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【02】 地獄行きの切符
*017* 偽善者の仮面
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自分が味わった屈辱以上の恥辱を味わわせなければ、気が済まない。
「充分に理解しております。…貴方様の……好きに…なさってください。」
身体を仰け反らせたまま、苦しい体勢なはずなのに、随分と従順さを含ませた事を言う。
酷くしてやろうと思っていた大河の気持ちに、ほんの少しだけ、手心が加わる。
しかし、いざ、従順な様子を見せられると、それはそれで面白くない、大河だった。
小袖の一挙手一投足は、普段は流せる様々な事の全てが気に障る。
普段のペースを乱されている大河は、更に不機嫌になっていった。
「その偽善者の仮面は、何時まで続くんだ?」
鷲掴みにしていた髪を放し、強い視線で、小袖を睨みつける。
「…どういう……意味でしょうか…?」
小袖は、茫然と大河を見上げたまま、質問する。
「お前は、ワールド・セレクションの為に自分自身を擲ってさぞ、自己満足なんだろうな? そんなのは、偽善と言うんだよ!!」
大河は、小袖の気持ちを踏み躙るような言葉を平気で言う。
何時までも続く訳が無いだろう、その自己犠牲の精神を鼻で嘲笑う。
「違います!!」
小袖は、必死に大河の言葉を否定する。
「偽善などではありません!! 私が、副社長に失礼な言動をしなければ…こんな事にはならなかったはずですので…それを…何とかしたくて……。」
「別に、取引先はうちだけでは無いだろう? たまたま、今回の企画が目新しくて、ちょっと大きな取り引きだっただけだ。一社がダメならば、別の手を考える…企業の社長ならば、当然考えているだろう。勿論、お前の会社の社長もな!!」
確かに、仕事をしていれば、今回のようなケースは起こり得る。
社長の山上だって、次の手は考えている可能性がある。
しかし、後輩の尻拭いさえも出来なかった自分の不甲斐無さを何とか誠意でカバーし、再び良好な関係に戻したかったのだ。
「奴隷として、気の済むまで仕えれば…チャンスを頂けるのですよね? 貴方様は、ご自身の言葉に責任を持っていらっしゃる方だと信じております!!」
「それは、お前が遣り遂げられるかどうかだろう? 白紙に戻す条件がある事を忘れていないか?」
大河の言葉は、小袖が、遣り抜く事が出来ないと暗に示唆している。
「私は、貴方様を信じてどんな事でもご納得頂けるまで何時まででも、頑張ります!!」
小袖は、もう一度、強い口調で、大河に告げる。
「あぁ……楽しみにしている…小袖。」
大河は、含みを持たせた口調で、余裕の表情を浮かべ、答えた。
「充分に理解しております。…貴方様の……好きに…なさってください。」
身体を仰け反らせたまま、苦しい体勢なはずなのに、随分と従順さを含ませた事を言う。
酷くしてやろうと思っていた大河の気持ちに、ほんの少しだけ、手心が加わる。
しかし、いざ、従順な様子を見せられると、それはそれで面白くない、大河だった。
小袖の一挙手一投足は、普段は流せる様々な事の全てが気に障る。
普段のペースを乱されている大河は、更に不機嫌になっていった。
「その偽善者の仮面は、何時まで続くんだ?」
鷲掴みにしていた髪を放し、強い視線で、小袖を睨みつける。
「…どういう……意味でしょうか…?」
小袖は、茫然と大河を見上げたまま、質問する。
「お前は、ワールド・セレクションの為に自分自身を擲ってさぞ、自己満足なんだろうな? そんなのは、偽善と言うんだよ!!」
大河は、小袖の気持ちを踏み躙るような言葉を平気で言う。
何時までも続く訳が無いだろう、その自己犠牲の精神を鼻で嘲笑う。
「違います!!」
小袖は、必死に大河の言葉を否定する。
「偽善などではありません!! 私が、副社長に失礼な言動をしなければ…こんな事にはならなかったはずですので…それを…何とかしたくて……。」
「別に、取引先はうちだけでは無いだろう? たまたま、今回の企画が目新しくて、ちょっと大きな取り引きだっただけだ。一社がダメならば、別の手を考える…企業の社長ならば、当然考えているだろう。勿論、お前の会社の社長もな!!」
確かに、仕事をしていれば、今回のようなケースは起こり得る。
社長の山上だって、次の手は考えている可能性がある。
しかし、後輩の尻拭いさえも出来なかった自分の不甲斐無さを何とか誠意でカバーし、再び良好な関係に戻したかったのだ。
「奴隷として、気の済むまで仕えれば…チャンスを頂けるのですよね? 貴方様は、ご自身の言葉に責任を持っていらっしゃる方だと信じております!!」
「それは、お前が遣り遂げられるかどうかだろう? 白紙に戻す条件がある事を忘れていないか?」
大河の言葉は、小袖が、遣り抜く事が出来ないと暗に示唆している。
「私は、貴方様を信じてどんな事でもご納得頂けるまで何時まででも、頑張ります!!」
小袖は、もう一度、強い口調で、大河に告げる。
「あぁ……楽しみにしている…小袖。」
大河は、含みを持たせた口調で、余裕の表情を浮かべ、答えた。
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