこう、ヤンキー感でたなって。不真面目度増したなって。いやでも言えないじゃん?仕方ないじゃん?後に引けなかったんだよね。髪型変えようって言ったものの良い髪型も思いつかずデコ出しにしとけ、と安直な考えでその髪型にしたんでね。あのね、適当に褒めてたら明日もそれにしようって言っちゃったんだよね。あはは…
「ほら、若干親しみやすさが出たことないか?」
黙り込み、レイは後ろの三人と目を合わせたあと、こちらを向き一言。
「まあ、そういう時もあるよな」
にこり、その笑顔はとても清々しいものだった。みるみる表情が恐ろしくなるレイド…
「おい!メアリー!」
「はは!そういう日もあるよね!!」
「はい、お前もう協力しねぇぞ!クソが!なにが悲しくてこんなイメチェンしなきゃならねぇんだ!恥ずいだろうが!今まで何も髪の毛いじってこなかったやつが急に変えたら、恥ずいだろうが!!」
「し、しらないわよ!今日一日は責任持って一緒にいてあげるわよ!」
「いらねーーよ!!何考えてるんだ!!まじぶっ飛ばすぞ!!」
レイドに本格的に怒られそうになった時にチャイムがなった。しかし、そのチャイムは普段とは違うものだった。
「緊急事態時のものね」
フェリア様の表情が固くなる。その言葉通りアナウンスが流れ、侵入者が数人この学校にいると言った。
「でも、おそらく実践力を測るためで、侵入者って言っても実際には学校側が雇った人だろうな。じゃあ俺は北行くから」
「ここで俺様の素晴らしい活躍を見せる時だと?ふーむ。じゃあ東棟でも行くとするか」
「本当の侵入者の場合もあるから、みんな油断は禁物だよ?じゃあボクは西棟かな」
「そうね…私は南棟に見に行くわ」
それぞれの方向に駆けていく四人。周囲の人々も思い思いの方向にそれぞれ走っていく。残されたのはフェリア様と私。
「平民、貴方はどうするの?」
「えーと…、とりあえず連絡通路を渡り中央の棟に行き、侵入者を見つけようと考えています」
「まあ、平民なりにいい考えじゃない?でも緊急事態時の反応の仕方って暴徒を迎え入れる、なんてマニュアルじゃないわよね。ついてきなさい」
流石に止まって話し合うには時間がないためか、走りながら話す。
「…安全地帯に逃げる?」
「そうよ。この学校には緊急事態時用の安全地帯、魔法で作られた絶対要塞と呼ばれる生徒と先生のみ入ることができる魔法棟があるのよね」
「…それって中央の棟じゃないですか?確かアナウンスとともに魔法がかけられるっていう」
「これがもし学校側の仕掛けたものだとしたら、マニュアル通り生徒が確実に集まる中央の棟に侵入者を仕掛けると思うわ」
「でも、私のような平民って戦う、なんて考えなんて浮かばないんですよ。だから集まるのは非戦闘的な人達じゃないですか?」
実際本当の緊急事態だと思ったし、その上戦うなんて思いもしなかった。マニュアル通りに過ごそうと思っていた。
「まあ、何人も雇った暴徒の中には誰でもいいから戦いたい、と思う人が一人紛れていても不自然じゃないわ。それより」
中央の棟にもうつくので、ペースダウンして歩き、息を整えるフェリア様。
「わたくし、中等部の頃からこの訓練の侵入者の位置、外したこと無いわよ?」
自慢気な笑みを浮かべ、目の前に見える一人の男に目を向けるフェリア様。その目は正に捕食者の目をしていた。
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