【完結】夜に駆けた一夏/春巡る縁

夢見 鯛

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プロローグ

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「これはまだ、俺が将来に対して希望に満ち溢れていなかった頃のお話だ。」

 あの頃、俺には未来なんて考える余裕もなかった。ただ、目の前にあることをこなすだけで、毎日が必死だった。それでも、振り返ると、あの夏は何か特別なものがあった気がする。夢のようで、でも確かにそこにあった、大切な、大切な一夏の熱い思い出が。

 大学2年の春。期末試験を前に、俺はそれまでの成績に焦りを感じながら、何もできずにいた。結局、試験のために準備した教科書もない、知識も足りない、卒業も危うい。そんな現実に埋もれていた頃、あの本屋に出会った。あの時の俺は、まるで一筋の光を見つけたような気がしていた。ほんの一冊の教科書を手に入れただけで、こんなに運命が変わるとは、当時は考えもしなかった。そして、その教科書を手にした先に現れたのは、今となっては欠かせない人物、エリカだった。

 あの日、あの本屋で交わした言葉が、今の俺を作ったのかもしれない。あの時、俺は何も知らなかった。彼女がただの店員だと思っていたけれど…。

 毎朝、俺は吉祥寺駅を目指して歩く。駅前の喧騒を抜け、改札を通り抜けると、すでに人々が行き交っている。通勤ラッシュの時間帯、どこからともなく人が集まり、まるで流れのように動く。自分もその一部になっている感覚だ。周囲の顔はどれも無表情で、目の前にいる誰とも関わりを持つことなく、ただ目的地に向かっている。吉祥寺という街は賑やかだけれど、こうして通勤ラッシュを味わっていると、何だか心が沈んでいくような気がする。

 電車に乗ると、窓の外の風景が流れるだけで、時間はまるで止まったかのように感じる。京王井の頭線を使って下北沢まで行き、そこからまた歩いて大学に向かう。梅ヶ丘で降り、住宅街を抜けて大学までの道のりをひたすら歩く。どこか、足が自然に動く感覚。毎日、同じ道を通って、同じように授業に向かっている。でも、それをどうしても退屈だとは思わないのだ。無意識のうちに生活の中でルーティーンができあがり、それが心地よくもあった。

 大学に到着する頃には、もう周りの学生たちも増えて、門をくぐると、大教室に向かう学生たちで賑わっている。みんなが無言でエスカレーターに乗り込み、上へと向かっていく。俺もその一人で、いつも通り、学生証をピッと機械にかざして出席を取る。

 講義が始まると、教授の声が教室に響き渡る。でも、俺の耳にはほとんど入らない。だって、経済学の授業はいつも退屈だ。最初は興味を持っていたけれど、だんだんとその内容がわからなくなってきた。頭に入ってくるのは、ルーズリーフに落書きした絵とか、モンスターのパズルゲームを起動したスマホの画面だけ。

 画面に映るモンスターをタップしながら、授業が進んでいく。隣の席で話す友達の声も、どこか遠くに聞こえる。日常の中で無意識に過ごしている時間。それでも、退屈さが俺の中に残っている。ふと、気づくと教室はもう空っぽになっていた。時間が経ったことを実感するけれど、それでも心の中では、何か大きな変化が訪れるとは全く思っていなかった。

 昼休みになると、俺は学食に向かう。いつものように、何も考えずに定食のカウンターに並ぶ。今日も、いつも通りの「唐揚げ定食」だ。カリカリに揚げられた唐揚げが、脂っこくて香ばしい匂いを放ち、食欲をそそる。ワンコイン、つまり五百円で十分満足できる一食だ。

「ありがとうございます」

 食券を渡し、受け取ったトレイを持って空いているテーブルに座る。周りは同じように食事を取っている学生たちで賑わっているが、俺は一人で黙々と食べる。唐揚げは、外はカリッと、中はジューシーで、噛み締めるたびに旨味が口いっぱいに広がる。それだけで十分だ。

 無駄に他の学生と会話を交わすことなく、食事を済ませる。食後、軽く水を飲み、ぼんやりと次の講義のことを考える。その後、適当に携帯で教室の場所を調べる。どうせまた、同じように座って、同じように退屈な時間が流れるんだろうな、と思いながら。

「次は、確か…経済学の概論だったかな…」

 頭の中では何も思い浮かばないまま、ぼんやりと次の講義の準備をする。教室を探し、またあの大教室に向かう。いわゆる「次の一歩」を踏み出しているつもりでも、正直言って、何も変わらない。毎日が繰り返しで、終わりのないサイクルに囚われている気がする。

でも、これが普通なんだ。

 繰り返し繰り返し、今日もまた一日が終わるまで。

 そんなある日、こんな何の変哲もないつまらない大学人生に転機が訪れたのだ。

 その日、大学に向かうと、講義室の空気はいつもと何も変わらなかった。だが、14回目の講義の始まりを告げる鐘が鳴ると、教授が普段と違って少しだけ厳しい顔をしていた。

「さて、みなさん、期末試験の内容についてお話します」

 教室の中に、ざわつきが広がる。みんな、試験に対する緊張感が少しずつ高まってきているのを感じた。けれど、俺はそのとき、どこか遠くの世界にいるような気分だった。試験のことなんて、もう頭に入れてなかったからだ。

「…今回の期末試験では、教科書からの出題が中心になります」

 その言葉が、俺の耳に届いた瞬間、心の中で大きな音が鳴った。教科書から出題?

 教科書だ。そういえば、確かに最初の方で、授業中に教科書の指定はあった。でも、まさかそれが“必須”だなんて思わなかったんだ。だって、教授は特に教科書に関して強調して言っていなかったし、あまりにもお金がなかったから、買うのを渋っていた。

「教科書、必須なんだよな?」

 俺は、隣に座っている友達に小声で尋ねた。だが、その友達は一瞬だけ驚いたような顔をしてから、冷ややかな目を向けて言った。

「え、マジで? だって最初から言ってたじゃん、試験範囲」

 その一言で、俺は完全に動揺した。ああ、確かに、何か言ってた気がする。でも、まさかあれが本当に試験の必須アイテムだなんて…。

「…どうしよう」

 思わず、口に出してしまった。周りの学生たちは皆、メモを取りながら、必要な部分を確認している。その姿を見て、俺は一層焦りを感じた。予習しないと、試験で点数が取れないじゃないか。しかも、教科書でしか解けないような問題が出るだろうと教授が言っていた。

でも、俺には教科書がない。

 本当に、どうしようもなくなってきた。このままじゃ、間違いなく落単だ…。

 教科書を買うべきだった、と後悔がどんどんと心を占めていく。もう、どうしようもない状況だってことに、俺はやっと気づいた。

------------------------------------------

 午後からの講義が終わり、俺は足取りも重く吉祥寺駅を出た。期末試験の虚を突かれるような発表に、心が完全に折れそうになっていた。気づけば、今日は一人で帰るのも嫌だったので、友達に声をかけて、いつもの居酒屋に向かっていた。

 居酒屋の扉を開けると、店内の賑やかな音とともに、焼き鳥の香ばしい匂いが鼻をくすぐった。深夜の時間帯でも、それなりに賑わっている。いつものように、角の席に座ると、友達がすでにレモンサワーのジョッキを両手で持っていた。

「お疲れさん、またまたやけ酒か?」友達はにやりと笑って俺に大ジョッキを差し出す。

「頼む、つきあってくれ…」俺は少し呆れた顔をして言った。

友達は、田舎から上京してきたばかりで、どこか懐かしい地方訛りがあった。その声に、どこかしら安心感を覚えながら、グイっとレモンサワーを一気に飲み干した。

「さすがだな、お前…」友達は、やけ酒を共にしながら言った。「でもまあ、単位の一個や二個、捨てたって卒業できんで。」

友達が明るく言っても、心の中では全く晴れない。俺は黙って、スマホを取り出して成績表のスクリーンショットを見せた。画面に映し出された数字に、友達はしばし無言になった。

「…18単位?」友達が呆れて言った。

「う、うん…」俺は頭をかきながら言った。

「まじか。ウケるでな。」友達は大笑いしながら続けた。「40分の18か。それ、そりゃ落とせんわ。どんだけ遊んだんだよ、お前。」

 友達は本当に楽しそうに笑っていたけれど、俺はその笑いがまるで自分の顔を殴られたように感じた。心の中では、今すぐにでもこの状況から逃げ出したくなった。

「ほんと、どうすんだよな。こりゃ完全に詰んだわ。」俺は呆れたように言う。

「でも、まだ残りの試験があるやろ? 教科書のことはしゃーないし、今更後悔しても始まらんよ。」

 友達は言うけれど、その言葉もどこか空虚に響いていた。やけ酒の勢いで、少しでも元気を取り戻すつもりだったのに、どんどんと現実が重くのしかかってくる。

「でもさ、俺、ほんとに大学なんて卒業できる気しないよ。」僕は呟いた。

「だから言ってんだろ、気楽に行けって。いい意味で適当で、あとは楽しく生きるだけだ。」

 そう言って、友達は再び大ジョッキを掲げる。僕もそれに合わせて、無理にでも笑顔を作って乾杯した。

 しかし、その夜の酒は、どんなに飲んでも胸の重さを取り除くことはできなかった。試験の不安、成績の絶望、それに向き合うことが怖かった。

 その日、飲みつぶれながらも、友達が先に帰ると言い出した。俺は少ししてから居酒屋を後にし、特に目的もなく夜の吉祥寺を歩き続けていた。サンロードの路地裏を歩いていると、ふと目に留まったのは、深夜にもかかわらず灯りのついている古本屋だった。

 その店は、ドアもなく、入口がオープンな作りだった。中からは、古びた紙の匂いや、どこか懐かしい雰囲気が漂ってくる。普段なら見過ごしてしまうだろうけど、なぜかその時は足を止めて、店の前で立ち尽くしてしまった。

 しかし次の瞬間、特に理由も無しに、その店に足を踏み入れた。

 天井まで高く聳える木の本棚が横に連なり、そこに詰め込まれた本たちが目に入った。表紙が擦れた小説や、大きな子供用の絵本が並んでいて、学問の本や図鑑も見受けられる。棚の端の方には、分厚い少年誌や、中途半端に空いている単行本が無造作に置かれていた。そのすべてが、どこか懐かしく、時が止まったような雰囲気を醸し出していた。

 ただ意味もなく、一冊のスポーツ漫画の単行本を手に取り、裏面を見てみると、50円という紙の値札シールが貼られていた。

「安っ」

 思わず口から溢れてしまった。

 とりあえず古びた安い漫画を置いて、辺りを物色していると、あることが頭の隅をよぎった。それは、経済学の教授が書いた教科書がもしかすると…という淡い期待感を抱きながら、本棚を漁り始めた。

 手が次々と本を掴んでは放し、心の中で探している本のタイトルを呟くように思い描きながら、棚を行ったり来たりする。普通の本屋ではなかなか手に入らない、そんな特別な教科書がここにあったりしないだろうか、と思うと胸が高鳴った。

 そして、ようやく見つけた。少し埃をかぶった背表紙に、見覚えのある文字。『経済学概論』。思わず手が止まり、息を呑んだ。間違いない、これが教授が執筆した本だ。

 それにしても、こんな本がこんな場所にあるなんて。だが、嬉しさよりも驚きの方が大きかった。まさかの掘り出し物に出会った感覚に、手が震えそうになった。

 値札を確認すると、やはりそこには50円の値がついていた。

「これ、マジで?」

 呆気に取られながらも、僕はその教科書を手に取った。値段も安すぎて、本当に買っていいのか迷ってしまうほどだったが、

「ま、試験に間に合えばそれでいいか」

 そう思いながら、レジに向かった。心の中で、これでなんとか期末試験を乗り越えられるかもしれないという安心感が広がる。もちろん、内容を深く理解するつもりもなく、ただ試験に必要な部分を押さえられればそれでよかった。

 そんな面持ちでレジへ向かうと、そこには透き通るほど白く、日焼けなど一度もしたことが無いのでは?と思うほどに綺麗で、顔立ちの整った美少女が立っていた。黒縁眼鏡で顔周りを隠してはいるものの、お淑やかで可愛らしいことに変わりはなかった。

 彼女は無言で僕の持っている教科書を見つめ、静かにレジを通していく。その手の動きがどこか優雅で、無駄のない所作に思わず見入ってしまう。

 教科書をレジに通し、金額を支払った後、俺は財布をしまいながら、無意識に彼女の方へ視線を向けた。黒縁眼鏡をかけたその少女は、黙々と本を整理し、無表情で動いていた。その姿がどこか不安げで、少し恥ずかしそうに見える。

 酔いが残っているせいで、頭が回らず、何も言えないまま立ち尽くしていると、彼女の無言の佇まいが余計に気まずく感じられる。静寂の中で時間がゆっくりと流れるようだった。

 その沈黙に耐えきれなくなり、ようやく俺は口を開いた。「えっと、あの…」

言葉が途切れてしまった。酔っ払っているせいか、言いたいことがうまく伝わらない。でも、少しの間があった後、意を決してもう一度言った。「また来てもいいですか…」

 それを聞いて少女は、不思議そうに頭を傾けて、「はい…またのご来店をお待ちしております」とまるで定型文のような文言で返され、何故か撃沈したような心持ちで店を退店した。

 でもそれはまるで運命的な出会いだったと今なら言える。教科書のことも…彼女のことも…。


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