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「こんなとこで何してんだ?」
「っ!!」
ふと背後から声をかけられ、望夢の心臓は竦み上がった。一体いつの間に隣に立っていたのだろう、そこにいたのは黒を身に纏ったひとりの男だった。黒いコートの下には同じく黒いパーカーとズボンを着込み、まるで暗がりに溶けるような印象だ。顔は影になっていて確認できず、そのせいか妙な薄気味悪さを覚える。なんだか見てはいけないものを見てしまった気がして、望夢は逃げるように顔を伏せた。
「……なんですか」
「なんでガキがこんなとこにいんのかなって」
男は断りもなく隣に座り、そっとカラスに手を伸ばす。男の節張った指先が首回りをくすぐれば、カラスはまるで甘えるように頭を傾げて目を細めた。さながらペットかなにかのような扱いだ。とても野生のカラスとは思えない。しばし気持ちよさげに撫でられていたカラスだが、ふと何かに気付いた素振りをすると、カア、カアと二度鳴いた。
「……別に、なんでもいいだろ」
「まあそうだな」
男の声は低く落ち着いていて、どこか眠たげな甘い響きをしていた。望夢は深く頷いたまま、懐のナイフを確かめるように握り締める。
「それ、何に使うんだ?」
「え?」
突然の指摘に、望夢の思考が止まる。隣から男の視線が注がれているのが分かるが、顔を上げることはできなかった。ただ全身に嫌な汗が噴きだし、ナイフを握る指先が小さく震える。
「──なにって」
「カラスが二回鳴くのは、腹が減ってるときと、警告するときだ」
脈絡なく男がそう言うと、カラスは静かに飛び立っていった。望夢もようやく顔を上げ、飛び立つカラスを呆然と見送る。隣で男が立ち上がる気配がした。今は得体の知れない男のことなんか構っている場合ではない。このまま無視して見送ればいい。だというのに、何故か望夢は無意識に口を開いていた。
「……母さんは、『カラス』に殺された」
そんな望夢の小さな声に、立ち去ろうとした男が足を止める。関節が軋むほど強くナイフを握りしめ、望夢は震える息を吐きだした。
女手一つで望夢を育て上げた母親は、望夢が中学に上がると同時にこの世を去った。それが仕組まれたものだと知ったのは、父親の元に引き取られて間もなくのことだ。それからは地獄の三年間だった。血反吐をはく思いで耐え抜いて、今、ようやくこの時が来た。
「だから、今日、やらなきゃいけない」
望夢はそこでようやく、男の顔を見ようと振り返った。だがそこにあるはずの男の姿はなく、ただ薄闇が広がっているばかりだ。まるではじめから誰もいなかったとでも言うように、空気は不気味に静まり返っている。
「は……」
知らずのうちに溜息を洩らし、望夢は再び強くナイフを握りしめた。薬が効いてくるまであと数分といったところだろう。──覚悟を、決めなければならない。
「てめぇこんなとこでなにボサッとしてんだ!」
「……っ!」
突如、背後から低い怒声が響き渡り、望夢の身体は大きく飛び上がる。弾かれるようにして振り返れば、ふらつき柱に凭れ掛かりながらこちらを睨む父親の姿があった。その顔は真っ赤に染まり、細められた瞳は焦点が合ってない。呼気からは濃いアルコールの臭いが漂っていて、思わずくらりと眩暈を覚えた。
「父さ……うぐっ!」
頬に鈍い痛みが走り、冷たい床に倒れ込む。頭の芯が揺れてほんの一瞬意識が遠ざかりそうになる。じわりと滲みだす鉄の味は、唾液と一緒に押し戻した。
「さっさと戻れってんだ、クソガキ!」
男の手が望夢の襟を乱暴に掴み上げる。小さく首が締まるのと同時に、世界まで一瞬絞られたような感覚がした。男に引きずられていくうち、少しずつ宴会場の喧噪が戻ってくる。望夢は何度も足を縺れさせながら、先を歩く憎い背中を睨み続けた。喧噪が近づくにつれ、鼓動はますます早鐘を打つ。
「喜べ望夢。──今夜ついに、おやっさんがお前を『大人』にしてくれるって話だ」
聞きたくもない言葉が耳を過る。だが今はそんなことはどうでもよかった。──どうせそんなことにはならない。その前に、すべてを終わらせるのだから。
勢いよく襖が開かれ、乱暴に身体を突き飛ばされる。咄嗟に手をついた畳には零れた酒が広がっていた。
「おやっさん? おやっさぁん」
恐る恐る顔を上げれば、岡部がぐったりと座椅子に寄りかかり眠っているのが見えた。周囲を取り巻く男達も半分近くが寝息を立てており、残った連中もすっかり酩酊しきっている。父親はぐらりと大きくよろめくと、酒や料理をなぎ倒しながらテーブルに突っ伏した。
「おいガキ! なにしてやがる!」
「っ動くな!」
異変に気付いた見張り役が踏み込むと同時に、望夢は隠し持っていたナイフを突きつけた。その刃先が睨むのは、よろめきながら身を起こす己の父親だ。指先の感覚がなくなるほど強く握りしめ、手の震えを必死で押さえつける。自然と涙が滲み、視界の隅に小さな光が揺れた。
「望夢、てめぇ……」
「お前らの雇った殺し屋に、母さんは殺された!」
絞り出すような叫びに、会場の空気がしんと静まり返る。酩酊した男達はひとり、またひとりとそれぞれの武器を手に取り、ナイフを構える望夢を取り囲んだ。父親である仁志もまた、酒の空き瓶を掴んで立ち上がる。
「カラスって、いうんだろ」
「カラスぅ?」
張り詰めていた空気の中に、小さく冷やかしの色が流れた。 カラスだってよ、なんだそりゃ──そう嘲笑う男達にも怯むことなく、望夢はナイフを構え続ける。
「今日、カラスがお前らを殺しにくる」
汗でナイフが滑り落ちそうになり、慌てて指先に力を込めた。どれだけ息を整えようとしても、全身の震えは止まらない。血走った父の目がほんの一瞬怯む中で、幹部のひとりが呆れたように吹き出した。ある者は笑い、ある者は武器を構えたまま望夢を睨む。冷笑する空気の中にも、確かな緊迫が流れていた。
「その前に、僕がお前らを殺す。そして……」
窓の外で、ふと黒い影が空を切った。カラスだ。眠り損なった一羽がゆらりと月明かりを浴び、やがて夜の帳に消えていく。
「お前らを全員やったら──次は、『カラス』を殺す」
一瞬、その場の空気が止まった。きんとした耳鳴りが望夢を襲う。その張り詰めた空気を引き裂いたのは、破裂するように上がった男達の笑い声だった。
「おいおい、ガキに何ができるってんだよ!」
「アニキ、こいつなかなか見込みありますぜ!」
「──僕は本気だ」
低く、細く、熱い息を吐き出す。男達の笑い声がぴたりと止み、最初のひとりが足を踏み出した。それを皮切りに、男達が一斉に望夢へと襲い掛かる。望夢の視界を振り上げられた酒瓶が横切った。その刹那。
──パシュ、と、微かに響いた破裂音。男達の動きが一瞬にして止まり、その視線が宴会場の一点へと向かう。そこにあるのは座椅子に寄りかかって眠る岡部の姿だ。しかし──その額にはまるく風穴があき、こめかみから夥しい鮮血が流れ出していた。その血潮は背後の床の間にまで届き、美しい白芙蓉を赤く染め上げている。
「おやっさん!」
「くっそ、どこのどいつじゃあ! 出てこい!」
望夢はその一瞬を見逃さなかった。怒号が響く中、こちらに向けられた父の背をまっすぐに睨みつける。もはや手の震えも感じることはなかった。血が止まるほどにナイフを握りしめ、望夢の足は地面を蹴った。
「うああぁあああッ!!」
「てめっ……!」
こいつだけは、この手で葬らなければならない。心優しかった母を騙し、用済みとばかりに捨て置き、挙句の果てには命まで奪った。欲望のために他人を利用し、人生をめちゃくちゃにした悪魔。──絶対に、生かしてはおかない。
「このクソガキ!」
「っゔあ!」
しかし、望夢のナイフが憎き背を貫くことはなかった。身体を捻った男は勢いのまま足を振り上げ、望夢の鳩尾を蹴り飛ばす。鈍い衝撃が走ったあと、望夢の身体は畳に叩き付けられた。滲む視界の先に男の輪郭がぼやけて見える。それでも望夢はナイフを離さなかった。両手でそれを握り込んだまま、背中を丸めて激しく咳き込む。
「ナメた真似してんじゃねぇぞ!」
「あ……」
目の前の光景が、どこかスローモーションに流れた。父親の振り上げた酒瓶が、照明を受けて鈍い光を放つ。残っていた酒がこぼれ出し、男の赤ら顔を濡らしていった。酒瓶が音もなく振り下ろされる。
刹那、その額に、赤い花が咲いた。
「え……」
男の、憎き父親の身体が、ゆっくりと崩れ落ちていく。噴き出した鮮血が足元の畳を赤く染め上げた。そこに転がるのは、父親『だったもの』だ。急激に視界が狭まり、自分の荒い呼吸が耳につく。ぼやける視界をわずかに動かしたその時──望夢の背後で、なにかが畳を踏み鳴らした。
「っ!!」
ふと背後から声をかけられ、望夢の心臓は竦み上がった。一体いつの間に隣に立っていたのだろう、そこにいたのは黒を身に纏ったひとりの男だった。黒いコートの下には同じく黒いパーカーとズボンを着込み、まるで暗がりに溶けるような印象だ。顔は影になっていて確認できず、そのせいか妙な薄気味悪さを覚える。なんだか見てはいけないものを見てしまった気がして、望夢は逃げるように顔を伏せた。
「……なんですか」
「なんでガキがこんなとこにいんのかなって」
男は断りもなく隣に座り、そっとカラスに手を伸ばす。男の節張った指先が首回りをくすぐれば、カラスはまるで甘えるように頭を傾げて目を細めた。さながらペットかなにかのような扱いだ。とても野生のカラスとは思えない。しばし気持ちよさげに撫でられていたカラスだが、ふと何かに気付いた素振りをすると、カア、カアと二度鳴いた。
「……別に、なんでもいいだろ」
「まあそうだな」
男の声は低く落ち着いていて、どこか眠たげな甘い響きをしていた。望夢は深く頷いたまま、懐のナイフを確かめるように握り締める。
「それ、何に使うんだ?」
「え?」
突然の指摘に、望夢の思考が止まる。隣から男の視線が注がれているのが分かるが、顔を上げることはできなかった。ただ全身に嫌な汗が噴きだし、ナイフを握る指先が小さく震える。
「──なにって」
「カラスが二回鳴くのは、腹が減ってるときと、警告するときだ」
脈絡なく男がそう言うと、カラスは静かに飛び立っていった。望夢もようやく顔を上げ、飛び立つカラスを呆然と見送る。隣で男が立ち上がる気配がした。今は得体の知れない男のことなんか構っている場合ではない。このまま無視して見送ればいい。だというのに、何故か望夢は無意識に口を開いていた。
「……母さんは、『カラス』に殺された」
そんな望夢の小さな声に、立ち去ろうとした男が足を止める。関節が軋むほど強くナイフを握りしめ、望夢は震える息を吐きだした。
女手一つで望夢を育て上げた母親は、望夢が中学に上がると同時にこの世を去った。それが仕組まれたものだと知ったのは、父親の元に引き取られて間もなくのことだ。それからは地獄の三年間だった。血反吐をはく思いで耐え抜いて、今、ようやくこの時が来た。
「だから、今日、やらなきゃいけない」
望夢はそこでようやく、男の顔を見ようと振り返った。だがそこにあるはずの男の姿はなく、ただ薄闇が広がっているばかりだ。まるではじめから誰もいなかったとでも言うように、空気は不気味に静まり返っている。
「は……」
知らずのうちに溜息を洩らし、望夢は再び強くナイフを握りしめた。薬が効いてくるまであと数分といったところだろう。──覚悟を、決めなければならない。
「てめぇこんなとこでなにボサッとしてんだ!」
「……っ!」
突如、背後から低い怒声が響き渡り、望夢の身体は大きく飛び上がる。弾かれるようにして振り返れば、ふらつき柱に凭れ掛かりながらこちらを睨む父親の姿があった。その顔は真っ赤に染まり、細められた瞳は焦点が合ってない。呼気からは濃いアルコールの臭いが漂っていて、思わずくらりと眩暈を覚えた。
「父さ……うぐっ!」
頬に鈍い痛みが走り、冷たい床に倒れ込む。頭の芯が揺れてほんの一瞬意識が遠ざかりそうになる。じわりと滲みだす鉄の味は、唾液と一緒に押し戻した。
「さっさと戻れってんだ、クソガキ!」
男の手が望夢の襟を乱暴に掴み上げる。小さく首が締まるのと同時に、世界まで一瞬絞られたような感覚がした。男に引きずられていくうち、少しずつ宴会場の喧噪が戻ってくる。望夢は何度も足を縺れさせながら、先を歩く憎い背中を睨み続けた。喧噪が近づくにつれ、鼓動はますます早鐘を打つ。
「喜べ望夢。──今夜ついに、おやっさんがお前を『大人』にしてくれるって話だ」
聞きたくもない言葉が耳を過る。だが今はそんなことはどうでもよかった。──どうせそんなことにはならない。その前に、すべてを終わらせるのだから。
勢いよく襖が開かれ、乱暴に身体を突き飛ばされる。咄嗟に手をついた畳には零れた酒が広がっていた。
「おやっさん? おやっさぁん」
恐る恐る顔を上げれば、岡部がぐったりと座椅子に寄りかかり眠っているのが見えた。周囲を取り巻く男達も半分近くが寝息を立てており、残った連中もすっかり酩酊しきっている。父親はぐらりと大きくよろめくと、酒や料理をなぎ倒しながらテーブルに突っ伏した。
「おいガキ! なにしてやがる!」
「っ動くな!」
異変に気付いた見張り役が踏み込むと同時に、望夢は隠し持っていたナイフを突きつけた。その刃先が睨むのは、よろめきながら身を起こす己の父親だ。指先の感覚がなくなるほど強く握りしめ、手の震えを必死で押さえつける。自然と涙が滲み、視界の隅に小さな光が揺れた。
「望夢、てめぇ……」
「お前らの雇った殺し屋に、母さんは殺された!」
絞り出すような叫びに、会場の空気がしんと静まり返る。酩酊した男達はひとり、またひとりとそれぞれの武器を手に取り、ナイフを構える望夢を取り囲んだ。父親である仁志もまた、酒の空き瓶を掴んで立ち上がる。
「カラスって、いうんだろ」
「カラスぅ?」
張り詰めていた空気の中に、小さく冷やかしの色が流れた。 カラスだってよ、なんだそりゃ──そう嘲笑う男達にも怯むことなく、望夢はナイフを構え続ける。
「今日、カラスがお前らを殺しにくる」
汗でナイフが滑り落ちそうになり、慌てて指先に力を込めた。どれだけ息を整えようとしても、全身の震えは止まらない。血走った父の目がほんの一瞬怯む中で、幹部のひとりが呆れたように吹き出した。ある者は笑い、ある者は武器を構えたまま望夢を睨む。冷笑する空気の中にも、確かな緊迫が流れていた。
「その前に、僕がお前らを殺す。そして……」
窓の外で、ふと黒い影が空を切った。カラスだ。眠り損なった一羽がゆらりと月明かりを浴び、やがて夜の帳に消えていく。
「お前らを全員やったら──次は、『カラス』を殺す」
一瞬、その場の空気が止まった。きんとした耳鳴りが望夢を襲う。その張り詰めた空気を引き裂いたのは、破裂するように上がった男達の笑い声だった。
「おいおい、ガキに何ができるってんだよ!」
「アニキ、こいつなかなか見込みありますぜ!」
「──僕は本気だ」
低く、細く、熱い息を吐き出す。男達の笑い声がぴたりと止み、最初のひとりが足を踏み出した。それを皮切りに、男達が一斉に望夢へと襲い掛かる。望夢の視界を振り上げられた酒瓶が横切った。その刹那。
──パシュ、と、微かに響いた破裂音。男達の動きが一瞬にして止まり、その視線が宴会場の一点へと向かう。そこにあるのは座椅子に寄りかかって眠る岡部の姿だ。しかし──その額にはまるく風穴があき、こめかみから夥しい鮮血が流れ出していた。その血潮は背後の床の間にまで届き、美しい白芙蓉を赤く染め上げている。
「おやっさん!」
「くっそ、どこのどいつじゃあ! 出てこい!」
望夢はその一瞬を見逃さなかった。怒号が響く中、こちらに向けられた父の背をまっすぐに睨みつける。もはや手の震えも感じることはなかった。血が止まるほどにナイフを握りしめ、望夢の足は地面を蹴った。
「うああぁあああッ!!」
「てめっ……!」
こいつだけは、この手で葬らなければならない。心優しかった母を騙し、用済みとばかりに捨て置き、挙句の果てには命まで奪った。欲望のために他人を利用し、人生をめちゃくちゃにした悪魔。──絶対に、生かしてはおかない。
「このクソガキ!」
「っゔあ!」
しかし、望夢のナイフが憎き背を貫くことはなかった。身体を捻った男は勢いのまま足を振り上げ、望夢の鳩尾を蹴り飛ばす。鈍い衝撃が走ったあと、望夢の身体は畳に叩き付けられた。滲む視界の先に男の輪郭がぼやけて見える。それでも望夢はナイフを離さなかった。両手でそれを握り込んだまま、背中を丸めて激しく咳き込む。
「ナメた真似してんじゃねぇぞ!」
「あ……」
目の前の光景が、どこかスローモーションに流れた。父親の振り上げた酒瓶が、照明を受けて鈍い光を放つ。残っていた酒がこぼれ出し、男の赤ら顔を濡らしていった。酒瓶が音もなく振り下ろされる。
刹那、その額に、赤い花が咲いた。
「え……」
男の、憎き父親の身体が、ゆっくりと崩れ落ちていく。噴き出した鮮血が足元の畳を赤く染め上げた。そこに転がるのは、父親『だったもの』だ。急激に視界が狭まり、自分の荒い呼吸が耳につく。ぼやける視界をわずかに動かしたその時──望夢の背後で、なにかが畳を踏み鳴らした。
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