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ダンジョンスタンピード第二波 献策
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「なんじゃと小僧、デタラメを言うと許さんぞッ!医者の…、このワシにも手が出せんというのにッ!!」
「キャッ!ま、待ってください飛張医師!江月さんはダンジョンに潜れる方なんです。ですからモンスターにも詳しい筈です、きっと何か考えが…」
おうふ、ついなんとかできるかもしれないなんて口にしたら、とんでもない剣幕で怒られた。どうやら老医師の逆鱗に触れてしまったようだ。
(うん、でもまぁそうだよね。むこうさんからしたらプロでも手が出せないのに、素人なんかが口出すなって話だもんな)
「うぬぬ…では一応は聞いてやる!じゃが適当なことを言った時には承知せんぞ!!」
「あ、あの飛張医師!あんまり大声を出すと患者が眼を覚ましてしまいます!」
参ったな。でもちっさい塩の神さまのお告げがあったということは、そうしろという事なんだろう。
「わかりました。では説明します。ココだけの話にしてほしいのですが、オレは塩を自在に生み出し扱える【塩】スキルというのを持っています」
「なに、死を自在に生み出し扱えるじゃと!?医者のワシに向かって、ふざけとるのかッ!!」
いや、ちゃうて。なによその最強スキル。
「違いますソルト!NaCl!N・A・C・L、ソルト!」
む…眼を剥いて咆えかかってくる老医師に対抗する為に、なんだかオレまでチアリーダーのようになってしまったな。
「落ち着いてください飛張医師、患者の目が覚めてしまいますよ」
と、ここでエキサイトする老医師を諌めようと自衛官のひとりが来てくれた。それで一息ついた老医師が改めて思案する顔になり、きてくれた自衛官さんに質問をなげかけた。
「…そういえば、おぬし等もスキルとかいうのを持っとるんじゃったか?」
「え?あ、はい。モンスターが極稀に落とす物を使用すると、そういった力を行使することが可能となりますが?」
「そうか、よし。ならばおぬしも確認に付き合ってくれ。この小僧が塩のスキルとやらを持っていると言うのでな」
「塩…ですか。それはまた珍しいですね、わかりました確認いたしましょう」
むむむ、なんだか自衛官さん立会いのもとでスキルを見せなければならなくなってしまったぞ。まぁいいか、ここは仕方ないもんな。
「ではいきます…スキル【塩】」
「「おお…!」」
「まぁ、綺麗…!」
右の手の平を上にし、正四面体の透明な塩を生み出していく。すると透明なキューブ状の塩が空中でクルクルと回る様に、みな驚きの顔。ふふふ、どうだすごかろう。
「「「アッ!!」」」
だがせっかく見映えよく空中で回していた塩をいきなり老医師がむんずと掴みとると、そのままベロリと舐めてしまった。
「うむ、しょっぱい。こりゃ塩じゃな」
「(ああ、そんな…私も舐めてみたかったのに…!)」
「はい、魔力の高まりを感じました。確かに今のは、スキルの発現です」
「ふむ、そうか。で小僧、この塩でいったい何ができるというんじゃ?」
「はい、塩はご存知のとおり私たちの身体に必須のミネラル。ですがその反面、摂りすぎてしまうと身体に異常をきたし、中毒症状も起こしてしまいます」
「…むおッ?そうか!そういうことか!!」
「そうです、おわかり頂けましたか?」
「なるほど!つまりおぬしは患者をこの塩で一時的に中毒状態にし、あの化け物が患者の身体から逃げ出す様に仕向けるという訳じゃな!!」
「え、それって沈没する船からネズミが逃げ出すように…ですか?」
「ええ、都奈美さん。上手くいくかは賭けになります。でもスキルで生み出した塩ならば、即座に中和することも出来る。ほかの毒物を使うより、患者への負担は少なくて済むでしょう」
「誘導作戦という訳ですな。なるほど、悪くない案だと思いますが、どう思います飛張医師。飛張医師?」
「…ぬ、ぬふふふ!そうか、スキルという未知の力を用いた治療か…!じゃが、試してみる価値は十分にある!ぬふふ、こりゃどうにも身体が熱くなってきたわい!」
「せ、先生!つ、妻は助かるんでしょうか!?」
「解らん!じゃがあの化け物が寄生虫のようなヤツなら、この方法で狩りだすことが出来るかもしれん!」
「お、おねがいします!どうか妻を!!」
「わかった!全責任はワシが持つ!!小僧、そのスキルとやらでの治療、やってみせい!!それにどうせ、ここではそれ以外にやりようもない!当たって砕けろじゃ!!」
「あ、おいキミ。しっかりしなさい!」
「飛張医師!ひどいこと言わないでください!患者の旦那さんが気を失って!!」
怯えた野次馬たちが遠巻きに見守るなか、医師の放言にショックを受けハタリと倒れ込んでしまう男性。はたして彼が眼を覚ました時、愛する妻と再会することは叶うのだろうか。。。
「キャッ!ま、待ってください飛張医師!江月さんはダンジョンに潜れる方なんです。ですからモンスターにも詳しい筈です、きっと何か考えが…」
おうふ、ついなんとかできるかもしれないなんて口にしたら、とんでもない剣幕で怒られた。どうやら老医師の逆鱗に触れてしまったようだ。
(うん、でもまぁそうだよね。むこうさんからしたらプロでも手が出せないのに、素人なんかが口出すなって話だもんな)
「うぬぬ…では一応は聞いてやる!じゃが適当なことを言った時には承知せんぞ!!」
「あ、あの飛張医師!あんまり大声を出すと患者が眼を覚ましてしまいます!」
参ったな。でもちっさい塩の神さまのお告げがあったということは、そうしろという事なんだろう。
「わかりました。では説明します。ココだけの話にしてほしいのですが、オレは塩を自在に生み出し扱える【塩】スキルというのを持っています」
「なに、死を自在に生み出し扱えるじゃと!?医者のワシに向かって、ふざけとるのかッ!!」
いや、ちゃうて。なによその最強スキル。
「違いますソルト!NaCl!N・A・C・L、ソルト!」
む…眼を剥いて咆えかかってくる老医師に対抗する為に、なんだかオレまでチアリーダーのようになってしまったな。
「落ち着いてください飛張医師、患者の目が覚めてしまいますよ」
と、ここでエキサイトする老医師を諌めようと自衛官のひとりが来てくれた。それで一息ついた老医師が改めて思案する顔になり、きてくれた自衛官さんに質問をなげかけた。
「…そういえば、おぬし等もスキルとかいうのを持っとるんじゃったか?」
「え?あ、はい。モンスターが極稀に落とす物を使用すると、そういった力を行使することが可能となりますが?」
「そうか、よし。ならばおぬしも確認に付き合ってくれ。この小僧が塩のスキルとやらを持っていると言うのでな」
「塩…ですか。それはまた珍しいですね、わかりました確認いたしましょう」
むむむ、なんだか自衛官さん立会いのもとでスキルを見せなければならなくなってしまったぞ。まぁいいか、ここは仕方ないもんな。
「ではいきます…スキル【塩】」
「「おお…!」」
「まぁ、綺麗…!」
右の手の平を上にし、正四面体の透明な塩を生み出していく。すると透明なキューブ状の塩が空中でクルクルと回る様に、みな驚きの顔。ふふふ、どうだすごかろう。
「「「アッ!!」」」
だがせっかく見映えよく空中で回していた塩をいきなり老医師がむんずと掴みとると、そのままベロリと舐めてしまった。
「うむ、しょっぱい。こりゃ塩じゃな」
「(ああ、そんな…私も舐めてみたかったのに…!)」
「はい、魔力の高まりを感じました。確かに今のは、スキルの発現です」
「ふむ、そうか。で小僧、この塩でいったい何ができるというんじゃ?」
「はい、塩はご存知のとおり私たちの身体に必須のミネラル。ですがその反面、摂りすぎてしまうと身体に異常をきたし、中毒症状も起こしてしまいます」
「…むおッ?そうか!そういうことか!!」
「そうです、おわかり頂けましたか?」
「なるほど!つまりおぬしは患者をこの塩で一時的に中毒状態にし、あの化け物が患者の身体から逃げ出す様に仕向けるという訳じゃな!!」
「え、それって沈没する船からネズミが逃げ出すように…ですか?」
「ええ、都奈美さん。上手くいくかは賭けになります。でもスキルで生み出した塩ならば、即座に中和することも出来る。ほかの毒物を使うより、患者への負担は少なくて済むでしょう」
「誘導作戦という訳ですな。なるほど、悪くない案だと思いますが、どう思います飛張医師。飛張医師?」
「…ぬ、ぬふふふ!そうか、スキルという未知の力を用いた治療か…!じゃが、試してみる価値は十分にある!ぬふふ、こりゃどうにも身体が熱くなってきたわい!」
「せ、先生!つ、妻は助かるんでしょうか!?」
「解らん!じゃがあの化け物が寄生虫のようなヤツなら、この方法で狩りだすことが出来るかもしれん!」
「お、おねがいします!どうか妻を!!」
「わかった!全責任はワシが持つ!!小僧、そのスキルとやらでの治療、やってみせい!!それにどうせ、ここではそれ以外にやりようもない!当たって砕けろじゃ!!」
「あ、おいキミ。しっかりしなさい!」
「飛張医師!ひどいこと言わないでください!患者の旦那さんが気を失って!!」
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