妖怪~化け猫〜

桃香

文字の大きさ
7 / 12

7.化け猫の誕生

しおりを挟む
僕は閻魔大王の目をじっと見た。
むしろそらす事が出来なかった。

「何じゃ!!っ、、、。
お前、、。死んでないなあ」

「はっはいにゃ」

「おーおーおーっ!!
一反木綿が連れてきた猫かっ?」

「はっはいにゃ」

ドキドキする。

「あのアホが!悪かったなあ。猫よ」

「あっいいえ」

「で~奪衣婆に気に入らたから魂が肉体に入ったままなんじゃなあ」

「らしいですにゃ」

思っていた閻魔大王よりすごく優しく話しかけてくれる。

「そっか。そっか。
奪衣婆も懸衣翁も困ったもんじゃ。鬼娘がすぐに懸衣翁にちょっかい出すから、、
はぁ。。すぐにケンカじゃ」

「三角関係ですかにゃ?」

「ちゃうわ~はははは
鬼娘のミチがからかって遊んじょるだけじゃ」

「にゃるほど」

「奪衣婆も良い歳なんだから堂々としてれば良いものを、、、なあ!」

「そうっそうですにゃね」

気付いたら………

僕と閻魔大王は大きな丸いテーブルを囲んで
お茶を飲みながら話していた。


「はははは」


「にゃにゃにゃ」

笑い合う仲になっていた。

「でじゃ、お前のこれからなんじゃなが、
死んでもないが生きてる訳でもない。。
こうなる事はあまりないんじゃが。
あのアホの一反木綿みたいな奴がいるから
こういう状況になる時もたまにあるんじゃ」

「はいにゃ」

そして、閻魔大王は静かに言った。

「お前は今日から妖怪じゃ」

…!


僕は...僕は妖怪になってしまった。

ショック...で声も出なかった。


もしかしたら、兄弟達がいる、向こうの世界に戻れるじゃないかって期待してただけに、
本当に、本当に、目の前が真っ暗になった。

「妖怪、、なのかにゃ?」

僕の目は涙に溢れていた。

「泣くなっ!泣くなっ!猫!
妖怪はいいぞぉ~死ぬ事はまずない。
あの世とこの世を行き来できるのも妖怪だけじゃ!どうだ!良かろう?」

「あの世とこの世を…」

「そうじゃ!兄弟達の所にも行き来できるんじゃ」

「本当かにゃ?」

「本当じゃ。
因みに一反木綿も妖怪じゃかろのぉ。仲間じゃ!ははは」

「あの一反木綿さんも妖怪なんだにゃ。
いやだなにゃ」

「はははは
まあ、そうじゃろうなぁ!」

「で、僕は何をしたらいいのかにゃ?」

「妖怪手続きをしてもらうから、閻魔大王の部屋の隣で受付してるのじゃ!まずは行ってこい!」

「はぁぁ」

地獄の世界もきちんとしてるみたいだ。
まずは手続きをしなけるばいけないから、
僕は閻魔大王の部屋を出て隣の部屋に入った。

そこは官僚みたいな部屋で、
茶色をベースにした格調のあるお部屋。
テーブルの真ん中に鬼がスーツを着て座っている。

「あ~閻魔大王から聞いてますよ」

『声小っ!にゃー!』

鬼のくせに声が小さくて、聞こえづらい。


「すみません。もう一回言ってにゃ」

「すみません。すみません。すみません」

『メンタル弱っ!にゃにゃにゃ』

鬼のくせにメンタル面が弱くて泣いている。


「泣かないでにゃ。悪かったにゃ」

何とかかんとか、やっとやっと、鬼さんも泣き止んで。
妖怪の手続きも終わり、、、

僕は、妖怪になりました。

種類は『化け猫』

化け猫かあ~…

………!

『かっこいいにゃー!!!!!!!』

化け猫って何だか強そうです。
前にも言いましたが、僕は前を向いて生きていく猫だから、落ち込んでも2分です。

『にゃにゃにゃ』

僕は笑が止まらなかった。









しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...