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第6章 罪咎
第24話 匹敵
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轟音を上げて主の放つ岩の槍がジョシュアを襲う。虎狼の攻撃魔法だ。
彼はそれを楯で強打し粉砕する。出来た空間に剣を差し込み虎狼へと切りかかる。
その距離は十数m。剣の届く距離ではないが虎狼の身体を切り裂き。青い血を飛び散らせる。
だが、その傷は瞬く間に修復する。虎狼が陸上最強の名を持つ由縁だ。
強靭な肉体は物理と魔法に耐性が高く。時間を捲き戻すように傷を癒す。
虎狼は素早い動きで左右にフットワークすると距離を縮めてジョシュアに襲い掛かる。
彼はそれを引き込みカウンターで剣を突き出した。虎狼は身を翻してそれを躱し、自ら生み出した岩の壁を蹴り、死角から跳ね返るように踊りかかった。
ジョシュアはバックステップで一拍の間を取ると反転して楯でバッシュする。虎狼はその一撃をしなやかに受け流した。
――互角
その様子に驚きながら長はゆっくりと身を引く。ジョシュアに『邪魔だ』と言われた意味を理解した。
(――聖獣様と互角に渡り合える人間がいるとは……)
村長は人の良い笑顔を絶やさない彼の別の一面を知る。
◇
森の騒めきを感じながら、ツンツクに偵察をお願いした。
危険はあるが、ツンツクなら大概の事から逃げられるだろう。何せあの速さだ。
まだ、俺は本気のスピードを見た事も無い。電光石火とはあいつの事だな。
超高度からだが、眼の良いツンツクを経由すると森の様子が手に取るように分かる。
混乱が連鎖するように動物たちが逃げ惑っている。取り敢えず轟音の響く震源地を目指してもらった。
(ダンナ。見えてきましたぜぇ)
黒い狼と人が闘っているのが見える。
(ありゃぁ。――黒い狼ですさぁね。でやすが、格が高ぇ。もしかして、土地神様でやすかね)
(あぁ。前にツンツクが勝てなかった相手か)
(ダンナ! ダンナァ~。人聞きが悪ぃや。引き分けですぜ。ですが、さすがにあっしもあのクラスとは闘いやせんぜ。挨拶には行かないといけない格でさぁ)
(じゃぁ。闘っている青い人が悪いのかな?)
土地神様と闘っているのは全身を青い鎧に包まれた人物だ。大きな楯を構え長剣で切りかかっている。
フルヘルムで頭部を覆い。目元のみが露出していた。
それにしても凄ぇな。岩の槍が無数に生える有り得ない現場で、何もかもをぶっ壊して轟音が轟く。
地形が変るほどの攻防だ。
おいおい。ここにもいるよ。変態な剣の使い手が、物理法則を無視してまぁ。この分だと師匠のおっさんもきっと変態に違いない。
――対策を考えないとな。
彼はそれを楯で強打し粉砕する。出来た空間に剣を差し込み虎狼へと切りかかる。
その距離は十数m。剣の届く距離ではないが虎狼の身体を切り裂き。青い血を飛び散らせる。
だが、その傷は瞬く間に修復する。虎狼が陸上最強の名を持つ由縁だ。
強靭な肉体は物理と魔法に耐性が高く。時間を捲き戻すように傷を癒す。
虎狼は素早い動きで左右にフットワークすると距離を縮めてジョシュアに襲い掛かる。
彼はそれを引き込みカウンターで剣を突き出した。虎狼は身を翻してそれを躱し、自ら生み出した岩の壁を蹴り、死角から跳ね返るように踊りかかった。
ジョシュアはバックステップで一拍の間を取ると反転して楯でバッシュする。虎狼はその一撃をしなやかに受け流した。
――互角
その様子に驚きながら長はゆっくりと身を引く。ジョシュアに『邪魔だ』と言われた意味を理解した。
(――聖獣様と互角に渡り合える人間がいるとは……)
村長は人の良い笑顔を絶やさない彼の別の一面を知る。
◇
森の騒めきを感じながら、ツンツクに偵察をお願いした。
危険はあるが、ツンツクなら大概の事から逃げられるだろう。何せあの速さだ。
まだ、俺は本気のスピードを見た事も無い。電光石火とはあいつの事だな。
超高度からだが、眼の良いツンツクを経由すると森の様子が手に取るように分かる。
混乱が連鎖するように動物たちが逃げ惑っている。取り敢えず轟音の響く震源地を目指してもらった。
(ダンナ。見えてきましたぜぇ)
黒い狼と人が闘っているのが見える。
(ありゃぁ。――黒い狼ですさぁね。でやすが、格が高ぇ。もしかして、土地神様でやすかね)
(あぁ。前にツンツクが勝てなかった相手か)
(ダンナ! ダンナァ~。人聞きが悪ぃや。引き分けですぜ。ですが、さすがにあっしもあのクラスとは闘いやせんぜ。挨拶には行かないといけない格でさぁ)
(じゃぁ。闘っている青い人が悪いのかな?)
土地神様と闘っているのは全身を青い鎧に包まれた人物だ。大きな楯を構え長剣で切りかかっている。
フルヘルムで頭部を覆い。目元のみが露出していた。
それにしても凄ぇな。岩の槍が無数に生える有り得ない現場で、何もかもをぶっ壊して轟音が轟く。
地形が変るほどの攻防だ。
おいおい。ここにもいるよ。変態な剣の使い手が、物理法則を無視してまぁ。この分だと師匠のおっさんもきっと変態に違いない。
――対策を考えないとな。
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