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Broken Light
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「あ~、そうだよ!ハナからこうすりゃ良かったんだ!」
今、オレの手にはLEDライトがある。しかし、ただのLEDライトではない。では何が違うのかというと、ガワがスーツと同じく、モンスター素材で出来ているのだ。
「うぅむ…。だがこれもまた、先入観や固定観念に縛られた結果か。もっと自由な視野と発想を持たねばいかんな…」
うん、いったい何をしているのかというと、破損したLEDライトの修理。
今回の依頼では、酸素ボンベも壊れるしLEDライトも大量に破損。とんだ出費となってしまった。しかもまだその依頼は完了していないときているし、それに加えてオレを捜索する為に集まってくれた人達への報酬と慰労会。
これにより、またまた大きくマイナス。なのでそんな出費を少しでも抑えようと、破損したLEDライトをニコイチしたりと、修理していたのだ。
そして先入観やら固定観念の話に関しては、オレの認識についての問題。
まず、オレは特異迷宮対策省からの依頼を受けるにあたって、ちゃんとした道具を整えようと考えた。お金に余裕があったし自分の命がかかっているので、それも当然の備えといえよう。なのでミリオタ女子高生シャークがオススメする、軍用だとかドコソコ警察ご用達なんてことを謳っているライトを購入した。
あ、ちなみにシャークのお勧め=サバゲサークルトライデント重鎮たちのお勧めなので、その点については問題ない。つまりシャークの言ってることは、大抵そういった人たちの受け売りということだ。
でも、軍用だとかドコソコ警察ご用達なんてことを謳っていても、所詮はそこまで。
精々が多少乱暴に扱っても壊れないよねって程度の頑丈さで、モンスターとがっぷり四つに組んで相撲をとるなんて状況が、そもそも想定外。なので当然そんな使い方をすれば、簡単に壊れてしまった。これが、オレの縛られていた固定観念という訳。
特異迷宮対策省からご指名だ。ワ~イ!>
なら、ちゃんと準備しなきゃ!>
ヨシ、じゃあお高いけど、オススメだっていう海外製のいいライト買っちゃうぞ!
なんていうのが過去のオレの思考の流れであるが、結果、それらはほぼ全損というオチ。それに今まで気付けなかったのは、まさに不覚の至りといえよう。
そしてライトを構成する物なんてのは、光源と電源といった程度のモノ。つまりLEDライトであれば、LEDと電池。中身はそれだけである。
さればでおじゃる。
対モンスター用に頑丈なライトが欲しいのであれば、それこそ丈夫なモンスター素材でガワを作ればいいだけの話。海外から高いライトをわざわざ取り寄せたりする必要はまったく無く、ただそれだけのことだったのだ。
「うむむ…そんなことなら、カメラなんかで前からやってたじゃないか。だが、それに気付けたというのは確かな気付き。うむ、トライアンドエラーだ。よし、明日にでもアキバにLEDを買いに行こう。そして簡単には壊れない丈夫なライトを、自らの手で自作しよう!」
…。
というわけで翌日。オレはアキバの地に降り立った。うむ、聖地アキバ。そこはオタにとってのホーム。そんなわけでネットによる事前の下調べもバッチリで、必要なモノはすぐに揃えられた。
(うむ、これで良し。ただ思っていたよりも、だいぶ早く片付いたな…)
しかし、それもさもありなん。
今日は平日で人も疎らだったし、まずは目的を達しようと気を惹かれる新作フィギュアやゲームには目もくれず移動と買い物に専念した。その甲斐あって、必要な買い物も手早く済んだのだ。
そこで通信端末で時間を確認してみると、また瑠羽からメッセージが届いているのに気が付いた。
『今日も万智ちゃんたちと、ダンスのレッスンをしています。コーチは今、なにしてますか?』
(ふふ、瑠羽もがんばってるな…。よし、では返事を返そう。え~…、『こっちは、問題ないよ。今日はアキバに、買い物に出かけてる。LEDを買って、丈夫で壊れないライトを自作するつもりだ』っと…)
するとすぐに、『がんばってください』と返事がきたので、『瑠羽やみんなの分も作っておくよ』と、返しておく。
(あ~、そういや…、オレが出不精なのもあって、瑠羽とはほとんどデートらしいデートをしたことがなかったな)
なにせデスティニーランドでの初デートが、オレの闇落ちのキッカケになったしまったくらい。それを思い返すと、会えなくなった今になって改めて思い知る自身の至らなさ。もっと瑠羽を誘って、アチコチふたりで出かければ良かったと後悔の念にかられる。
(ふぅむ…。と、こうして過去を振り返ってみても、しかたないが…。お、そうだ。もし次にそういったチャンスがあった時の為にも、すこし下調べをしておくか…)
そこで思考を前向きに切り替え、もしこの辺りで瑠羽とデートするならどんなデートコースがいいかと、考えてみる。
(アキバでデート…。う~ん、それは流石に瑠羽の負担が大きすぎるか。うん、じゃあ例えばそうだな。上野公園を散歩したり、博物館をまわるといったデートはどうだろう?それならきっと、瑠羽も喜んでくれるのではかろうか…)
桜の咲いている季節ならデートコースとしては最高だし、そうでなくてもオレと同じで騒がしいのは苦手な瑠羽。なら、静かに博物館や美術館をまわるといったデートは喜んでもらえる可能性が高い。
(ヨシ、ならちょっと、今日はデートコースの下見としゃれこむか!)
こうしてオレはなかなか会えぬ恋人の喜んでいる顔を胸に描きつつ、上野公園まで足を延ばしてみることに決めたのだった。
今、オレの手にはLEDライトがある。しかし、ただのLEDライトではない。では何が違うのかというと、ガワがスーツと同じく、モンスター素材で出来ているのだ。
「うぅむ…。だがこれもまた、先入観や固定観念に縛られた結果か。もっと自由な視野と発想を持たねばいかんな…」
うん、いったい何をしているのかというと、破損したLEDライトの修理。
今回の依頼では、酸素ボンベも壊れるしLEDライトも大量に破損。とんだ出費となってしまった。しかもまだその依頼は完了していないときているし、それに加えてオレを捜索する為に集まってくれた人達への報酬と慰労会。
これにより、またまた大きくマイナス。なのでそんな出費を少しでも抑えようと、破損したLEDライトをニコイチしたりと、修理していたのだ。
そして先入観やら固定観念の話に関しては、オレの認識についての問題。
まず、オレは特異迷宮対策省からの依頼を受けるにあたって、ちゃんとした道具を整えようと考えた。お金に余裕があったし自分の命がかかっているので、それも当然の備えといえよう。なのでミリオタ女子高生シャークがオススメする、軍用だとかドコソコ警察ご用達なんてことを謳っているライトを購入した。
あ、ちなみにシャークのお勧め=サバゲサークルトライデント重鎮たちのお勧めなので、その点については問題ない。つまりシャークの言ってることは、大抵そういった人たちの受け売りということだ。
でも、軍用だとかドコソコ警察ご用達なんてことを謳っていても、所詮はそこまで。
精々が多少乱暴に扱っても壊れないよねって程度の頑丈さで、モンスターとがっぷり四つに組んで相撲をとるなんて状況が、そもそも想定外。なので当然そんな使い方をすれば、簡単に壊れてしまった。これが、オレの縛られていた固定観念という訳。
特異迷宮対策省からご指名だ。ワ~イ!>
なら、ちゃんと準備しなきゃ!>
ヨシ、じゃあお高いけど、オススメだっていう海外製のいいライト買っちゃうぞ!
なんていうのが過去のオレの思考の流れであるが、結果、それらはほぼ全損というオチ。それに今まで気付けなかったのは、まさに不覚の至りといえよう。
そしてライトを構成する物なんてのは、光源と電源といった程度のモノ。つまりLEDライトであれば、LEDと電池。中身はそれだけである。
さればでおじゃる。
対モンスター用に頑丈なライトが欲しいのであれば、それこそ丈夫なモンスター素材でガワを作ればいいだけの話。海外から高いライトをわざわざ取り寄せたりする必要はまったく無く、ただそれだけのことだったのだ。
「うむむ…そんなことなら、カメラなんかで前からやってたじゃないか。だが、それに気付けたというのは確かな気付き。うむ、トライアンドエラーだ。よし、明日にでもアキバにLEDを買いに行こう。そして簡単には壊れない丈夫なライトを、自らの手で自作しよう!」
…。
というわけで翌日。オレはアキバの地に降り立った。うむ、聖地アキバ。そこはオタにとってのホーム。そんなわけでネットによる事前の下調べもバッチリで、必要なモノはすぐに揃えられた。
(うむ、これで良し。ただ思っていたよりも、だいぶ早く片付いたな…)
しかし、それもさもありなん。
今日は平日で人も疎らだったし、まずは目的を達しようと気を惹かれる新作フィギュアやゲームには目もくれず移動と買い物に専念した。その甲斐あって、必要な買い物も手早く済んだのだ。
そこで通信端末で時間を確認してみると、また瑠羽からメッセージが届いているのに気が付いた。
『今日も万智ちゃんたちと、ダンスのレッスンをしています。コーチは今、なにしてますか?』
(ふふ、瑠羽もがんばってるな…。よし、では返事を返そう。え~…、『こっちは、問題ないよ。今日はアキバに、買い物に出かけてる。LEDを買って、丈夫で壊れないライトを自作するつもりだ』っと…)
するとすぐに、『がんばってください』と返事がきたので、『瑠羽やみんなの分も作っておくよ』と、返しておく。
(あ~、そういや…、オレが出不精なのもあって、瑠羽とはほとんどデートらしいデートをしたことがなかったな)
なにせデスティニーランドでの初デートが、オレの闇落ちのキッカケになったしまったくらい。それを思い返すと、会えなくなった今になって改めて思い知る自身の至らなさ。もっと瑠羽を誘って、アチコチふたりで出かければ良かったと後悔の念にかられる。
(ふぅむ…。と、こうして過去を振り返ってみても、しかたないが…。お、そうだ。もし次にそういったチャンスがあった時の為にも、すこし下調べをしておくか…)
そこで思考を前向きに切り替え、もしこの辺りで瑠羽とデートするならどんなデートコースがいいかと、考えてみる。
(アキバでデート…。う~ん、それは流石に瑠羽の負担が大きすぎるか。うん、じゃあ例えばそうだな。上野公園を散歩したり、博物館をまわるといったデートはどうだろう?それならきっと、瑠羽も喜んでくれるのではかろうか…)
桜の咲いている季節ならデートコースとしては最高だし、そうでなくてもオレと同じで騒がしいのは苦手な瑠羽。なら、静かに博物館や美術館をまわるといったデートは喜んでもらえる可能性が高い。
(ヨシ、ならちょっと、今日はデートコースの下見としゃれこむか!)
こうしてオレはなかなか会えぬ恋人の喜んでいる顔を胸に描きつつ、上野公園まで足を延ばしてみることに決めたのだった。
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