強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬

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指導室

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俺の手を踏みつけた足はすぐに退かしてくれたが手を蹴られた。

そこまでするか?
手が踏まれて蹴られてヒリヒリする。

俺の手の中にはメガネがあり、壊れたところはなさそうだ。
メガネを探す少年の手を取ると、びっくりして手を引っ込めた。

俺はいじめたり殴ったりしないよ。
メガネを返すだけだから。

少年にそれを伝えて、今度こそメガネを握らせた。

関わりたくないのに、何してるんだと自分でも思う。
でも、彼が俺を認識しなきゃいいんだ。
そうしたら関わらないと同じ事になる。

彼はメガネがないと前がぼやけて見えない、何事もなかったかのようにすれば助けた事にならないかなと思った。

攻略キャラクターと友達になりたいけど、彼はダメなんだと知っている。
ゲームで既にやった事を通っていたら、俺の悪役フラグを回避出来ない。

呆然とする少年に、俺はこれで自分の席に戻ろうとするがそう簡単にはいかなかった。

いじめていた男の一人が俺の襟を掴んで持ち上げた。

「うぐっ…」

「テメェ、舐めた事しやがって殺すぞ」

「いじめは、良くない…よ」

レイラが言うセリフを言ったところで、俺は彼を助ける事は出来ない。
俺には助けてくれる友人もいなくて、男だから…

せめてレイラが助けてくれる時間稼ぎになればいいと思っていた。

レイラは胸ぐらを掴まれたり殴られたりはしなかった。

俺の頬に思いっきり拳をぶつけて、身体が吹き飛んだ。
机や椅子を巻き込んで倒れて、口の中が血の味で広がる。

さすがに無視は出来ないのか、周りは俺を見て驚いていた。
「放っておけばいいのに」「馬鹿なんじゃない?」「あれ?アイツって…」という声が混じって聞こえた。

身体もぶつかってあちこち痛くて立ち上がれない。

そういえば、レイラ…二学期初日なのに来るのが遅くないか?
まさか、寝坊して遅刻か?
レイラはよくやるからな。

「うるせぇな、そういうのは他所でやれよ」

近くで声が聞こえて、声のした方向を見るとさっきまで寝ていた少年が教室を出て行った。

俺は再び胸ぐらを掴まれて、もう一発殴ろうとしていた。
タイミング良く教室に入ってきた先生のおかげでもう一発重い拳を受ける事はなかった。

冷めた声で「ルイス・ナイトフロウ、指導室に来い」と言われた。

トラブルに巻き込まれただけでも、ランクなしがいると全てランクなしのせいにされる。
誰が先に殴ったとか、相手が不良とかは関係ない。

先生からも問題児扱いされて、俺は一番怪我をしているが手当てされる事なく指導室に連れてかれた。

指導室の中では、一方的に悪者扱いされ俺の声は届く事はない。
一時間もの精神攻撃に頭が痛くなった頃に解放された。

俺が夏休みに頑張った課題は全て無効にされ、新たな課題を出された。
提出日は変わらず、それで今回は停学にはならない事に落ち着いた。

停学どころか、俺をどうしても退学させたいんだろう。
退学は絶対に嫌だ。
こんな嫌な人達ばかりでも辞めるわけにはいかない。

でも、課題提出日は一週間後だ。
どうやっても間に合わない。
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