青春〜或る少年たちの物語〜

Takaya

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第三章 始まる闘い

第三話 それぞれの夜※百合注意

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 合宿2日目の夜。この日は毎年、前日早く消灯する。暗黙の了解として、先生たちも生徒がいる2階に上がってきてはいけない。なぜなら、この日は伊志凪中女子の悪習、「夜這い」が行われるからだ。上級生が下級生をターゲットに行われる。もちろん、女子同士で。これがあるから部活毎に合宿先は違うわけだが、それでもこの悪習は続いている。そして、今年は3つの部活が合同で、少ないながら男子もいる。何やら一悶着起きそうな予感だ。

 バレー部の部屋では、消灯になると一斉に布団の中に入った。皆ウキウキ、というよりムラムラしている。先に行動を起こしたのは朱里だ。行き先は真咲の布団だった。しばらく布団がモゴモゴ動いていたが、いきなり動きが止まる。そして起き上がり、朱里が真咲の手を引いて部屋から出て行った。カップル成立である。この後、2人はトイレの個室で熱い夜を過ごす。
 次に行動を起こしたのは麻耶だ。行き先はなんと桃子の布団である。この日、下級生が上級生を誘うのはタブーだ。案の定、蹴飛ばされた。桃子が起き上がる。

「先に行っておくけど、私と香織はそんな気ないから。」

 そう言って布団の中に入る。香織は布団の中で唇を噛む。

(あのメス猿!なんで私を巻き込むのよ~!)
 
 桃子としては、先日のことで気を使っての発言だったが、実は香織はウキウキしていたのだ。しばらくして、香織は携帯を取り出し1人でトイレに向かう。開き直って1人で楽しむことにした。その後、麗子は鈴飛、鈴美は麗花と共にトイレへ向かう。明良は1人で部屋を出て男子部屋に向かった。

(どうせ私には声はかからないだろうし、伯亜たちとトランプでもするか。)

 2人目のリタイアだ。その後、バレー部の部屋に真理亜が来た。麻耶に話し掛ける。

「はーあ、私余っちゃったよ。あんたも?」
「見りゃ分かんでしょ?」
「あっそ。それより、風呂場で気晴らしに煙草でも吸うけどあんたも行く?」
「行く行く!私も久しぶりに吸いたいわ。」

 こうして2人は部屋を出た。しかし、部屋には1人残っている。貴夜だ。

「あの淫乱ドM女!私が余ってるでしょうが!」

 貴夜は1人叫ぶと布団を放り投げ大の字になり、携帯を開いた。

(ふん、こうなったら私はここで1人で大声出して楽しんでやる!)
「ちょっと、貴夜!」
「は、はい!」
「私がいるの忘れてない?」
「あ、あの、いや....」
「まぁ、いいわ。好きになさい。」

 そう言って桃子は眠りに着く。

(できるわけないでしょうがあああ!せめて黙っとけや!この無神経女!)

  悲しい女である。

 さて、麻耶と真理亜は女子風呂に向かっている。やがて到着し、更衣室へ入る。すると、風呂場からいやらしい声が聞こえた。

「花音と志穂ね。」

 真理亜が何かを察した。

「うちの1年生よ。大方、トイレが満室だったからここに来たんでしょ。」
「なるへそ。でも1年生同士なんてよく出来るわね。」
「本当それ!どうせなら私とヤれっての!」
「....それより、どっか他所で吸いましょうよ。あれじゃこっちまでムラムラしちゃうわ。」

 こうして2人は話し合った結果、不本意だが男子トイレに行くことにした。男子風呂の方が確実に誰も来ないのだが、さすがに勇気がなかったらしい。やがて男子トイレに着き、中に入って煙草に火を点ける。

「どうせならパーラメントがよかったわ。」
「もらっておいて何よ。私の愛しのブラックメンソールちゃんに文句つける気?」
「....愛しのってあんた何言ってんのよ。」
「私はこれしか吸わないって決めてんのよ。」
「半年前までアイスブラストだったくせに....」

 そんな会話をしていると、伯亜と明良が入ってきた。

「麻耶先輩!何してるんですか!」
「煙草吸ってんのよ。それより、伯亜はともかくあんたの方こそ何しにきたのよ。」
「わ、私は女子トイレが満室だったからで....」

 目的は違えど来た理由は同じようだ。

「麻耶姉ちゃん煙草吸うの?」
「たま~にね、貴哉だって最近吸ってるわよ?」
「えぇ....」

 まさかの事実に伯亜はキョトンとしている。

「ん、あの男の子、貴哉の友だち?」
「そう、伯亜っていうの。」
「へー、伯亜くんか。私は真理亜。貴哉とこいつの従兄弟よ。」
「そ、そうなんですか....」
「1年に和人っているでしょ?あれは私の弟。仲良くしてあげてね。」

 そんな自己紹介も伯亜は頭で理解するのがやっとだ。

「あの子はね、桃子先輩の弟なのよ。」
「え!?桃子ってあの暴力女!?」

 真理亜が驚いている。

「へー、それにしては可愛い顔してるじゃん。」

 伯亜をマジマジと見つめ、話し掛ける。

「ねぇ、伯亜ちゃん。それ、お姉ちゃんのお古の練習着でしょ?」
「....はい。」
「んもう、あんたみたいな子がバスパンとか履いてたらその、ギャップ萌え?っていうの?可愛いわねー。」
「貴哉だってこんな格好で寝るわよ?私の練習着で。」
「ギャハハ!何それ絶対可愛いじゃん!後で写真送って!」

 明良が麻耶たちに話し掛ける。

「あ、あのー先輩方....」
「ん、何よ?」
「私はともかく、伯亜がおしっこできなくて困ってるんですよ....」
「え、真理亜の口が空いてるわよ?」
「ちょっと麻耶!やめなさいよ!」

 麻耶と真理亜はゲラゲラ笑った後、トイレを後にした。明良と伯亜はひきつった顔で見送くる。

「明良くん、僕ゲイになるかも....」
「私は止めないよ....」

 その後、明良と伯亜は部屋に戻って就寝し、麻耶と真理亜は誰もいないバスケ部の部屋で悪ノリでAVを見始め、ムラムラしてそのまま合体した。
 翌朝、全員がトイレなどそれぞれペアと盛り上がった場所で目を覚ます。そして猛烈な気まずさに襲われるので、最後の片付けの作業がなんだかよそよそしい。桃子はこれが嫌で昨晩は何もしなかった。

 そんな片付けの時間も終わり、帰りのバスに乗る。バスケ部とバレー部のバスは全員爆睡だ。しかし、昨日誰とも合体していない香織、明良、貴夜は起きていた。隣同士の席の香織と明良がおしゃべりをしている。途中で香織が後ろの席の貴夜に話し掛けた。

「ねぇ村上。」
「何よ?」
「フェイ寝てるんでしょ?こっちの席来なよ。1人ぐらい座れるわ。おしゃべりしましょ。」
「....まぁ、いいけど。」

 貴夜はこの時少しだけ思った。

(こんな気遣いしてくるなんてこの女、実はそんなに嫌なやつじゃないのかもね。)

 学校に着くまでの間、3人はテレビの話で意外と盛り上がった。

 一方、吹奏楽部のバスでは伯亜が貴哉が喫煙者であることを暴露した。

「ねぇ、僕たち友だちでしょ?みんなで貴哉くんに注意しようよ!」

 こうして男4人は団結し、帰ったら貴哉にお説教するつもりらしい。

 次回は、そんなことになってるなんて全く思っていない、貴哉たちのゴールデンウィークを覗いてみよう。

つづく
 
 
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