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ダンジョンスタンピード第二波 銀河
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(アイツ、元気にしてるかなぁ…)
翌日、次いでやって来たのはオタ友の住んでいるアパート。
ある時イベント帰りの興奮で盛り上がり、互いに別れがたくて一度だけお邪魔させてもらったことがあった。その日は飲みながら熱いオタ話に、華を咲かせたものだ。
(うむ、友よ…、無事でいてくれ…)
今の今までそっちのけだったことなど微塵も感じさせずに、オレは友の無事を心から願った。
(ふむ、たしか102号室だったはず…)
アパートの敷地内に入り友の部屋を目指す。まぁごく一般的な作りの2階建てアパートなので、記憶を頼りに迷う事も無く目標地点に到着。
『ピンポ~ン』
む、反応がない。留守か?
『ピンポ~ン…、ピ・ピ・ピ・ピ・ピンポーン』
そこでオタになら通じるリズムで、チャイムを鳴らしてみる。在宅していればオレとは解らずとも、これで相手が自分と同類の存在だということは識別できるはずだ。
「………」
しかし反応は無い。
オーラ放射による索敵で室内を探ってみるか…。いや、相手もオレと同じ陰キャオタ。息を殺して気配を絶つことなどはお手の物。それにオーラ索敵では、気の小さい存在は非常に見つけにくい。
アイツも臆病だったからな、だから相当に気は小さいはず。
『コンココンコン!』
「オレだ、ジャングだ。いたら出て来てくれ!」
『(………)』
むぅ、呼びかけにも反応なし。これは避難所にでも行ったか?
いや、しかし引きこもり特性のあるオタが長時間一般人の群れと共同生活を送るというのは、相当なストレスのはず。うむ、そんな苦労をするくらいなら、ヤツは自宅に引きこもっていることを選ぶだろう。
よし、ならば…。
「ハァ~…、オーラパワー念動アンロック!チェースッ!」
両手を印のようにかざし、玄関扉の鍵に念動の志向性を持たせたオーラを注ぎ込む。
『(うにゅにゅにゅにゅ…)かちゃん!』
うむ、開いた。
…。
『ガチャ(むわぁん…)』
(むッ…!?)
玄関扉を開けた途端、中から漂ってきた臭気が壁のように感じられる。いまは防毒マスクのフィルターを搭載した蟲王マスクではないので、思わずその臭いにたじろぎ扉から後ずさる。
だが…これは生活臭に類するモノ。臭いが死臭ではないことに、わずかながらもホッとする。あの臭いはもっと生臭いモノな…。
『パチ…』
(……)
そして外が明るい分、室内は酷く暗く感じられた。そこで玄関灯のスイッチを入れてみたが、明かりはつかない。む、停電か…でもインターホンは。
『(ごそッ…)』
(…ッ!)
今、確かに気配を感じた。まだ視認はできないが、部屋へと続く室内扉のその向こうに…。
「聞こえるか?オレだ。ジャングだ、中に入るぞ!」
『がちゃ』
すると、暗がりのなかに座り込んで怯えているオークがいた。
いや…暗くても色白と解るので、どっちかっていうとポークか。
「だ、誰だおまえは??」
そんな怯えたポーク…、いや随分とぽっちゃりになってしまったオタ友はそう言って震えながらも、プラモデルを作る時に使うのであろうデザインナイフをオレに向けてきた。
「オレだ、解らないのか?ほら、ジャングだ」
「うぅぅ…嘘つくな!ジャン氏はもっとゴボウみたいにヒョロヒョロなんだぞ!おまえみたいにゴツいヤツな訳あるか!」
あ、おまえオレのことそんな風に思ってたの…?ちょっと傷ついたわ。
しかしオタ友はオレをオレだとまるで信じてくれない。そして「出てけ泥棒!」などと叫んでは、手近にあったリモコンなんかを投げつけてくる。
困ったな…お、そうだ!ここはオタ的な合言葉で、だが何がある!?
電脳オタで頭の良いコイツならそれっぽい合言葉を口にしたとしても、「ハッキングして個人情報を盗んだんだろ!」なんてことも言い出しそうだ。
うぅむ…コイツとオレだけに。コイツとオレだけに通じる何か…。
「こいつぅ!出てけ、出てけよぉ~!!」
むぅ、いったいどうすれば…ハッ、そうだ!友よ、いまこそオレの…オレの歌を聴けぇえええ~ッ!!
「きゅんパイきゅんパイ!どんどどんどどん!きゅんパイきゅんパイ!どんどどんどどん!」
「なんだって!こ、この曲は…!?」
オレは振りつけも込みで、友に向け歌って踊ってみせた。
「夜空はきらめくパッションフルーツ!宇宙の海は~わたしのモノよ~!!(きゅんきゅん!)」
「ああ!やっぱりこの曲は!18禁ゲームきゅんきゅんパイレーツ特装版にスペシャル特典として同封の音源CDに収録されていた幻のオープニング曲!レッツゴー!突撃☆きゅんパイハートではないでゴザルかッ!?」
「そうだ!おまえといっしょに電気街まで出かけ、雨のなか整理券貰って並んで買ったよな?店頭販売特典のポスターが欲しくて!」
「え…、それじゃあホントに…ホントにあのジャン氏なのかい…?」
「イェス!パイレーツ~ズッキュ~ン!!…そうだ友よ!やっとデカルチャーしてくれたか!?」
「ウン!ぽくたんの心の銀河にも、きゅんきゅん響いて来たよ!!それにこの曲を知ってても人前で歌える恥知らずは、ぽくたんの知る限りジャン氏ただひとりさッ!!」
っておいふざけんなよ!おまえに解って貰う為に、頑張って歌ってやったんだからな!!
翌日、次いでやって来たのはオタ友の住んでいるアパート。
ある時イベント帰りの興奮で盛り上がり、互いに別れがたくて一度だけお邪魔させてもらったことがあった。その日は飲みながら熱いオタ話に、華を咲かせたものだ。
(うむ、友よ…、無事でいてくれ…)
今の今までそっちのけだったことなど微塵も感じさせずに、オレは友の無事を心から願った。
(ふむ、たしか102号室だったはず…)
アパートの敷地内に入り友の部屋を目指す。まぁごく一般的な作りの2階建てアパートなので、記憶を頼りに迷う事も無く目標地点に到着。
『ピンポ~ン』
む、反応がない。留守か?
『ピンポ~ン…、ピ・ピ・ピ・ピ・ピンポーン』
そこでオタになら通じるリズムで、チャイムを鳴らしてみる。在宅していればオレとは解らずとも、これで相手が自分と同類の存在だということは識別できるはずだ。
「………」
しかし反応は無い。
オーラ放射による索敵で室内を探ってみるか…。いや、相手もオレと同じ陰キャオタ。息を殺して気配を絶つことなどはお手の物。それにオーラ索敵では、気の小さい存在は非常に見つけにくい。
アイツも臆病だったからな、だから相当に気は小さいはず。
『コンココンコン!』
「オレだ、ジャングだ。いたら出て来てくれ!」
『(………)』
むぅ、呼びかけにも反応なし。これは避難所にでも行ったか?
いや、しかし引きこもり特性のあるオタが長時間一般人の群れと共同生活を送るというのは、相当なストレスのはず。うむ、そんな苦労をするくらいなら、ヤツは自宅に引きこもっていることを選ぶだろう。
よし、ならば…。
「ハァ~…、オーラパワー念動アンロック!チェースッ!」
両手を印のようにかざし、玄関扉の鍵に念動の志向性を持たせたオーラを注ぎ込む。
『(うにゅにゅにゅにゅ…)かちゃん!』
うむ、開いた。
…。
『ガチャ(むわぁん…)』
(むッ…!?)
玄関扉を開けた途端、中から漂ってきた臭気が壁のように感じられる。いまは防毒マスクのフィルターを搭載した蟲王マスクではないので、思わずその臭いにたじろぎ扉から後ずさる。
だが…これは生活臭に類するモノ。臭いが死臭ではないことに、わずかながらもホッとする。あの臭いはもっと生臭いモノな…。
『パチ…』
(……)
そして外が明るい分、室内は酷く暗く感じられた。そこで玄関灯のスイッチを入れてみたが、明かりはつかない。む、停電か…でもインターホンは。
『(ごそッ…)』
(…ッ!)
今、確かに気配を感じた。まだ視認はできないが、部屋へと続く室内扉のその向こうに…。
「聞こえるか?オレだ。ジャングだ、中に入るぞ!」
『がちゃ』
すると、暗がりのなかに座り込んで怯えているオークがいた。
いや…暗くても色白と解るので、どっちかっていうとポークか。
「だ、誰だおまえは??」
そんな怯えたポーク…、いや随分とぽっちゃりになってしまったオタ友はそう言って震えながらも、プラモデルを作る時に使うのであろうデザインナイフをオレに向けてきた。
「オレだ、解らないのか?ほら、ジャングだ」
「うぅぅ…嘘つくな!ジャン氏はもっとゴボウみたいにヒョロヒョロなんだぞ!おまえみたいにゴツいヤツな訳あるか!」
あ、おまえオレのことそんな風に思ってたの…?ちょっと傷ついたわ。
しかしオタ友はオレをオレだとまるで信じてくれない。そして「出てけ泥棒!」などと叫んでは、手近にあったリモコンなんかを投げつけてくる。
困ったな…お、そうだ!ここはオタ的な合言葉で、だが何がある!?
電脳オタで頭の良いコイツならそれっぽい合言葉を口にしたとしても、「ハッキングして個人情報を盗んだんだろ!」なんてことも言い出しそうだ。
うぅむ…コイツとオレだけに。コイツとオレだけに通じる何か…。
「こいつぅ!出てけ、出てけよぉ~!!」
むぅ、いったいどうすれば…ハッ、そうだ!友よ、いまこそオレの…オレの歌を聴けぇえええ~ッ!!
「きゅんパイきゅんパイ!どんどどんどどん!きゅんパイきゅんパイ!どんどどんどどん!」
「なんだって!こ、この曲は…!?」
オレは振りつけも込みで、友に向け歌って踊ってみせた。
「夜空はきらめくパッションフルーツ!宇宙の海は~わたしのモノよ~!!(きゅんきゅん!)」
「ああ!やっぱりこの曲は!18禁ゲームきゅんきゅんパイレーツ特装版にスペシャル特典として同封の音源CDに収録されていた幻のオープニング曲!レッツゴー!突撃☆きゅんパイハートではないでゴザルかッ!?」
「そうだ!おまえといっしょに電気街まで出かけ、雨のなか整理券貰って並んで買ったよな?店頭販売特典のポスターが欲しくて!」
「え…、それじゃあホントに…ホントにあのジャン氏なのかい…?」
「イェス!パイレーツ~ズッキュ~ン!!…そうだ友よ!やっとデカルチャーしてくれたか!?」
「ウン!ぽくたんの心の銀河にも、きゅんきゅん響いて来たよ!!それにこの曲を知ってても人前で歌える恥知らずは、ぽくたんの知る限りジャン氏ただひとりさッ!!」
っておいふざけんなよ!おまえに解って貰う為に、頑張って歌ってやったんだからな!!
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