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剛腕の万智
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庭からみて、納屋の向こうに昔ながらの土蔵がありけり。
なかにはお米と大きな味噌や漬物の樽なんかが納められていて、食料庫となっている。そしてそのまた先に、隠れるようにしてちいさな炭焼き小屋があった。ほんと、瀬来さんちの庭は広いな。
「ねぇシズ。エクスカリバールを改造するなら、どんな風にしたいの?」
「そうやねぇ。丈夫なのが一番やけど、もうちょい長い方がええかなぁ?」
「だってよ、江月さん?」
「そうか。じゃあご期待に沿えるよう、がんばるとしよう」
炭焼きの準備を進めながら、話はどんな風にエクスカリバールを改造するかで盛り上がる。
その結果、仁菜さんの丈夫で長い方がいいというリクエストに応える為、2つあるエクスカリバールをニコイチ。さらに保険でいつも空間庫いれてあったものの、今まで一度も日の目を見たことのなかった投擲用金テコを芯金として用いることにした。
つまり金テコを芯にして、両面をそれぞれのエクスカリバールで覆うといったカタチ。
たしか日本刀の作り方で、こんな風にするやり方があったはず。そして形状としては、無難に両手剣でいこうと決まった。
ただこうした加工で、エクスカリバールについている強化エンチャントがどうなってしまうのかは不明。だが我慢して変形したままの危ない状態で使うよりも、エンチャントが消えてしまっても整えたいというのが仁菜さんの希望だ。
「さて、炭焼き窯の方はこれでOKだから、先に火を入れるか」
「ならこの先は任せて。江月さんは壊れた炉の方をおねがい」
「よしきた。ではお次は炉の方を直そうか」
というのも炭焼き窯の方は今も使われているのか補修の痕跡がみられたが、鍛冶に使っていたであろう炉の方は半壊状態。組まれた煉瓦もなかば崩れ落ちていて、コレは直さなければ使えない。
「ほな頼まれた通りに石も土も用意できとるから、いつでもOKやで」
「ありがとう。では早速補修にとりかかろう」
煙を吐き始めた炭焼き窯の隣で作業を行う。といってもオレ達にはスキル【粘液】があるから、補修だってカンタンだ。
なにせ土と粘着力の強い粘液を混ぜただけで、とっても強力な接着セメントのできあがり。コレで鍛冶に使う炉に石を填めこみペタペタと接着していけば、普通のセメントのように垂れたり崩れる心配もなくドンドン直していける。
「はぁ~…。ほんま【粘液】って便利やねェ。使い方次第でなんにでも使えるやん。直すのに2分と掛からんかったよ?」
「ハハハ、便利だろ?やっぱりスキルは使い方次第というわけさ。さ、このまま魔力を流して水気を飛ばし、早速火を入れてみようか」
本来であれば補修を終えたばかりなので、時間をおいて乾燥させるところ。
セメントが水気を多く含んだままでは、熱で蒸発する際に膨張により亀裂が発生してしまうから。しかし魔力で生み出した粘液ならば心配無用。こうして追加の魔力操作で水気をとばしてやれば、乾燥させる時間を省くことだって出来る。
「すご~い!もっと時間が掛かるかと思ったけど、あっという間にできちゃったね!」
と言いつつも瀬来さんは、余っていたセメントで炉にペタペタとお城のような塔をくっつけている。
「どう、可愛いでしょ?」
「うん、とってもかわいいね」
「えへへ」
でも、性能的にはまったく変化ないかな。
しかしそれを言うのはよそう。言えばきっと、機嫌を損ねてしまうから。うん、女の子にとっての可愛いは、きっとオタにとってのツノの有る無しくらい重要なことなのだろう。だな。ツノの有無で指揮官機か下っ端かの違いが生まれるのなら、とっても大きな差だ。
「ほんなら、早速やってみるん?」
「いや、まずは火を入れて様子をみてみようか。大丈夫だとは思うけど、素人作業だからまた破損してしまうかもしれないし」
「せやね。その方がええやろね」
「それにエクスカリバールを直す前に、なにかですこし練習したほうがいいだろう?」
「あ、なら納屋から使わない鉄クズとか持ってくるね!それで練習しよ!」
「ああ、頼むよ瀬来さん。重いモノがあったら…って、手伝わなくても平気か」
「ふふ、そうね。この剛腕の万智ちゃんに任せないッ!じゃあちょっと行ってくるね。キャッ!」
駆けだそうとした瀬来さんは、振り向きざま土蔵に激突。おでこをぶつけて痛そうに擦っている。これには仁菜さんも呆れ顔だ。
「ほらぁ、ちゃんと前見ぃひんと危ないやろぉ~」
「イタ~イ。あぁもう、土蔵におでこの跡がついちゃったよぉ」
ああいや…。あの勢いでぶつかったならさ、普通の人なら派手に倒れ込んでるよ?それがテヘペロで済むんだから、まったくたいした頑丈さになったね瀬来さんも。
そのうち剛力とかも招来しちゃうんじゃない??
なかにはお米と大きな味噌や漬物の樽なんかが納められていて、食料庫となっている。そしてそのまた先に、隠れるようにしてちいさな炭焼き小屋があった。ほんと、瀬来さんちの庭は広いな。
「ねぇシズ。エクスカリバールを改造するなら、どんな風にしたいの?」
「そうやねぇ。丈夫なのが一番やけど、もうちょい長い方がええかなぁ?」
「だってよ、江月さん?」
「そうか。じゃあご期待に沿えるよう、がんばるとしよう」
炭焼きの準備を進めながら、話はどんな風にエクスカリバールを改造するかで盛り上がる。
その結果、仁菜さんの丈夫で長い方がいいというリクエストに応える為、2つあるエクスカリバールをニコイチ。さらに保険でいつも空間庫いれてあったものの、今まで一度も日の目を見たことのなかった投擲用金テコを芯金として用いることにした。
つまり金テコを芯にして、両面をそれぞれのエクスカリバールで覆うといったカタチ。
たしか日本刀の作り方で、こんな風にするやり方があったはず。そして形状としては、無難に両手剣でいこうと決まった。
ただこうした加工で、エクスカリバールについている強化エンチャントがどうなってしまうのかは不明。だが我慢して変形したままの危ない状態で使うよりも、エンチャントが消えてしまっても整えたいというのが仁菜さんの希望だ。
「さて、炭焼き窯の方はこれでOKだから、先に火を入れるか」
「ならこの先は任せて。江月さんは壊れた炉の方をおねがい」
「よしきた。ではお次は炉の方を直そうか」
というのも炭焼き窯の方は今も使われているのか補修の痕跡がみられたが、鍛冶に使っていたであろう炉の方は半壊状態。組まれた煉瓦もなかば崩れ落ちていて、コレは直さなければ使えない。
「ほな頼まれた通りに石も土も用意できとるから、いつでもOKやで」
「ありがとう。では早速補修にとりかかろう」
煙を吐き始めた炭焼き窯の隣で作業を行う。といってもオレ達にはスキル【粘液】があるから、補修だってカンタンだ。
なにせ土と粘着力の強い粘液を混ぜただけで、とっても強力な接着セメントのできあがり。コレで鍛冶に使う炉に石を填めこみペタペタと接着していけば、普通のセメントのように垂れたり崩れる心配もなくドンドン直していける。
「はぁ~…。ほんま【粘液】って便利やねェ。使い方次第でなんにでも使えるやん。直すのに2分と掛からんかったよ?」
「ハハハ、便利だろ?やっぱりスキルは使い方次第というわけさ。さ、このまま魔力を流して水気を飛ばし、早速火を入れてみようか」
本来であれば補修を終えたばかりなので、時間をおいて乾燥させるところ。
セメントが水気を多く含んだままでは、熱で蒸発する際に膨張により亀裂が発生してしまうから。しかし魔力で生み出した粘液ならば心配無用。こうして追加の魔力操作で水気をとばしてやれば、乾燥させる時間を省くことだって出来る。
「すご~い!もっと時間が掛かるかと思ったけど、あっという間にできちゃったね!」
と言いつつも瀬来さんは、余っていたセメントで炉にペタペタとお城のような塔をくっつけている。
「どう、可愛いでしょ?」
「うん、とってもかわいいね」
「えへへ」
でも、性能的にはまったく変化ないかな。
しかしそれを言うのはよそう。言えばきっと、機嫌を損ねてしまうから。うん、女の子にとっての可愛いは、きっとオタにとってのツノの有る無しくらい重要なことなのだろう。だな。ツノの有無で指揮官機か下っ端かの違いが生まれるのなら、とっても大きな差だ。
「ほんなら、早速やってみるん?」
「いや、まずは火を入れて様子をみてみようか。大丈夫だとは思うけど、素人作業だからまた破損してしまうかもしれないし」
「せやね。その方がええやろね」
「それにエクスカリバールを直す前に、なにかですこし練習したほうがいいだろう?」
「あ、なら納屋から使わない鉄クズとか持ってくるね!それで練習しよ!」
「ああ、頼むよ瀬来さん。重いモノがあったら…って、手伝わなくても平気か」
「ふふ、そうね。この剛腕の万智ちゃんに任せないッ!じゃあちょっと行ってくるね。キャッ!」
駆けだそうとした瀬来さんは、振り向きざま土蔵に激突。おでこをぶつけて痛そうに擦っている。これには仁菜さんも呆れ顔だ。
「ほらぁ、ちゃんと前見ぃひんと危ないやろぉ~」
「イタ~イ。あぁもう、土蔵におでこの跡がついちゃったよぉ」
ああいや…。あの勢いでぶつかったならさ、普通の人なら派手に倒れ込んでるよ?それがテヘペロで済むんだから、まったくたいした頑丈さになったね瀬来さんも。
そのうち剛力とかも招来しちゃうんじゃない??
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