聖女は最高(に変態の)神官に喚び戻される。

桃乃飴

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約束守ってくれたのはいいんだけど・・・何してんの?

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神山 六花(カミヤマ リツカ)19歳。
花も恥じらう?現役女子大生、だった。
そう、恐らく今後元の世界に戻ることはないから、過去形でいい。
それはいいんだけど・・・この状況は何なの??

「んっ・・・はっ、リツカ・・・っ」

異世界召喚された私の眼前で、ハリウッドスター顔負けの現実離れした美青年が私の名前呼びながら自慰しているこの状況は!



******



遡ること約一年前。
大学に入って初めての夏休みに私は浮かれに浮かれていた。
全力で遊び倒すため開始一週間で課題を全て終わらせ、後はバイト(まだ決まってないけど)に遊びに満喫しまくるぞ!と思ってたところに、うっかり階段からつるっと滑り落ちた先は異世界だった。
ちょっと気を失ってたらしいけど、その間に異世界の女神様からの説明タイムがあり、起きてから状況を受け入れるのはそんなに大変じゃなかった。
そんなに難しくもない(と内容を聞いた私が思った)聖女としての役目を終えたら元の世界に帰れるってことだったし、ちょうど夏休みが明ける前くらいで終わらせられるスケジュールだったから変わったボランティア留学のつもりで頑張ることにした。

誤算だったのは、聖女になった私に付き従うことになった最高神官様という御方がびっくりするほどの超絶イケメンで、且つどろ甘に優しく、好きにならない方がおかしいスパダリ(付き合ってないけど)だったこと!
たった二ヶ月程度ですっかり惚れ込んでしまっても責められないんじゃなかろうか!

そんな最高神官様の名前はマティアス。
流れるようなストレートのハニーブロンドは胸くらいまでで、もしかしたら私より少し長いかも?
三次元の男性の長髪は好きじゃなかったけど、美麗すぎて偏見ぶっ飛んだ。
お願いして髪を触らせてもらった時の手触りと少し照れた表情は悶えたなぁ。
顔立ちも濃すぎず薄すぎず、パーツの大きさも形も配置もジャスト好みだった。
スカイブルーの瞳が少しだけ細められ優しく微笑むのが嬉しくて、聖女のお役目も頑張ったし請われるままに自分のことや元の世界のことを話した。
マティアスの話もたくさんしてもらった。

マティアスが若いのに最高神官っていう役職なのは、法力?っていうのが国の中でも群を抜いて強くて、色々な条件は必要だけど女神様と話すことができるからなんだって。
簡単に言うと女神様のお気に入りで、事によっては王様より権限があるんだとか。
バカだったり野心が強い人がなったら大変だね?と言ったら、そういう人間は女神様に気に入られることはまずないんだと、「自分で言うのも何ですが・・・」と微妙な顔して教えてくれて。
そんな顔しててもイケメンなんてずるい。

お役目が終わって帰る直前、マティアスは私に告白してくれた。
何のって?愛のだよ!愛の告白!
自分でも嘘みたいだと思ったし、帰ってしまったら二度と会えないのに。
「貴方と私じゃ生きてきた世界が違う」とか陳腐な恋愛映画もびっくりの返ししか出てこない自分にもガッカリした。
それでもマティアスは諦められないと食い下がってくれて、とりあえず女神様も交えて今後のことを話してみることになった。
何この三者面談。

私としては、マティアスのことはもちろん大好きだし、できるなら一緒にこの世界で生きていきたいと思うけど、元の世界で行方不明扱いになっていて(と、女神様に教えてもらった)家族や友達に心配をかけ続けたままではいられないから帰らないわけにはいかない。
そう正直に自分の気持ちを話したら、女神様はマティアスに私を本当に愛しているならこなせるであろう試練を与え、それが完遂できたら私をもう一度この世界に喚び寄せてくれるという。
それがいつになるかはわからないし、それまでに私が元の世界でマティアスより好きな人ができたり、私がこの世界にまた行くことを拒んだりしたら諦めること、と取り決めた。
何だか随分私に甘い条件だなと思ったけど、女神様にもマティアスにも「此方の都合で喚び聖女としての役目を負わせ、さらに元いた世界を捨てさせるのだから」と言われたので納得しておいた。

「リツカ、必ず、必ずです。女神様の試練を乗り越え必ずもう一度、この世界に喚びます」

だからどうか、と必死に請うような縋るような表情で私に訴えるマティアスにぎこちなく笑みを向けて、元の世界に帰った。



それから私は家族に散々怒られ泣かれ、ちゃんと何があったのか説明した。
神隠しに遭って気が触れたのかと思われたけど、そういえばと女神様に元の世界で信じてもらえなかったら示すよう言われてたブレスレットを見せて、それを通じて女神様が何かしたのか事なきを得た。
夏休みだったことと、女神様が少しだけ干渉して事件じゃなく失踪人扱いにしておいてくれたことで警察の人にも小言を言われたけど影響は最小限で済んだ。
こうして、私は元の世界での生活に戻った。
家族と親友と呼べる仲の相手にはまた異世界に行って二度と帰らないことは伝えてあるけど、もうすぐ一年という時間が経って私は不安になってきてしまっていた。

「お姉ちゃん愛想尽かされたんじゃない?」
「そんなことない!きっと試練が大変なんだよ・・・」

妹にからかわれて虚勢を張ろうとするけど、自信がなくなって尻すぼみになる。
そんな私に妹は慌ててフォローするように何か言っていたけど、ふらふらと自室に入り、ぼすんと布団にうつ伏せに顔を埋めた。

「会いたいよ・・・マティアス・・・」

結局、見た目も中身もマティアスより好きになれるような相手なんているわけない。
でもマティアスが試練を、私のことを諦めてしまっていたら私から向こうの世界に行くことはできないんだ・・・

涙が数滴枕に染み込んだのも構わないまま、私はマティアスからもらって女神様が祝福を込めてくれたブレスレットを見つめていたら___



カッとブレスレットが光ったかと思ったら、真っ暗になって。

『一応もう一度此方に来るか意志確認しようと思ったけど、マティアスの名前呼んで泣いてたからいいわよね?』

聞き覚えのある声にキョロキョロしたら、いつの間にか見覚えのある一室。
神殿の奥にある、最高神官専用の祈りの間。
戻って来れた!
マティアスが試練を全うしてくれたんだ!
マティアスはどこ?

・・・えっ。

そこには、美しい顔貌を歪めて目を瞑り、かつて見たことがないほど粗野に胡座をかいて一心不乱に自身の肉棒を扱いている最高神官様がいた・・・。



******
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