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御御御付
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翌日も午前中は農作業を手伝い、午後は正面の山でお馬の稽古ならぬ立体機動訓練。
「きゃああ!」
「瀬来さん!力は強くなっても体重はそう変わってないんだから、ちゃんと避けないと痛い目をみるよ!」
今やっているのは、立体機動中に攻撃を受けた際の対処を学ぶこと。
彼女たちが決められたコースを立体機動で通過する際に、粘液ロープで吊り下げた丸太で攻撃。ま、特訓パートってやつでございます。
対処法は身を捻って躱すか、粘液ロープを繰り出し自身の軌道を変えるかの二択になる。
ダメなのはまともに受けとめようとしてしまうこと。空中に浮いた状態では重い方が勝つので、受けとめようとするとどうしたって重量差で押し負け落ちてしまう。
あとはまだ基礎訓練中なので、漫画にあるみたいに空中で向かってくる対象をぶった切ってそのまま直進。なんて真似はさせていない。瀬来さんはソレやりたがってたけど。
「タァーッ!」
「動きをよく視て周りもよく視て、しっかり躱す!いいぞ仁菜さん!」
うむ、山といえば修行。修行といえば山。というわけでオレの指導にも熱が入る。
とはいえ彼女たちに怪我はさせられないので、ほどほどの高さでかつぶつける丸太も粘液で包みこみ痛くないようにしてある。
それでもそれなりに勢いがついているから、まともに喰らえばグフッと息がつまるくらいのダメージは受ける。でもそれも、より大きな怪我を負わない為。そして真剣に訓練に取り組んでもらう為にも、このくらいの負荷は必要なのだ。
……。
そうして、陽の暮れる前に帰宅。
「あ~、つかれたぁ~。それに痛ぁい、アザになっちゃったよぉ~」
「そら万智がちゃんと躱さんからやろぉ。けっこう落ちとったもんなぁ」
「も~、咄嗟に粘液だして軌道を変えるってのがむずかしいのよ~。あ、おじいちゃんただいま。薪ひろってきたわよ」
納屋の前を通りかかると、丁度お爺さんは農具の手入れをしていたようだ。
「おかえり万智。もう湯が沸いとるから、さき風呂さ入るとええ」
「うん、ありがとう。じゃあ先に入らせてもらうね。いこうシズ」
「ほな、お先にぃ」
「ああ、あったまっといで」
ふたりは玄関を越え、母屋の裏手へと消えていく。
ここの湯殿は台所の向かいにあり、台所の釜と風呂釜が繋がっているとってもエコな造り。つまり煮炊きをすれば風呂が沸き、風呂を沸かせば煮炊きができるのだ。
「…コーイチ。おまえら、山でなにしとるんじゃ??」
「あ~、山歩きの準備ですね。山歩きの素人が、いきなり山に入るのも危険なんで」
「そうか。まぁ怪我せんようになぁ」
「はい。それよりもお爺さん。今日もタチの悪い猿は出ませんでした?」
「う~ん、あれからしばらく見とらんのう」
「そうですか、でもそれなら良かったです」
ふぅむ…、いままで頻繁に姿を見せていたという山ゴブリンが姿を見せなくなった。
という事は、今までは超巨大猪が幅を利かせていて満足に食い物を手に入れられなかったのか?だがいなくなったことでその縄張りが消え、山を下りてくる必要がなくなったと。
状況から推察するに、たぶんそんなところだろうか。
「コーイチ、悪いがこの薪も割っといてくれんか?」
「はい、では夕飯までに片付けておきましょう」
「そんなら儂は、夕餉の支度をしとくからの」
「おねがいします」
ふ~む、とはいえだ。この程度の作業なんか秒で終わってしまう。
そうだ。ついでだし山に戻ってもうちょい集めてくるか。目星をつけてた太めの倒木もあるし。いや~、それにしても田舎暮らしって楽しいな。超人的なパワーがあると、普通なら大変なこともなんだってサクサクこなせるのだから。
そうして大量の薪を割り終わると、仁菜さんが呼びにきてくれたので風呂に入らせてもらう。浴槽は昔ながらの、五右衛門風呂ってヤツ。いやぁ、これもまた趣があって非常にグッド。
で、今日も囲炉裏を囲み、みんなで楽しい夕食タイム。
串に刺した肉が囲炉裏で芳ばしく焼かれている。が、今日のメインは畑で採れた新鮮野菜と超巨大猪肉がたっぷりと入ったお爺さん特製の、御御御付け。
うん、字面が凄いが、要するに具だくさんお味噌汁の事。
『おみ』は味噌を『おつけ』は汁を意味する女房言葉らしい。
ただ一汁三菜なんていわれてたむか~しむかしの献立では、その一汁がメインおかずのポジションになっていたようなので、オレはなんとなく味噌汁と御御御付けとを使い分けている。
現代の感覚でいうなら、メインのおかず足りえるカレーやクリームシチューが御御御付けと同じ括りで、コーンスープとか中華風スープが味噌汁と同じ括りといった感じだろうか。
「さ、よそえたぞ。たんと食え」
「「「いただきまぁす!」」」
囲炉裏にさげられたアツアツの鉄鍋から、お爺さんが全員分の御御御付けをよそってくれる。
ほんと昔話に出てくるような絵面で、実に食欲がそそられる。まぁ流石にゴハンはあそこまで超テンコ盛りじゃないけど。でも何杯でも食えそうな程に、このコメがまた美味い。
うん。お鍋のように皆で箸を伸ばすわけではないし、豚汁のようでもあるがそれよりも超具だくさん。やっぱりこれは、御御御付けだな。
「きゃああ!」
「瀬来さん!力は強くなっても体重はそう変わってないんだから、ちゃんと避けないと痛い目をみるよ!」
今やっているのは、立体機動中に攻撃を受けた際の対処を学ぶこと。
彼女たちが決められたコースを立体機動で通過する際に、粘液ロープで吊り下げた丸太で攻撃。ま、特訓パートってやつでございます。
対処法は身を捻って躱すか、粘液ロープを繰り出し自身の軌道を変えるかの二択になる。
ダメなのはまともに受けとめようとしてしまうこと。空中に浮いた状態では重い方が勝つので、受けとめようとするとどうしたって重量差で押し負け落ちてしまう。
あとはまだ基礎訓練中なので、漫画にあるみたいに空中で向かってくる対象をぶった切ってそのまま直進。なんて真似はさせていない。瀬来さんはソレやりたがってたけど。
「タァーッ!」
「動きをよく視て周りもよく視て、しっかり躱す!いいぞ仁菜さん!」
うむ、山といえば修行。修行といえば山。というわけでオレの指導にも熱が入る。
とはいえ彼女たちに怪我はさせられないので、ほどほどの高さでかつぶつける丸太も粘液で包みこみ痛くないようにしてある。
それでもそれなりに勢いがついているから、まともに喰らえばグフッと息がつまるくらいのダメージは受ける。でもそれも、より大きな怪我を負わない為。そして真剣に訓練に取り組んでもらう為にも、このくらいの負荷は必要なのだ。
……。
そうして、陽の暮れる前に帰宅。
「あ~、つかれたぁ~。それに痛ぁい、アザになっちゃったよぉ~」
「そら万智がちゃんと躱さんからやろぉ。けっこう落ちとったもんなぁ」
「も~、咄嗟に粘液だして軌道を変えるってのがむずかしいのよ~。あ、おじいちゃんただいま。薪ひろってきたわよ」
納屋の前を通りかかると、丁度お爺さんは農具の手入れをしていたようだ。
「おかえり万智。もう湯が沸いとるから、さき風呂さ入るとええ」
「うん、ありがとう。じゃあ先に入らせてもらうね。いこうシズ」
「ほな、お先にぃ」
「ああ、あったまっといで」
ふたりは玄関を越え、母屋の裏手へと消えていく。
ここの湯殿は台所の向かいにあり、台所の釜と風呂釜が繋がっているとってもエコな造り。つまり煮炊きをすれば風呂が沸き、風呂を沸かせば煮炊きができるのだ。
「…コーイチ。おまえら、山でなにしとるんじゃ??」
「あ~、山歩きの準備ですね。山歩きの素人が、いきなり山に入るのも危険なんで」
「そうか。まぁ怪我せんようになぁ」
「はい。それよりもお爺さん。今日もタチの悪い猿は出ませんでした?」
「う~ん、あれからしばらく見とらんのう」
「そうですか、でもそれなら良かったです」
ふぅむ…、いままで頻繁に姿を見せていたという山ゴブリンが姿を見せなくなった。
という事は、今までは超巨大猪が幅を利かせていて満足に食い物を手に入れられなかったのか?だがいなくなったことでその縄張りが消え、山を下りてくる必要がなくなったと。
状況から推察するに、たぶんそんなところだろうか。
「コーイチ、悪いがこの薪も割っといてくれんか?」
「はい、では夕飯までに片付けておきましょう」
「そんなら儂は、夕餉の支度をしとくからの」
「おねがいします」
ふ~む、とはいえだ。この程度の作業なんか秒で終わってしまう。
そうだ。ついでだし山に戻ってもうちょい集めてくるか。目星をつけてた太めの倒木もあるし。いや~、それにしても田舎暮らしって楽しいな。超人的なパワーがあると、普通なら大変なこともなんだってサクサクこなせるのだから。
そうして大量の薪を割り終わると、仁菜さんが呼びにきてくれたので風呂に入らせてもらう。浴槽は昔ながらの、五右衛門風呂ってヤツ。いやぁ、これもまた趣があって非常にグッド。
で、今日も囲炉裏を囲み、みんなで楽しい夕食タイム。
串に刺した肉が囲炉裏で芳ばしく焼かれている。が、今日のメインは畑で採れた新鮮野菜と超巨大猪肉がたっぷりと入ったお爺さん特製の、御御御付け。
うん、字面が凄いが、要するに具だくさんお味噌汁の事。
『おみ』は味噌を『おつけ』は汁を意味する女房言葉らしい。
ただ一汁三菜なんていわれてたむか~しむかしの献立では、その一汁がメインおかずのポジションになっていたようなので、オレはなんとなく味噌汁と御御御付けとを使い分けている。
現代の感覚でいうなら、メインのおかず足りえるカレーやクリームシチューが御御御付けと同じ括りで、コーンスープとか中華風スープが味噌汁と同じ括りといった感じだろうか。
「さ、よそえたぞ。たんと食え」
「「「いただきまぁす!」」」
囲炉裏にさげられたアツアツの鉄鍋から、お爺さんが全員分の御御御付けをよそってくれる。
ほんと昔話に出てくるような絵面で、実に食欲がそそられる。まぁ流石にゴハンはあそこまで超テンコ盛りじゃないけど。でも何杯でも食えそうな程に、このコメがまた美味い。
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