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タイマンバトル
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枝葉を引き千切りながら現れたその姿に、3人そろって絶句。これには動揺を隠せない。
「な、馬鹿なッ!?」
「え、ウソやろ…」
「う、なんなのよコイツ!」
藪の向こうから現れたのは、身の丈2メートルを超えるめっさ筋骨隆々なカンガルーだった。
『バキバキバキ…』
「ふしゅるるぅ~~ッ!」
「な、なんで草津の山んなかに、カンガルーが…??」
うん、ちょっと意味がわからない。流れ的に100%鬼だと思ったのに。なぜにカンガルー?て、あのトンガリは耳だったのか。
だが混乱をきたしたとしても、仕方のない事と思える。まったく想定外もいいとこなのだから。さらにもしや狐や狸にでも化かされているのか、ともチラと考えてみる。が、日本にいる狐や狸がカンガルーの存在を知っているとも思えない。
ということは、やはりモンスター?
「ふっしゅ、むっしゅ!ぶしゅるるるぅ!!」
しかしなんとも、マッシブが過ぎる。
そんな原〇夫風味なマッシヴカンガルーが、自身の筋肉をアピールするかの如く前肢を上下に動かす。そして雑にケツをかきつつ、こちらを威嚇してくるではないか。
う~む、まるで「おまえたちなど俺の相手ではない」といった態度。しかしその瞳は油断なくオレを捉え、まさに一分の隙もない。
(ほぉ、オレとの対戦をご所望か。よしいいだろう、相手になってやる…)
かかってこいとばかりに首を振るマッシヴカンガルーに、オレもその気になった。慣れない山という環境で慎重に行動していたが、それにもすこし飽きていたところだ。
そうして一歩前へと踏み出そうとしたのだが、ここで瀬来さんが待ったをかけた。
「待って江月さん!こんなヤツ、私ひとりで充分だわッ!」
「え?」
そういって前へと踏み出す瀬来さん。
(え、怖くないの?たしかにカンガルーは草食動物だけどさ。身長差は歴然だし、あの筋肉だよ??)
「だいじょうぶ、私にまかせて…」
だがしっかりとオレをみつめ返してくる瀬来さんの瞳には、確かな自信の輝きが。
「むむ、だがあの筋肉だ。相当に手強いぞ。首相撲と蹴りには、充分注意するんだぞ」
「わかってる。私だってちゃんと、江月さんの指導を受けてるんだから!」
「よし、わかった任せよう。しっかりな」
「ええ、いってくる!」
シュカポンとマスクが閉じて瀬来さんの顔が視えなくなると、プシュッと空気の抜ける音。
打撃を警戒して、しっかりマスクの中にも粘液を満たしたようだ。それを見届けると、戦うスペースを空けるためオレと仁菜さんは後ろへとさがった。
「あんなん言うてもう…、あの子ホンマにだいじょうぶやろか?」
「瀬来さん、ケンカ度胸だけはあるからな。でも今回はそれだけじゃなく、かなり自信もありそうだ。期待してみよう」
そんな様子を、マッシヴカンガルーは攻撃せずにただ腕を組んで待っていた。非常に雑な組み方だが、風格を醸そうとしている風でもある。
「お、はじまるぞ…」
「ホンマにもう」
両者が木々の間に設けられたバトルフィールドで睨みあう。
瀬来さんは腰に据えられた骨ハンマーには手を伸ばさず、徒手のまま。マッシヴカンガルーも身ひとつ。だが、大きな身体そのものが強力な武器になる。あの強靭な筋肉の後足で蹴られたならば、たとえ蠅女王のスーツを着ていたとしても無事では済まないだろう。
「「ッ!」」
戦いがはじまった。
瀬来さんが姿勢を低く構えるのと同時に、マッシヴカンガルーも重心を後ろに。
その太い尻尾に体重をかけ、いつでも蹴りを繰り出せる態勢に移行したのだ。すると前傾の瀬来さんとマッシヴカンガルーが後ろに反り返るような態勢をとったことで、余計にその体格差が際立って見える。
「やっ!」
まず掛け声とともに先に仕掛けたのは瀬来さん。しかし真正面から突っ込んだので、マッシヴカンガルーからの鋭い蹴りに晒される。
「む、スライディング!?」
カンガルーキックをスライディングで避けマッシヴカンガルーの左手へと抜ける。だが間髪入れずに尻尾が振られ、その追撃を飛び込み前転で躱す瀬来さん。巧い、これで背後に回ったぞ。
しかしここで瀬来さん。
背後にあった木の幹を蹴って飛び上がると、脚が上にくるサマーソルト態勢でマッシヴカンガルーの顔に酸霧と粘液拘束を見舞った。
「アシッドミスト!ミューカスバインド!たーッ!!」
「ブフッ!?」
酸霧での目潰し。それを嫌ってマッシヴカンガルーが顔を背けたところに粘液弾が命中。
すると空中で腰の骨ハンマーを引き抜き、事態を飲み込めずに混乱するマッシヴカンガルーのドタマをそれでおもいきりブッ叩いた。
『どがんッ!!』
「「ええ~~ッ!?」」
これにはオレと仁菜さんもドン引き。
アレだけ自信満々かつ相手の土俵で戦う態で出て行ったのに、はじめてみればキックボクシングなら反則攻撃のオンパレード。
いや、生き残るための戦い方として、たしかにそう教えたのはオレだけどさ。まさかその通りにやるとは思わなかった。
だってここは流れ的に、ぜったい格闘オンリーでやるところジャンね!
「な、馬鹿なッ!?」
「え、ウソやろ…」
「う、なんなのよコイツ!」
藪の向こうから現れたのは、身の丈2メートルを超えるめっさ筋骨隆々なカンガルーだった。
『バキバキバキ…』
「ふしゅるるぅ~~ッ!」
「な、なんで草津の山んなかに、カンガルーが…??」
うん、ちょっと意味がわからない。流れ的に100%鬼だと思ったのに。なぜにカンガルー?て、あのトンガリは耳だったのか。
だが混乱をきたしたとしても、仕方のない事と思える。まったく想定外もいいとこなのだから。さらにもしや狐や狸にでも化かされているのか、ともチラと考えてみる。が、日本にいる狐や狸がカンガルーの存在を知っているとも思えない。
ということは、やはりモンスター?
「ふっしゅ、むっしゅ!ぶしゅるるるぅ!!」
しかしなんとも、マッシブが過ぎる。
そんな原〇夫風味なマッシヴカンガルーが、自身の筋肉をアピールするかの如く前肢を上下に動かす。そして雑にケツをかきつつ、こちらを威嚇してくるではないか。
う~む、まるで「おまえたちなど俺の相手ではない」といった態度。しかしその瞳は油断なくオレを捉え、まさに一分の隙もない。
(ほぉ、オレとの対戦をご所望か。よしいいだろう、相手になってやる…)
かかってこいとばかりに首を振るマッシヴカンガルーに、オレもその気になった。慣れない山という環境で慎重に行動していたが、それにもすこし飽きていたところだ。
そうして一歩前へと踏み出そうとしたのだが、ここで瀬来さんが待ったをかけた。
「待って江月さん!こんなヤツ、私ひとりで充分だわッ!」
「え?」
そういって前へと踏み出す瀬来さん。
(え、怖くないの?たしかにカンガルーは草食動物だけどさ。身長差は歴然だし、あの筋肉だよ??)
「だいじょうぶ、私にまかせて…」
だがしっかりとオレをみつめ返してくる瀬来さんの瞳には、確かな自信の輝きが。
「むむ、だがあの筋肉だ。相当に手強いぞ。首相撲と蹴りには、充分注意するんだぞ」
「わかってる。私だってちゃんと、江月さんの指導を受けてるんだから!」
「よし、わかった任せよう。しっかりな」
「ええ、いってくる!」
シュカポンとマスクが閉じて瀬来さんの顔が視えなくなると、プシュッと空気の抜ける音。
打撃を警戒して、しっかりマスクの中にも粘液を満たしたようだ。それを見届けると、戦うスペースを空けるためオレと仁菜さんは後ろへとさがった。
「あんなん言うてもう…、あの子ホンマにだいじょうぶやろか?」
「瀬来さん、ケンカ度胸だけはあるからな。でも今回はそれだけじゃなく、かなり自信もありそうだ。期待してみよう」
そんな様子を、マッシヴカンガルーは攻撃せずにただ腕を組んで待っていた。非常に雑な組み方だが、風格を醸そうとしている風でもある。
「お、はじまるぞ…」
「ホンマにもう」
両者が木々の間に設けられたバトルフィールドで睨みあう。
瀬来さんは腰に据えられた骨ハンマーには手を伸ばさず、徒手のまま。マッシヴカンガルーも身ひとつ。だが、大きな身体そのものが強力な武器になる。あの強靭な筋肉の後足で蹴られたならば、たとえ蠅女王のスーツを着ていたとしても無事では済まないだろう。
「「ッ!」」
戦いがはじまった。
瀬来さんが姿勢を低く構えるのと同時に、マッシヴカンガルーも重心を後ろに。
その太い尻尾に体重をかけ、いつでも蹴りを繰り出せる態勢に移行したのだ。すると前傾の瀬来さんとマッシヴカンガルーが後ろに反り返るような態勢をとったことで、余計にその体格差が際立って見える。
「やっ!」
まず掛け声とともに先に仕掛けたのは瀬来さん。しかし真正面から突っ込んだので、マッシヴカンガルーからの鋭い蹴りに晒される。
「む、スライディング!?」
カンガルーキックをスライディングで避けマッシヴカンガルーの左手へと抜ける。だが間髪入れずに尻尾が振られ、その追撃を飛び込み前転で躱す瀬来さん。巧い、これで背後に回ったぞ。
しかしここで瀬来さん。
背後にあった木の幹を蹴って飛び上がると、脚が上にくるサマーソルト態勢でマッシヴカンガルーの顔に酸霧と粘液拘束を見舞った。
「アシッドミスト!ミューカスバインド!たーッ!!」
「ブフッ!?」
酸霧での目潰し。それを嫌ってマッシヴカンガルーが顔を背けたところに粘液弾が命中。
すると空中で腰の骨ハンマーを引き抜き、事態を飲み込めずに混乱するマッシヴカンガルーのドタマをそれでおもいきりブッ叩いた。
『どがんッ!!』
「「ええ~~ッ!?」」
これにはオレと仁菜さんもドン引き。
アレだけ自信満々かつ相手の土俵で戦う態で出て行ったのに、はじめてみればキックボクシングなら反則攻撃のオンパレード。
いや、生き残るための戦い方として、たしかにそう教えたのはオレだけどさ。まさかその通りにやるとは思わなかった。
だってここは流れ的に、ぜったい格闘オンリーでやるところジャンね!
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