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さて、決意したところで目の前に意識を戻しました。
ロザリーヌはさすが悪役とはいえ重要ポジション、頭脳もとても優秀なので先程までの長々とした逡巡も実際の経過時間はものの数秒。
とはいえ押し黙っていたので部屋にいる全員がこちらを伺うような・・・いえ、全員ではありませんでしたね。
この部屋にはわたくしロザリーヌとアーサー殿下、その腕に絡むヒロインのカレンデュラさんの他にもう一人。
ジェラルド・ホーキング男爵令息。
彼は父親が王国騎士団に所属しており、自身も学園卒業後騎士団に入団が内定している、殿下の親友というか護衛というか・・・とにかく大体いつも一緒にいらっしゃる方。
当然、攻略対象ですわ。
爵位は低いけれども、騎士団は完全実力主義な上にこの通り殿下が身分にかなり寛容なので側近に召し上げられる可能性が高く、将来有望と女生徒から密かに人気があります。
艷やかな黒髪に精悍なお顔立ち、背は高く筋肉質でありながら均衡のとれた体型。
ああ、格好良い・・・
前世の最推し・・・!
殿下もさすが王子というかメイン攻略対象というべきか、朗らかでカリスマがあり、自信に溢れたイケメンではあるのですが、わたくしの好みではないのですわよね。
それにゲームでも、明言こそありませんでしたがロザリーヌはジェラルドに淡い想いを抱いていたような描写がありました。
身分や貴族の役目などに重きを置いていたので芽吹きかけたその想いに蓋をしてしまっていましたが、今のわたくしは何も抑えたりすることはありません。
何故なら!
わたくしロザリーヌは、自分の気持ちに正直に生きると、そのためならば持てるもの全てを使いあらゆることを変えていくと決めたからです!
・・・また、心の中で延々と・・・いくら賢いロザリーヌといえど、ヒロインちゃんと殿下に冒頭で言われた色々を忘れてしまいそうですわ。
ええと、何でしたっけ。
一言でまとめると、身分であれこれは取っ払った学園の中でちょっと仲良くしたくらいでうるさいんだよ、婚約なんて知るか黙ってろ!でしたかしら。
あらやだ、前世の性格はどちらかというとロザリーヌに吸収されて知識だけが強く残った感じですのに、口が悪うございましたわ。
再度意識を戻しますと、ジェラルド様はわたくしから見て右手側に控え、正面にアーサー殿下、その左に訝しげな表情のカレンデュラさんがいます。
「どうして、何も言わないのよ・・・?反論してくるはずでしょ?」
ぼそりとカレンデュラさんが呟いたその言葉で、わたくしはピンときました。
彼女も前世の、ゲームの記憶があるのだと。
本来、ゲームのシナリオ通りに展開するのであればここはわたくしが反論する場面です。
ですが、今のわたくしはその通りにするつもりがありませんのでまだ黙ったままです。
それをわたくしが反論する「はず」と断定しているいうことはカレンデュラさんは転生者であり、且つヒロインとしてある程度ゲームに沿って話を進めるつもりだと考えられます。
まだ確証は取れていませんが、この場面を意図して起こしたのだとしたら彼女はアーサー殿下ルートか逆ハールート狙いでしょう。
まだ学園生活が始まってそれほど経っておらず、この場面はアーサー殿下の好感度が友好状態になった時のイベントです。
にも関わらず、カレンデュラさんはアーサー殿下に腕を絡ませぴったりとくっついています。
これはゲームより進んだ展開ですし、この世界ではエスコート以外で異性と腕を組むのはかなりの好意のサインになりますので、アーサー殿下との親密度が先に一定以上高まると消えるジェラルドの単独ルートは狙ってはいないはず。
この二択でほぼ間違いありません。
彼女の意図を確かめつつ、逆ハールートも潰し、さらにわたくしにも利のある行動をしましょう。
「わかりました。ええ・・・確かにそうですわね。殿下とわたくしは親の・・・大人たちの都合で決められた婚約で、交流もこうしなければならないという暗黙の了解の元、義務的にしていたようなものですものね」
にっこりと笑いながらそう言うと、二人ともビシリと音を立てたかのように固まってしまわれました。
ジェラルドも、少し瞠目していて珍しい表情をなさってます。
「わたくし、感激致しましたわ!身分などというくだらないものにとらわれず、交流を深め愛を育むお二人の姿に!」
「はっ?あ、愛?」
「愛でございましょう?形ばかりとはいえ婚約者の目の前で睦まじげに腕を組んでいらして・・・うふふ、そんなに見せつけていただかなくても、そうとわかればわたくしお邪魔したりなどしませんわ」
「ロ、ロザリーヌ・・・」
「カレンデュラさん、これまでうるさく言ってごめんなさいね。一応殿下の婚約者という立場上、そう振る舞わなくてはと思ってしまっていたの。でも、想い合っているならばわたくしから否やはございません!そうだ、すぐにでも陛下とお父様に言って婚約は解消致しましょう?」
「そんな簡単にできるわけが」
「あるんですのよ!ちょっとどうするか詳しくは言えませんけれど」
どうやら誰もわたくしのテンションについてこられないようです。
まぁ仕方ありませんね!
未来の王妃教育には笑顔とテンションでゴリ押しするスキルの取得もありましてよ!
カレンデュラさんもヒロインとして殿下の婚約者になるならできるようにならないとですわよ!
「・・・貴女は、それでいいのか」
殿下とは違う深みのある低い声がわたくしに向けられた。
ロザリーヌはさすが悪役とはいえ重要ポジション、頭脳もとても優秀なので先程までの長々とした逡巡も実際の経過時間はものの数秒。
とはいえ押し黙っていたので部屋にいる全員がこちらを伺うような・・・いえ、全員ではありませんでしたね。
この部屋にはわたくしロザリーヌとアーサー殿下、その腕に絡むヒロインのカレンデュラさんの他にもう一人。
ジェラルド・ホーキング男爵令息。
彼は父親が王国騎士団に所属しており、自身も学園卒業後騎士団に入団が内定している、殿下の親友というか護衛というか・・・とにかく大体いつも一緒にいらっしゃる方。
当然、攻略対象ですわ。
爵位は低いけれども、騎士団は完全実力主義な上にこの通り殿下が身分にかなり寛容なので側近に召し上げられる可能性が高く、将来有望と女生徒から密かに人気があります。
艷やかな黒髪に精悍なお顔立ち、背は高く筋肉質でありながら均衡のとれた体型。
ああ、格好良い・・・
前世の最推し・・・!
殿下もさすが王子というかメイン攻略対象というべきか、朗らかでカリスマがあり、自信に溢れたイケメンではあるのですが、わたくしの好みではないのですわよね。
それにゲームでも、明言こそありませんでしたがロザリーヌはジェラルドに淡い想いを抱いていたような描写がありました。
身分や貴族の役目などに重きを置いていたので芽吹きかけたその想いに蓋をしてしまっていましたが、今のわたくしは何も抑えたりすることはありません。
何故なら!
わたくしロザリーヌは、自分の気持ちに正直に生きると、そのためならば持てるもの全てを使いあらゆることを変えていくと決めたからです!
・・・また、心の中で延々と・・・いくら賢いロザリーヌといえど、ヒロインちゃんと殿下に冒頭で言われた色々を忘れてしまいそうですわ。
ええと、何でしたっけ。
一言でまとめると、身分であれこれは取っ払った学園の中でちょっと仲良くしたくらいでうるさいんだよ、婚約なんて知るか黙ってろ!でしたかしら。
あらやだ、前世の性格はどちらかというとロザリーヌに吸収されて知識だけが強く残った感じですのに、口が悪うございましたわ。
再度意識を戻しますと、ジェラルド様はわたくしから見て右手側に控え、正面にアーサー殿下、その左に訝しげな表情のカレンデュラさんがいます。
「どうして、何も言わないのよ・・・?反論してくるはずでしょ?」
ぼそりとカレンデュラさんが呟いたその言葉で、わたくしはピンときました。
彼女も前世の、ゲームの記憶があるのだと。
本来、ゲームのシナリオ通りに展開するのであればここはわたくしが反論する場面です。
ですが、今のわたくしはその通りにするつもりがありませんのでまだ黙ったままです。
それをわたくしが反論する「はず」と断定しているいうことはカレンデュラさんは転生者であり、且つヒロインとしてある程度ゲームに沿って話を進めるつもりだと考えられます。
まだ確証は取れていませんが、この場面を意図して起こしたのだとしたら彼女はアーサー殿下ルートか逆ハールート狙いでしょう。
まだ学園生活が始まってそれほど経っておらず、この場面はアーサー殿下の好感度が友好状態になった時のイベントです。
にも関わらず、カレンデュラさんはアーサー殿下に腕を絡ませぴったりとくっついています。
これはゲームより進んだ展開ですし、この世界ではエスコート以外で異性と腕を組むのはかなりの好意のサインになりますので、アーサー殿下との親密度が先に一定以上高まると消えるジェラルドの単独ルートは狙ってはいないはず。
この二択でほぼ間違いありません。
彼女の意図を確かめつつ、逆ハールートも潰し、さらにわたくしにも利のある行動をしましょう。
「わかりました。ええ・・・確かにそうですわね。殿下とわたくしは親の・・・大人たちの都合で決められた婚約で、交流もこうしなければならないという暗黙の了解の元、義務的にしていたようなものですものね」
にっこりと笑いながらそう言うと、二人ともビシリと音を立てたかのように固まってしまわれました。
ジェラルドも、少し瞠目していて珍しい表情をなさってます。
「わたくし、感激致しましたわ!身分などというくだらないものにとらわれず、交流を深め愛を育むお二人の姿に!」
「はっ?あ、愛?」
「愛でございましょう?形ばかりとはいえ婚約者の目の前で睦まじげに腕を組んでいらして・・・うふふ、そんなに見せつけていただかなくても、そうとわかればわたくしお邪魔したりなどしませんわ」
「ロ、ロザリーヌ・・・」
「カレンデュラさん、これまでうるさく言ってごめんなさいね。一応殿下の婚約者という立場上、そう振る舞わなくてはと思ってしまっていたの。でも、想い合っているならばわたくしから否やはございません!そうだ、すぐにでも陛下とお父様に言って婚約は解消致しましょう?」
「そんな簡単にできるわけが」
「あるんですのよ!ちょっとどうするか詳しくは言えませんけれど」
どうやら誰もわたくしのテンションについてこられないようです。
まぁ仕方ありませんね!
未来の王妃教育には笑顔とテンションでゴリ押しするスキルの取得もありましてよ!
カレンデュラさんもヒロインとして殿下の婚約者になるならできるようにならないとですわよ!
「・・・貴女は、それでいいのか」
殿下とは違う深みのある低い声がわたくしに向けられた。
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