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Thunder
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「なにやってんだよおまえら!」
オレが聞き捨てならぬ罵声にも耐え、忍びがたきを忍んで転進しようというまさにその時。シャークが現れ上にいる連中に食ってかかったようだ。
(うぉおおい!なにやってんだシャークのヤツ!!)
「なんだぁこのチビガキはぁ!」
するとオレに向けられていた罵声の一部がシャークに対するモノに変わる。
(まったく!アイツも災難体質というか、自分から火中にダッシュするんじゃないよ!ゆけッ、月光!)
そこで脱出計画を急遽ドタバタ作戦へと変更。
お化けヤモリの月光に下水から飛び出し暴れてもらい、その隙にシャークを掴まえ早々に離脱する。うん、今はこれしかないだろう。
が、そうしてド派手に水飛沫をあげながら月光が下水から飛び出していっても、思ったような動揺の声は聞こえなかった。
(あれ…?)
「わっ!なんかデカイの出たぞ!」
「気を付けてルリちゃん!」
その代わりに、シャークと結月ちゃんの声が響いてくる。
(な、シャークだけでなく結月ちゃんも!?マズイ!月光、ふたりに攻撃するな!)
と、オレが月光から一拍遅れて下水トンネルから飛び出すと、月光はその巨体には似合わぬ素早い動きで川のコンクリ壁をよじ登りシャークと結月ちゃんのいる辺りを迂回。そうして得意のダバダバ走りで周囲に停まっている車を破壊し始めたようだ。
『ガシャーン!メゴメゴメゴ…!』
「うわ、なにやってんだアレ!?」
「おい、無事かふたりとも!む?」
オレも急いで川の壁を越え、ふたりのそばに着地。すると、そこにはすっかり意識を刈り取られた男どもが無様にノビて転がっていた。
「はい、手を出してきたので正当防衛です!」
「ほんとに、なんなんだよコイツ等!」
すると結月ちゃんはツンとした表情でそう言い放ち、シャークは鼻息荒く憤慨。
(あ~…、うん、そうね。能力者だろうがそうでなかろうが、JKに手ェ出したら犯罪だよね)
こうなってはオレもふたりを放って帰る訳にもいかず、部屋の確認と安全確保はピクシークィーンに姿を消した状態で先に帰ってもらうカタチでお願いしたのだった。
…。
「はぁ、やっと片付いたか…」
通報し警察が来てからの状況説明には、だいぶ骨が折れた。
急いで来てもらう為に『女子高生ふたりが複数の男性から暴行を受けた』と通報したものの、パトカーに乗った警官が到着してみれば白目を剥いてノビているのは全て男どもの方なのだ。ご丁寧に肩の関節まで外されて。
これにシャークと結月ちゃんが正当防衛を主張し、そのうちに目を覚ました男どもが『違う一方的に襲われたのだ』と猛反発。そのまま喧々諤々の論争に発展した。
実際には捕まえようと肩に手を伸ばされたのを、ふたりが得意の合気道で即座に投げ飛ばしたらしい。
が、そんななか撮影状態のままで落ちていた通信端末が警官の手によって発見された事で、事態は一転。それには男どものしていた悪事が丸々映っていたので、彼らの虚偽証言は崩れ全員しょっぴかれていった。
派手に車を破壊していたお化けヤモリについては、忽然と姿を消している。
車の損壊について尋ねられても、「さぁ~、オレが調べていた時には、そんなのいなかったんですけどねェ。ヤツラが騒がしくしたもんだから、どっかから出てきたみたいですねェ」と、すっとぼけておいた。
「まったくお前は!危険な真似はするなといつも言ってるだろう!」
「いやだから、これは正当防衛だって!」
「ちがう!子供が余計なことに首を突っ込むなと言っとるんだ!」
しかし、いつもとちょっと違うのは、保護者に連絡を取るため警官がシャークの伯母さん家に電話をしたら、心配した伯母さんがすぐ旦那さんに連絡したらしく、警察官な伯父さんが即行でシャークを迎えに来たことであった。
なのであっちはあっちで、また揉めている。
「あ、すいません、ちょっと替わってもらっても?ええ、知り合いなもんで。…あ、雛形師範、どうも江月です。はい、たまたまその場に居合わせまして。なので結月くんは、私がご自宅までお送りします。はい、はい、ではまた警官に電話替わりますから、その旨、雛形師範からもお伝えください」
そして結月ちゃんの家に車はないし、雛形師範が迎えに来るのもまた大変なので、オレが送っていくことにする。
「ルリちゃん、あんなに叱られて、大丈夫かしら…」
帰り際、シャークが伯父さんから叱られている真っ最中だったので碌に挨拶もできず立ち去るのを、後ろ髪引かれる思いで振り返る結月ちゃん。
「うん…、まぁあのタイミングで下手に声をかけたら、こっちにまで飛び火しかねない剣幕だったよ。だからここは、静かに立ち去るしかないな」
「そうですね…」
「ただ、オレは感謝してるよ。ふたりはオレがトラブルになってると思ったから、あの連中に口を挟んであんなことになったんだろ?」
「それは、そうですけど…」
「だから、ありがとう。でも、もう少し慎重に行動してほしかったとも思ってる。もし、あの連中のなかに力を持った能力者でもいたら、ふたりとも無事では済まなかったかもしれないのだから」
「……」
「ああ。別に、いま答えを出さなくても、それを考えてくれるだけでいい。さ、雛形師範も急な電話をもらって心配してるだろうから、帰ろう」
「はい」
こうしてふたりで、車を停めてある駐車場へと向かう。
やれやれ…。今朝はとてもいい天気だったのに、午後は突然の罵声や瓶缶のスコールに、シメはボンバーガールにカミナリまで落ちるとはな。
オレが聞き捨てならぬ罵声にも耐え、忍びがたきを忍んで転進しようというまさにその時。シャークが現れ上にいる連中に食ってかかったようだ。
(うぉおおい!なにやってんだシャークのヤツ!!)
「なんだぁこのチビガキはぁ!」
するとオレに向けられていた罵声の一部がシャークに対するモノに変わる。
(まったく!アイツも災難体質というか、自分から火中にダッシュするんじゃないよ!ゆけッ、月光!)
そこで脱出計画を急遽ドタバタ作戦へと変更。
お化けヤモリの月光に下水から飛び出し暴れてもらい、その隙にシャークを掴まえ早々に離脱する。うん、今はこれしかないだろう。
が、そうしてド派手に水飛沫をあげながら月光が下水から飛び出していっても、思ったような動揺の声は聞こえなかった。
(あれ…?)
「わっ!なんかデカイの出たぞ!」
「気を付けてルリちゃん!」
その代わりに、シャークと結月ちゃんの声が響いてくる。
(な、シャークだけでなく結月ちゃんも!?マズイ!月光、ふたりに攻撃するな!)
と、オレが月光から一拍遅れて下水トンネルから飛び出すと、月光はその巨体には似合わぬ素早い動きで川のコンクリ壁をよじ登りシャークと結月ちゃんのいる辺りを迂回。そうして得意のダバダバ走りで周囲に停まっている車を破壊し始めたようだ。
『ガシャーン!メゴメゴメゴ…!』
「うわ、なにやってんだアレ!?」
「おい、無事かふたりとも!む?」
オレも急いで川の壁を越え、ふたりのそばに着地。すると、そこにはすっかり意識を刈り取られた男どもが無様にノビて転がっていた。
「はい、手を出してきたので正当防衛です!」
「ほんとに、なんなんだよコイツ等!」
すると結月ちゃんはツンとした表情でそう言い放ち、シャークは鼻息荒く憤慨。
(あ~…、うん、そうね。能力者だろうがそうでなかろうが、JKに手ェ出したら犯罪だよね)
こうなってはオレもふたりを放って帰る訳にもいかず、部屋の確認と安全確保はピクシークィーンに姿を消した状態で先に帰ってもらうカタチでお願いしたのだった。
…。
「はぁ、やっと片付いたか…」
通報し警察が来てからの状況説明には、だいぶ骨が折れた。
急いで来てもらう為に『女子高生ふたりが複数の男性から暴行を受けた』と通報したものの、パトカーに乗った警官が到着してみれば白目を剥いてノビているのは全て男どもの方なのだ。ご丁寧に肩の関節まで外されて。
これにシャークと結月ちゃんが正当防衛を主張し、そのうちに目を覚ました男どもが『違う一方的に襲われたのだ』と猛反発。そのまま喧々諤々の論争に発展した。
実際には捕まえようと肩に手を伸ばされたのを、ふたりが得意の合気道で即座に投げ飛ばしたらしい。
が、そんななか撮影状態のままで落ちていた通信端末が警官の手によって発見された事で、事態は一転。それには男どものしていた悪事が丸々映っていたので、彼らの虚偽証言は崩れ全員しょっぴかれていった。
派手に車を破壊していたお化けヤモリについては、忽然と姿を消している。
車の損壊について尋ねられても、「さぁ~、オレが調べていた時には、そんなのいなかったんですけどねェ。ヤツラが騒がしくしたもんだから、どっかから出てきたみたいですねェ」と、すっとぼけておいた。
「まったくお前は!危険な真似はするなといつも言ってるだろう!」
「いやだから、これは正当防衛だって!」
「ちがう!子供が余計なことに首を突っ込むなと言っとるんだ!」
しかし、いつもとちょっと違うのは、保護者に連絡を取るため警官がシャークの伯母さん家に電話をしたら、心配した伯母さんがすぐ旦那さんに連絡したらしく、警察官な伯父さんが即行でシャークを迎えに来たことであった。
なのであっちはあっちで、また揉めている。
「あ、すいません、ちょっと替わってもらっても?ええ、知り合いなもんで。…あ、雛形師範、どうも江月です。はい、たまたまその場に居合わせまして。なので結月くんは、私がご自宅までお送りします。はい、はい、ではまた警官に電話替わりますから、その旨、雛形師範からもお伝えください」
そして結月ちゃんの家に車はないし、雛形師範が迎えに来るのもまた大変なので、オレが送っていくことにする。
「ルリちゃん、あんなに叱られて、大丈夫かしら…」
帰り際、シャークが伯父さんから叱られている真っ最中だったので碌に挨拶もできず立ち去るのを、後ろ髪引かれる思いで振り返る結月ちゃん。
「うん…、まぁあのタイミングで下手に声をかけたら、こっちにまで飛び火しかねない剣幕だったよ。だからここは、静かに立ち去るしかないな」
「そうですね…」
「ただ、オレは感謝してるよ。ふたりはオレがトラブルになってると思ったから、あの連中に口を挟んであんなことになったんだろ?」
「それは、そうですけど…」
「だから、ありがとう。でも、もう少し慎重に行動してほしかったとも思ってる。もし、あの連中のなかに力を持った能力者でもいたら、ふたりとも無事では済まなかったかもしれないのだから」
「……」
「ああ。別に、いま答えを出さなくても、それを考えてくれるだけでいい。さ、雛形師範も急な電話をもらって心配してるだろうから、帰ろう」
「はい」
こうしてふたりで、車を停めてある駐車場へと向かう。
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