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know etiquette
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今日はジェロームに約束した報酬を渡しに来ていた。
「ノー、ジェローム!それはノーグッドだ!」
しかしジェロームの口からでた言葉に、つい語気が荒くなってしまう。
遡る事ダンジョンスタンピード第二波の最中。スーパー銭湯から移動しなければならないオレに代わり、都奈美さんの警護をジェロームたちに依頼した事に対する報酬。
この報酬を、オレはスキルオーブでと約束した。
うん、これは非常に大盤振る舞いな気もする。だが初対面の相手にコチラの思う通り動いてもらうには、それくらいしなければという判断と、たいした手持ちのない状態のオレにはそれ以外に妥当な報酬が見当たらなかったのだ。
だがこの判断は正しかったようで、ジェロームたちはスタンピードが治まるまでスーパー銭湯に留まり、都奈美さんをしっかり守ってくれていたようだ。
まぁ実際には紹介されたもののよく知らぬ外国人が都奈美さんの近辺をウロウロし始めたので、他のスタッフが異様にジェロームらを警戒して、都奈美さんを守ってくれていたというのが正しいようだが。
それはシャークから聞いた話と、今日ジェロームから聞いた内容で確認がとれた。
では何が問題だったのかというと、ジェロームがオレから貰ったスキルオーブを他へ売ろうと、転売しようと考えていたこと。これは甚だ大きな問題だ。オレは自分がどんなヤツかも知らぬ相手に、力を渡すつもりなど毛頭ない。
だがジェロームたちは、そうは考えていなかったようだ。
「ノー、ジェローム。オレは死の商人になるつもりはないぞ」
「シ…?スミマセン、ワカラナイ…」
「なぁジェローム。このスキルオーブは銃…、ガンと同じだ。ミーのセルしたガンでファミリーがデッドしたら、おまえはどう思う?」
「……」
「オレはユー。おまえたちだから、ジェロームだからスキルオーブを渡すと、そう決めたんだぞ?だからそれは、他の誰ではない。ノット・サムワンエルズ」
「デモ…。シゴトない、オカネない、シオクレナイ…」
「塩くれない?…ああ、仕送りが出来ないと言いたいのか」
「ハイ… 」
そこで現在のジェロームたちの近況を詳しく訊くと、それは結構悲惨なモノだった。
…。
いま、日本にはたくさんの外国人労働者が働きに来ている。
介護だとか工場だとか、今やそういった労働力に依存せねば成り立たない業界まで、出来てしまっている。しかしその一方で、外国人と日本人では大きく価値観の違う点もある。
彼らは日本に金を得に来ているのであり、日本人は彼らの労働力を当てにしている。これがちょうどバランスよく回っているのであれば問題はない。が、一度バランスが狂うと、トンデモナイことになる。
ただそうしてダンジョンスタンピードの最中に暴徒化したのは、なにも外国人だけではない。だが彼ら外国人の悪事は非常に雑で、また乱暴だったのだ。
それ故ニュースになれば、非常に大きな問題として取り上げられていた。
で、今現在。スタンピードによる不景気の直撃をくらい、あちこちで大ダメージ。すると日本人でも職の選り好みなどしていられず、キツイ労働のガテン系にも人が殺到。
そうなるとジェロームのような外国人労働者は、まず最初に仕事を失ったそうだ。
それは言葉の壁で意思の疎通の難しい相手より、同じ日本人を雇った方が話は早いから。そして外国人犯罪者の問題が取りざたされている中で、わざわざそういった可能性の高いリスキーな外国人を雇用しようとは、まず考えなくなっていくから。
結果、ジェロームたちは解体業の職ですら、あぶれてしまったという。
(うむむ…、これはどうしたものか)
「……」
だが…である。
オレがサンドラだった時にナンパしてきたジェロームは、食事に応じると照れっテレに喜び、懸命に紳士であろうとしていた。そんな人として可愛らしかった様子を思い返すと、なんとも放っておけない気もしてきたのだ。
そうだ。衣・食・住足りて、ノウ・イティキュウト。
足りなきゃ奪うで、人は簡単に道を踏み外す。ならばここは、オレが彼らに手を差し伸べてやるべきではなかろうか。そこで相談のため電話で提督に連絡をとると、3人程度なら構わないとの心強い返事を貰えた。
「よし、ジェローム。仕事はある。だがキツイぞ?モンスターとバトルでファイトなジョブだ。それでもOKなら、アブドゥルとミゲルタも一緒に受け入れよう。やるか?」
そう問うと、ジェロームは声も無くハラハラと涙を流しはじめた。
「…ミスタ・ジャング!うぅ…、グズッ…。ウウゥ…ッ!」
「いいぞ。いいんだ…。ゆっくりと、落ち着いて考えてからでいいからな…」
オレには言葉も通じぬ海外に行って、そこで働く度胸なんてひとつもなかったよ。たとえそれで、大金が手に入るのだとしてもだ。だから待遇や給料に不満があっても、ずっと生まれた日本で働いていた。
だからさ。おまえはオレなんかより、ずっと根性あるさ…。
「ノー、ジェローム!それはノーグッドだ!」
しかしジェロームの口からでた言葉に、つい語気が荒くなってしまう。
遡る事ダンジョンスタンピード第二波の最中。スーパー銭湯から移動しなければならないオレに代わり、都奈美さんの警護をジェロームたちに依頼した事に対する報酬。
この報酬を、オレはスキルオーブでと約束した。
うん、これは非常に大盤振る舞いな気もする。だが初対面の相手にコチラの思う通り動いてもらうには、それくらいしなければという判断と、たいした手持ちのない状態のオレにはそれ以外に妥当な報酬が見当たらなかったのだ。
だがこの判断は正しかったようで、ジェロームたちはスタンピードが治まるまでスーパー銭湯に留まり、都奈美さんをしっかり守ってくれていたようだ。
まぁ実際には紹介されたもののよく知らぬ外国人が都奈美さんの近辺をウロウロし始めたので、他のスタッフが異様にジェロームらを警戒して、都奈美さんを守ってくれていたというのが正しいようだが。
それはシャークから聞いた話と、今日ジェロームから聞いた内容で確認がとれた。
では何が問題だったのかというと、ジェロームがオレから貰ったスキルオーブを他へ売ろうと、転売しようと考えていたこと。これは甚だ大きな問題だ。オレは自分がどんなヤツかも知らぬ相手に、力を渡すつもりなど毛頭ない。
だがジェロームたちは、そうは考えていなかったようだ。
「ノー、ジェローム。オレは死の商人になるつもりはないぞ」
「シ…?スミマセン、ワカラナイ…」
「なぁジェローム。このスキルオーブは銃…、ガンと同じだ。ミーのセルしたガンでファミリーがデッドしたら、おまえはどう思う?」
「……」
「オレはユー。おまえたちだから、ジェロームだからスキルオーブを渡すと、そう決めたんだぞ?だからそれは、他の誰ではない。ノット・サムワンエルズ」
「デモ…。シゴトない、オカネない、シオクレナイ…」
「塩くれない?…ああ、仕送りが出来ないと言いたいのか」
「ハイ… 」
そこで現在のジェロームたちの近況を詳しく訊くと、それは結構悲惨なモノだった。
…。
いま、日本にはたくさんの外国人労働者が働きに来ている。
介護だとか工場だとか、今やそういった労働力に依存せねば成り立たない業界まで、出来てしまっている。しかしその一方で、外国人と日本人では大きく価値観の違う点もある。
彼らは日本に金を得に来ているのであり、日本人は彼らの労働力を当てにしている。これがちょうどバランスよく回っているのであれば問題はない。が、一度バランスが狂うと、トンデモナイことになる。
ただそうしてダンジョンスタンピードの最中に暴徒化したのは、なにも外国人だけではない。だが彼ら外国人の悪事は非常に雑で、また乱暴だったのだ。
それ故ニュースになれば、非常に大きな問題として取り上げられていた。
で、今現在。スタンピードによる不景気の直撃をくらい、あちこちで大ダメージ。すると日本人でも職の選り好みなどしていられず、キツイ労働のガテン系にも人が殺到。
そうなるとジェロームのような外国人労働者は、まず最初に仕事を失ったそうだ。
それは言葉の壁で意思の疎通の難しい相手より、同じ日本人を雇った方が話は早いから。そして外国人犯罪者の問題が取りざたされている中で、わざわざそういった可能性の高いリスキーな外国人を雇用しようとは、まず考えなくなっていくから。
結果、ジェロームたちは解体業の職ですら、あぶれてしまったという。
(うむむ…、これはどうしたものか)
「……」
だが…である。
オレがサンドラだった時にナンパしてきたジェロームは、食事に応じると照れっテレに喜び、懸命に紳士であろうとしていた。そんな人として可愛らしかった様子を思い返すと、なんとも放っておけない気もしてきたのだ。
そうだ。衣・食・住足りて、ノウ・イティキュウト。
足りなきゃ奪うで、人は簡単に道を踏み外す。ならばここは、オレが彼らに手を差し伸べてやるべきではなかろうか。そこで相談のため電話で提督に連絡をとると、3人程度なら構わないとの心強い返事を貰えた。
「よし、ジェローム。仕事はある。だがキツイぞ?モンスターとバトルでファイトなジョブだ。それでもOKなら、アブドゥルとミゲルタも一緒に受け入れよう。やるか?」
そう問うと、ジェロームは声も無くハラハラと涙を流しはじめた。
「…ミスタ・ジャング!うぅ…、グズッ…。ウウゥ…ッ!」
「いいぞ。いいんだ…。ゆっくりと、落ち着いて考えてからでいいからな…」
オレには言葉も通じぬ海外に行って、そこで働く度胸なんてひとつもなかったよ。たとえそれで、大金が手に入るのだとしてもだ。だから待遇や給料に不満があっても、ずっと生まれた日本で働いていた。
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