517 / 660
Dungeon instructor 4
しおりを挟む
思ったよりも智の消耗は激しかった。なので午前中のダンジョン入りは中止し、その間にダンジョンで使う武器について説明することに。
そこで会社の武器庫から借りてきた武器を、よく見えるよう掲げてみせる。
「ほら、コレが指導用に使ってる武器だ」
「あ、それが塩撃スピア?…あれ、でもそれなんかバズーカみたいで、HPで見たのと違うね」
「お、智は会社のホームページで下調べ済みだったか。コレは指導用に開発されたモノで、塩撃スピア改になる」
見た目は智の言うように、太い筒にグリップのついたバズーカのよう。おかしな点は、その筒から先を斜めにカットされた鉄の筒が生えていること。
「それはアタシも初めて見るな」
「それって、前となにが違うのですか?」
お、女子高生ズも塩撃スピア改に興味をもったようだ。
「うむ、コレは力のない女性でもモンスターを倒せるようにと、塩撃スピアに杭打機構を持たせたモノだ」
「え、じゃあソレって、パイルバンカーってことなのジャン氏?」
「そういうことだ。ま、一度やってみせてみよう」
そこでまずは、塩撃スピア改の後部に取り付けてある鉄パイプを外し地面にセット。コレに槍先を押しこむことで、杭打機構と塩を撃ちだす為のバネを収縮させるのだ。
『ギッ…ガチコン、コクン…!』
「と、こうして二度、バネが収縮状態でロックされた音がすればOK。あとは槍先を塩バケツに突っ込んで塩をセットすれば、攻撃準備完了だ」
「なぁ、撃ってみせてくれよジャング」
「まぁ待てシャーク、まだ説明の途中だ。ゴホン、この状態では決して槍先をひとに向けたり衝撃を与えないこと。ストッパーには結構な力がかかっていて、威力もなかなかのモノだからな」
うん、コレの開発を行なった人物によると、試し撃ちでは車のドアを余裕で撃ち抜いたという話だし。
「へぇ~、そんなにスゴイものなんだね」
「ああ。だから攻撃状態で持つ時は、槍先は必ず上か下に向けておく必要がある。トリガーにも触れぬよう、こう、トリガーガードを覆うように持つんだ」
「ウン、気を付けるよ」
「よし、では撃ってみよう。攻撃姿勢は腰だめで構え、狙いが定まったら、こうしてトリガーをひく」
何も無い方向に向け塩撃スピア改のトリガーをひけば、バネが解放され鋭く槍先が伸びる。
『シャガンッッ!!』
「へぇ~、結構強力だな」
「でも…それだと一度きりですし、突く以外の攻撃もできないですよね?」
「ハハハ、雛形くんの指摘通り、コレは振り回したりすることは出来ない。軸を傷めてしまえば、杭打機構がダメになってしまうからね。だから塩撃スピア改は力のない初心者向け、複数人でモンスターと相対することが前提の武器だ」
うん、ぶっちゃけ乱戦にでもなってコレを振り回したら、それだけで壊れてしまう。
「わかりました。使う条件の、かなり限定された武器ということですね」
「そういうことだ。指導では暴れアロエを投網でがんじがらめにしてから使うので、こういった武器でも使い道があるんだよ」
「ふ~ん、でもそんなのより銃や弓が使えれば、もっと手っ取り早いんだけどなぁ~」
「え、でもモンスターを倒したとき近くにいないと、生命エナジーを得られないってジャン氏が…」
「わかってるよそんなの。ただ言ってみただけだろ」
「あ…ウン、なんかゴメン…」
あらら、シャークの取り留めもないボヤキに智が素で答えてしまった為、藪蛇になってしまっている。うん、まぁ会話が成立してるだけ確かな進歩だ。ガンバレ。
「「「わいわい、ガヤガヤ…」」」
と、そんなことを話してる間に、どうやら午前中からダンジョンに行っていたお客さん達が戻って来たようだ。
…。
時刻は昼をまわり、そこそこ広い東屋ではお客さん達のお食事タイム。
料理はオバチャンたちの用意してくれた豚汁とゴハンに、魚の干物やつくだ煮といったモノがカウンターに並んでいる。あとは自分らで勝手にやってくださいの、ワイルドバイキング方式だ。
そして干物を焼く用に、東屋には等間隔で炭を熾した七輪が置いてある。それをグループ分けされたお客さん達が囲み、キャッキャッと食事を楽しんでいる。
(うむ…、特に暗い顔はなさそうだし、指導は順調のようだな)
ダンジョンに潜ってモンスターを殺す。最初はその忌避感に苛まれるケースは少なくない。一番最初に瑠羽がゴブリンを殺した時も、そうだったし。
アレはオレの失敗だった。
つい自分を基準でモノを考えてしまい、また瀬来さんが大丈夫だったからと、瑠羽や仁菜さんのことも同じように思ってしまったのだ。
だが植物ダンジョンならば、モンスターを殺す生き物を殺すという忌避感や抵抗感は他よりも薄くて済む。
指導で倒す対象となる暴れアロエは、ビロビロワサワサと動めくややキモイ系の植物。なので初めてそういった経験をする人には、オススメのモンスターであるといえよう。
うむ、ダンジョンに潜ったあとでも、ああして食事が楽しめるのだから、ここの植物ダンジョンは初心者を指導するにはもってこいだな。
そこで会社の武器庫から借りてきた武器を、よく見えるよう掲げてみせる。
「ほら、コレが指導用に使ってる武器だ」
「あ、それが塩撃スピア?…あれ、でもそれなんかバズーカみたいで、HPで見たのと違うね」
「お、智は会社のホームページで下調べ済みだったか。コレは指導用に開発されたモノで、塩撃スピア改になる」
見た目は智の言うように、太い筒にグリップのついたバズーカのよう。おかしな点は、その筒から先を斜めにカットされた鉄の筒が生えていること。
「それはアタシも初めて見るな」
「それって、前となにが違うのですか?」
お、女子高生ズも塩撃スピア改に興味をもったようだ。
「うむ、コレは力のない女性でもモンスターを倒せるようにと、塩撃スピアに杭打機構を持たせたモノだ」
「え、じゃあソレって、パイルバンカーってことなのジャン氏?」
「そういうことだ。ま、一度やってみせてみよう」
そこでまずは、塩撃スピア改の後部に取り付けてある鉄パイプを外し地面にセット。コレに槍先を押しこむことで、杭打機構と塩を撃ちだす為のバネを収縮させるのだ。
『ギッ…ガチコン、コクン…!』
「と、こうして二度、バネが収縮状態でロックされた音がすればOK。あとは槍先を塩バケツに突っ込んで塩をセットすれば、攻撃準備完了だ」
「なぁ、撃ってみせてくれよジャング」
「まぁ待てシャーク、まだ説明の途中だ。ゴホン、この状態では決して槍先をひとに向けたり衝撃を与えないこと。ストッパーには結構な力がかかっていて、威力もなかなかのモノだからな」
うん、コレの開発を行なった人物によると、試し撃ちでは車のドアを余裕で撃ち抜いたという話だし。
「へぇ~、そんなにスゴイものなんだね」
「ああ。だから攻撃状態で持つ時は、槍先は必ず上か下に向けておく必要がある。トリガーにも触れぬよう、こう、トリガーガードを覆うように持つんだ」
「ウン、気を付けるよ」
「よし、では撃ってみよう。攻撃姿勢は腰だめで構え、狙いが定まったら、こうしてトリガーをひく」
何も無い方向に向け塩撃スピア改のトリガーをひけば、バネが解放され鋭く槍先が伸びる。
『シャガンッッ!!』
「へぇ~、結構強力だな」
「でも…それだと一度きりですし、突く以外の攻撃もできないですよね?」
「ハハハ、雛形くんの指摘通り、コレは振り回したりすることは出来ない。軸を傷めてしまえば、杭打機構がダメになってしまうからね。だから塩撃スピア改は力のない初心者向け、複数人でモンスターと相対することが前提の武器だ」
うん、ぶっちゃけ乱戦にでもなってコレを振り回したら、それだけで壊れてしまう。
「わかりました。使う条件の、かなり限定された武器ということですね」
「そういうことだ。指導では暴れアロエを投網でがんじがらめにしてから使うので、こういった武器でも使い道があるんだよ」
「ふ~ん、でもそんなのより銃や弓が使えれば、もっと手っ取り早いんだけどなぁ~」
「え、でもモンスターを倒したとき近くにいないと、生命エナジーを得られないってジャン氏が…」
「わかってるよそんなの。ただ言ってみただけだろ」
「あ…ウン、なんかゴメン…」
あらら、シャークの取り留めもないボヤキに智が素で答えてしまった為、藪蛇になってしまっている。うん、まぁ会話が成立してるだけ確かな進歩だ。ガンバレ。
「「「わいわい、ガヤガヤ…」」」
と、そんなことを話してる間に、どうやら午前中からダンジョンに行っていたお客さん達が戻って来たようだ。
…。
時刻は昼をまわり、そこそこ広い東屋ではお客さん達のお食事タイム。
料理はオバチャンたちの用意してくれた豚汁とゴハンに、魚の干物やつくだ煮といったモノがカウンターに並んでいる。あとは自分らで勝手にやってくださいの、ワイルドバイキング方式だ。
そして干物を焼く用に、東屋には等間隔で炭を熾した七輪が置いてある。それをグループ分けされたお客さん達が囲み、キャッキャッと食事を楽しんでいる。
(うむ…、特に暗い顔はなさそうだし、指導は順調のようだな)
ダンジョンに潜ってモンスターを殺す。最初はその忌避感に苛まれるケースは少なくない。一番最初に瑠羽がゴブリンを殺した時も、そうだったし。
アレはオレの失敗だった。
つい自分を基準でモノを考えてしまい、また瀬来さんが大丈夫だったからと、瑠羽や仁菜さんのことも同じように思ってしまったのだ。
だが植物ダンジョンならば、モンスターを殺す生き物を殺すという忌避感や抵抗感は他よりも薄くて済む。
指導で倒す対象となる暴れアロエは、ビロビロワサワサと動めくややキモイ系の植物。なので初めてそういった経験をする人には、オススメのモンスターであるといえよう。
うむ、ダンジョンに潜ったあとでも、ああして食事が楽しめるのだから、ここの植物ダンジョンは初心者を指導するにはもってこいだな。
49
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜
涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。
ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。
しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。
奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。
そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。
異世界帰還者の気苦労無双録~チートスキルまで手に入れたのに幼馴染のお世話でダンジョン攻略が捗らない~
虎柄トラ
ファンタジー
下校帰りに不慮の事故に遭い命を落とした桜川凪は、女神から開口一番に異世界転生しないかと勧誘を受ける。
意味が分からず凪が聞き返すと、女神は涙ながらに異世界の現状について語り出す。
女神が管理する世界ではいま魔族と人類とで戦争をしているが、このままだと人類が負けて世界は滅亡してしまう。
敗色濃厚なその理由は、魔族側には魔王がいるのに対して、人類側には勇者がいないからだという。
剣と魔法が存在するファンタジー世界は大好物だが、そんな物騒な世界で勇者になんてなりたくない凪は断るが、女神は聞き入れようとしない。
一歩も引かない女神に対して凪は、「魔王を倒せたら、俺を元の身体で元いた世界に帰還転生させろ」と交換条件を提示する。
快諾した女神と契約を交わし転生した凪は、見事に魔王を打ち倒して元の世界に帰還するが――。
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる