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囲炉裏ディナー
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「ん、飯さ作ってくれるのけ?そんなら好きに使ってええぞ」
お爺さんに夕飯の支度をするという事で現在の食糧備蓄具合をお伺いしてみると、自分達で食べる米は一年分以上あるという。
さらには自家製の味噌や醤油、漬物なんかがとてもひとりでは消費しきれない程あると言うではないか。そこで納屋の影にあって視えなかった土蔵にお邪魔してみると、そこには本当に圧巻の備蓄が。
う~む、さすがは農家。自給自足っぷりが半端ないぞ。
ていうか、それもそうだな。ここに来るまでコンビニなんか全然みかけなかったし。この辺りじゃこれが普通の感覚なのだろう。
「…配るにしても、今じゃだいぶ人も減っちゃったみたいだしねぇ」
瀬来さんが言うには、昔はそんな自家製味噌なんかをご近所に配っていたそうだ。だがそれもめっきりへってしまったそうな。ふぅむ、地方過疎化でこの辺もさびれてしまったのか。
「まぁでも今回は、お爺さんのつい前と変わらず作り過ぎてしまったというのが、功を奏したな。これだけあれば食料の心配はない。というか羨ましがられるレベルだ」
「そうやねぇ。モンスター食材も悪ぅないけど、普通のモン食べられる方がホッとするもんなぁ」
うん、そうだね。仁菜さんの言にも頷ける。
巨大カニとか巨大カマドウマの肉も美味いけど、慣れ親しんだコメの味や卵や漬物の味って、やっぱりホッとするもんだ。
「じゃあ、三人で手分けして、パパッと夕飯やっちゃおうか!」
「「お~!」」
…。
こうして三人で調理した結果。
瀬来さんのお爺さんには贅沢巨大カニ尽くしを堪能してもらい、オレ達は新鮮なお野菜や漬物、それに産みたて卵といった素敵食材で夕飯と頂くことに。
「はぁ~、こりゃ豪勢じゃのぉ~」
「でしょ!おじいちゃんに食べて欲しくて作ったんだから、残さず食べてね!」
ダンジョン産の巨大カニをまるごと一匹、いやまるごと一杯使った贅沢料理が囲炉裏に並ぶ。太いハサミや肢には豪快に串を打たれて炉端焼きにされ、大きな甲羅を用いたカニ鍋がふつふつと煮えている。
「なんじゃ、万智は食わんのか?」
「うん。実はコレ、私たちは普段から食べてるの。だから私たちにはおじいちゃんの作ってくれた新鮮なお野菜の方が、この何倍もご馳走なのよ」
その一方でオレ達の食事は漬物や野菜サラダにご飯といった感じなので、一見すこし貧層にみえなくもない。だが今のオレ達の身体は、新鮮なお野菜こそを求めているのだ。
「せやねぇ。東京じゃ野菜が高こうて、とてもじゃないけど手がでんもんなぁ」
「うむ。今ならこの巨大カニ一杯も、同じ重さのキャベツやニンジンと同価値だな」
「はぁ、東京じゃそげに野菜が足りなくなっとるのか…。スマンのう、せがれや近場の衆がおらんようになって、今年は作付けも思うようにならんかった…」
オレ達の話を聞くと、実に申し訳なさそうに深々と頭をさげる瀬来さんのお爺さん。
「そんな、頭をあげてください瀬来さんのお爺さん」
「そうよおじいちゃん!おじいちゃんは最後まで残って、こうして畑や田んぼを守ってたんでしょ。なら誇りを持って胸を張って!私の自慢のおじいちゃんなんだから!!」
「おお、万智や…」
ジンときているお爺さんに、囲炉裏で程よく焼けたカニの肢を剥いてあげ渡す瀬来さん。それを受けとり熱がりながらもハフハフと食べるお爺さん。うんうん、なんと美しき家族愛かな。
「美味いのぅ…。こりゃおっかぁにも食わせてやりたかったのぅ」
「……」
すると瀬来さんが自身のお碗をとると、囲炉裏で煮えているカニ汁を掬いスッと立ちあがる。そうしてとなりの間にあった仏壇に向かい手を合わせると、それを供えて戻ってきた。
「…おばあちゃんがせっかくなんだから、冷めないうちに食べなさいって」
「フフ…、万智もおっかぁに似て気丈よなぁ。そんならありがたく頂くか…」
母屋の照明は薄暗く、建物の古さもあってかどことなく薄気味悪さを感じてしまう。でも囲炉裏で燃える炭はとても暖かく、心を落ち着かせてくれる音と匂いがした。
そんななか互いを気づかい合う祖父と孫娘の様子を、仁菜さんと頷き合って見守りながらオレもまた新鮮なTKGを頂いたのだった。
お爺さんに夕飯の支度をするという事で現在の食糧備蓄具合をお伺いしてみると、自分達で食べる米は一年分以上あるという。
さらには自家製の味噌や醤油、漬物なんかがとてもひとりでは消費しきれない程あると言うではないか。そこで納屋の影にあって視えなかった土蔵にお邪魔してみると、そこには本当に圧巻の備蓄が。
う~む、さすがは農家。自給自足っぷりが半端ないぞ。
ていうか、それもそうだな。ここに来るまでコンビニなんか全然みかけなかったし。この辺りじゃこれが普通の感覚なのだろう。
「…配るにしても、今じゃだいぶ人も減っちゃったみたいだしねぇ」
瀬来さんが言うには、昔はそんな自家製味噌なんかをご近所に配っていたそうだ。だがそれもめっきりへってしまったそうな。ふぅむ、地方過疎化でこの辺もさびれてしまったのか。
「まぁでも今回は、お爺さんのつい前と変わらず作り過ぎてしまったというのが、功を奏したな。これだけあれば食料の心配はない。というか羨ましがられるレベルだ」
「そうやねぇ。モンスター食材も悪ぅないけど、普通のモン食べられる方がホッとするもんなぁ」
うん、そうだね。仁菜さんの言にも頷ける。
巨大カニとか巨大カマドウマの肉も美味いけど、慣れ親しんだコメの味や卵や漬物の味って、やっぱりホッとするもんだ。
「じゃあ、三人で手分けして、パパッと夕飯やっちゃおうか!」
「「お~!」」
…。
こうして三人で調理した結果。
瀬来さんのお爺さんには贅沢巨大カニ尽くしを堪能してもらい、オレ達は新鮮なお野菜や漬物、それに産みたて卵といった素敵食材で夕飯と頂くことに。
「はぁ~、こりゃ豪勢じゃのぉ~」
「でしょ!おじいちゃんに食べて欲しくて作ったんだから、残さず食べてね!」
ダンジョン産の巨大カニをまるごと一匹、いやまるごと一杯使った贅沢料理が囲炉裏に並ぶ。太いハサミや肢には豪快に串を打たれて炉端焼きにされ、大きな甲羅を用いたカニ鍋がふつふつと煮えている。
「なんじゃ、万智は食わんのか?」
「うん。実はコレ、私たちは普段から食べてるの。だから私たちにはおじいちゃんの作ってくれた新鮮なお野菜の方が、この何倍もご馳走なのよ」
その一方でオレ達の食事は漬物や野菜サラダにご飯といった感じなので、一見すこし貧層にみえなくもない。だが今のオレ達の身体は、新鮮なお野菜こそを求めているのだ。
「せやねぇ。東京じゃ野菜が高こうて、とてもじゃないけど手がでんもんなぁ」
「うむ。今ならこの巨大カニ一杯も、同じ重さのキャベツやニンジンと同価値だな」
「はぁ、東京じゃそげに野菜が足りなくなっとるのか…。スマンのう、せがれや近場の衆がおらんようになって、今年は作付けも思うようにならんかった…」
オレ達の話を聞くと、実に申し訳なさそうに深々と頭をさげる瀬来さんのお爺さん。
「そんな、頭をあげてください瀬来さんのお爺さん」
「そうよおじいちゃん!おじいちゃんは最後まで残って、こうして畑や田んぼを守ってたんでしょ。なら誇りを持って胸を張って!私の自慢のおじいちゃんなんだから!!」
「おお、万智や…」
ジンときているお爺さんに、囲炉裏で程よく焼けたカニの肢を剥いてあげ渡す瀬来さん。それを受けとり熱がりながらもハフハフと食べるお爺さん。うんうん、なんと美しき家族愛かな。
「美味いのぅ…。こりゃおっかぁにも食わせてやりたかったのぅ」
「……」
すると瀬来さんが自身のお碗をとると、囲炉裏で煮えているカニ汁を掬いスッと立ちあがる。そうしてとなりの間にあった仏壇に向かい手を合わせると、それを供えて戻ってきた。
「…おばあちゃんがせっかくなんだから、冷めないうちに食べなさいって」
「フフ…、万智もおっかぁに似て気丈よなぁ。そんならありがたく頂くか…」
母屋の照明は薄暗く、建物の古さもあってかどことなく薄気味悪さを感じてしまう。でも囲炉裏で燃える炭はとても暖かく、心を落ち着かせてくれる音と匂いがした。
そんななか互いを気づかい合う祖父と孫娘の様子を、仁菜さんと頷き合って見守りながらオレもまた新鮮なTKGを頂いたのだった。
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