10 / 21
10
しおりを挟む
律と井上さんは、私が見ていないところで話して要るようだったが、本田さんと織田くんに打ちのめされていた私は気づくこともなかった。
「……ほんとにできた人だよね、横峯さんって。春ちゃんのこと大事にしてるし。お母さんみたいに世話焼いちゃってさ。どうやって捕まえたの?おいしい料理で胃袋掴んだ感じ?」
「…さぁ、私のどこに惚れてもらったんでしょうね」
「…余裕だなー。まぁ結婚するなら、春ちゃんのことこれからももっと支えてあげてね。受賞してどんどん忙しくなるから。打ち合わせのために会社に来てもらうこともあるし」
「…そうですか。なら差し入れなども必要になりますね。また透と一緒に考えてお持ちいたします」
「仕事面のフォローは僕に任せてよ。こないだの記念パーティの如くちゃーんとエスコートしていくからね」
「それはそれは…IU出版代表取締役がついているなら透のこれからも安泰ですね。どうぞよろしくお願いします」
「はーいお願いされますー」
少しピリついた雰囲気をまとって律が戻ってきたことを気にしつつも、私は目の前にある課題に頭を悩ませていた。
「それで?勝手に決めた土地の名義も、これから決める家の名義も、ほんとにお前名義にするのか?」
「…そこ、私あんまり考えてなかったんだけど、後になってやっぱり嫌だったかなぁって思ったら、その、律が…」
「土地も充分一等地でしたし、透の財産として残るものならそれでいいと思いましたので」
「横峯さんがイケメンすぎて辛い…」
織田くんが泣いている。わかり味が深すぎると思わず大きく頷いてしまった。「ほんとにいい人に貰ってもらえたな」なんて本田さんまで私の肩を叩くので、先程の鬼のような全ボツのことなど頭から消え去って、本田さんに泣きつく。
「…それから織田くん。私たちはこれから予定があるので、締切をもう一日遅らせてもらうことは可能ですか?明日1日、透が仕事に専念できるように私も支えますので」
「横峯さんがおっしゃるなら!先生、プロット作成は明後日までにしましょう」
「その律に対する信頼感を私にも少し注いでほしい」
飴と鞭が両極端すぎて心が追いつけません。
「…ところで、春ちゃん。僕からも大事な話があって」
「?なんでしょう、井上さん」
「〇〇賞受賞のメディア向けの記者会見と、公式な記念式典についてなんだけど、やっぱり顔を出していくのは嫌なんだよね?」
「…そうですね。これから結婚や引っ越しもある中で周りが騒がしくなるのは避けたいです。ただ、そんなわがままが全て通るとも思っていないので、ある程度は覚悟しているつもりです」
この件は律も、できれば今まで通り姿を見せない作家として活動してほしいと言っていた。ただ今回の賞が大きいものであるし、出版社の意向を聞いてから判断したらいいと言ってくれたので、自分の思いは井上さんに伝えるつもりでいた。
「だよねー。うちとしても謎のベールに包まれた存在としてここまで売れてくれてるから、それを崩したくない気持ちはあるんだよね。ただ式典と記者会見には出てもらいたいのも事実で。…だからさ、春ちゃん、横峯さん。僕から妥協案があるんだけど」
「…?なんですか?」
日付変わって、某記者会見の後日。私はつい今しがたまで生中継のテレビに映っていたとは思えないほど化粧崩れをおこしていた。それもこれも全てIU出版社のせいだ。いいところで働けたなんて、前言撤回してやる。
「いやぁ春ちゃん!すごくいい記者会見だったよ!」
「全然顔バレもしてないし、そのラブリーな姿が世間の心を鷲掴みにしたな」
「先生!あれから動画を何度か見返しましたけど、めちゃくちゃ可愛かったです!受け答えも冷静にバッチリこなせていましたし、プロデューサーも視聴率よかったって喜んでいましたよ!」
「透、お疲れ様でした。今までにない、とても愛らしい記者会見でしたよ」
「まっとうなコメントしてるつもりだろうけど全員顔がにやけてんだよ!表情筋鍛えて出直せこのやろー!」
結局、井上さんの妥協案に乗っかる形で、メディアに姿を現した私こと、作家『春野徹』は、受賞発表から一ヶ月後という、満を持しての〇〇賞受賞記念式典、兼記者会見を迎えた。それももう昨日の話で、会見前より後の方が不安で寝れなかっただなんて、冗談にもならない心境で今日を迎えている。
ネット上でも、「『春野徹』!ついに姿を現す!」とか「男か女か、はたまたどちらでもないのか?!」とか、散々勝手なことを書かれた上での記者会見は滞りなく進み、記者の方たちとの受け答えも終始和やかなムードで終えられた。会社的にも文句なし!と終わった直後に井上さんも言ってくれたのであまり心配はしてない。私の意に沿って、顔を出さない会見にしてくれてことも重々感謝している。が、ただ一部、「賞取ったんなら姿を出せよ」とか、「厳かな賞を受賞しといて、姿を出さないなんて不敬にもほどがある」と言った厳しい声が上がっていたのも事実で、たしかにそれは真摯に受け止めるつもりだけれども…
「…未だかつて、作家がうさぎの着ぐるみきて会見したことなんて、なかったからな」
「切なく、泣けるがウリの小説について語る作家が、プリティなウィンクピンクうさぎちゃん着てるんだもん。記者も真面目な話聞いてるはずなのにコミカルにしか転ばないから、困って最後は笑ってたしね」
笑い声を隠そうともせずに言いきる本田さんと井上さんに思わずため息をついた。挙げ句、「これから、オファーがたくさん来たらいいですね!」なんて言う織田くんにはうなだれるしかない。律ただ一人が私の頭を撫でて慰めてくれた。顔はものすごく笑ってたけど。
「…透。話があります」
あの巫山戯たようで至極真面目な式典と会見を終えて周囲も落ち着いてきた頃。やっとゆっくり執筆できる余裕が出てきたなぁと、律の休日に合わせて二人でのんびりしているときに律が話しだした。
「…透の受賞が決まった日のことです。私は思ってもいないことを言って、貴女を傷つけた。ずっと気になっていました。謝ります。申し訳ありませんでした
」
「律…大丈夫だよ。本心じゃないことくらい分かってるよ」
「もちろん本心ではありません。ただそれでも貴女を傷つけたことに変わりない」
律のこういうところは真面目だなぁと改めて思う。もういいのにと思う反面、律が向き合うのなら私もとことん向き合おうと居住まいを正した。
「貴女の受賞が私の支えのおかげだなんて本当に思っていません。貴女の作品は素晴らしい。本田さんの言うように、本当に面白いものを書いている。受賞はそれを世間が認めただけのこと。どうか、私の言葉に惑わされず、自信をもってください」
「ただ…あの日、貴女から嫉妬したのだとはっきり言われて、思わず嬉しいと感じてしまった……貴女にも分かってほしいのは、私も嫉妬しているということです」
「…嫉妬?そんな要素あった?」
「…ありましたよ。仕事で何度も合う本田さんにも、私の知らないところで担当になっていた織田くんという存在にも、春ちゃんと呼んで親しげな井上さんにも。打ち合わせだと嘘をついてまで会っていたであろう人の影にも、あの大雨の日に貴女を迎えに行ったという人の存在にも。全てに嫉妬していました。今までにも数え切れないくらい、貴女に近づく人は日向さんであれ嫉妬します」
「、!うぇっちょ、まって」
「本田さんの提案から同棲の話を出したのも浅はかでした。以前から…というより合鍵を渡した時から、一緒に住みたい、ずっと一緒にいたいという気持ちはあったのに……怖気づいて自分の言葉にせず、かつ嫉妬して焦って……他人の提案に軽々しくのったこと、今でも後悔しています。そのせいで貴女にプロポーズまでさせてしまったことは、私の一生の不覚です」
「いや…プロポーズは私がしたくてしたんだからそんな重々しく受け止めなくても…」
「いいえ。せめて結婚式と披露宴は私に準備させてくださいね。新婚旅行も婚前旅行も私がプロデュースしますので、くれぐれも勝手なことをこれ以上しないでください」
これは謝ってるのか念を押してるのか分からなくなってきた。でも律はまた勘違いをしているみたいだから、それはきっちり正さないといけない。
「律。雨の日の迎えのことだけど、あの日織田くんが送ってくれるって言ってくれたの。でも彼、打ち合わせ後は会社に戻って仕事があるって言ってたから、悪いなと思って、迎えが来るって言ったの。織田くんと別れたときはまだ雨も降ってなくて、律の家まで間に合うと思ったから…」
「…そうでしたか…」
「……っあとさ!嘘ついたの、私も謝る。ごめんね。あれは嘘ついて誰かに会ってたんじゃなくて、その……家で二人っきりのときに婚姻届を出して、もし断られたりしたらって考えたら吐きそうで……外で待ち合わせしたくて言っただけなの。どっちみち役所に立ち寄ったのも事実だから、外に出るんだしいいかと思って……だからほんとに、誰にも会ってないよ」
「…なるほど。私が断ると思っていたんですね」
…?おっと、雲行きが怪しくなってきたぞ。
「いや、万が一にも!あるかなって可能性の話で…」
「億が一にもあり得ない話を可能性としてあげるだけで腹が立ちますね。やはり貴女は何もわかってない」
「え?いや、そんなこと」
「分からせるしかない」
この空気を方向転換できるなら、顔出しだってなんだってしてやろうじゃないかと思った。ちょうどやり直したい記者会見もあることだし。これからの我が身を思って震える体をやり過ごすべく、現実逃避に走るしかなかった。
「……ほんとにできた人だよね、横峯さんって。春ちゃんのこと大事にしてるし。お母さんみたいに世話焼いちゃってさ。どうやって捕まえたの?おいしい料理で胃袋掴んだ感じ?」
「…さぁ、私のどこに惚れてもらったんでしょうね」
「…余裕だなー。まぁ結婚するなら、春ちゃんのことこれからももっと支えてあげてね。受賞してどんどん忙しくなるから。打ち合わせのために会社に来てもらうこともあるし」
「…そうですか。なら差し入れなども必要になりますね。また透と一緒に考えてお持ちいたします」
「仕事面のフォローは僕に任せてよ。こないだの記念パーティの如くちゃーんとエスコートしていくからね」
「それはそれは…IU出版代表取締役がついているなら透のこれからも安泰ですね。どうぞよろしくお願いします」
「はーいお願いされますー」
少しピリついた雰囲気をまとって律が戻ってきたことを気にしつつも、私は目の前にある課題に頭を悩ませていた。
「それで?勝手に決めた土地の名義も、これから決める家の名義も、ほんとにお前名義にするのか?」
「…そこ、私あんまり考えてなかったんだけど、後になってやっぱり嫌だったかなぁって思ったら、その、律が…」
「土地も充分一等地でしたし、透の財産として残るものならそれでいいと思いましたので」
「横峯さんがイケメンすぎて辛い…」
織田くんが泣いている。わかり味が深すぎると思わず大きく頷いてしまった。「ほんとにいい人に貰ってもらえたな」なんて本田さんまで私の肩を叩くので、先程の鬼のような全ボツのことなど頭から消え去って、本田さんに泣きつく。
「…それから織田くん。私たちはこれから予定があるので、締切をもう一日遅らせてもらうことは可能ですか?明日1日、透が仕事に専念できるように私も支えますので」
「横峯さんがおっしゃるなら!先生、プロット作成は明後日までにしましょう」
「その律に対する信頼感を私にも少し注いでほしい」
飴と鞭が両極端すぎて心が追いつけません。
「…ところで、春ちゃん。僕からも大事な話があって」
「?なんでしょう、井上さん」
「〇〇賞受賞のメディア向けの記者会見と、公式な記念式典についてなんだけど、やっぱり顔を出していくのは嫌なんだよね?」
「…そうですね。これから結婚や引っ越しもある中で周りが騒がしくなるのは避けたいです。ただ、そんなわがままが全て通るとも思っていないので、ある程度は覚悟しているつもりです」
この件は律も、できれば今まで通り姿を見せない作家として活動してほしいと言っていた。ただ今回の賞が大きいものであるし、出版社の意向を聞いてから判断したらいいと言ってくれたので、自分の思いは井上さんに伝えるつもりでいた。
「だよねー。うちとしても謎のベールに包まれた存在としてここまで売れてくれてるから、それを崩したくない気持ちはあるんだよね。ただ式典と記者会見には出てもらいたいのも事実で。…だからさ、春ちゃん、横峯さん。僕から妥協案があるんだけど」
「…?なんですか?」
日付変わって、某記者会見の後日。私はつい今しがたまで生中継のテレビに映っていたとは思えないほど化粧崩れをおこしていた。それもこれも全てIU出版社のせいだ。いいところで働けたなんて、前言撤回してやる。
「いやぁ春ちゃん!すごくいい記者会見だったよ!」
「全然顔バレもしてないし、そのラブリーな姿が世間の心を鷲掴みにしたな」
「先生!あれから動画を何度か見返しましたけど、めちゃくちゃ可愛かったです!受け答えも冷静にバッチリこなせていましたし、プロデューサーも視聴率よかったって喜んでいましたよ!」
「透、お疲れ様でした。今までにない、とても愛らしい記者会見でしたよ」
「まっとうなコメントしてるつもりだろうけど全員顔がにやけてんだよ!表情筋鍛えて出直せこのやろー!」
結局、井上さんの妥協案に乗っかる形で、メディアに姿を現した私こと、作家『春野徹』は、受賞発表から一ヶ月後という、満を持しての〇〇賞受賞記念式典、兼記者会見を迎えた。それももう昨日の話で、会見前より後の方が不安で寝れなかっただなんて、冗談にもならない心境で今日を迎えている。
ネット上でも、「『春野徹』!ついに姿を現す!」とか「男か女か、はたまたどちらでもないのか?!」とか、散々勝手なことを書かれた上での記者会見は滞りなく進み、記者の方たちとの受け答えも終始和やかなムードで終えられた。会社的にも文句なし!と終わった直後に井上さんも言ってくれたのであまり心配はしてない。私の意に沿って、顔を出さない会見にしてくれてことも重々感謝している。が、ただ一部、「賞取ったんなら姿を出せよ」とか、「厳かな賞を受賞しといて、姿を出さないなんて不敬にもほどがある」と言った厳しい声が上がっていたのも事実で、たしかにそれは真摯に受け止めるつもりだけれども…
「…未だかつて、作家がうさぎの着ぐるみきて会見したことなんて、なかったからな」
「切なく、泣けるがウリの小説について語る作家が、プリティなウィンクピンクうさぎちゃん着てるんだもん。記者も真面目な話聞いてるはずなのにコミカルにしか転ばないから、困って最後は笑ってたしね」
笑い声を隠そうともせずに言いきる本田さんと井上さんに思わずため息をついた。挙げ句、「これから、オファーがたくさん来たらいいですね!」なんて言う織田くんにはうなだれるしかない。律ただ一人が私の頭を撫でて慰めてくれた。顔はものすごく笑ってたけど。
「…透。話があります」
あの巫山戯たようで至極真面目な式典と会見を終えて周囲も落ち着いてきた頃。やっとゆっくり執筆できる余裕が出てきたなぁと、律の休日に合わせて二人でのんびりしているときに律が話しだした。
「…透の受賞が決まった日のことです。私は思ってもいないことを言って、貴女を傷つけた。ずっと気になっていました。謝ります。申し訳ありませんでした
」
「律…大丈夫だよ。本心じゃないことくらい分かってるよ」
「もちろん本心ではありません。ただそれでも貴女を傷つけたことに変わりない」
律のこういうところは真面目だなぁと改めて思う。もういいのにと思う反面、律が向き合うのなら私もとことん向き合おうと居住まいを正した。
「貴女の受賞が私の支えのおかげだなんて本当に思っていません。貴女の作品は素晴らしい。本田さんの言うように、本当に面白いものを書いている。受賞はそれを世間が認めただけのこと。どうか、私の言葉に惑わされず、自信をもってください」
「ただ…あの日、貴女から嫉妬したのだとはっきり言われて、思わず嬉しいと感じてしまった……貴女にも分かってほしいのは、私も嫉妬しているということです」
「…嫉妬?そんな要素あった?」
「…ありましたよ。仕事で何度も合う本田さんにも、私の知らないところで担当になっていた織田くんという存在にも、春ちゃんと呼んで親しげな井上さんにも。打ち合わせだと嘘をついてまで会っていたであろう人の影にも、あの大雨の日に貴女を迎えに行ったという人の存在にも。全てに嫉妬していました。今までにも数え切れないくらい、貴女に近づく人は日向さんであれ嫉妬します」
「、!うぇっちょ、まって」
「本田さんの提案から同棲の話を出したのも浅はかでした。以前から…というより合鍵を渡した時から、一緒に住みたい、ずっと一緒にいたいという気持ちはあったのに……怖気づいて自分の言葉にせず、かつ嫉妬して焦って……他人の提案に軽々しくのったこと、今でも後悔しています。そのせいで貴女にプロポーズまでさせてしまったことは、私の一生の不覚です」
「いや…プロポーズは私がしたくてしたんだからそんな重々しく受け止めなくても…」
「いいえ。せめて結婚式と披露宴は私に準備させてくださいね。新婚旅行も婚前旅行も私がプロデュースしますので、くれぐれも勝手なことをこれ以上しないでください」
これは謝ってるのか念を押してるのか分からなくなってきた。でも律はまた勘違いをしているみたいだから、それはきっちり正さないといけない。
「律。雨の日の迎えのことだけど、あの日織田くんが送ってくれるって言ってくれたの。でも彼、打ち合わせ後は会社に戻って仕事があるって言ってたから、悪いなと思って、迎えが来るって言ったの。織田くんと別れたときはまだ雨も降ってなくて、律の家まで間に合うと思ったから…」
「…そうでしたか…」
「……っあとさ!嘘ついたの、私も謝る。ごめんね。あれは嘘ついて誰かに会ってたんじゃなくて、その……家で二人っきりのときに婚姻届を出して、もし断られたりしたらって考えたら吐きそうで……外で待ち合わせしたくて言っただけなの。どっちみち役所に立ち寄ったのも事実だから、外に出るんだしいいかと思って……だからほんとに、誰にも会ってないよ」
「…なるほど。私が断ると思っていたんですね」
…?おっと、雲行きが怪しくなってきたぞ。
「いや、万が一にも!あるかなって可能性の話で…」
「億が一にもあり得ない話を可能性としてあげるだけで腹が立ちますね。やはり貴女は何もわかってない」
「え?いや、そんなこと」
「分からせるしかない」
この空気を方向転換できるなら、顔出しだってなんだってしてやろうじゃないかと思った。ちょうどやり直したい記者会見もあることだし。これからの我が身を思って震える体をやり過ごすべく、現実逃避に走るしかなかった。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
あなたに嘘を一つ、つきました
小蝶
恋愛
ユカリナは夫ディランと政略結婚して5年がたつ。まだまだ戦乱の世にあるこの国の騎士である夫は、今日も戦地で命をかけて戦っているはずだった。彼が戦地に赴いて3年。まだ戦争は終わっていないが、勝利と言う戦況が見えてきたと噂される頃、夫は帰って来た。隣に可愛らしい女性をつれて。そして私には何も告げぬまま、3日後には結婚式を挙げた。第2夫人となったシェリーを寵愛する夫。だから、私は愛するあなたに嘘を一つ、つきました…
最後の方にしか主人公目線がない迷作となりました。読みづらかったらご指摘ください。今さらどうにもなりませんが、努力します(`・ω・́)ゞ
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
冷徹公爵の誤解された花嫁
柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。
冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。
一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる