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純粋な興味
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指導室を出て、小さくため息を吐いてこれからどうしようかと思った。
頭も痛い、多分精神攻撃だけではなくて何処かに頭をぶつけたのかもな。
保健室行こうと思ったら、指導室の前に立っている人がいた。
「あ、あの…大丈夫ですか?」
「大丈夫だから、気にしなくてもいいよ」
いじめられていた子は心配そうに俺を見つめていた。
気を遣っているわけではなく、本当に大丈夫だ。
これは俺が首を突っ込んだだけだ。
気にする事はない。
保健室行って、課題に追われて、俺は俺の人生を歩む。
君も近い日にレイラに助けられて、俺のいない生活を送ればいい。
そう思っていたら、遅刻してきたのか廊下を走るレイラを見かけた。
遅刻確定なんだから走ってたらまた先生に怒られるぞ?
レイラに向かって手を振ると、レイラも俺に気付いた。
「あっ、レイ…」
「大変!腕に痣が出来てる!早く保健室行かないと!」
「え、いや…そんなに慌てなくても」
「放置はダメだよ!」
強い口調で言われて、頷く事しか出来なかった。
大人しい見た目なのに意外と強引なところがある。
腕を引っ張られてレイラとすれ違い「廊下は走っちゃダメだよ」とだけ言って、保健室に引きずられる。
気のせいかな、なんか少し怒っているように見えた。
この状況が分からないレイラは首を傾げていた。
保健室にら先生がいなくて、今日は休みなのかと思って棚から湿布を取ろうとした。
湿布を貼るだけならそのくらい俺一人でも出来る。
しかし彼は俺を引っ張って椅子に座らされた。
俺の前に立つ彼は、やる気に満ち溢れていた。
「僕、治癒魔法が得意だからすぐに治るよ」
「えっ、あ…そういえば」
「僕の事知ってるの?」
「な、なな何となく癒し系かなぁって思って!」
ゲームで皆の怪我を治していた事を思い出した。
その話をするわけにはいかず、とっさに誤魔化す。
疑われる事なく、照れていたから内心ホッとした。
俺の腫れた頬に触れると、温かな光を感じた。
気を抜くと眠くなってしまいそうになるから、必死に目を開ける。
触れられたところの痛みがスッと消えていく。
最後に腕の痣を消してくれて、痣があったところに触れる。
湿布じゃ時間掛かって課題に集中出来なかったのかもしれない。
「ありがとう」
「僕はこのくらいしか出来ないから」
「そんな事ないよ、素晴らしい力だよ…助けてもらったお礼がしたい」
「助けてもらったのは僕だから、お礼なんていいよ」
顔を赤くしながら、彼は視線を下に向けていた。
俺も何となく視線を下に向けて、ギョッとした。
なんで俺、勃ってるんだ!?
意味が分からない。
確かに治癒魔法は心地良かったけど、性的に興奮するのは可笑しい。
当然俺にはそんな感情はない。
もしかしてこんな事でも下半身が馬鹿になったのか!?
下半身を押さえつけて、俺の顔の方が真っ赤に染まる。
変態だって思われたよな。
可愛い顔をしてるけどそんなつもりはないんだ!
気まずい雰囲気が流れる。
トイレで抜くしかない。
「俺、ちょっとトイレに行くから先に教室に行ってていいからね」
「それ、僕のせいだよね…舐めてもいい?」
「なんでそうなるんだ!?」
意味が分からない。
俺のを舐めるって何言ってんだ?
落ち着け落ち着け。
とりあえず「君のせいじゃないから」と言っておいた。
気にしているなら、放っておいた方が俺的には嬉しい。
俺の下半身を見て、はぁはぁと息を荒げている。
あれ?彼ってこんな変態キャラだったっけ。
いや違う、可愛くて少しドジな皆の癒し系だったはずだ。
なんでこうなった?
まさか不良達になにかされたんじゃないのか?
そんな話は記憶にないが、原作は女の子向けのゲームだから裏の話は深掘りしないのかもしれない。
「もしかして、こういう事した事ある?」
「ないよ、でも君のは興味があるんだ」
「同じもの付いてるだろ」
「身体柔らかくないから自分のは舐められないよ」
舐めるの前提なのか、ちょっと納得しかかった自分が嫌だ。
とりあえず俺は「教室戻るから、手当てありがとうね!」とお礼を言って保健室を出た。
彼が出る前に急いで二階に上がり、近くのトイレに入った。
流石に勃ったままで教室には帰れないが、舐められるのは嫌だ。
そもそもなんだよ舐めるって、経験ないのになんでそんな発想になる?
そういえば、ちょっと変人なところもあったな。
何でも好奇心があったが、それは性的な事ではない。
もっと子供っぽい純粋なものだった、だからこそ驚いた。
とりあえず、さっさと抜いてさっきの事は忘れよう。
彼もただの思い付きだ、俺ばかりが意識してどうする。
今は授業中だから、誰かがトイレに入ってくる心配も少ない。
なるべく奥の個室を使おうと歩き出して、入ろうとした。
しかし直前で、誰かに背中を押されて個室の中に入れられた。
「いてっ、なんだ…?」
「ごめんね、大丈夫?」
俺の目の前にいるのは、はぁはぁと息を乱した男だった。
後ろに誰もいないように見えたのに追いつくのが早いな。
感心している場合ではなく、入り口を塞がれてかなりヤバくないか?
ジリジリと近付いてきて、逃げ場がなくなる。
本気で抵抗すれば勝てるが、怪我を負わせたくない。
なんでこんな暴走しているのか知らないが、彼はきっと入学してからずっと辛い目に遭っていた。
その心の傷は見ているだけの俺には分からない。
少年の肩に触れて真剣に見つめると、とりあえず迫ってくるのをやめてくれた。
「俺はそういう事、君にしてほしくない」
「え?でも僕はいいんだよ?先っぽだけでいいんだよ?」
「俺達、今日が初対面では?」
「うん、でも舐めたいって思ったのも初めて」
でもの意味が分からない。
男のものなんて舐めたくはないだろ。
彼が興味あるのは俺の下半身だけだと知っている。
今も穴が開きそうなほどガン見しているから。
だからって彼に協力する事は出来ない。
とりあえず個室から出て行ってほしいな。
ちゃんと伝えても彼は状況が分からないのか、とぼけているのか首を傾げていた。
シンプルに見られながら出来ないから出て行ってくれと言ったから、とぼけているんだろうな。
ずっとこんな事をしている暇はない。
授業が終わったらここのトイレに人が入ってくる。
そうなれば安心して慰める事が出来ず、個室を出た瞬間俺は変態として学園生活を送る事に…
「それだけは嫌だ!」
「ど、どうしたのいきなり…」
「授業が終わる前にスッキリしなくてはいけないんだ!だから俺を一人にしてくれ!」
頭も痛い、多分精神攻撃だけではなくて何処かに頭をぶつけたのかもな。
保健室行こうと思ったら、指導室の前に立っている人がいた。
「あ、あの…大丈夫ですか?」
「大丈夫だから、気にしなくてもいいよ」
いじめられていた子は心配そうに俺を見つめていた。
気を遣っているわけではなく、本当に大丈夫だ。
これは俺が首を突っ込んだだけだ。
気にする事はない。
保健室行って、課題に追われて、俺は俺の人生を歩む。
君も近い日にレイラに助けられて、俺のいない生活を送ればいい。
そう思っていたら、遅刻してきたのか廊下を走るレイラを見かけた。
遅刻確定なんだから走ってたらまた先生に怒られるぞ?
レイラに向かって手を振ると、レイラも俺に気付いた。
「あっ、レイ…」
「大変!腕に痣が出来てる!早く保健室行かないと!」
「え、いや…そんなに慌てなくても」
「放置はダメだよ!」
強い口調で言われて、頷く事しか出来なかった。
大人しい見た目なのに意外と強引なところがある。
腕を引っ張られてレイラとすれ違い「廊下は走っちゃダメだよ」とだけ言って、保健室に引きずられる。
気のせいかな、なんか少し怒っているように見えた。
この状況が分からないレイラは首を傾げていた。
保健室にら先生がいなくて、今日は休みなのかと思って棚から湿布を取ろうとした。
湿布を貼るだけならそのくらい俺一人でも出来る。
しかし彼は俺を引っ張って椅子に座らされた。
俺の前に立つ彼は、やる気に満ち溢れていた。
「僕、治癒魔法が得意だからすぐに治るよ」
「えっ、あ…そういえば」
「僕の事知ってるの?」
「な、なな何となく癒し系かなぁって思って!」
ゲームで皆の怪我を治していた事を思い出した。
その話をするわけにはいかず、とっさに誤魔化す。
疑われる事なく、照れていたから内心ホッとした。
俺の腫れた頬に触れると、温かな光を感じた。
気を抜くと眠くなってしまいそうになるから、必死に目を開ける。
触れられたところの痛みがスッと消えていく。
最後に腕の痣を消してくれて、痣があったところに触れる。
湿布じゃ時間掛かって課題に集中出来なかったのかもしれない。
「ありがとう」
「僕はこのくらいしか出来ないから」
「そんな事ないよ、素晴らしい力だよ…助けてもらったお礼がしたい」
「助けてもらったのは僕だから、お礼なんていいよ」
顔を赤くしながら、彼は視線を下に向けていた。
俺も何となく視線を下に向けて、ギョッとした。
なんで俺、勃ってるんだ!?
意味が分からない。
確かに治癒魔法は心地良かったけど、性的に興奮するのは可笑しい。
当然俺にはそんな感情はない。
もしかしてこんな事でも下半身が馬鹿になったのか!?
下半身を押さえつけて、俺の顔の方が真っ赤に染まる。
変態だって思われたよな。
可愛い顔をしてるけどそんなつもりはないんだ!
気まずい雰囲気が流れる。
トイレで抜くしかない。
「俺、ちょっとトイレに行くから先に教室に行ってていいからね」
「それ、僕のせいだよね…舐めてもいい?」
「なんでそうなるんだ!?」
意味が分からない。
俺のを舐めるって何言ってんだ?
落ち着け落ち着け。
とりあえず「君のせいじゃないから」と言っておいた。
気にしているなら、放っておいた方が俺的には嬉しい。
俺の下半身を見て、はぁはぁと息を荒げている。
あれ?彼ってこんな変態キャラだったっけ。
いや違う、可愛くて少しドジな皆の癒し系だったはずだ。
なんでこうなった?
まさか不良達になにかされたんじゃないのか?
そんな話は記憶にないが、原作は女の子向けのゲームだから裏の話は深掘りしないのかもしれない。
「もしかして、こういう事した事ある?」
「ないよ、でも君のは興味があるんだ」
「同じもの付いてるだろ」
「身体柔らかくないから自分のは舐められないよ」
舐めるの前提なのか、ちょっと納得しかかった自分が嫌だ。
とりあえず俺は「教室戻るから、手当てありがとうね!」とお礼を言って保健室を出た。
彼が出る前に急いで二階に上がり、近くのトイレに入った。
流石に勃ったままで教室には帰れないが、舐められるのは嫌だ。
そもそもなんだよ舐めるって、経験ないのになんでそんな発想になる?
そういえば、ちょっと変人なところもあったな。
何でも好奇心があったが、それは性的な事ではない。
もっと子供っぽい純粋なものだった、だからこそ驚いた。
とりあえず、さっさと抜いてさっきの事は忘れよう。
彼もただの思い付きだ、俺ばかりが意識してどうする。
今は授業中だから、誰かがトイレに入ってくる心配も少ない。
なるべく奥の個室を使おうと歩き出して、入ろうとした。
しかし直前で、誰かに背中を押されて個室の中に入れられた。
「いてっ、なんだ…?」
「ごめんね、大丈夫?」
俺の目の前にいるのは、はぁはぁと息を乱した男だった。
後ろに誰もいないように見えたのに追いつくのが早いな。
感心している場合ではなく、入り口を塞がれてかなりヤバくないか?
ジリジリと近付いてきて、逃げ場がなくなる。
本気で抵抗すれば勝てるが、怪我を負わせたくない。
なんでこんな暴走しているのか知らないが、彼はきっと入学してからずっと辛い目に遭っていた。
その心の傷は見ているだけの俺には分からない。
少年の肩に触れて真剣に見つめると、とりあえず迫ってくるのをやめてくれた。
「俺はそういう事、君にしてほしくない」
「え?でも僕はいいんだよ?先っぽだけでいいんだよ?」
「俺達、今日が初対面では?」
「うん、でも舐めたいって思ったのも初めて」
でもの意味が分からない。
男のものなんて舐めたくはないだろ。
彼が興味あるのは俺の下半身だけだと知っている。
今も穴が開きそうなほどガン見しているから。
だからって彼に協力する事は出来ない。
とりあえず個室から出て行ってほしいな。
ちゃんと伝えても彼は状況が分からないのか、とぼけているのか首を傾げていた。
シンプルに見られながら出来ないから出て行ってくれと言ったから、とぼけているんだろうな。
ずっとこんな事をしている暇はない。
授業が終わったらここのトイレに人が入ってくる。
そうなれば安心して慰める事が出来ず、個室を出た瞬間俺は変態として学園生活を送る事に…
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