8 / 47
第一章 それぞれの出逢い
第八話 本音※加筆・修正済み
しおりを挟む
※ストーリー上の問題で、後半を加筆、修正しました。
「実はな、今から強者と幹部を決めるんだ。」
「それで?」
「喧嘩で決める。」
「そ、それで?」
「貴哉、お前も参加しろ。」
「は、はい?」
貴哉は思わず目が点になった。
「はい、じゃねぇよ!お前も戦うんだよ!」
音也が口を挟んできた。
実はこれ、音也からの提案である。さっさと貴哉を殴りたいが恭典の手前そんなことはできない。そこでこの場に参加させることにしたのだ。
(やっとこのチビぶっ殺せるぜ)
音也はほくそ笑む。一方の恭典はと言うと、
(まぁ、気の毒だかこれで貴哉もちょっとはマシになるかもな)
と、なんとも無責任なことを考えていた。和人に至っては、
(まぁ、叔母さんたちがうるさいから俺らはあいつ殴れねぇもんな。)
とまぁ、薄情なことを考えていた。
「おい、待てよ。いくらなんでもこいつと喧嘩はできねぇぞ。」
裕明が口を開く。すると、
「うるせぇ!こいつと戦うのは俺だ!お前らは黙ってみてろ!」
音也が怒鳴りつけた。こうなったら、もう音也は止まらない。裕明はもう何も言わないことにした。
「さぁ、ここからは逃げられねぇぞ。」
「...分かったよ。」
貴哉は観念したかのように口を開く。
(どうせ逃げられねぇならさっさとこの金髪殺してやる。)
彼はどうやら勝つつもりのようだ。というのも、小さい頃から恭典や和人たちとゲームの順番などで喧嘩になるといつも、叔母さんたちが割って入ってきては「じゃんけんで決めなさい」と言われてきた。そのじゃんけんに、貴哉はほぼほぼ勝ってきたのだ。貴哉は今、この状況をそのじゃんけんと同じ感覚で捉えている。
「おぉ、そうかそうか!じゃあ、さっさと始めようぜ。」
「待て、音也!」
「なんだよ、恵弥?」
「こんな狭い部室で喧嘩するつもりか?裏に行くぞ。」
「いけねぇ、いけねぇ。」
「おい、お前らもだ。貴哉、お前は場所分かんねぇか?取り敢えずついて来い。」
「また、移動かよ。」
恵弥に促され、全員が動きはじめた。すると謙治が、
「おい、恵弥!さっきから気になってってけどよ、なんでお前が仕切ってんだ?」
「あ?」
「まだ幹部も何も決めてねぇだろ?なのになんでお前、そんなに偉そうなんだ?」
「確かに言われてみればそうだなぁ、あ?」
和人もそれに同調し、2人して恵弥に近づく。
「やめろよお前ら。まだ学校の中だぞ?」
「関係ねぇよ、俺らはお前にムカついてんだぞ?お?」
「...仕方ねぇなぁ。」
「あぁ?聞こえねぇなぁ?」
次の瞬間、恵弥の右フックが謙治の顎に命中した。たまらず謙治は鼻血を出して倒れる。和人は一瞬怯んだものの、恵弥に掴みかかろうとした。しかし、それよりも早く、恵弥が和人の胸ぐらを掴み、そのまま膝蹴りを和人の鳩尾に喰らわせた。もだえる2人を見つめ恵弥が呟く。
「お前らは予選敗退だ、馬鹿どもが。」
「ぐ、ちくしょうめっ....」
「おい、待てよ。」
それを見ていた裕明と奏が詰め寄る。
「こんなの見せられちゃもう我慢ならねぇよ。なぁ、俺とも戦えよ。」
「....俺は負けんぞ。」
「待て、恵弥はもう2人倒したろ?お前らの相手は俺だ。」
恭典がしゃしゃり出てきた。
「かっこつけてんじゃねぇぞ!」
裕明が渾身の右フックをかまそうとするも、恭典は頭を下げ、逆に強烈なアッパーを喰らわせた。
「ぐっ、野郎....」
裕明は体勢を維持しようとしたものの、堪えきれずそのまま崩れ落ちた。
「てめぇ!よくも裕明を!」
不意を突いた奏が恭典の胸ぐらを掴み、右手で恭典の顔を殴りつけた。しかし、恭典は鼻血こそ流れてるものの、ケロッとしている。
「なかなかやるじゃねぇか!」
「なにっ!?」
次の瞬間、恭典の拳が奏の肋を捉えた。
「がっ....く、くそっ....」
痛みで手を話した奏の顔に、恭典の回し蹴りが炸裂。勝負あったようだ。
「へっ、お前らも予選敗退だな。」
「おい、恭典、いつの間に回し蹴りなんて覚えたんだよ?」
「うるせぇよ、こんなもん恵弥だってできらぁ。できねぇのはお前ぐれぇだよ。」
「そうだぞ音也。お前が遅れてんだ。」
「けっ!」
実はこの3人、春休みの間は恵弥の家に集まって独学で筋トレやボクシングに励んでいた。
「おいおい、俺を忘れんじゃねぇぞ。この流れだと俺の相手は音也、お前だな!」
春樹が言い終わる前に、音也が彼の顔に右ストレートを叩き込んだ。春樹はそのまま、後ろに倒れる。
一連の光景を見て、貴哉は記憶の奥底に閉じ込めていたことを思い出した。小学校4年生の時、中学生に殴られ金を取られた、忌まわしき思い出を。
(くそっ....もう、俺は、あんな風にはなりたくねぇ!)
音也が貴哉の方に目を向けた。
「余興はここまでだ。さぁ、次はお待ちかね、貴哉、お前の番だ。面倒くせぇからここで殺してやる。」
「俺の台詞だよ。」
貴哉は強気に出た。これは今までのじゃんけん勝負とは違う。絶対に負けたくない。もうあんな風にはなりたくない。その思いを胸に貴哉は立ち向かう。
つづく
「実はな、今から強者と幹部を決めるんだ。」
「それで?」
「喧嘩で決める。」
「そ、それで?」
「貴哉、お前も参加しろ。」
「は、はい?」
貴哉は思わず目が点になった。
「はい、じゃねぇよ!お前も戦うんだよ!」
音也が口を挟んできた。
実はこれ、音也からの提案である。さっさと貴哉を殴りたいが恭典の手前そんなことはできない。そこでこの場に参加させることにしたのだ。
(やっとこのチビぶっ殺せるぜ)
音也はほくそ笑む。一方の恭典はと言うと、
(まぁ、気の毒だかこれで貴哉もちょっとはマシになるかもな)
と、なんとも無責任なことを考えていた。和人に至っては、
(まぁ、叔母さんたちがうるさいから俺らはあいつ殴れねぇもんな。)
とまぁ、薄情なことを考えていた。
「おい、待てよ。いくらなんでもこいつと喧嘩はできねぇぞ。」
裕明が口を開く。すると、
「うるせぇ!こいつと戦うのは俺だ!お前らは黙ってみてろ!」
音也が怒鳴りつけた。こうなったら、もう音也は止まらない。裕明はもう何も言わないことにした。
「さぁ、ここからは逃げられねぇぞ。」
「...分かったよ。」
貴哉は観念したかのように口を開く。
(どうせ逃げられねぇならさっさとこの金髪殺してやる。)
彼はどうやら勝つつもりのようだ。というのも、小さい頃から恭典や和人たちとゲームの順番などで喧嘩になるといつも、叔母さんたちが割って入ってきては「じゃんけんで決めなさい」と言われてきた。そのじゃんけんに、貴哉はほぼほぼ勝ってきたのだ。貴哉は今、この状況をそのじゃんけんと同じ感覚で捉えている。
「おぉ、そうかそうか!じゃあ、さっさと始めようぜ。」
「待て、音也!」
「なんだよ、恵弥?」
「こんな狭い部室で喧嘩するつもりか?裏に行くぞ。」
「いけねぇ、いけねぇ。」
「おい、お前らもだ。貴哉、お前は場所分かんねぇか?取り敢えずついて来い。」
「また、移動かよ。」
恵弥に促され、全員が動きはじめた。すると謙治が、
「おい、恵弥!さっきから気になってってけどよ、なんでお前が仕切ってんだ?」
「あ?」
「まだ幹部も何も決めてねぇだろ?なのになんでお前、そんなに偉そうなんだ?」
「確かに言われてみればそうだなぁ、あ?」
和人もそれに同調し、2人して恵弥に近づく。
「やめろよお前ら。まだ学校の中だぞ?」
「関係ねぇよ、俺らはお前にムカついてんだぞ?お?」
「...仕方ねぇなぁ。」
「あぁ?聞こえねぇなぁ?」
次の瞬間、恵弥の右フックが謙治の顎に命中した。たまらず謙治は鼻血を出して倒れる。和人は一瞬怯んだものの、恵弥に掴みかかろうとした。しかし、それよりも早く、恵弥が和人の胸ぐらを掴み、そのまま膝蹴りを和人の鳩尾に喰らわせた。もだえる2人を見つめ恵弥が呟く。
「お前らは予選敗退だ、馬鹿どもが。」
「ぐ、ちくしょうめっ....」
「おい、待てよ。」
それを見ていた裕明と奏が詰め寄る。
「こんなの見せられちゃもう我慢ならねぇよ。なぁ、俺とも戦えよ。」
「....俺は負けんぞ。」
「待て、恵弥はもう2人倒したろ?お前らの相手は俺だ。」
恭典がしゃしゃり出てきた。
「かっこつけてんじゃねぇぞ!」
裕明が渾身の右フックをかまそうとするも、恭典は頭を下げ、逆に強烈なアッパーを喰らわせた。
「ぐっ、野郎....」
裕明は体勢を維持しようとしたものの、堪えきれずそのまま崩れ落ちた。
「てめぇ!よくも裕明を!」
不意を突いた奏が恭典の胸ぐらを掴み、右手で恭典の顔を殴りつけた。しかし、恭典は鼻血こそ流れてるものの、ケロッとしている。
「なかなかやるじゃねぇか!」
「なにっ!?」
次の瞬間、恭典の拳が奏の肋を捉えた。
「がっ....く、くそっ....」
痛みで手を話した奏の顔に、恭典の回し蹴りが炸裂。勝負あったようだ。
「へっ、お前らも予選敗退だな。」
「おい、恭典、いつの間に回し蹴りなんて覚えたんだよ?」
「うるせぇよ、こんなもん恵弥だってできらぁ。できねぇのはお前ぐれぇだよ。」
「そうだぞ音也。お前が遅れてんだ。」
「けっ!」
実はこの3人、春休みの間は恵弥の家に集まって独学で筋トレやボクシングに励んでいた。
「おいおい、俺を忘れんじゃねぇぞ。この流れだと俺の相手は音也、お前だな!」
春樹が言い終わる前に、音也が彼の顔に右ストレートを叩き込んだ。春樹はそのまま、後ろに倒れる。
一連の光景を見て、貴哉は記憶の奥底に閉じ込めていたことを思い出した。小学校4年生の時、中学生に殴られ金を取られた、忌まわしき思い出を。
(くそっ....もう、俺は、あんな風にはなりたくねぇ!)
音也が貴哉の方に目を向けた。
「余興はここまでだ。さぁ、次はお待ちかね、貴哉、お前の番だ。面倒くせぇからここで殺してやる。」
「俺の台詞だよ。」
貴哉は強気に出た。これは今までのじゃんけん勝負とは違う。絶対に負けたくない。もうあんな風にはなりたくない。その思いを胸に貴哉は立ち向かう。
つづく
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
なお、スピンオフもございます。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる