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ダンジョンスタンピード第二波 仇討
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さて、外に出ると周囲はなんともソワソワしていた。
例えるならば、『台風の来る前にお買いもの済ませなくっちゃ!』といった感じだろうか。でも実際には、『モンスターに襲われる前に水を確保しなくっちゃ!』なのだが。
なぜならば現在、このマンションは完全にライフラインがストップ。
電気もガスも水道もアウトである。なのでここの住人達は飲み水を確保する為に、近くの遊水道公園にある水道までペットボトルなどを持って往復しなければならないという。
そしてご近所や遊水公園に現れるモンスターを駆除していたのが、誰あろうお留守番をしていた瑠羽と仁菜さんだった。
「こんにちは、今日もありがとうございます」
「あ、こんにちは~」
そんな瑠羽たちに気付くと、スーパーなんかで水を貰う大き目のペットボトルを持った若い夫婦が頭を下げてすれ違う。うむむ、瑠羽ママといい瑠羽といい、まさにこのマンションの救世主だな。
ただそんな若夫婦が何度も振り返ってはオレの事をジロジロ。うむ、どうやら相当に目立っている様子…。
まぁ、金色だけだったら暗いとこならそれなりに重い色に見えてたもんな。でもそれに赤が混じると、これがとんでもなく目立っている。うん、それはもう『おまえは傾奇者かヒーローショーのヒーローか!』ってくらいに。
しかしこれは瑠羽と仁菜さんが頑張って作ってくれた大切なプレゼント。恥ずかしいからと言って外すのもなぁ…。うん、別に顔を晒しているわけでもないし、このままで行こう。
「自衛隊は橋のとこまでなら来たみたいやねぇ。でも都内には入ってへんようやわ」
「そうか、松戸の自衛隊は橋を確保すると南下をやめたのか。う~む、千葉も広いからな。カバーしなければならない範囲が広すぎて、きっと戦力不足だったのだろう」
そうしてしばらく近辺を周っていると、一匹のモンスターを発見した。
それは狼というには頭が小さく、なんというかコヨーテって感じのモンスター。でも体長は虎やライオンほどもあるので、一般人からすれば街中で虎やライオンとコンニチハするのと同じだろう。
「あ、いました。アレにします!コーチと万智ちゃんは見ててくださいね。静ちゃん、おねがい!」
「ええよ。任しとき!」
ふたりは短く打ち合わせを済ませると、即座に前へと。
しかし仁菜さんがモンスターの注意を引くよう大きく腕を振るのに対し、なぜか瑠羽は後ろに下がったうえだいぶ遠回りで右手へと迂回していく。
(ん?いったい何をするつもりだ…)
と、木立や放置車両を盾に身を隠して進んでいた瑠羽がこちらに向け小さく頷くと、モンスター目掛けダッとアクセル全開で駆け出した。
(あ、オレの愛馬が…いや、オレの瑠羽があんなにも速くッ!?)
そんな颯爽と駆ける可愛い瑠羽の姿にズキュンドキュンしていると、なんとさらにもう一段グンと加速した。
「エッ?瑠羽ってあんなに速く走れたのッ!?」
「いや、あれは【俊敏】か?速いぞ、もうモンスターのすぐ横だ!」
疾駆する瑠羽が一気に距離を詰め、手にしたカツオくんバットを突き立てるように小脇に構え直すと、巨大コヨーテの不意を衝いてその勢いのままに体当たり。
『『ぞぬッ!!』』
するとちょっと普段は聞かないような鈍い衝撃音が響き、巨大コヨーテの脇腹にカツオくんバットが突き立った。
「あ、あれはまさか…『父の仇アタック』!?」
「え、知っているの江月さんッ!?」
「ああ。あれは父を討たれた娘が復讐の旅を続け、ようやく見つけた仇に対して放つという必殺技…。だが大抵は長い旅路の疲労とようやく見つけた仇への恨みで昂ぶってしまい、容易く躱されたうえ反撃に遭い手首を捻りあげられてしまうのだが…」
「えぇ?それじゃダメじゃない!」
「だが見るんだ瀬来さん!瑠羽はそんな父の仇アタックを、見事モノにしているぞ!」
「ごパァ…えろえろえろッ(だぱぱぱぱ…)!!」
『(しびびびびびび…ズバタんッ!!)』
瑠羽の『父の仇(かたき)アタック』をモロに浴びた巨大コヨーテは、その一撃で肺と心臓を潰されたのか口から盛大に血を吐きまくる。そしてそのまま四肢を痙攣させ崩れ落ちていった。
うむむ…、なんと恐ろしい攻撃だ。
大抵はここで今まで足手まといでしかなかった弟が、姉のピンチに意外と活躍してみせる場面なのだが…。いまの瑠羽にはその後に助けてくれる桜吹雪の遊び人やちりめん問屋ご老公など一切必要のない様子。う~む、まさしく圧勝だ。
「ハァ…ハァ…ハァ…!どうでしたかコーチ!」
で、そんなひと狩り終えた瑠羽が満面の笑みで戻ってきた。
それはもうニッコニコの『褒めてもらいたくて仕方のない!』といった紅潮した笑顔で。うん、守りたいその笑顔。とても数秒前にとんでもなくエグイ突撃でモンスターを仕留めたとは思えない。
見ましたか?裁判所で健在のお父さん…。
オレの指導に素直過ぎるほど従い訓練に励んだ瑠羽は、こんなにも強い子に育ちましたよ!
例えるならば、『台風の来る前にお買いもの済ませなくっちゃ!』といった感じだろうか。でも実際には、『モンスターに襲われる前に水を確保しなくっちゃ!』なのだが。
なぜならば現在、このマンションは完全にライフラインがストップ。
電気もガスも水道もアウトである。なのでここの住人達は飲み水を確保する為に、近くの遊水道公園にある水道までペットボトルなどを持って往復しなければならないという。
そしてご近所や遊水公園に現れるモンスターを駆除していたのが、誰あろうお留守番をしていた瑠羽と仁菜さんだった。
「こんにちは、今日もありがとうございます」
「あ、こんにちは~」
そんな瑠羽たちに気付くと、スーパーなんかで水を貰う大き目のペットボトルを持った若い夫婦が頭を下げてすれ違う。うむむ、瑠羽ママといい瑠羽といい、まさにこのマンションの救世主だな。
ただそんな若夫婦が何度も振り返ってはオレの事をジロジロ。うむ、どうやら相当に目立っている様子…。
まぁ、金色だけだったら暗いとこならそれなりに重い色に見えてたもんな。でもそれに赤が混じると、これがとんでもなく目立っている。うん、それはもう『おまえは傾奇者かヒーローショーのヒーローか!』ってくらいに。
しかしこれは瑠羽と仁菜さんが頑張って作ってくれた大切なプレゼント。恥ずかしいからと言って外すのもなぁ…。うん、別に顔を晒しているわけでもないし、このままで行こう。
「自衛隊は橋のとこまでなら来たみたいやねぇ。でも都内には入ってへんようやわ」
「そうか、松戸の自衛隊は橋を確保すると南下をやめたのか。う~む、千葉も広いからな。カバーしなければならない範囲が広すぎて、きっと戦力不足だったのだろう」
そうしてしばらく近辺を周っていると、一匹のモンスターを発見した。
それは狼というには頭が小さく、なんというかコヨーテって感じのモンスター。でも体長は虎やライオンほどもあるので、一般人からすれば街中で虎やライオンとコンニチハするのと同じだろう。
「あ、いました。アレにします!コーチと万智ちゃんは見ててくださいね。静ちゃん、おねがい!」
「ええよ。任しとき!」
ふたりは短く打ち合わせを済ませると、即座に前へと。
しかし仁菜さんがモンスターの注意を引くよう大きく腕を振るのに対し、なぜか瑠羽は後ろに下がったうえだいぶ遠回りで右手へと迂回していく。
(ん?いったい何をするつもりだ…)
と、木立や放置車両を盾に身を隠して進んでいた瑠羽がこちらに向け小さく頷くと、モンスター目掛けダッとアクセル全開で駆け出した。
(あ、オレの愛馬が…いや、オレの瑠羽があんなにも速くッ!?)
そんな颯爽と駆ける可愛い瑠羽の姿にズキュンドキュンしていると、なんとさらにもう一段グンと加速した。
「エッ?瑠羽ってあんなに速く走れたのッ!?」
「いや、あれは【俊敏】か?速いぞ、もうモンスターのすぐ横だ!」
疾駆する瑠羽が一気に距離を詰め、手にしたカツオくんバットを突き立てるように小脇に構え直すと、巨大コヨーテの不意を衝いてその勢いのままに体当たり。
『『ぞぬッ!!』』
するとちょっと普段は聞かないような鈍い衝撃音が響き、巨大コヨーテの脇腹にカツオくんバットが突き立った。
「あ、あれはまさか…『父の仇アタック』!?」
「え、知っているの江月さんッ!?」
「ああ。あれは父を討たれた娘が復讐の旅を続け、ようやく見つけた仇に対して放つという必殺技…。だが大抵は長い旅路の疲労とようやく見つけた仇への恨みで昂ぶってしまい、容易く躱されたうえ反撃に遭い手首を捻りあげられてしまうのだが…」
「えぇ?それじゃダメじゃない!」
「だが見るんだ瀬来さん!瑠羽はそんな父の仇アタックを、見事モノにしているぞ!」
「ごパァ…えろえろえろッ(だぱぱぱぱ…)!!」
『(しびびびびびび…ズバタんッ!!)』
瑠羽の『父の仇(かたき)アタック』をモロに浴びた巨大コヨーテは、その一撃で肺と心臓を潰されたのか口から盛大に血を吐きまくる。そしてそのまま四肢を痙攣させ崩れ落ちていった。
うむむ…、なんと恐ろしい攻撃だ。
大抵はここで今まで足手まといでしかなかった弟が、姉のピンチに意外と活躍してみせる場面なのだが…。いまの瑠羽にはその後に助けてくれる桜吹雪の遊び人やちりめん問屋ご老公など一切必要のない様子。う~む、まさしく圧勝だ。
「ハァ…ハァ…ハァ…!どうでしたかコーチ!」
で、そんなひと狩り終えた瑠羽が満面の笑みで戻ってきた。
それはもうニッコニコの『褒めてもらいたくて仕方のない!』といった紅潮した笑顔で。うん、守りたいその笑顔。とても数秒前にとんでもなくエグイ突撃でモンスターを仕留めたとは思えない。
見ましたか?裁判所で健在のお父さん…。
オレの指導に素直過ぎるほど従い訓練に励んだ瑠羽は、こんなにも強い子に育ちましたよ!
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