俺は退屈な青春からはおさらばします

臓器猫

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第一章

第八話 知らない世界と楽しい日々

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剣城健人としての生活二日目、俺はあの二人を見送ってから、という気持ちに結論を出せずにいた。勿論あの二人から聞かれた事なのだから、あの二人を支えるという剣城君の条件には反していない。でも・・・・・・駄目だ。考えても、考えても答えが見つからない。
もう何度目か分からない堂々巡りが終わったのは、止めずに放置していた目覚まし時計が午前八時を告げた時だった。

「学校・・・・・・行かなきゃ」
 俺は今と、剣城健人として生きているんだ。他人の人生を壊すわけには行かない。
 学校での生活はとても楽しい。剣城君自身友達が余り多い訳では無いが、それでもスポーツ万能と頭脳明晰という武器を持ちながら、それなりのイケメンという点を考慮すれば剣城君はかなりのハイスペックであると言える。

「皆、おはよう!」
 例え、剣城君の友達が少なかったとしても、そんな人が笑顔で挨拶した時の反応は想像に難くない。

「え、ねぇ剣城くんってあんなキャラだったっけ?」
「いつも、仏頂面で気付かなかったけど、結構イケてない?!」
「ちょっと、声掛けようかな!!」
 今まで女子が何かヒソヒソ話をしていたが自分の席に座り周囲を見回すと、女子生徒の妖色ようしょくが赤になり男子生徒の妖色は黒くなっていた。この妖色は妖気の色のことを指す。
この色は、その時の感情によって変化するらしい、向こうの世界では幼いころに妖力のコントロールをするのであまり目にする機会が無かったが、こうして見ると確かに感情と繋がっているようだ。

「よし、お弁当でも食べようかな。」
 授業が終わりお昼休みのチャイムがなる。普段の剣城君の様子が分からないので、今日は取り敢えず自分の席で食べることにした。

「「ねぇ、剣城くん!あの、その・・・・・・良かったら私達も一緒に良いですか??」」
 

「あぁ、いいよ。」
 正直彼の交友関係は把握していないので下手なことは出来ないが、それでもここで断って、印象最悪にするよりはマシだろう。
「ウッソ!マジ~、ラッキー!」

「ねぇ、剣城くん!もし良かったら私とLINT交換しない?」
「あっ、ずるい!剣城くん私も!!」

「いいよ、えっと……どうやってやるんだっけ?」
「貸して、私やるよ!」
数人の女子が剣城くんの電子機器のガラスをポチポチと操作する様子をみると、何だかやってしまった感があるが、何を失敗したのか分からない。
「はい!OK~じゃあこれを閉じて……あっ」
「「「……」」」
ん?なんかみんな無言になったな。アレも返ってこないし、心做しか妖色が今までより更に深い赤になり、顔は表情筋があるのか不安になる位ニヤけている。

「あの~そろそろ返して貰っていいかな?」

「あっごめん!!」
「剣城はさ……その……離破くんのこと……ス、ス、スキなのかな」
 離破護か、ミツルギとして答えるならどちらでもないというのが適当だが、今の俺は剣城健人として生きている、剣城君なら……
「うん、好きだよ」
「「「キャーー!チョ、マジ?ヤバーイ!!!」」」
あれ?俺なんか変なこと言ったかな??
 お昼休みも終わり、俺はというと謎テンションの女子との会話が疲れたのか、居眠りをしてしまい、気がついた時はもう放課後で、あれだけ教室にいた生徒は誰もいなくなっていた。
 このまま教室に残っても、仕方ないので帰ろうと席を立ちドアの方へ向うと、そこには男が一人立っていた。
 その男は一切の気配を消しそれでいて凛とした表情をこちらに向けている、直感で、この男は危険だと感じた。
何故なら、この男は一切の妖気を漏らさずコントロールしていたからだ。本来なら、妖気のコントロールは妖怪として出来ていて当然のものだが、妖怪の中にもここまで見事なコントロールを出来る者はそうそう居ない。しかもそれが人間ともなれば尚更危険だ。
「やぁ、剣城君お久しぶりだね。いや、ここは初めましてと言った方が適当かな。」
その男は全てを察している様な口振りで再び語りだした。
「おっと、自己紹介がまだだったね!僕はキミじゃないキミと同じ部活の先輩で柄本武志だよ、宜しくねミツルギ君。」
「君達の関係性は訳あって全て知っている。」
 この男は知っていた。その上で俺に声を掛けたのか。一体何が目的なんだ・・・
「僕の目的はねぇキミだよミツルギ君、キミの持っている戦神シリーズの一本目天閃ノ剱てんせんのつるぎの所有権を奪いにきたんだ。」

「そうか、だが残念ながら所有権は移せないんだ。」
嘘はついていない。それでも柄本の自信に満ちた表情は揺らがない。

「そうだね。本来、所有権は譲渡をする事はできない・・・・・・。」
「それでも、あるんだな一つだけ。」
「キミも知ってるだろう?」
知っている、何百、何千と闘いを挑まれては勝ち続けてきた、それはもう作業のように。

「その方法とは、相手との闘いを挑み勝つことなんだよ。」
柄本は何の感情も含まず答えた。
そうこの取り決めは元々、神器の所有者に対する抑止力なのだ、幾ら神器とは言っても武器としての性能が高いだけであって、所有者の実力によっても左右される戦闘力は、十にも百にもなる可能性を秘めている。そして、自己鍛錬を行わない者や怠ってしまった者は、その神器の強大な力に呑まれ、消滅する。そうならない為に神器を、賭けて勝負を挑めるように定められている。

「何故、神器を求めるんだ!あれは、人が扱えるものでは無い!」
人間が持ったところで、さして意味は無いはずなのに、この男の執着心は通常のそれでは無い。

「僕はねぇ、一番が良いんだよ!今まで何でも一番になって生きてきた。だけどねぇ、キミもよく知るアイツ、剣城が来てからというもの一番では無くなってしまった。そんな時にね、声が聴こえたんだよ。『憎いやつを倒す力は欲しくないかい?』とね。
そして、そいつの眷族になった。つまりもう人間ではない、お前の持つ天閃ノ剱の所有者になれば、永遠に君臨する事も可能だとそいつは言った、だからこそお前を殺す」
 この話が本当なら、眷族になれば永遠が手に入る、恐らくこの辺りが柄本をそそのかした奴の正体を探るヒントだろう、いやそれよりも今考えるべきはこの男をどうするかの方が大事だ。この男は一応剣城君の知り合いだ、なら判断するのは俺じゃないここは社会の常識と云われてるほうれんそう作戦でいくのが無難か、報告、連絡、相談!若干報告と連絡の意味合いが重なっており、正しくは報告、連携、相談なのではと感じてしまうがそんな事はどうでもいい。
 今大切なのは、この事を剣城君に知らせること。しかし、それにはフェイニーの羽根を使わないといけない。恐らくそんな隙はみせない、今だって全くと言っていいほど隙が無いのだから……
闘わなければならない俺と彼の日常を守る為に。

「覚悟は決まったかい?」
 塚本から発せられた心地よい気迫とは逆に塚本の表情は醜い笑顔をこちらに向けている。あれだけ、整っていた容姿が見る影もなく一言で表すなら『鬼』そのもの。

「んあぁ~僕は今までで一番幸せだよ例えるなら結婚したての夫婦の様にねぇ。じゃあやろうか!ケント君!」

「あぁ、いつでもいいよ」

「それじゃ……」
 その言葉を言い終わるやいなや、塚本は真っ直ぐこちら向かって走り出した。そしてそのままこちらの間合いの数歩手前で左手に握っていた短刀で自分の掌の中心を刺しそれを引き抜いた。
溢れ出る鮮血、塚本はその穴の開いた右手をあげ、その手を思い切り振り下ろしす。
一瞬の出来事だった。今まで血液が溢れていた、塚本に握られていた液体は個体へと姿を変え、いつの間にか俺の左肩に突き刺さっている。

「……ッ」
「うはぁ~血が一杯でてるよぉー、美味しそうだねぇ」

「痛いかい?僕は今最高の気分だ!!」
満面の笑みを浮かべる塚本の眼はとても純粋なこどもの様に澄んだ瞳をしていた。
俺は塚本コイツを観て確信したことが二つある。一つはコイツの執着心は底が無いということ、俺を倒した後は剣城君のもとへと向かうだろう、俺から奪うつもりのあの剣を持って。
そして二つ目は今この世界でこいつを止めることが出来るのは俺だけだということ。

「その力どこで覚えた?」
血液を液状から固体に変化させる、そんなのはギルドにおけるマスタークラスしか修得できない高等技術の筈だ。

「あぁ、これねぇ妖怪キミたちの存在を教えてくれた人が見せてくれたんだよね~」
「名前は確か……ドラキーリ=エリバムとか言ってたかなぁ~」

「ドラキーリ=エリバム?!何故やつの名前を??」
ドラキーリ率いるヴァンパリーというギルドは誘拐、殺害、人体実験など裏の仕事もやっているという噂の立つギルドだ、無論そんなことがギルドを統率する上位の組織天神組合ヘブンリーゴッドにバレれば何らかの罰則を罪に応じて科せられるのだが、このヴァンパリーというギルドの恐るべきところは一切の証拠を残さないところなのである。
証拠が残らない、幾ら過ちを犯そうがそれを実証、或いは確認できなければそれらは罪にならない、それは確認できないという確認ができていてそれを疑ったとしても、そこにあるのは噂だけ……
噂止まりだから上も手が出せない、過去に一度、強制捜査を行いギルドに加入している全メンバーの記憶を閲覧した様だが結局、犯罪に繋がるような記憶は一瞬たりとも無かったらしい、妖世界の裏ギルドのマスターそいつが塚本にここまでの狂気を植え付けたのだろうか。

「あれ、言ってなかったっけ?僕を吸血鬼の力を授けてくれたのは彼だからね、キミたちの、事情も彼から聞いた彼はフェイニーを人質にとって、剣城を仲間にするとか言ってたかなぁ」
「いやぁーすごいよね!流石の悪党振りには僕も驚いて絶句してしまったよぉ」

「フェイニーを?!」
もしかすると、剣城はフェイニーを、守るかもしれない。だけど、相手が悪すぎる、剣城は剣に関しては天才。でも妖怪相手の戦闘はそれとは勝手が違う。ましてや、剣城は彼処に行ってまだ一週間も経っていない素人。勝てるはずがない……
「おっと、無駄話をしすぎてしまったね。じゃあつづきやろうか!」

「残念だけど、それは無理だ。俺は元の世界に戻りフェイニーを助けに行く、その為に……」
俺は塚本が反射すらもできない速度で塚本のふところへ入り右脚で踏み込みをしながら右肘を塚本の溝落へいれた。
すると塚本の溝落は穴が空きそうな程凹み、それと同時に骨の砕けたような音をたてた。
「お前は少し寝てろ」

「ッ……いつの間に」
塚本はそう言うとその場に崩れ倒れた。

「ッ……時間が無い、早く戻らないと…………」
戦いは終わった、しかし身体が思うように動かない、この戦いを見た人は「そんな力があるなら早く使えよ」と言うかもしれないが、本来俺はこの勝負に負けるはずだった。
どう立ち回ったところで吸血鬼のパワーとスピード、そして再生能力には勝てない、それでもフェイニーの為とならば話は変わる、俺とフェイニーの交わした契約はフェイニーの身辺に危害が及ぶ場合、または生活環境の悪化に繋がる場合、フェイニーの治癒能力を共有でき、更には自身の身体能力も飛躍する。
奴がフェイニーの危険を示唆しなければ負けるはずの勝負だったのだ。

あの時、塚本は自分のことを吸血鬼だと言っていた。ならば再生能力を持つ吸血鬼に対してこんなのはその場凌ぎにしかならないが、今はフェイニーの元へ向かうことが最優先なので放置することにした。
「はぁ、こんなに早くこの羽を使う時が来るとは自分でも笑っちゃうよ。まったく」
俺はフェイニーから貰った羽を使いゲートを開き束の間の安息と夢を与えてくれた世界に感謝しながら光に入っていった。
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