あぁ、そうですか。

ぷゆぷゆ

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あぁ、攻略対象2ですか

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殿下が急に訪れてから、1ヶ月ほど時がすぎた。


お父様から国王陛下へ、婚約者候補の辞退の申し出をしてもらい、私は無事に自由の身となった。





のんびりとお母様とティータイムをしたり

昼寝をしたり

外へ散歩に出かけたり

お父様が帰ってきたら一緒にディナーをしたり


この1ヶ月はとても怠惰な生活を送っていた。




あぁ、このまま一生をすごせたらいいのに…と本気で思った。








そんな、ある日。

お父様が仕事から帰ってきたので、いつも通りお母様と一緒にお出迎えに行くと

お父様の隣に、私と同い年くらいの男の子がいた。



黒髪は光の加減で緑にも見え、特徴的なエメラルドグリーンの瞳。美しいお父様の隣にいても負けを取らないほど整った顔立ち。





…あぁ、攻略対象2ですか





義理の弟、クロヴィス・ルメール。

弟といっても2ヶ月ほど先にシャルロットが生まれただけで、年は同じ。
頭脳明晰で天才といわれ、将来は宰相になる男。
お父様の遠い親戚の私生児として生まれたクロヴィスは、厄介者として酷い扱いをされていたところ、公爵家に引き取られたのだ。


ゲームのストーリーだと、シャルロットが殿下の正式な婚約者となった後、公爵家の跡取りとしてお父様がクロヴィスを連れてきたはず。

シャルロットはクロヴィスを家族とは認めず、ひたすらクロヴィスを虐めていた。6歳のクロヴィスはシャルロットの虐めに精神的に追い詰められ、人間不審になる。それをヒロインが包み込むような優しさでクロヴィスの凍りついた心を溶かす、という話だ。

クロヴィスルートだと、シャルロットは散々虐めた復讐としてクロヴィスに刺されて死ぬ、もしくは家の地下牢屋に一生閉じ込められる。




目の前にいるクロヴィスは、まだ6歳だけど…私にとっては恐怖でしかない。







「今日からシャルの弟になるクロヴィスだよ」

お父様はクロヴィスの背中を優しく押して、私に挨拶するように促した。



「はじめまして、シャルロット様。クロヴィスと申します」

6歳とは思えないほど完璧な貴族の礼をとったクロヴィス。その顔は微笑んでいるのに、仮面をつけているようで気味が悪い。




関わるのは危険だと、私の野生の勘がいっている






「お母様…」


隣にいたお母様の後ろに隠れ、ぎゅーっと背中に抱きつく。お母様は挨拶を無視した私を咎めることなく、優しく頭を撫でた。




「クロヴィス、ごめんなさいね。シャルは記憶をなくしてから怖がりになってしまって。シャルが慣れるまで待ってあげてくれるかしら?」


「もちろんです、夫人。」


「あら、家族になるのだからお母様と呼んでいいのよ」


「私のこともお父様でいいからね」


「…お父様、お母様、これからよろしくお願いいたします」




ゲームの通り虐めるなんてことはしないけど、かといってクロヴィスと仲良くするのも難しいな。同じ家にいるってだけだから極力関わらないようにすればいいだろう。






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