強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬

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新しい教室

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及第点を取るために、全ての授業でCランク以上の成績を取らないといけない。
簡単に言うと、定期的に行われるテストでいい点を取る。

勉強はいいけど、魔力テストは今から憂鬱でしかない。
まだ魔力テストは受けていないが、成績がかなり悪い俺が今からでも魔力を育てられるのか?

魔力ってそんな植物みたいに育てるものなのか?

考えれば考えるほどわけが分からなくなる。

「おい」

「えっ…あ、ごめん」

「めんどくせぇ、早くしろ」

「はい、出来た」

考え事をしていて手が止まっていて、慌てて包帯を巻く。

軽く手首を動かして、俺より先に立ち上がり保健室から出て行った。

俺はもうすぐ始まる魔力・体力テストの事を考えながら保健室から出た。

少し危険な障害物競走で、魔法でかわして進む。
俺は序盤から先に進んだ事がない。
このテストの及第点はタイムになる。

つまり、完走しないと話にならない。
一つでもテストに合格出来なかったら落第確定。
そこまで今の俺は追い詰められるところまで追い詰められている。

二学期はクラス変えがあり、お馴染みの人もいるが初めましての人もいる。
誰が来ても、友達になってくれそうな人はいないよな。

ぼっちはもう慣れた、別に…寂しくは…寂しく…は…

教室に到着すると、机を枕にして眠っている姿が見えた。

面倒くさがりなのに、一年の成績トップのAランクだから凄いよな。
体力テストも運動神経抜群だから迷う事もないんだろうな。

あ、なんか嫌な感じになっちゃった。
口には出していないから人には分からないけど。

心まで嫌な奴にはなりたくない。
他人は他人だ!俺は自分のテストの事だけを考えよう。

自分の席に座り、カバンから体力作りの本を取り出して開いた。

肉とミルクを腹壊すまで腹に入れる?不屈の精神を作る?なんだそれ。

「おい、さっさと歩けよゴミ」

「あっ…」

教室の入り口で誰かが倒れて、話し声で溢れていた教室は静まり返った。
その姿を見て、すぐに興味がなくなったのか話し声でまた教室が騒がしくなった。

倒れた時にメガネが飛んで行ったのか、
手で探している。

周りは巻き込まれたくないから見て見ぬフリをする。
そうか、彼と同じクラスになったのか。
今までは隣のクラスだったから分からなかった。

ゲームでは暴言や暴力シーンがあったが、間近で見るのは心が痛いな。

でも彼にはレイラがいるから大丈夫だと思っている。
俺が余計に首を突っ込んで、変な恨まれ方をしたくない。

レイラならレイラの周りの人が助けてくれる。
優しいレイラに彼は惹かれていじめも解決する。
恋人として選ばれなくても彼にとっての一番いいと思う。

俺は人の心配している余裕なんてない。
俺は善人じゃない。

男が足元に転がったメガネを見て、ニヤリと笑い足を上げて思いっきり踏みつけた。

「いたた…」

「あ?」

「ちょっと足を退けてくれませんか?」
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