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19話 怪物の苗
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この屋敷には、怪物がいる。
それは那岐が予期せず生み出してしまったこの館の地下より生まれ落ちた存在。
アレがこの世に現れたのは今から二年前の事、那岐がヒルの遺体の前にナキを連れてきた時の事だった。
別段家族の遺体と対面させようという慈悲があったわけではない、那岐がかつてより抱いていた疑念
を解決するためだ。
那岐のみ詰める先、そこにあるのはヒルの胸元に埋め込まれた黒く渦巻く謎の球体。
これが何なのか、かつて幾人もの黒絵家の者が調べようとはした。
けれど、それに触れる事のできたものはいまだにいない。
この球に触れる意思を持って近づいたものは皆、その場で命を絶ったからだ。
地下の穴蔵、こんな場所に自死のための道具などあるはずもなく。
あるものは狂ったかのように何度も岩肌に頭をぶつけ己の脳髄が飛び散るまで頭蓋を割り、またある者は己の目玉を指でくりぬいた後、そのうつろな眼球を穿り回し死に絶えたもの、あるいは舌を噛み切った後、切断された舌を飲み込み血液で溺死した者もいた。
どれもこれも尋常ではない死に方。
これはヒルの呪いだという話も出た。
しかしあの球に触れる意思を持たずヒルの遺体に近づいたものはあのような異常な行動を見せることは無い。
そこから考えられるのは原因はヒルではなくあの黒い玉だということ。
アレが一体何なのか、それが長い間なぞだった。
だがそれを知るであろうヒルはとうに口をきけぬ身、だからこそ当時の事を唯一知るナキにこれがなんなのか聞こうと考えたのだ。
那岐に連れてこられたナキはしばしの間無言で亡き兄の亡骸を見つめる。
「どうだあの玉、何か知っていることはないか?」
数百年の時を経ての兄妹の邂逅それに水を差す無粋な男にナキは冷めた視線を向ける。
この程度の時間も待てないのか、こらえ性のないやつだ。
人ではない彼女だからこそそんな彼の姿を見て言葉通りに思う、愚かな人間だと。
そんな母の負の感情を感じ取ったのだろうか、彼女の腕に抱かれた赤子がぐずりだす。
まだ生まれたばかりのこの子を、置いてくることに抵抗がありここまで連れてきたがやはりやめておけばよかったと後悔をする。
ヒルには悪いが早く戻ろう、そう決め口早に那岐の質問に答える。
『これが何なのかは私にもわからん。この星に来る前、ヒルがどこからか手に入れたものだ。私が聞いても詳しくは話してくれなかった』
そこに出まかせはない、あの日あの時この玉を身につけてからヒルは変わった。
「この星に来る前。とゆうことはアレはお前たちの星にあったものなのか?」
『それも不明だ。少なくとも私は見たことがない。ただわかることは、アレは私やお前たちでは到底理解できない触れるべきではないものだ』
その上から目線が那岐のプライドを傷つけたのか彼は口元を引きつらせると少しだけムキになったかのように反論をしてきた。
「ずいぶん知ったような口を吐くじゃないか。アレが何なのかはお前もわからないんだろう。何かわからないものを調べずに放置などそのほうがよほど不気味だ」
『お前が言うように私はアレが何なのかは知らん。しかしアレは手に入れたものに力を与える。それも本人でも制御できないほどの。私たちの星もヒルもその犠牲になった』
その含みのある言い方に眉をひそめる。
「犠牲にどうゆうことだ?」
つい言葉がこぼれてしまったのだろう言うつもりはなかったのにとばつの悪そうな顔をするナキだったが、観念したかのように溜息を吐く。
『貴様たちは私たちの事を神などと呼ぶが、私は別段特別な存在でも何でもない。この星では私のような存在は他にはいないのかもしれんが、私のいた星では皆が私と同じ力を持っていた』
それは那岐も想像していたことだった。
彼らが本来の神ではなく宇宙人だと判明した時から。
彼らの特性は自身が持っているものではなくこの星に来たから彼らは特別になれたのだと。
『けれどヒルは違った。ヒルは私たちの中でも確かに特別な存在になった』
「それは元々か?それとも、その黒い玉のせいか?」
『恐らくは玉のせい。ヒルも元々は私たちと変わらない存在だった。けれどあの玉をその身に宿した日からそれは変わった』
そこでナキは言いよどむ明らかに何かに動揺しているようだった。
彼女が恐れるほどの何かとは何だろうか、那岐はそれが気になり催促する。
そんな動揺など知ったことかとでもいうような態度で。
「どうした、早く続きを話せ」
『ヒル思うことがすべて現実となっていった。無作為に。その時の災厄がお前に理解できるか?』
ひきつるような笑みを見せるナキの目には仄暗く絶望の色が見えていた。
「個の思いが現実となる世界か、それが望む事なら別だが無作為となると話は変わるな。貴様ら神も俺たち人間も精神的にはそう大きな違いはない、だとすればどうしても幸福な考えだけではなく負の思いも描いてしまうだろう。むしろ、そのほうが多いだろうな。生物というものはどうしても己の害を真っ先に考えてしまうものだから」
何が楽しいのか那岐は少し上機嫌なようでその声色は明るい。
いや、理由は心を読めるナキにはわかる。
彼はただ純粋にこの話に関心があり未知の出来事を知ることに興奮しているのだ。
『お前の推察通りだよ。ヒルがあの玉を手にした日から多くの災いが起きた仲間が死に、世界は乱れて最後には星がほろんだ』
「星がほろんだ?」
『ああ、私たちがこの星に来たのは自らの故郷を捨ててじゃない。居場所がなくなったからさ』
何があったのかは聞くなと言うようにナキはそこで口を閉じ那岐も予想を超える事実に言葉を失う。
星がほろぶ。
現実味のないその話が事実だとしたら、今目の前にあるこの黒い玉はこの星すらも犠牲にしかねないおぞましい存在だということになる。
そしてもう一つ、懸念が那岐にはあった。
今の話を聞く限りだと玉の災いはヒルと出会ったことで始まった。
今までも、たまに近づくものは死んでいったが逆に言うとことはその程度で済み星の滅亡のような大災害は起きてはいない。
しかしそれが、ヒルが死んだことによって力が制限されているだけだとしたら?
そして今目の前にはヒルと同等の存在ナキがいる。
感でしかなかったがとても嫌な予感が那岐を襲う。
「おい、貴様その死体から離れろ。早く離れろ!」
ナキが振り返ると同時だった。
ヒルの胸元の玉が怪しく光ったかと思うと、まるで意思でもあるかのようにポロリとその胸から抜けをちナキの方へと落下する。
「あっ!」
驚き息を漏らす。
落下してくる玉は個体だと思っていたがまるで水の様に不定であり、落ちている時の姿は玉というより少々楕円形を描いていた。
その様が那岐にはまるでコマ撮りしたかの様にはっきりと見て取れた。
ゆっくりと落下するそれは重力にあがなっているようで不自然なほどに遅い。
けれどナキがその姿を認識した時には玉は目前まで迫っており、そのままナキではなく彼女が抱いていた赤子の額へと着地するとそのまま地面に吸収される水滴の様に赤子の中へと溶けて消えたのだった。
その突然の出来事に驚き二人は動けない。
だから気づけなかった、今この瞬間何よりも危険な存在その種が誕生してしまったことに。
変化はすぐに表れた。
目に見えての変化は赤ん坊の瞳の色の変化だった。
それまで兄である凌真と同じく美しい栗色をしていたその目がまるで見た相手を飲み込んでしまうかのような塗りつぶされた黒色へとその色を変えていた。
けれどそんなものは些細なことに過ぎない、最も大きな問題となったのはナキの話したヒルの力の再来。
そう、つまりは現実を侵食する思いの具現。
幸いだったのは力を持ったのがまだ赤ん坊だったことだろう。
イメージがまだできない赤ん坊だったから、被害はぐずった時に周囲の物が破壊される程度で済んだ。
しかし、いずれはヒルの二の舞になることは明白。
そうなっては全てが終わりだ、だから那岐は自らの子を殺す決心をした。
けれど、そこに不安もあった。
今まであの玉に近づいたものは次々と死んでいった、ならば今あの玉と一つになっているあの赤ん坊を殺そうとするのは果たして大丈夫なんだろうか?
それを確かめるために那岐はすぐに金で動く人手を集めた。
どこの世にも探せばそのような輩はいつでもいる、そう時間はかからず数人の人数を集めることはできた。
赤子を殺すことに抵抗があるものはいたが、金を出すと渋々ながらもほとんどのものが承諾をしたし、そうでないものは口封じのために那岐は自らその手にかけた。
けれど、赤子の殺害はどれもことごとく失敗に終わる。
銃で撃とうとしたものは銃口が暴発し引き金を引いた本人が死んだ。
ナイフを振りかざしたものバットで殴り殺そうとしたものは共に振り下ろすことなく心筋梗塞で命を落とした。
首を絞めようが赤子はけろりとしていた。
食事を断ちが死させようともしたが赤子はどんどん成長していく。
いかなる手段を用いても赤子を傷つけることは叶わない、そう判断した那岐は赤子を地下深くに閉じ込める。
それから二年、この星はいまだ滅びることはなく、赤子も地下深くで生きながらえている。
この答えの出ない問題、那岐はどうすればいいのかわからずまた椅子に座り直し大きくため息を吐いた。
それは那岐が予期せず生み出してしまったこの館の地下より生まれ落ちた存在。
アレがこの世に現れたのは今から二年前の事、那岐がヒルの遺体の前にナキを連れてきた時の事だった。
別段家族の遺体と対面させようという慈悲があったわけではない、那岐がかつてより抱いていた疑念
を解決するためだ。
那岐のみ詰める先、そこにあるのはヒルの胸元に埋め込まれた黒く渦巻く謎の球体。
これが何なのか、かつて幾人もの黒絵家の者が調べようとはした。
けれど、それに触れる事のできたものはいまだにいない。
この球に触れる意思を持って近づいたものは皆、その場で命を絶ったからだ。
地下の穴蔵、こんな場所に自死のための道具などあるはずもなく。
あるものは狂ったかのように何度も岩肌に頭をぶつけ己の脳髄が飛び散るまで頭蓋を割り、またある者は己の目玉を指でくりぬいた後、そのうつろな眼球を穿り回し死に絶えたもの、あるいは舌を噛み切った後、切断された舌を飲み込み血液で溺死した者もいた。
どれもこれも尋常ではない死に方。
これはヒルの呪いだという話も出た。
しかしあの球に触れる意思を持たずヒルの遺体に近づいたものはあのような異常な行動を見せることは無い。
そこから考えられるのは原因はヒルではなくあの黒い玉だということ。
アレが一体何なのか、それが長い間なぞだった。
だがそれを知るであろうヒルはとうに口をきけぬ身、だからこそ当時の事を唯一知るナキにこれがなんなのか聞こうと考えたのだ。
那岐に連れてこられたナキはしばしの間無言で亡き兄の亡骸を見つめる。
「どうだあの玉、何か知っていることはないか?」
数百年の時を経ての兄妹の邂逅それに水を差す無粋な男にナキは冷めた視線を向ける。
この程度の時間も待てないのか、こらえ性のないやつだ。
人ではない彼女だからこそそんな彼の姿を見て言葉通りに思う、愚かな人間だと。
そんな母の負の感情を感じ取ったのだろうか、彼女の腕に抱かれた赤子がぐずりだす。
まだ生まれたばかりのこの子を、置いてくることに抵抗がありここまで連れてきたがやはりやめておけばよかったと後悔をする。
ヒルには悪いが早く戻ろう、そう決め口早に那岐の質問に答える。
『これが何なのかは私にもわからん。この星に来る前、ヒルがどこからか手に入れたものだ。私が聞いても詳しくは話してくれなかった』
そこに出まかせはない、あの日あの時この玉を身につけてからヒルは変わった。
「この星に来る前。とゆうことはアレはお前たちの星にあったものなのか?」
『それも不明だ。少なくとも私は見たことがない。ただわかることは、アレは私やお前たちでは到底理解できない触れるべきではないものだ』
その上から目線が那岐のプライドを傷つけたのか彼は口元を引きつらせると少しだけムキになったかのように反論をしてきた。
「ずいぶん知ったような口を吐くじゃないか。アレが何なのかはお前もわからないんだろう。何かわからないものを調べずに放置などそのほうがよほど不気味だ」
『お前が言うように私はアレが何なのかは知らん。しかしアレは手に入れたものに力を与える。それも本人でも制御できないほどの。私たちの星もヒルもその犠牲になった』
その含みのある言い方に眉をひそめる。
「犠牲にどうゆうことだ?」
つい言葉がこぼれてしまったのだろう言うつもりはなかったのにとばつの悪そうな顔をするナキだったが、観念したかのように溜息を吐く。
『貴様たちは私たちの事を神などと呼ぶが、私は別段特別な存在でも何でもない。この星では私のような存在は他にはいないのかもしれんが、私のいた星では皆が私と同じ力を持っていた』
それは那岐も想像していたことだった。
彼らが本来の神ではなく宇宙人だと判明した時から。
彼らの特性は自身が持っているものではなくこの星に来たから彼らは特別になれたのだと。
『けれどヒルは違った。ヒルは私たちの中でも確かに特別な存在になった』
「それは元々か?それとも、その黒い玉のせいか?」
『恐らくは玉のせい。ヒルも元々は私たちと変わらない存在だった。けれどあの玉をその身に宿した日からそれは変わった』
そこでナキは言いよどむ明らかに何かに動揺しているようだった。
彼女が恐れるほどの何かとは何だろうか、那岐はそれが気になり催促する。
そんな動揺など知ったことかとでもいうような態度で。
「どうした、早く続きを話せ」
『ヒル思うことがすべて現実となっていった。無作為に。その時の災厄がお前に理解できるか?』
ひきつるような笑みを見せるナキの目には仄暗く絶望の色が見えていた。
「個の思いが現実となる世界か、それが望む事なら別だが無作為となると話は変わるな。貴様ら神も俺たち人間も精神的にはそう大きな違いはない、だとすればどうしても幸福な考えだけではなく負の思いも描いてしまうだろう。むしろ、そのほうが多いだろうな。生物というものはどうしても己の害を真っ先に考えてしまうものだから」
何が楽しいのか那岐は少し上機嫌なようでその声色は明るい。
いや、理由は心を読めるナキにはわかる。
彼はただ純粋にこの話に関心があり未知の出来事を知ることに興奮しているのだ。
『お前の推察通りだよ。ヒルがあの玉を手にした日から多くの災いが起きた仲間が死に、世界は乱れて最後には星がほろんだ』
「星がほろんだ?」
『ああ、私たちがこの星に来たのは自らの故郷を捨ててじゃない。居場所がなくなったからさ』
何があったのかは聞くなと言うようにナキはそこで口を閉じ那岐も予想を超える事実に言葉を失う。
星がほろぶ。
現実味のないその話が事実だとしたら、今目の前にあるこの黒い玉はこの星すらも犠牲にしかねないおぞましい存在だということになる。
そしてもう一つ、懸念が那岐にはあった。
今の話を聞く限りだと玉の災いはヒルと出会ったことで始まった。
今までも、たまに近づくものは死んでいったが逆に言うとことはその程度で済み星の滅亡のような大災害は起きてはいない。
しかしそれが、ヒルが死んだことによって力が制限されているだけだとしたら?
そして今目の前にはヒルと同等の存在ナキがいる。
感でしかなかったがとても嫌な予感が那岐を襲う。
「おい、貴様その死体から離れろ。早く離れろ!」
ナキが振り返ると同時だった。
ヒルの胸元の玉が怪しく光ったかと思うと、まるで意思でもあるかのようにポロリとその胸から抜けをちナキの方へと落下する。
「あっ!」
驚き息を漏らす。
落下してくる玉は個体だと思っていたがまるで水の様に不定であり、落ちている時の姿は玉というより少々楕円形を描いていた。
その様が那岐にはまるでコマ撮りしたかの様にはっきりと見て取れた。
ゆっくりと落下するそれは重力にあがなっているようで不自然なほどに遅い。
けれどナキがその姿を認識した時には玉は目前まで迫っており、そのままナキではなく彼女が抱いていた赤子の額へと着地するとそのまま地面に吸収される水滴の様に赤子の中へと溶けて消えたのだった。
その突然の出来事に驚き二人は動けない。
だから気づけなかった、今この瞬間何よりも危険な存在その種が誕生してしまったことに。
変化はすぐに表れた。
目に見えての変化は赤ん坊の瞳の色の変化だった。
それまで兄である凌真と同じく美しい栗色をしていたその目がまるで見た相手を飲み込んでしまうかのような塗りつぶされた黒色へとその色を変えていた。
けれどそんなものは些細なことに過ぎない、最も大きな問題となったのはナキの話したヒルの力の再来。
そう、つまりは現実を侵食する思いの具現。
幸いだったのは力を持ったのがまだ赤ん坊だったことだろう。
イメージがまだできない赤ん坊だったから、被害はぐずった時に周囲の物が破壊される程度で済んだ。
しかし、いずれはヒルの二の舞になることは明白。
そうなっては全てが終わりだ、だから那岐は自らの子を殺す決心をした。
けれど、そこに不安もあった。
今まであの玉に近づいたものは次々と死んでいった、ならば今あの玉と一つになっているあの赤ん坊を殺そうとするのは果たして大丈夫なんだろうか?
それを確かめるために那岐はすぐに金で動く人手を集めた。
どこの世にも探せばそのような輩はいつでもいる、そう時間はかからず数人の人数を集めることはできた。
赤子を殺すことに抵抗があるものはいたが、金を出すと渋々ながらもほとんどのものが承諾をしたし、そうでないものは口封じのために那岐は自らその手にかけた。
けれど、赤子の殺害はどれもことごとく失敗に終わる。
銃で撃とうとしたものは銃口が暴発し引き金を引いた本人が死んだ。
ナイフを振りかざしたものバットで殴り殺そうとしたものは共に振り下ろすことなく心筋梗塞で命を落とした。
首を絞めようが赤子はけろりとしていた。
食事を断ちが死させようともしたが赤子はどんどん成長していく。
いかなる手段を用いても赤子を傷つけることは叶わない、そう判断した那岐は赤子を地下深くに閉じ込める。
それから二年、この星はいまだ滅びることはなく、赤子も地下深くで生きながらえている。
この答えの出ない問題、那岐はどうすればいいのかわからずまた椅子に座り直し大きくため息を吐いた。
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