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New Research Lab 2
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オレは豊波チーフから研究所の一般見学コースといった部分を見せてもらいながら、ここドリームアイランドのおおまかな説明を受けていた。
「なるほど、それでピラミッドがふたつもあるのですか」
「そうだねぇ。いざという時の為、といっても打てる手が現状だとそれくらいなんだよねぇ」
窓から視える景色の先には、ピラミッド風建築物。
その大きなピラミッドの方には、すでに退役した自衛隊艦艇がスッポリ納められているらしい。
その武装は全て取り払われ、代わりにカプセルホテル張りに小部屋をたくさん設けた鉄の箱を積んだ状態で。それらひと部屋ひと部屋が潜水艦みたいな丈夫な扉で仕切られ、なかには空間接続型ダンジョンの出入り口となった物が納められるという話。
そしていざという時、つまりダンジョンスタンピードが発生した際には船を出航自沈させ、そのまま海に沈めてしまうと。
「それで小さい方のピラミッドには、水生生物系統のモンスターがいる空間接続型ダンジョンが納められるのですか」
「そうだね、水生生物系の特異生物まで海に出してしまっては、それこそ余計に被害が大きくなってしまうからね」
そして小さい方のピラミッド風建築物は、ダンジョンスタンピードの発生した時には下でガスを焚いて、建物まるごと蒸し焼きにしてしまうという。
「どうして両方とも同じにしなかったんです?どっちも燃やしてしまえばいいと思うんですが」
「それは、リスクとコストの問題だね。大氾濫の発生している間、特異生物を死滅させるくらいの燃焼をずっと維持できていればいいが、それこそ大氾濫の期間がどれほど続くかなんてことは、誰にも分からない。また設備の不具合や人的被害によって、講じた安全対策がうまく機能しないことも考えられる。なら違う方式を採用しリスクを分散しておこうと、上は考えたようだね」
「なるほど」
「それに、君が退治を得意としている実体のないアンデッド系には、ガスの燃焼などまるで気にも留めないのもいるからね」
「ああ、それがありましたか…」
それならいっそ、船ごと沈めてしまった方が時間稼ぎにはなるという訳か。まぁ…、あとでそういったモノによる水難事故が多発しそうだけど。
と、前を歩いて説明してくれていた豊波チーフが何かを思い出したかのようにその歩みを止め、振り返った。
「あ~ところで、蟲王スーツだったかな?君の作った、あのモンスター素材で出来た着ぐるみ。今日も持ってるかね?」
「ええ。まぁこういったご時世なんで、いつも手元には」
「そうか、それはいい。なら前に話したように、ここの新しい機器でソレを調べさせてもらえるかい?」
「わかりました。では車からスーツをとってきましょう」
今日も未明から漁に参加し、海底でひと暴れしてきた。
常ならばその後、ベタつかぬよう【塩】のスキルで脱塩ののち酸粘液でスーツの洗浄を行うのだが、今日は豊波チーフから連絡をもらったことで新鮮なうちに魚を届けようと、それらの処理を後回しに車に飛び乗った。なのでスーツはちょっと潮臭いまま、車に積んだだけになっている。
「では、案内にひとりつけるから、いっしょに戻ってきてくれるかね」
「はい。ああ、あと出来たら、台車も一台貸してください」
うん、ここはせっかくだし、アーマード蟲王スーツでチェックしてもらおう。
…。
「ほぉ!ハハハ、これはまた。赤いのが増えた上に、随分と量も多いね」
「え、前と違う…のか??」
研究職員さん案内のもと台車を押して部屋に入ると、検査の準備をしていた豊波チーフと職員さんがその量に軽く驚いている。
「ええ、まぁこれは水中用といいますか、前のに追加の装備を施したモノになります」
「ほほう、でもまた大がかりな。本当に面白いこと考えるね君は」
そう台車に載せたダンボール箱から突き出たパーツを眺めながら、豊波チーフが笑う。豊波チーフがいうには、モンスター素材を武器や防具として活用する者も少なくはないが、オレみたいにスキルまで用いて肌身にピッチリ着込むような奴はまずいないという。
「う~ん、これでも試行錯誤の末、最適解を導き出せたと思ってるんですけどねェ…」
「ハハハ…。いやいや、貶してるわけじゃないよ。ただ発想やアプローチの仕方が少々特殊だったから、驚かされるだけで…」
うん、まぁ言葉を濁してハッキリとは言わないが、豊波チーフにも奇人変人と思われてそうだ。
「それよりキミ、またあの装着時の魔力材質変性を見せてもらいたいんだが…!」
「そうそう!魔力を受けたあとで生じる、あの急激な変形に軟化や硬質化は、ちょっと他では見られない現象なんだよ」
(え、魔力材質変性…?)
ともあれ豊波チーフ以外の研究スタッフの方も、オレの蟲王スーツには興味津々のご様子。
「そうですか、わかりました。では今日は特別に、オーラ念動による粘液変身、略して粘身をみなさんにお見せしましょう」
「「おぉ!」」
そんな訳でオレは対策省研究スタッフのみなさんに、自身の生み出した粘身を披露することとなったのだった。
「なるほど、それでピラミッドがふたつもあるのですか」
「そうだねぇ。いざという時の為、といっても打てる手が現状だとそれくらいなんだよねぇ」
窓から視える景色の先には、ピラミッド風建築物。
その大きなピラミッドの方には、すでに退役した自衛隊艦艇がスッポリ納められているらしい。
その武装は全て取り払われ、代わりにカプセルホテル張りに小部屋をたくさん設けた鉄の箱を積んだ状態で。それらひと部屋ひと部屋が潜水艦みたいな丈夫な扉で仕切られ、なかには空間接続型ダンジョンの出入り口となった物が納められるという話。
そしていざという時、つまりダンジョンスタンピードが発生した際には船を出航自沈させ、そのまま海に沈めてしまうと。
「それで小さい方のピラミッドには、水生生物系統のモンスターがいる空間接続型ダンジョンが納められるのですか」
「そうだね、水生生物系の特異生物まで海に出してしまっては、それこそ余計に被害が大きくなってしまうからね」
そして小さい方のピラミッド風建築物は、ダンジョンスタンピードの発生した時には下でガスを焚いて、建物まるごと蒸し焼きにしてしまうという。
「どうして両方とも同じにしなかったんです?どっちも燃やしてしまえばいいと思うんですが」
「それは、リスクとコストの問題だね。大氾濫の発生している間、特異生物を死滅させるくらいの燃焼をずっと維持できていればいいが、それこそ大氾濫の期間がどれほど続くかなんてことは、誰にも分からない。また設備の不具合や人的被害によって、講じた安全対策がうまく機能しないことも考えられる。なら違う方式を採用しリスクを分散しておこうと、上は考えたようだね」
「なるほど」
「それに、君が退治を得意としている実体のないアンデッド系には、ガスの燃焼などまるで気にも留めないのもいるからね」
「ああ、それがありましたか…」
それならいっそ、船ごと沈めてしまった方が時間稼ぎにはなるという訳か。まぁ…、あとでそういったモノによる水難事故が多発しそうだけど。
と、前を歩いて説明してくれていた豊波チーフが何かを思い出したかのようにその歩みを止め、振り返った。
「あ~ところで、蟲王スーツだったかな?君の作った、あのモンスター素材で出来た着ぐるみ。今日も持ってるかね?」
「ええ。まぁこういったご時世なんで、いつも手元には」
「そうか、それはいい。なら前に話したように、ここの新しい機器でソレを調べさせてもらえるかい?」
「わかりました。では車からスーツをとってきましょう」
今日も未明から漁に参加し、海底でひと暴れしてきた。
常ならばその後、ベタつかぬよう【塩】のスキルで脱塩ののち酸粘液でスーツの洗浄を行うのだが、今日は豊波チーフから連絡をもらったことで新鮮なうちに魚を届けようと、それらの処理を後回しに車に飛び乗った。なのでスーツはちょっと潮臭いまま、車に積んだだけになっている。
「では、案内にひとりつけるから、いっしょに戻ってきてくれるかね」
「はい。ああ、あと出来たら、台車も一台貸してください」
うん、ここはせっかくだし、アーマード蟲王スーツでチェックしてもらおう。
…。
「ほぉ!ハハハ、これはまた。赤いのが増えた上に、随分と量も多いね」
「え、前と違う…のか??」
研究職員さん案内のもと台車を押して部屋に入ると、検査の準備をしていた豊波チーフと職員さんがその量に軽く驚いている。
「ええ、まぁこれは水中用といいますか、前のに追加の装備を施したモノになります」
「ほほう、でもまた大がかりな。本当に面白いこと考えるね君は」
そう台車に載せたダンボール箱から突き出たパーツを眺めながら、豊波チーフが笑う。豊波チーフがいうには、モンスター素材を武器や防具として活用する者も少なくはないが、オレみたいにスキルまで用いて肌身にピッチリ着込むような奴はまずいないという。
「う~ん、これでも試行錯誤の末、最適解を導き出せたと思ってるんですけどねェ…」
「ハハハ…。いやいや、貶してるわけじゃないよ。ただ発想やアプローチの仕方が少々特殊だったから、驚かされるだけで…」
うん、まぁ言葉を濁してハッキリとは言わないが、豊波チーフにも奇人変人と思われてそうだ。
「それよりキミ、またあの装着時の魔力材質変性を見せてもらいたいんだが…!」
「そうそう!魔力を受けたあとで生じる、あの急激な変形に軟化や硬質化は、ちょっと他では見られない現象なんだよ」
(え、魔力材質変性…?)
ともあれ豊波チーフ以外の研究スタッフの方も、オレの蟲王スーツには興味津々のご様子。
「そうですか、わかりました。では今日は特別に、オーラ念動による粘液変身、略して粘身をみなさんにお見せしましょう」
「「おぉ!」」
そんな訳でオレは対策省研究スタッフのみなさんに、自身の生み出した粘身を披露することとなったのだった。
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