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1、終わりの始まり
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私こと藤堂夏海の中学校は不思議な校則がある。それは【こっくりさんをしてはいけない】というものだ。
先生は皆【こっくりさん】という言葉を出すだけで、顔を青ざめて「そんなことを言ってはいけない」の一点張りだ。この中学校を卒業したお母さんに聞いてみると、真っ青になって、倒れてしまった。私は幽霊なんて信じちゃいない。そんな非科学的なものは信じない。
だから先生たちがビビっているのを見ると、吹き出しそうになってしまう。何がそんなに怖いの?って、こっくりさんなんて、どこにでもある怪談の一つなのに。
小学校からつるんでるメンバーで企画した。「なる」こと三澄成美。一番まじめでしっかり者。「りん」こと東凛香。可愛いもの大好き。
「よっしー」こと高橋義人。ムードメーカーでお調子者。「まな」こと河合真翔。クラス1の切れ者。琉生の親友。
「るい」こと柊木琉生。ちょっとどんくさくて生真面目。と「なっつー」こと私の6人で【こっくりさん】を行うことにした。
小学校の頃から、問題児として知られていた私達。
【こっくりさん】という都市伝説が校則で禁止。。。こんな面白いものはない。5人ともノリノリだ。
【こっくりさん】をして先生たちがどう反応するか見ものだ。先生たちの青い顔が早く見たい。実行は今週末。学校に忍び込むことがすごく楽しみ。そっちの方がどきどきだ。【こっくりさん】が余興となりそう。。。
当日6月17日。6人は学校に忍び込み集合した。
「遅れたーすまねぇ。」
「遅いよよっしー」
「ごめんってりん」
「怒ってないよw」
「そろった?」
「今回の首謀者なっつーのお出ましだぞw」
「その言い方止めてよ!。。。よっしー、まな、るい覚えとけよ?」
「ごめん」
3人が真面目に謝るのが面白い。
こんなくだらない会話をしながら【こっくりさん】の準備を進めていった。こっくりさんの手順は単純。
1、白い紙に、「はい」「いいえ」と書き、その後に鳥居をかく。そしてその後に数字・五十音などをかく。
2、机を囲み、鳥居の位置に10円玉を置く。全員で、人差し指を10円玉に置き、こっくりさんを呼ぶ儀式をする。
3、「こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいでください。もしおいでになられましたら「はい」へお進みください。」と話しかける。
4、聞きたいことを質問する。
5、一回質問するたびに、「鳥居の場所にお戻りください。」とお願いをして、鳥居の位置に戻す。
6、いくつか質問を終え、こっくりさんを終了させる。
7、「こっくりさん、こっくりさん、お戻りください。とお願いして「はい」と答えた後、鳥居まで戻って
きたら「ありがとうございました」と礼を言って終了する。
ネットで調べたところ禁止事項があるらしい。
※10円玉から手を離さない
※途中で止めない
※帰ってくれるまでお願いする
※文字盤はその日のうちに48つに細かく破り捨て、10円玉は三日以内に使う
だそうだ。もっと細かいルールもあったけれど、面倒だったので省くことにした。
「結構マジじゃんw」
成美は怖がる様子もなく、面白がっている。
「でしょ?だって、先生たちの顔が見てみたいもん。それに塩も持ってきちゃった。」
にやにやと笑いながら、私は言った。私は持参の塩と水筒(お茶が飲めないので水)を持ってきていた。
「確かに、先生の顔見てみたい」
くすくすと笑いながら、りんはそう言った。
「じゃあ始めるか!」
義文の一言で軽い気持ちのまま【こっくりさん】を始めた。
*
「こっくりさん、こっくりさん、おいでください。」
皆で【こっくりさん】を呼ぶ。・・・5分経っても来ない。
「・・・もうやめよーぜ。」
何も起こらないから飽きるのも当然だ。
「なっつー、あと一回にしない?」
凛香の意見に全員が賛成した。
「こっくりさん、こっくりさん、おいでください。」
無言になる。10秒くらいで10円玉が動く。謎の力に指が引っ張られている感覚。
「よっしー動かしてるでしょー」
「俺じゃねーよ!まなだろ?」
「なんで俺なんだよ」
「2人ともけんか止めなよー」
「そんなことより質問しよー!」
そこから各々好き好きの質問をした。クラスメイトの好きな人、この前のテストに結果がよかったか、
今欲しいものは買っておくべきか・・・などつまらないものばっかりだった。
1時間くらい楽しんでそろそろ帰ってもらおうという話になった。
「こっくりさん、こっくりさん、お帰り下さい。」
皆で言う。10円玉は微動だにしない。帰ってもらわないと終われない。何回も何回も繰り返す。動かない。みんなの顔に焦りの姿が浮かび始める。
「なんで動かないんだよ!先まで動いてたよな・・・。」
「もう帰ってよ・・・。」
みんなパニック寸前だ。すると唐突に10円玉が動き出す。おんなじ動きを繰り返す。
「お、に、ご、っ、こ・・・鬼ごっこ?」
「なんだよ鬼ごっこって!なっつー知ってんだろ?」
「私知らないよ!」
「怖いよ・・・。助けてよ・・・。」
「りん落ち着いて。大丈夫だから・・・。」
みんな正常な判断ができなくなっている。また10円玉が動く。
「ゆ、び、を、は、な、せ・・・。指を離せ・・・?」
離したらダメって書いてたのにこっくりさんから言ってくるとは思ってなかった。私たちはおとなしく従うことにし
た。
「・・・ねえ・・・・。」
声が聞こえた。
「今の・・・誰?」
「分かんねーよ」
「・・・ねえ・・あっそっびましょ・・・?」
先生は皆【こっくりさん】という言葉を出すだけで、顔を青ざめて「そんなことを言ってはいけない」の一点張りだ。この中学校を卒業したお母さんに聞いてみると、真っ青になって、倒れてしまった。私は幽霊なんて信じちゃいない。そんな非科学的なものは信じない。
だから先生たちがビビっているのを見ると、吹き出しそうになってしまう。何がそんなに怖いの?って、こっくりさんなんて、どこにでもある怪談の一つなのに。
小学校からつるんでるメンバーで企画した。「なる」こと三澄成美。一番まじめでしっかり者。「りん」こと東凛香。可愛いもの大好き。
「よっしー」こと高橋義人。ムードメーカーでお調子者。「まな」こと河合真翔。クラス1の切れ者。琉生の親友。
「るい」こと柊木琉生。ちょっとどんくさくて生真面目。と「なっつー」こと私の6人で【こっくりさん】を行うことにした。
小学校の頃から、問題児として知られていた私達。
【こっくりさん】という都市伝説が校則で禁止。。。こんな面白いものはない。5人ともノリノリだ。
【こっくりさん】をして先生たちがどう反応するか見ものだ。先生たちの青い顔が早く見たい。実行は今週末。学校に忍び込むことがすごく楽しみ。そっちの方がどきどきだ。【こっくりさん】が余興となりそう。。。
当日6月17日。6人は学校に忍び込み集合した。
「遅れたーすまねぇ。」
「遅いよよっしー」
「ごめんってりん」
「怒ってないよw」
「そろった?」
「今回の首謀者なっつーのお出ましだぞw」
「その言い方止めてよ!。。。よっしー、まな、るい覚えとけよ?」
「ごめん」
3人が真面目に謝るのが面白い。
こんなくだらない会話をしながら【こっくりさん】の準備を進めていった。こっくりさんの手順は単純。
1、白い紙に、「はい」「いいえ」と書き、その後に鳥居をかく。そしてその後に数字・五十音などをかく。
2、机を囲み、鳥居の位置に10円玉を置く。全員で、人差し指を10円玉に置き、こっくりさんを呼ぶ儀式をする。
3、「こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいでください。もしおいでになられましたら「はい」へお進みください。」と話しかける。
4、聞きたいことを質問する。
5、一回質問するたびに、「鳥居の場所にお戻りください。」とお願いをして、鳥居の位置に戻す。
6、いくつか質問を終え、こっくりさんを終了させる。
7、「こっくりさん、こっくりさん、お戻りください。とお願いして「はい」と答えた後、鳥居まで戻って
きたら「ありがとうございました」と礼を言って終了する。
ネットで調べたところ禁止事項があるらしい。
※10円玉から手を離さない
※途中で止めない
※帰ってくれるまでお願いする
※文字盤はその日のうちに48つに細かく破り捨て、10円玉は三日以内に使う
だそうだ。もっと細かいルールもあったけれど、面倒だったので省くことにした。
「結構マジじゃんw」
成美は怖がる様子もなく、面白がっている。
「でしょ?だって、先生たちの顔が見てみたいもん。それに塩も持ってきちゃった。」
にやにやと笑いながら、私は言った。私は持参の塩と水筒(お茶が飲めないので水)を持ってきていた。
「確かに、先生の顔見てみたい」
くすくすと笑いながら、りんはそう言った。
「じゃあ始めるか!」
義文の一言で軽い気持ちのまま【こっくりさん】を始めた。
*
「こっくりさん、こっくりさん、おいでください。」
皆で【こっくりさん】を呼ぶ。・・・5分経っても来ない。
「・・・もうやめよーぜ。」
何も起こらないから飽きるのも当然だ。
「なっつー、あと一回にしない?」
凛香の意見に全員が賛成した。
「こっくりさん、こっくりさん、おいでください。」
無言になる。10秒くらいで10円玉が動く。謎の力に指が引っ張られている感覚。
「よっしー動かしてるでしょー」
「俺じゃねーよ!まなだろ?」
「なんで俺なんだよ」
「2人ともけんか止めなよー」
「そんなことより質問しよー!」
そこから各々好き好きの質問をした。クラスメイトの好きな人、この前のテストに結果がよかったか、
今欲しいものは買っておくべきか・・・などつまらないものばっかりだった。
1時間くらい楽しんでそろそろ帰ってもらおうという話になった。
「こっくりさん、こっくりさん、お帰り下さい。」
皆で言う。10円玉は微動だにしない。帰ってもらわないと終われない。何回も何回も繰り返す。動かない。みんなの顔に焦りの姿が浮かび始める。
「なんで動かないんだよ!先まで動いてたよな・・・。」
「もう帰ってよ・・・。」
みんなパニック寸前だ。すると唐突に10円玉が動き出す。おんなじ動きを繰り返す。
「お、に、ご、っ、こ・・・鬼ごっこ?」
「なんだよ鬼ごっこって!なっつー知ってんだろ?」
「私知らないよ!」
「怖いよ・・・。助けてよ・・・。」
「りん落ち着いて。大丈夫だから・・・。」
みんな正常な判断ができなくなっている。また10円玉が動く。
「ゆ、び、を、は、な、せ・・・。指を離せ・・・?」
離したらダメって書いてたのにこっくりさんから言ってくるとは思ってなかった。私たちはおとなしく従うことにし
た。
「・・・ねえ・・・・。」
声が聞こえた。
「今の・・・誰?」
「分かんねーよ」
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