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プラスアルファ7.8
ギリザリス地下神殿8
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イクスラースの短杖の魔法石が、バリンという音を立てて砕ける。
杖を使わずとも充分な威力の魔法を使えるイクスラースが短杖を持っていたのはあくまで念の為である。
持っていた短杖も「とりあえず」程度のものであり、イクスラースの魔法に耐え切れなかったのだ。
「ふぅー……」
使い物にならなくなった短杖を腰に戻すと、イクスラースは深く息を吐く。
連続での大魔法の使用に加え、最後に使った闇葬による消耗が予想以上に大きい。
こうなると分かっていればもっと良い杖を用意してきていたのだが、今更だろう。
そもそも、あんな化け物が出るということ自体が予想外に過ぎるのだ。
「……ねえ。アレも、ステータス確認したんでしょ?」
「ああ。魔人の変異体だそうだ」
「変異体……?」
聞き覚えの無い言葉に、イクスラースは首を傾げる。
「変異……ねえ。言われると納得する部分はあるけれども。他の連中はどうだったの?」
「異常体というのが多かったな。普通の者もいたが……それでも、表面的にはどれも同じに見え……いや。異常体とあったものは、身体の一部が妙になっていたか」
そう、例えば巨大な赤い目をもったゴブリン。
あれは異常体だったはずだ。
「ふーん。つまり、あの妙な連中は正常な進化の過程にないってことね」
正常な進化。
一部の魔族は、それをすることがある。
たとえば魔獣。
通常の獣型のモンスター、あるいはビスティアなどからコレに進化する場合がある。
魔操鎧も魔鎧騎士、そして魔鎧将といった進化を辿る。
これに加え、通常の進化の過程を外れた亜種が存在することもある。
たとえばイクスラースの四騎士などは亜種であるが……「異常」や「変異」である以上、それでもないのは明らかだ。
「……でも、それ以前におかしいところがあるわ」
「あのギリザリスの言動だな」
「そうよ」
イクスラースは頷き、先程のギリザリスの発言を思い返す。
緑色のお嬢さん。
メイドナイト。
この二つが合致するのは、暗黒大陸広しといえどもニノくらいのものだろう。
そう、あのギリザリスは目の前のサンクリード達ではなく「此処にはいないニノ」と会話をしていた。
しかも恐らく最後の反応は、「斬られた」か何かの反応だろう。
そんなものをわざわざ仕込む意味は何処にあるのか。
「……殺されそうになった恐怖で狂っていたってことかしら」
「生きていたなら、な」
そう、ギリザリスが生きていたならば、その理屈は成り立つだろう。
しかし……ギリザリスは、死んでいるはずなのだ。
「魔人ギリザリスはもう大分前に、ニノが殺している。その配下……このギリザリス地下神殿に集っていたビスティアやゴブリンと共に……な」
「殺した……確かなの?」
「微塵に斬って生きていたというならば、そういうこともあるかもしれん。アメイヴァの魔人であれば、それでも生きていたかもしれんしな」
その言葉に、イクスラースは考える。
ちらりとサンクリードを見ると、納得いかないと顔に書いてある。
そんな顔をするくらいなら言わなければいいのにとも思うのだが、全ての可能性を一つずつ潰していかなければ真実になど辿りつかない。
恐らくは、否定する役をイクスラースに投げているのだろう。
ふうと小さく溜息をついて、イクスラースは口を開く。
「有り得ないわ。そんなものを、あのニノが見逃すとも思えない。それに、アイメイヴァは……すんごいバカなのよ? 万が一塵にも近い状態から再生したとしても、トラウマごとスッポリ忘却してるわ」
「そうか。だとすると、以前此処に居たギリザリスは替え玉だったという線はどうだ」
「それが現実的にも思えるけど、狂っていた事と変異についての説明がつかなくなるわ」
そう、ギリザリス個人でどうにか出来る範囲を超えている。
つまり……ギリザリス以外の何かが関わっていなければ、この事態は引き起こせない。
そして、そもそもの部分が問題だ。
「ギリザリスが確実に死んでいたと仮定しよう。だが……そうすると、奴は何故此処に居る? 偽物でもなんでもない、本物が……だ」
そう、そこだ。
そこが問題なのだ。
たとえばオウガは三つの命を持っていると言われる。
しかしこれはオウガの生命力が並外れて強いから言われているだけであり、殺せば普通に死ぬ。
そして……命を呼び戻す魔法は無い。
死は逃れ得ぬものであり、無かったことにできるものでもない。
魂はそれを持つ者が死ねば命の種となり、次の命へと繋がっていく。
それが世界の定めだ。
つまり……一度死んだギリザリスが「復活」しているというのは、有り得ない出来事なのだ。
ならば偽物であるというのが常識なのだが、ステータス確認魔法で確認したことは真実だ。
無論「同じ名前の別人」だとか、理由をつけようと思えば幾らでもつけられるのだろうが……恐らく、そうではない。
「分からないわ」
イクスラースはそう言うと、あっさりとループする思考を放棄する。
そう、分からないということしか今は分からない。
だが、それでも「事実」はある。
「理由は分からないけど、死んだはずの本人と思われる者が存在している。ただし、確認された範囲内では生前の知性は無し。明らかに異常な状態であると確認できる……と。こんなところかしらね」
「……そうだな」
サンクリードはそう言うと、部屋の隅にキラリと光るものを確認する。
積まれた財宝とは別の場所にあるソレに近づいていくと……そこには、一本の杖が転がっているのが分かる。
「なにそれ、儀礼用の杖?」
サンクリードの行動に興味をもったのか、ついてきたイクスラースがサンクリードの後ろからヒョイと覗き込む。
……そう、それは確かに杖だ。
この部屋に積まれたのと同様に黄金で作った豪奢なものだが、先端についているのは高品質の魔法石であり……それが魔法使い用の杖であることを示している。
もっとも、黄金の魔力との親和性はそれほど高いというわけでもないので、イクスラースが儀礼用と言ったのも仕方の無いところではある。
「……恐らくだが、ギリザリスのものだろうな」
その黄金の杖には、大量の血の跡のようなものが残っているが……その中に、恐らくはギリザリスのものであろう手形も僅かながら残っているのが見てとれる。
ニノに斬られた後、杖がここまで転がってきたというところだろうか。
「ふーん。趣味悪い杖ね」
「そうだな」
そう、趣味の悪い杖……ただそれだけだ。
すぐに杖から興味を無くし、サンクリードは他にも何か無いかを探し始める。
しかし、ギリザリスの変異に繋がりそうなものは無い。
山と積まれた財宝も、何の魔力も持っていないものばかりだ。
こんなもので変異を引き起こすことなどは不可能だろう。
他を調べてみても、非常用の隠し出口程度しか見当たらない。
「何も無い、わね」
「ああ」
そう、何も無い。
変異したギリザリスや異常なゴブリン達の居なくなったギリザリス地下神殿はもう、ただの古びた廃ダンジョンに過ぎない。
これ以上此処を探索しても、何も見つかりはしないだろう。
「どう報告するの、これ?」
「ありのまま報告するしか、ないだろうな」
地下都市計画。
新たなザダーク王国の方向性を決める為の計画の最初に、こんな問題が見つかるなどとは誰が予想しただろうか。
それも、単純に「問題」と呼ぶには大きく……そして不可解だ。
「……ねえ」
「なんだ」
来た道を戻りながら、イクスラースは呟く。
「ひょっとしたら……これも、命の神の仕業なのかしら」
「……さあ、な」
今は、そう答えるしかない。
そうであるかもしれないし、そうでないかもしれない。
証拠など、何処にもないのだから。
「もし、そうなら……私は……」
イクスラースの呟きに、サンクリードは答えない。
カツン、カツンと。
コツン、コツンと。
ただ二つの足音だけが、ギリザリス地下神殿に響いていた。
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ギリザリス地下神殿編は、ここで終了です。
杖を使わずとも充分な威力の魔法を使えるイクスラースが短杖を持っていたのはあくまで念の為である。
持っていた短杖も「とりあえず」程度のものであり、イクスラースの魔法に耐え切れなかったのだ。
「ふぅー……」
使い物にならなくなった短杖を腰に戻すと、イクスラースは深く息を吐く。
連続での大魔法の使用に加え、最後に使った闇葬による消耗が予想以上に大きい。
こうなると分かっていればもっと良い杖を用意してきていたのだが、今更だろう。
そもそも、あんな化け物が出るということ自体が予想外に過ぎるのだ。
「……ねえ。アレも、ステータス確認したんでしょ?」
「ああ。魔人の変異体だそうだ」
「変異体……?」
聞き覚えの無い言葉に、イクスラースは首を傾げる。
「変異……ねえ。言われると納得する部分はあるけれども。他の連中はどうだったの?」
「異常体というのが多かったな。普通の者もいたが……それでも、表面的にはどれも同じに見え……いや。異常体とあったものは、身体の一部が妙になっていたか」
そう、例えば巨大な赤い目をもったゴブリン。
あれは異常体だったはずだ。
「ふーん。つまり、あの妙な連中は正常な進化の過程にないってことね」
正常な進化。
一部の魔族は、それをすることがある。
たとえば魔獣。
通常の獣型のモンスター、あるいはビスティアなどからコレに進化する場合がある。
魔操鎧も魔鎧騎士、そして魔鎧将といった進化を辿る。
これに加え、通常の進化の過程を外れた亜種が存在することもある。
たとえばイクスラースの四騎士などは亜種であるが……「異常」や「変異」である以上、それでもないのは明らかだ。
「……でも、それ以前におかしいところがあるわ」
「あのギリザリスの言動だな」
「そうよ」
イクスラースは頷き、先程のギリザリスの発言を思い返す。
緑色のお嬢さん。
メイドナイト。
この二つが合致するのは、暗黒大陸広しといえどもニノくらいのものだろう。
そう、あのギリザリスは目の前のサンクリード達ではなく「此処にはいないニノ」と会話をしていた。
しかも恐らく最後の反応は、「斬られた」か何かの反応だろう。
そんなものをわざわざ仕込む意味は何処にあるのか。
「……殺されそうになった恐怖で狂っていたってことかしら」
「生きていたなら、な」
そう、ギリザリスが生きていたならば、その理屈は成り立つだろう。
しかし……ギリザリスは、死んでいるはずなのだ。
「魔人ギリザリスはもう大分前に、ニノが殺している。その配下……このギリザリス地下神殿に集っていたビスティアやゴブリンと共に……な」
「殺した……確かなの?」
「微塵に斬って生きていたというならば、そういうこともあるかもしれん。アメイヴァの魔人であれば、それでも生きていたかもしれんしな」
その言葉に、イクスラースは考える。
ちらりとサンクリードを見ると、納得いかないと顔に書いてある。
そんな顔をするくらいなら言わなければいいのにとも思うのだが、全ての可能性を一つずつ潰していかなければ真実になど辿りつかない。
恐らくは、否定する役をイクスラースに投げているのだろう。
ふうと小さく溜息をついて、イクスラースは口を開く。
「有り得ないわ。そんなものを、あのニノが見逃すとも思えない。それに、アイメイヴァは……すんごいバカなのよ? 万が一塵にも近い状態から再生したとしても、トラウマごとスッポリ忘却してるわ」
「そうか。だとすると、以前此処に居たギリザリスは替え玉だったという線はどうだ」
「それが現実的にも思えるけど、狂っていた事と変異についての説明がつかなくなるわ」
そう、ギリザリス個人でどうにか出来る範囲を超えている。
つまり……ギリザリス以外の何かが関わっていなければ、この事態は引き起こせない。
そして、そもそもの部分が問題だ。
「ギリザリスが確実に死んでいたと仮定しよう。だが……そうすると、奴は何故此処に居る? 偽物でもなんでもない、本物が……だ」
そう、そこだ。
そこが問題なのだ。
たとえばオウガは三つの命を持っていると言われる。
しかしこれはオウガの生命力が並外れて強いから言われているだけであり、殺せば普通に死ぬ。
そして……命を呼び戻す魔法は無い。
死は逃れ得ぬものであり、無かったことにできるものでもない。
魂はそれを持つ者が死ねば命の種となり、次の命へと繋がっていく。
それが世界の定めだ。
つまり……一度死んだギリザリスが「復活」しているというのは、有り得ない出来事なのだ。
ならば偽物であるというのが常識なのだが、ステータス確認魔法で確認したことは真実だ。
無論「同じ名前の別人」だとか、理由をつけようと思えば幾らでもつけられるのだろうが……恐らく、そうではない。
「分からないわ」
イクスラースはそう言うと、あっさりとループする思考を放棄する。
そう、分からないということしか今は分からない。
だが、それでも「事実」はある。
「理由は分からないけど、死んだはずの本人と思われる者が存在している。ただし、確認された範囲内では生前の知性は無し。明らかに異常な状態であると確認できる……と。こんなところかしらね」
「……そうだな」
サンクリードはそう言うと、部屋の隅にキラリと光るものを確認する。
積まれた財宝とは別の場所にあるソレに近づいていくと……そこには、一本の杖が転がっているのが分かる。
「なにそれ、儀礼用の杖?」
サンクリードの行動に興味をもったのか、ついてきたイクスラースがサンクリードの後ろからヒョイと覗き込む。
……そう、それは確かに杖だ。
この部屋に積まれたのと同様に黄金で作った豪奢なものだが、先端についているのは高品質の魔法石であり……それが魔法使い用の杖であることを示している。
もっとも、黄金の魔力との親和性はそれほど高いというわけでもないので、イクスラースが儀礼用と言ったのも仕方の無いところではある。
「……恐らくだが、ギリザリスのものだろうな」
その黄金の杖には、大量の血の跡のようなものが残っているが……その中に、恐らくはギリザリスのものであろう手形も僅かながら残っているのが見てとれる。
ニノに斬られた後、杖がここまで転がってきたというところだろうか。
「ふーん。趣味悪い杖ね」
「そうだな」
そう、趣味の悪い杖……ただそれだけだ。
すぐに杖から興味を無くし、サンクリードは他にも何か無いかを探し始める。
しかし、ギリザリスの変異に繋がりそうなものは無い。
山と積まれた財宝も、何の魔力も持っていないものばかりだ。
こんなもので変異を引き起こすことなどは不可能だろう。
他を調べてみても、非常用の隠し出口程度しか見当たらない。
「何も無い、わね」
「ああ」
そう、何も無い。
変異したギリザリスや異常なゴブリン達の居なくなったギリザリス地下神殿はもう、ただの古びた廃ダンジョンに過ぎない。
これ以上此処を探索しても、何も見つかりはしないだろう。
「どう報告するの、これ?」
「ありのまま報告するしか、ないだろうな」
地下都市計画。
新たなザダーク王国の方向性を決める為の計画の最初に、こんな問題が見つかるなどとは誰が予想しただろうか。
それも、単純に「問題」と呼ぶには大きく……そして不可解だ。
「……ねえ」
「なんだ」
来た道を戻りながら、イクスラースは呟く。
「ひょっとしたら……これも、命の神の仕業なのかしら」
「……さあ、な」
今は、そう答えるしかない。
そうであるかもしれないし、そうでないかもしれない。
証拠など、何処にもないのだから。
「もし、そうなら……私は……」
イクスラースの呟きに、サンクリードは答えない。
カツン、カツンと。
コツン、コツンと。
ただ二つの足音だけが、ギリザリス地下神殿に響いていた。
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ギリザリス地下神殿編は、ここで終了です。
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