強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬

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side・ヨミ

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昔から内気な性格で遊びのターゲットにされていた。

当然、遊びといってもイジメの遊びだ。
暇つぶしで僕をパシリに使ったり、ストレス発散で殴られる。

名前もヨミなのに似ているからと「ゴミ」と言われている。
周りの人達も僕の本名がゴミだと思っていそうだ。

名前覚えてもらわなくていいから、訂正する事はないけど…

勉強が出来るだけでランクはBとCを行ったり来たりする毎日。
目立たなくていい、元から注目されるのは苦手だ。

友達はほしいけど、この状態で僕と友達になってくれる人なんていない。

心を殺せば、卒業まで続いても耐えられると思っていた。

僕の目の前に神様のように助けてくれる彼が現れるまでは…

割られそうになっていたメガネを受け取り、彼は先生に連れて行かれた。
詳しくは知らないが、彼はちょっとした有名人だ。

ランクなしという悪い方の名の知れた噂話だけど。

でも僕のせいで先生に怒られるのは申し訳ない。
先生は生徒指導室だと言っていたから、授業をこっそりサボって教室を出た。

教室は机が倒れて机や椅子が倒れているから、僕に構ってられないのだろう。

生徒指導室を出てきた少年は落ち込んでいるようには見えなかった。
それでも怒られるのは悲しいよね、僕ならすぐに泣いちゃう。

「あ、あの…大丈夫ですか?」

「大丈夫だから、気にしなくてもいいよ」

僕に気遣ってくれたのか、眩しいぐらいの笑顔を向けられた。
その時、心臓を貫くような何かを感じて胸を押さえる。

ドキドキと心臓がうるさい、なんだこれなんだこれなんだこれ。

少年は嬉しそうに手を上げていて、僕に向けられたものだと一瞬思った。
しかしその視線は僕ではなく後ろに向けられていた。

後ろを振り返ると、女の子が遠くから歩いてきていた。

あんな嬉しそうに、どういう関係?やっぱり彼女なのかな。
もやっとした変な感じがして、気付いたら少年の腕を掴んでいた。

「あっ、レイ…」

「大変!腕に痣が出来てる!早く保健室行かないと!」

「え、いや…そんなに慌てなくても」

「放置はダメだよ!」

彼の怪我を理由に少年を引っ張り、保健室に向かった。

先生はいなくて、僕は治癒魔法が得意だから手当てした。

昔、大好きなお母さんに言われた事を思い出した。

「ヨミの治癒魔法は皆を笑顔にするのよ」と頭を撫でてくれた。
僕の治癒魔法を誰かに与える事なく、いつも自分の傷を治すために使っていた。

やっと他の人の治療を出来る、痛みを和らげられる…そう思っていた。

だからあんな事を言うつもりはなかった、あんなドン引きするような言葉。
僕ってこんなに欲望に素直な性格だったなんて知らなかった。

女みたいな顔だってイジメられていた事はある。
勘違いで変な目で見る男もいたが、僕が男性を好きになった事は一度もない。

舐められた経験もなくて、どんな感覚なのか気になった。
舐められる前にどんな味がするか確かめたかった。

結果、お互い大事なところを舐め合って僕は彼の中に指を入れた。

もっと知りたい、僕のを入れたらどうなっちゃうんだろう。

そっちの興味もあったし、彼自身にも興味がある。

だから、不良から助けてくれた女の子に彼の話を聞いた。
どういう関係なのか、自分でも驚くほどに焦りながら聞いていた。

義兄だと聞いて、僕の不安はスッキリなくなりホッとした。
でも、義理の兄なら恋人になれるのではないのか?

僕は再び焦り、自分でも卑怯だと思いながら弱みに漬け込んだ。

自分のものにしないと、あんなエッチな身体で女の子と付き合えるわけないよ!

じゃあもしかして男と付き合った経験があるのかもしれない。
だから僕にあんな事を言ったのかもしれない。

正直言って、僕の恋愛対象は女の子だけだ…この顔のせいで男扱いされた事はないけど…

だから僕を男として見てくれて、男の本能を呼び覚ましてくれたのは彼が初めてだった。

自分の部屋に戻ってきて、反応した下半身を見つめる。
今日は妄想が捗るなぁ、ルイスくんはどんな風に僕ので顔を歪めるんだろう。

玄関の前で立っていたら、急に玄関の扉が開いて廊下に倒れる。

「ふぎゅっ」

「あ?わりぃ…そこで何してるんだ?」

「い、今帰ったところなんだ」

「……そう」

同室者のロイドくんは短く返事をして、フラフラと自室に入っていった。
なんか顔色が悪いな、どうかしたのかな?いつも眠そうだから寝不足?

今日初めてクラスメイトにはなったが、ロイドくんとは同室者なだけで仲がいいわけではない。
僕が心配しても迷惑を掛けるだけだから、そっとしておこう。
今は自分の自室に戻って妄想を楽しもうと思った。



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