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王都から戻り、自室でひとり塞ぎ込んでいると、心配した義兄が部屋に訪ねて来た。
「アシュリー……大丈夫か?」
義兄であるシュナイゼル様は、自分を引き取ってくれたバトラー伯爵の一人息子で、養女である自分をとても可愛がってくれていた。
「お義兄様……」
「信じられないよ。ライアン様が、あんな事をする人だったなど……」
そう言って彼は悔しそうに唇を噛んだ。
義兄とライアン様は王立学園の同窓生で、同い年でもありお互いよく知った仲だった。
「寄りにもよって、アシュリーを不貞行為で傷つけるなどあり得ない。父上に報告して早く彼との婚約を破棄して貰った方がいい」
義兄は向かいのソファに腰を下ろすと、憤るように強い口調で言った。
「……いいえ。ライアン様から婚約破棄を申し出ない限り、私は彼との婚約を継続します」
彼の言葉に、私は静かに首を振った。
筆頭公爵家であるライアン様との婚約を、格下である自分から破棄するなどあり得ない。
そうなれば、迷惑がかかるのはこのバトラー伯爵家の養父母達だ。
血の繋がりもない自分を引き取り、実の娘のように大切に育ててくれた彼らに、これ以上迷惑はかけられなかった。
「彼は君を裏切ったんだぞ?そんな相手と結婚すると言うのか」
「はい。ライアン様が私との結婚を望むのであれば、それで構いません」
「それでアシュリーは幸せなのか?君の意思は、何処にあるんだ」
私のためを思い、感情的になっている義兄を冷めた目で見てしまっている自分がいた。
自分の意思など、どうでも良かった。
そもそも私は、生まれてきた事自体が間違いなのだから。
「私は産まれて来るべきではなかったのです。私のせいで両親は死にました。そんな自分に、幸せになる資格などありません」
「そんな事はない。少なくとも僕は、君に幸せになって欲しいと思っている」
「ありがとうございます。でも、もう良いんです。今日王都で見た事は、どうか忘れて下さいませ」
事を荒立てない為にも、ライアン様の不貞行為はなかった事にしようと心に決めた。
大丈夫──自らにそう言い聞かせる。
自分は辛い過去に蓋をするのは、慣れているのだから。
愛のない結婚だって、養父母達の為だと思えばいくらでも耐えられる。
そして翌日、養父と義兄は揃って何処かへ出掛けて行った。
昨日の今日で、もしや彼らがライアン様に抗議に行ったのではないかと、私は気が気ではなかった。
「晩餐までには戻ると言っていたのに、何かあったのかしら……」
深夜になっても養父達が戻って来ないので、養母が心配そうに窓の外を眺めていた。
外は激しい雨で、窓ガラスを強く叩くように打ちつけていた。
「お義母様はどうか先にお休み下さい。後はひとりでお義父様達の帰りを待ちますから」
私は病気がちな養母が心配だった。
彼女は青白い顔をして、今にもポキリと折れてしまいそうなほど細い身体をしていたから。
「ありがとう。アシュリー。でも、胸騒ぎがしてとても寝てなどいられないわ」
養母が不安になるのも無理はなかった。
私自身、嫌な予感がしてならなかったから。
養父達は、一体何処へ行ってしまったのだろう──深い闇に包まれた窓の外を眺めていると、玄関の辺りが急に騒がしくなった。
養父達が帰って来たに違いない。
私と養母はすぐさま玄関へ向かった。
「シュナイゼルっ!」
ずぶ濡れになった義兄が玄関で倒れているのを見て、養母が悲鳴を上げた。
「お義兄様っ!一体何があったのです?!」
私は使用人達に介抱されていた義兄の元へ駆け寄った。
「……父上が、連れ去られた」
ぽつりと呟いた義兄の言葉に、私は強い衝撃を受けてその場に膝をついた。
「そ、そんな……」
「僕と父上はカーシス公爵家に行くつもりだった。だが、あと少しで到着するって時に、乗っていた馬車が何者かに襲われたんだ。護衛も御者もみな殺られ、僕と父上は別々の馬車に乗せられて連れ去られた。僕は奴らの隙を見て運良く馬車から逃げ出したが、別の馬車に乗せられていた父上は……」
苦しげに言うと、彼は目を伏せた。
「あっ……奥様っ!」
使用人の悲鳴に振り返ると、母が真っ白な顔で倒れていた。
「お義母様を寝室にお運びして!」
私はそう叫ぶと執事に医者を呼ぶよう頼んだ。
「母上の容態は落ち着いたか?」
養母の部屋を出て談話室へ入ると、ソファに座っていた義兄が問いかけてきた。
「ええ……今は薬を飲んで眠っています。でも、しばらくは絶対安静にしなければならないと。精神を乱すのも良くないそうです」
「そうか……」
私は義兄の隣に腰を下ろすと、さすがに疲れて小さく吐息を吐いた。
窓の外はいつの間にか雨も止み、空が白み始めていた。
「アシュリーも疲れただろう。部屋で休んだらどうだ?」
「大丈夫です。お義父様が帰って来るかもしれないので…」
その言葉に、義兄はそれ以上何も言わなかった。
自分を実の娘のように育ててくれた優しい養父が、無事に帰って来て欲しい。
願いはただ一つだった。
「アシュリー。僕達を襲って来た奴らだが……もしかしたら、カーシス公爵家が絡んでいるのかもしれない」
隣に座っていた兄が驚くべき発言をした。
「そんな、まさか……」
「襲って来た奴らはカーシス公爵領で待ち伏せしていたんだ。きっと僕たちがそこを通る事を事前に知っていたんだろう。……それが出来るのは、ライアン様だけだ」
信じられない……いや、信じたくなかった。
いくらなんでも、彼はそんな残酷な事をする人じゃないと。
でも、ライアン様は既に私を裏切っている。
自分が知らなった彼がいるのだと、認めざるを得なかった。
「もちろん何も確証はないから表沙汰には出来ないが……やはり、彼との婚約は取り止めた方が良いだろう。でなければ、次は母上が狙われるかもしれない」
「お義母様が……」
只でさえ身体が弱い彼女が襲われるなど、絶対にあってはならなかった。
養母だけは何としてでも守らなければ。
ライアン様との婚約を一方的に破棄する事になったとしても。
「アシュリー……大丈夫か?」
義兄であるシュナイゼル様は、自分を引き取ってくれたバトラー伯爵の一人息子で、養女である自分をとても可愛がってくれていた。
「お義兄様……」
「信じられないよ。ライアン様が、あんな事をする人だったなど……」
そう言って彼は悔しそうに唇を噛んだ。
義兄とライアン様は王立学園の同窓生で、同い年でもありお互いよく知った仲だった。
「寄りにもよって、アシュリーを不貞行為で傷つけるなどあり得ない。父上に報告して早く彼との婚約を破棄して貰った方がいい」
義兄は向かいのソファに腰を下ろすと、憤るように強い口調で言った。
「……いいえ。ライアン様から婚約破棄を申し出ない限り、私は彼との婚約を継続します」
彼の言葉に、私は静かに首を振った。
筆頭公爵家であるライアン様との婚約を、格下である自分から破棄するなどあり得ない。
そうなれば、迷惑がかかるのはこのバトラー伯爵家の養父母達だ。
血の繋がりもない自分を引き取り、実の娘のように大切に育ててくれた彼らに、これ以上迷惑はかけられなかった。
「彼は君を裏切ったんだぞ?そんな相手と結婚すると言うのか」
「はい。ライアン様が私との結婚を望むのであれば、それで構いません」
「それでアシュリーは幸せなのか?君の意思は、何処にあるんだ」
私のためを思い、感情的になっている義兄を冷めた目で見てしまっている自分がいた。
自分の意思など、どうでも良かった。
そもそも私は、生まれてきた事自体が間違いなのだから。
「私は産まれて来るべきではなかったのです。私のせいで両親は死にました。そんな自分に、幸せになる資格などありません」
「そんな事はない。少なくとも僕は、君に幸せになって欲しいと思っている」
「ありがとうございます。でも、もう良いんです。今日王都で見た事は、どうか忘れて下さいませ」
事を荒立てない為にも、ライアン様の不貞行為はなかった事にしようと心に決めた。
大丈夫──自らにそう言い聞かせる。
自分は辛い過去に蓋をするのは、慣れているのだから。
愛のない結婚だって、養父母達の為だと思えばいくらでも耐えられる。
そして翌日、養父と義兄は揃って何処かへ出掛けて行った。
昨日の今日で、もしや彼らがライアン様に抗議に行ったのではないかと、私は気が気ではなかった。
「晩餐までには戻ると言っていたのに、何かあったのかしら……」
深夜になっても養父達が戻って来ないので、養母が心配そうに窓の外を眺めていた。
外は激しい雨で、窓ガラスを強く叩くように打ちつけていた。
「お義母様はどうか先にお休み下さい。後はひとりでお義父様達の帰りを待ちますから」
私は病気がちな養母が心配だった。
彼女は青白い顔をして、今にもポキリと折れてしまいそうなほど細い身体をしていたから。
「ありがとう。アシュリー。でも、胸騒ぎがしてとても寝てなどいられないわ」
養母が不安になるのも無理はなかった。
私自身、嫌な予感がしてならなかったから。
養父達は、一体何処へ行ってしまったのだろう──深い闇に包まれた窓の外を眺めていると、玄関の辺りが急に騒がしくなった。
養父達が帰って来たに違いない。
私と養母はすぐさま玄関へ向かった。
「シュナイゼルっ!」
ずぶ濡れになった義兄が玄関で倒れているのを見て、養母が悲鳴を上げた。
「お義兄様っ!一体何があったのです?!」
私は使用人達に介抱されていた義兄の元へ駆け寄った。
「……父上が、連れ去られた」
ぽつりと呟いた義兄の言葉に、私は強い衝撃を受けてその場に膝をついた。
「そ、そんな……」
「僕と父上はカーシス公爵家に行くつもりだった。だが、あと少しで到着するって時に、乗っていた馬車が何者かに襲われたんだ。護衛も御者もみな殺られ、僕と父上は別々の馬車に乗せられて連れ去られた。僕は奴らの隙を見て運良く馬車から逃げ出したが、別の馬車に乗せられていた父上は……」
苦しげに言うと、彼は目を伏せた。
「あっ……奥様っ!」
使用人の悲鳴に振り返ると、母が真っ白な顔で倒れていた。
「お義母様を寝室にお運びして!」
私はそう叫ぶと執事に医者を呼ぶよう頼んだ。
「母上の容態は落ち着いたか?」
養母の部屋を出て談話室へ入ると、ソファに座っていた義兄が問いかけてきた。
「ええ……今は薬を飲んで眠っています。でも、しばらくは絶対安静にしなければならないと。精神を乱すのも良くないそうです」
「そうか……」
私は義兄の隣に腰を下ろすと、さすがに疲れて小さく吐息を吐いた。
窓の外はいつの間にか雨も止み、空が白み始めていた。
「アシュリーも疲れただろう。部屋で休んだらどうだ?」
「大丈夫です。お義父様が帰って来るかもしれないので…」
その言葉に、義兄はそれ以上何も言わなかった。
自分を実の娘のように育ててくれた優しい養父が、無事に帰って来て欲しい。
願いはただ一つだった。
「アシュリー。僕達を襲って来た奴らだが……もしかしたら、カーシス公爵家が絡んでいるのかもしれない」
隣に座っていた兄が驚くべき発言をした。
「そんな、まさか……」
「襲って来た奴らはカーシス公爵領で待ち伏せしていたんだ。きっと僕たちがそこを通る事を事前に知っていたんだろう。……それが出来るのは、ライアン様だけだ」
信じられない……いや、信じたくなかった。
いくらなんでも、彼はそんな残酷な事をする人じゃないと。
でも、ライアン様は既に私を裏切っている。
自分が知らなった彼がいるのだと、認めざるを得なかった。
「もちろん何も確証はないから表沙汰には出来ないが……やはり、彼との婚約は取り止めた方が良いだろう。でなければ、次は母上が狙われるかもしれない」
「お義母様が……」
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