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交換条件
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「課題、大変そうだね…期限あるよね」
「えっ…まぁ、な」
「僕、補助魔法の事なら成績いいから手伝えるよ!テストの点も10位以内に入るし」
「でも、俺の課題のためにヨミの時間を使うのは…」
ヨミは協力してくれると言っているが、俺の課題を手伝わせていいのかな。
悩んでいるとヨミは「じゃあ交換条件ならいい?」と言っていた。
交換条件、確かにそれならお互い気にしなくていいか。
でも、ヨミがほしいものって俺が持ってるのかな。
俺が返せるもの…ゲームでも欲がほとんどなかった。
天然記念物の無欲少年と呼ばれていたぐらいだ。
今のヨミは無欲とは無縁だけど、まぁそれはな…今はあんまり考えたくない。
「なにがほしいんだ」とヨミに聞くと頬が赤く色付いた。
そんな照れる事なんて言ってないと思うけど…
「な、なんでもいい?」
「そ、そんなに高価なものは無理だけど」
「お金で買えないよ!」
ヨミはムキになって俺の方をまっすぐに見つめた。
ほしいもの、想像出来ないな。
金で買えないもの、何なのか気になる。
ヨミは「ルイスくんがほしい」とはっきりと言った。
俺?どういう事だ?俺をあげるという意味が全く分からない。
首を傾げていたら、ヨミは俺にだけ聞こえる声で小さく囁いた。
「ルイスくんの中に、僕を入れて」と…
俺は驚いてそのまま尻餅を付いた。
「なっ、なな…なんっ!?」
「だ、大丈夫?」
「ヨミがなんで!?お、俺っ!?」
頭がパニックを起こして思考が停止した。
ヨミが心配そうにしゃがんでいて、歩く人達もこちらを見る。
注目されて、俺の立場的に目立つのは良くない。
すぐに立ち上がり、ヨミの手を掴んで寄宿舎の中に入った。
人気がない場所に移動した。
ここの廊下は備品倉庫しかないから、生徒が来る事はない。
ヨミは期待の眼差しでキラキラと俺を見つめていた。
俺の考えている事って、やっぱりそういう事なのか?
ヨミとは触り合ったり、な…舐めたりしたからな。
周りに誰もいないか確認してから、ヨミを見た。
「ヨミ、どういう意味なんだ?」
「知ってるくせに」
「あっ!」
ヨミの手は答え合わせをするように俺の下半身に触れた。
俺の前というより、トイレで弄られた尻を爪で軽く引っ掻かれて変な声が出た。
楽しそうなヨミを引き剥がして「考えとく」とだけ言った。
レオンハルトのように襲われるわけではなく、俺の意思で決める事だ。
少し時間が必要だ。
少し不満そうだったが「待ってるよ」とヨミは笑みを浮かべた。
少し思い出してヒリヒリとする下半身を気にしないようにしながら歩く。
エレベーターに乗って、ヨミがキスを迫ってきて「ダメだから」と言った。
ヨミは暴走する、絶対にキスだけでは済まさない。
それでもキスしようとするから、ヨミの方を見ると唇が触れ合った。
ぶわっといろんな事で頭がいっぱいになってパンクする。
何とか理性に必死にしがみつく。
キス一つで変になるって、夢見てる童貞かよ。
いや、童貞ではあるけども!
その瞬間、到着の音がポーンと鳴り響いた。
扉の方を見ると、二階でエレベーターが開いた。
黒みがある青髪の少年が立っていて、俺達を見て固まっていた。
ヨミはすぐに離れたが、俺も身体を硬直させた。
「な、なに?」
「ゆ…ユッキー…」
「ルイスくんの知り合い?」
あぁ、最悪だ。
まさか久しぶりの寄宿舎でこんな再会をするなんて。
ユキ・エンバース、俺はユッキーと呼んでいる。
俺の寄宿舎の同室者だ。
クラスは違い、ユッキーはBランクの特殊クラスだ。
学校では滅多に会わないが、この学園で唯一友達と呼べる相手だ。
クラスは違うから、学校ではぼっちでも寄宿舎には話し相手がいる。
ユッキーは優しくて頑張りやで夢もちゃんと持っている。
その夢も努力で叶えているから凄いな。
エレベーターを上る間、三人の間は気まずい雰囲気が流れていた。
三階でヨミと別れて自室にユッキーと帰ってきた。
俺の絶望感はまだまだ続いている。
いくら優しくても、友達が男とキスとかドン引きだよな。
どうしよう、寄宿舎でもぼっち確定なんて嫌だ。
ちゃんと言わないと、誤解なんだと…
「あ、あのさ…ユッキー」
「ぅえっ!?」
俺が声を掛けると軽くジャンプして驚いていた。
そんなに驚く事だったのか?
それとも、俺とはもう話もしてくれないのか?
どんな言い訳を言ってもキスをしたのは事実だ。
友達にそう思われるのは、今までの事の中で一番辛い。
でも、誤解は誤解だ。
ユッキーと今まで通り話せなくてもそれだけは伝えないと…
俺はヨミがふざけてキスをしたんだと伝えた。
俺はそう感じたからユッキーに嘘は言っていない。
「ふざけて、キスするの?」
「よ…ヨミはそういう奴なんだよ!だから変な誤解はしないでほしい」
嘘は言っていない。
ヨミは初対面の男のを舐めたいと言う男だ、そのぐらい言う。
ユッキーは納得しているのかいないのか分からないが「そうなんだ」と言っていた。
俺とヨミは友達だからと念を押すと「ルイがそう言うなら信じるよ」と言ってくれた。
良かった、普通の友達関係は継続してくれるみたいで…
ユッキーはコーヒーを淹れてくれるみたいで台所に立っていた。
いつも美味しいコーヒーだから久々に飲めて楽しみだな。
「あづっ!!!」
「ユッキー!」
カップにコーヒーを注いでいたが、心ここに在らずでボーッとしていた。
カップから溢れたコーヒーがユッキーの手に掛かり大声を上げた。
いつもそんなミスはしないのに、やっぱり俺のせい?
自分の机から救急箱を取り出してユッキーに駆け寄る。
綺麗な手に火傷の跡が残ってしまうから、水で冷やして塗り薬を取り出す。
俺のせいと言わずに「今日は疲れが溜まってたみたい」と笑っていて、ユッキーに謝った。
「えっ…まぁ、な」
「僕、補助魔法の事なら成績いいから手伝えるよ!テストの点も10位以内に入るし」
「でも、俺の課題のためにヨミの時間を使うのは…」
ヨミは協力してくれると言っているが、俺の課題を手伝わせていいのかな。
悩んでいるとヨミは「じゃあ交換条件ならいい?」と言っていた。
交換条件、確かにそれならお互い気にしなくていいか。
でも、ヨミがほしいものって俺が持ってるのかな。
俺が返せるもの…ゲームでも欲がほとんどなかった。
天然記念物の無欲少年と呼ばれていたぐらいだ。
今のヨミは無欲とは無縁だけど、まぁそれはな…今はあんまり考えたくない。
「なにがほしいんだ」とヨミに聞くと頬が赤く色付いた。
そんな照れる事なんて言ってないと思うけど…
「な、なんでもいい?」
「そ、そんなに高価なものは無理だけど」
「お金で買えないよ!」
ヨミはムキになって俺の方をまっすぐに見つめた。
ほしいもの、想像出来ないな。
金で買えないもの、何なのか気になる。
ヨミは「ルイスくんがほしい」とはっきりと言った。
俺?どういう事だ?俺をあげるという意味が全く分からない。
首を傾げていたら、ヨミは俺にだけ聞こえる声で小さく囁いた。
「ルイスくんの中に、僕を入れて」と…
俺は驚いてそのまま尻餅を付いた。
「なっ、なな…なんっ!?」
「だ、大丈夫?」
「ヨミがなんで!?お、俺っ!?」
頭がパニックを起こして思考が停止した。
ヨミが心配そうにしゃがんでいて、歩く人達もこちらを見る。
注目されて、俺の立場的に目立つのは良くない。
すぐに立ち上がり、ヨミの手を掴んで寄宿舎の中に入った。
人気がない場所に移動した。
ここの廊下は備品倉庫しかないから、生徒が来る事はない。
ヨミは期待の眼差しでキラキラと俺を見つめていた。
俺の考えている事って、やっぱりそういう事なのか?
ヨミとは触り合ったり、な…舐めたりしたからな。
周りに誰もいないか確認してから、ヨミを見た。
「ヨミ、どういう意味なんだ?」
「知ってるくせに」
「あっ!」
ヨミの手は答え合わせをするように俺の下半身に触れた。
俺の前というより、トイレで弄られた尻を爪で軽く引っ掻かれて変な声が出た。
楽しそうなヨミを引き剥がして「考えとく」とだけ言った。
レオンハルトのように襲われるわけではなく、俺の意思で決める事だ。
少し時間が必要だ。
少し不満そうだったが「待ってるよ」とヨミは笑みを浮かべた。
少し思い出してヒリヒリとする下半身を気にしないようにしながら歩く。
エレベーターに乗って、ヨミがキスを迫ってきて「ダメだから」と言った。
ヨミは暴走する、絶対にキスだけでは済まさない。
それでもキスしようとするから、ヨミの方を見ると唇が触れ合った。
ぶわっといろんな事で頭がいっぱいになってパンクする。
何とか理性に必死にしがみつく。
キス一つで変になるって、夢見てる童貞かよ。
いや、童貞ではあるけども!
その瞬間、到着の音がポーンと鳴り響いた。
扉の方を見ると、二階でエレベーターが開いた。
黒みがある青髪の少年が立っていて、俺達を見て固まっていた。
ヨミはすぐに離れたが、俺も身体を硬直させた。
「な、なに?」
「ゆ…ユッキー…」
「ルイスくんの知り合い?」
あぁ、最悪だ。
まさか久しぶりの寄宿舎でこんな再会をするなんて。
ユキ・エンバース、俺はユッキーと呼んでいる。
俺の寄宿舎の同室者だ。
クラスは違い、ユッキーはBランクの特殊クラスだ。
学校では滅多に会わないが、この学園で唯一友達と呼べる相手だ。
クラスは違うから、学校ではぼっちでも寄宿舎には話し相手がいる。
ユッキーは優しくて頑張りやで夢もちゃんと持っている。
その夢も努力で叶えているから凄いな。
エレベーターを上る間、三人の間は気まずい雰囲気が流れていた。
三階でヨミと別れて自室にユッキーと帰ってきた。
俺の絶望感はまだまだ続いている。
いくら優しくても、友達が男とキスとかドン引きだよな。
どうしよう、寄宿舎でもぼっち確定なんて嫌だ。
ちゃんと言わないと、誤解なんだと…
「あ、あのさ…ユッキー」
「ぅえっ!?」
俺が声を掛けると軽くジャンプして驚いていた。
そんなに驚く事だったのか?
それとも、俺とはもう話もしてくれないのか?
どんな言い訳を言ってもキスをしたのは事実だ。
友達にそう思われるのは、今までの事の中で一番辛い。
でも、誤解は誤解だ。
ユッキーと今まで通り話せなくてもそれだけは伝えないと…
俺はヨミがふざけてキスをしたんだと伝えた。
俺はそう感じたからユッキーに嘘は言っていない。
「ふざけて、キスするの?」
「よ…ヨミはそういう奴なんだよ!だから変な誤解はしないでほしい」
嘘は言っていない。
ヨミは初対面の男のを舐めたいと言う男だ、そのぐらい言う。
ユッキーは納得しているのかいないのか分からないが「そうなんだ」と言っていた。
俺とヨミは友達だからと念を押すと「ルイがそう言うなら信じるよ」と言ってくれた。
良かった、普通の友達関係は継続してくれるみたいで…
ユッキーはコーヒーを淹れてくれるみたいで台所に立っていた。
いつも美味しいコーヒーだから久々に飲めて楽しみだな。
「あづっ!!!」
「ユッキー!」
カップにコーヒーを注いでいたが、心ここに在らずでボーッとしていた。
カップから溢れたコーヒーがユッキーの手に掛かり大声を上げた。
いつもそんなミスはしないのに、やっぱり俺のせい?
自分の机から救急箱を取り出してユッキーに駆け寄る。
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