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攻略対象4.5
しおりを挟む問題を解決すれば、また新たな問題に突き当たる。
目の前に積まれた本の山を見て、現実逃避のため窓の外を見た。
いい天気だわ、ショッピングに出かけたいな
最近バタバタしてたからカフェでゆっくり過ごすのもいいわね
能天気に考えていると、目の前に怒った表情のクロヴィスの顔が現れた。鼻と鼻がぶつかってしまいそうな近い距離。思わず短い悲鳴をあげてしまった。
「姉さん、図書室では静かにですよ?」
「は、はい」
クロヴィスの額に怒りマークが見える。笑っているのに、目が笑っていないわ!!
「真面目にテスト勉強をしているラルフを見習ってください」
「はい…すみません…」
「姉さんが勉強を教えて欲しいと頼んできたんですよ?忘れてしまいましたか?」
「忘れていません…ごめんなさい」
逃げたしたい気持ちを抑えて、山積みになっている教科書を手にとった。
入学して初めてのテストが来週にあるんだけど、つい店のことや、商品開発のことを考えていたら…当然のように授業についていけなくなってしまった。
だって、授業が面白くない!!
マナーから始まり、数学、歴史、音楽、芸術、女性は刺繍を学ぶ。刺繍の代わりに男性は剣術の授業があるんだけど、私はそっちに混ざりたくて仕方がない。
唯一、まともに聞いている授業は外交と他国語くらい。
「クロヴィス…間に合う気がしない」
「姉さん、留年は恥ずかしいから頑張ろうね」
「ウン、ガンバル」
留年さえしなければいいんだ、赤点をギリとらなければいい。
そう意気込んだものの、数学の問いを解き始めて1問目でペンが止まった。
「…クロヴィス、ここ分からない」
「ここはね、この公式を使って~」
丁寧に説明をしてくれるんだけど理解ができない。前世でも数学は苦手だったんだよね…
「ごめん、もう1回説明してもらってもいい?」
「わかりにくかったね。この数値を求めるためにね「数1か、懐かしいなぁ」
え?
急に割り込んできた声の方向を見ると、生徒会のメンバーである攻略対象4の伯爵家の先輩、ロジェ・アニエルが教科書を覗き込んでいた。アニエル様は3年生、生徒会長。銀色にピンクが混ざった髪、紫の眼をしている。可愛らしい顔立ちで中性的な雰囲気の人。
そして、アニエル様の後ろから攻略対象5の伯爵家の先輩、ダニエル・カスティーユも近寄ってきた。カスティーユ様は2年生で生徒会メンバーの1人。だけど、所謂軽い性格で女性関係にだらしがないと聞いている。赤髪で茶色の眼をしている。
…というか、なんで生徒会のメンバーが図書室にいるのよ!?
生徒会は生徒会室でみんなで勉強するってクロヴィスが言っていたのに!ここならランベール殿下も、コレット様もリリアン様も来ないと思って安心していたのに…
「会長とダニエル様、どうされたのですか?」
「クロヴィス君が図書室で勉強会するって言っていたから、よかったら生徒会室で勉強しないか誘いにきたんだ」
「前にも申し上げたとおり、2人に勉強を教えているので行くことはできません」
「うん、シャルロット様とスチュアート君も一緒にどうかな?」
…一緒にどうかな?
私の聞き間違いかしら…
いや、聞き間違いで会って欲しいわ。
なんで!
生徒会のメンバーでもないのに!
生徒会室で勉強しないといけないのよ!!
ランベール殿下!
コレット様!
リリアン様!
がいると考えただけでおぞましいわ!
「2人は生徒会ではないので入室はできないかと」
「生徒会室は入れないけど、生徒会が所有している資料室は入室してもいいんだよ~」
「特別扱いはよくないかと」
「ランベール殿下が3人も呼ぼうって言ってくださったんだぁ」
…クロヴィスゥゥゥ!!
負けないで、頑張って断って!
心の中で応援していたけど、クロヴィスが困った表情(周りから見ると無表情)で私を見てきた。
「私とラルフは家に帰って勉強するから、クロヴィスは気にしないで行ってらっしゃい」
うふふ、と微笑みクロヴィスを差し出した。
“姉さん!?”と耳打ちをしてきたクロヴィスには申し訳ないけど、犠牲になってもらうわ。
「シャルロット様とラルフ様も招待するように言われてるから、ね?」
カスティーユ様がそう言ってきた。
「いや、私たちは家で…「言われてるからね?」
「家に帰り…「ね?」
「喜んで…」
「うん、そう言ってくれると思ったよ」
断るごとに近寄られ、有無を言わさない空気を醸し出されたら頷くことしかできなかった。
隣でラルフが俺を巻き込むなと言いたそうにしているげど、視線を合わさないで気づかないふりをした。
あの面子で勉強なんてできるわけないじゃない、気まずすぎて勉強どころじゃないわよ…
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