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あぁ、いつも通り
しおりを挟むランベール殿下、クロヴィス、マリー様が同じクラス。
そして、私とラルフ、リリアン様が同じクラスになった。
クラスが発表された時のクロヴィスとリリアン様の顔が忘れられない。
クロヴィスはマリー様と同じことに苛立ち、リリアン様はランベール殿下と離れたことに苛立っていた。…2人の後ろに般若が見えたよ。
入学してから1ヶ月ほど経ったけど、マリー様は順調にランベール殿下と親しくなっている様子。
だけど、クロヴィスやイングリス様はマリー様に対して不快感を露わにしていて、順調に攻略が進んでいるわけではなさそう。
…ゲームのストーリーを知らないので、今どのくらい順調に進んで、どのルートに入ったのか分からない。この1ヶ月は関わらないようにと努めた。
「ん~!やっぱり私はこっちの方が性に合っているわ」
休憩室で大きく背伸びをして、凝り固まった肩を回した。学園では令嬢としてそれなりに気をつかっているので、自由な平民の生活がたまらない。
今日は休日のためusualに出勤している。休日の度に店で接客することは難しいけど、2週間に1日は店頭に立ってお客さんと関わるようにしている。
オープンして1ヶ月たったけど順調にお客さんが増え続けていて、想定していたより利益が出ている。
「シャルロット様に接客して欲しいお客様の列ができてます~」
「まぁ、ありがたいわね」
店の大型ポスターと公爵令嬢という肩書きのおかげで、私目当てに店に来てくれる人も多い。
急いで店頭に向かうと20人ほど並んでいた。お客様の接客をしつつ、もっとこうだったらいいのに…みたいな貴重な意見にも耳を傾けた。
店は順調、問題は…
「量産が間に合わないわね…」
頭を抱える。
店の奥で常に5人が服を量産してくれているんだけど、今の状態でギリギリ。これから更にお客様が増えることを考えると、人も機材も足りていない。
…外注を考えているんだけど、品質は下げたくない。仕立て業者との繋がりはもちろんない。
「ということなの!」
「それで俺に相談?」
「そう!誰かいい人知らない?」
学園でラルフに相談を持ちかけた。ラルフは苦笑いをしつつも、何人か仕立て業者を上げてくれた。
「3番目の業者は…候補から外してもいいかもな」
「なんで?」
「ここのおじさんが頑固で店自体が潰れてしまいそうなんだよ」
「…それ詳しく!」
ラルフ曰く、店は今にも潰れそうな状況。そうなったのは安価で大量に仕立てる業者が多いなか、品質にこだわり他社と比べて高価で仕事を引き受けるから。
平民が着る服に品質までこだわる必要がないと、安価な他社に仕事が行くみたいだ。
「ここにするわ!」
「…まじか」
ラルフは頭を抱えつつも、私と一緒に3番目の業者へ訪れてくれることになった。持つべきものは友ね!
私が嬉しくてニマニマと微笑んでいると、一緒に昼食をするためクロヴィスがやってきたので、私の喜びを報告した。すると、クロヴィスは少し怒った様子で
「私がいない時にそんな大切な話を進めないでください!私も一緒に行きますから!」
と両肩に手を置かれ、強く言われてしまった。
私が大人しく頷くと、クロヴィスは溜息を吐いて肩を解放してくれた。
…クロヴィスは日に日に心配症が増している気がする
「あっ、これ次の企画書」
いつも通りラルフに企画書を渡すと、ラルフは企画書を持って瞬きを繰り返している。
「店がオープンしたから資金はいらないんじゃ…」
「資金は必要なくなったけど、欲しい便利な道具はたくさんあるもの…あれ、もう引き受けてくれないの?」
当たり前のように企画書を渡したけど、もしかして店がオープンしたら引き受けてくれなくなったの!?
そんな風に考えていなかったので、思わず顔を青ざめた。
ラルフは私の店が忙しいから商品開発からは手を引くのだと思っていたらしい。慌てて私に利益がなくてもいいから道具を作ってとお願いすると、軽く額にデコピンをされた。
「利益も今まで通りにきまってんだろ!」
根っから商人のラルフは、商人にとって1番大事なのは信用とよく言っている。そんなスチュアート商会だからこそ仕事を任せられるんだよね。
そんなラルフは今では、私が企画した商品開発の7割近くを責任者として動いてくれている。最近ではサイモン様は、ラルフの判断に全て任せているみたいだ。
8年前に出会った時には想像していなかった未来。自らで掴みとった未来。
「いつも通りよろしくね!」
ラルフとの出会いは、私の未来を大きく変えた。
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