11 / 12
12.目的
しおりを挟む
僕は、目的の化け猫村に着いた。
でも、一寸法師に言われたから来てみたけど「化け猫村」に特に…用はない。
『一寸法師さん、何で化け猫村に行けー!』って言ったのかなあ…。
「おはよー!よく寝れたかい!」
村長のタムロンが挨拶をしにきた。
朝ぱらから、見たくない顔である。
「おはようございますにゃ。旅館みたいな素敵なお宿に泊めて頂きありがとうございます」
「あー!大丈夫!つけておくからね」
「えー!お金とるのかにゃ?」
「当たり前じゃ!!1万。。はははは!冗談じゃわい!ぎゃははは、化け猫村の
ギャグじゃ!」
絶対違うと思う。旅館の女中さん達も
笑ってないし。めんどくさい村長だなあ…
「ははは、まんまと騙されましたにゃ」
イヤだけど、付き合ってあげた。
「気にするなあ!ところで、今日は何をするか閻魔様から聞いてるか?」
「聴いてないです。何かあるんですかにゃ?」
「いやいや、何も聞いてないなら、いいや。住むところ、探しといてや。ここは今日だけだからね」
そう言うと、タムロンは出て行った。
どうやら、今日泊まった旅館は化け猫村が経営している旅館らしく、泊まるとかなり高いらしい。地獄に来てまでお金がかかるとは…
女中さんは何人かいて、みんな若い猫。
おかみさんが高齢の猫。
と言っても、地獄の年齢なんてあってないようなものだから、実際は若い猫と言っても
年寄りだったりする。
まあ、要するに年齢でなく見た目年齢が
大事なんだなあ…って思い、
次のお宿…どうしよう?って考えながら
女中さんが出してくれた、またたびジュースを一気に飲みほした。
『とりあえず…散歩でもしてみようかなあ…』
僕はそう思って、旅館の外に出てみた。
『うわあ…とにかく綺麗に整備されてる。
橋は朱色。橋の下の池には鯉が!
周りも緑が多くて空気が気持ち良い。
商店街も昔なじみの江戸時代みたいだし、、隣町はお城もあってまるで京都だあー!って、、感心。いや!!待って!!!僕は生まれたばかりなのに…何故だか…こんなに知識がある…何でだろう』
妖怪になったから、知識が備えつけられたのかなあ…
橋の上でぼんやりそんな事を考えていた。
「すみません」
花魁みたいな猫さんが声をかけてきた。
「何ですかにゃ?」
「閻魔様から事付けがあります」
『閻魔様も花魁が好きなのかなあ…男ってやつは…僕も男だけど…あんな大人にはならないぞ』って思った。
「何ですかにゃ?」
「閻魔様から『妖怪になったけど、良い事をしたら兄弟がいるあちらの世界に戻してあげる』って」
「えー!!妖怪なのに、戻れるの?」
「そうそう。その時は妖怪ではなくなって、
普通の猫に戻れるって言ってたよ」
「何でーそんな大事な事を僕に直に言わないですかにゃ!!」
「あー…ごめんなさい。昨日、飲みすぎたから今日はお昼過ぎまで寝てるって言われて事付けされたのよ」
「はあ。。ため息しかでない」
「まあまあ、そう言わずに、良い事をしなさいよ。ふふふ」
「良い事って何?」
「…分からないわあ」
「肝心な所が分からないじゃ、話にならないにゃ!」
「わっわっ!そうよね!待って!閻魔様に電話するから」
『電話があるんかーい!!!なんちゅう世界にゃ!』
女猫は閻魔様に電話した。スマホだあ!
「もし、もし、閻ちゃん。寝てた?ごめんね。私!今ね、例の猫ちゃんと話していたんだけど、、やっぱりいろいろ聞かれて、困ってるわけ」
そう言うと、僕にスマホを渡した。
「もしもし、閻魔様?」
「大体わかったじゃろ?何が知りたい?」
もう…勝手だなあ…
「良い事って何ですかにゃ?生き返るって本当ですか?」
「そうそう。良い事って言うのは、現世で悪い奴を懲らしめてほしいんじゃ。地獄が今なあ、悪い奴でいっぱいだから減らしてほしいんじゃ。それで、そこで頑張ったら、ご褒美に兄弟の所に返してやろうかなあって…昨日思いついたんじゃ!わっははは」
もう…猫の人生を何だと思ってるにゃ!
昨日思いついたって!腹立つなあ…
「やるか??」
僕は悩んだ。でもほんの一瞬だけ。
「やりますにゃ!」
早かった。だって、妖怪の僕があちらの世界で役に立つなら嬉しいし、さらに生き返るならもっと嬉しい。そう思った。
「因みに…僕はどうしてこんなに物知りなんですかにゃ?スマホって初めて見たのに…名前を知ってる」
「今更?こっちの世界に来たら大体下の世界の事は分かるようになっとんじゃ」
「にゃるほど」
どうして?と思ったが、、まあ、聞いたところで納得がいく説明なんてないと思い、、受け入れる事にした。
「早速だが、化け猫村の警視庁へ行って来い」
えー!!化け猫村には警視庁があるのかっ!
本当にあの世もこの世も変わらないなあってつくづく思ったにゃ…
じゃ、警視庁に行こうにゃ!
って…場所はどこだよーにゃー!!
やっぱり、説明が足りない!ぷぅー!!
でも、一寸法師に言われたから来てみたけど「化け猫村」に特に…用はない。
『一寸法師さん、何で化け猫村に行けー!』って言ったのかなあ…。
「おはよー!よく寝れたかい!」
村長のタムロンが挨拶をしにきた。
朝ぱらから、見たくない顔である。
「おはようございますにゃ。旅館みたいな素敵なお宿に泊めて頂きありがとうございます」
「あー!大丈夫!つけておくからね」
「えー!お金とるのかにゃ?」
「当たり前じゃ!!1万。。はははは!冗談じゃわい!ぎゃははは、化け猫村の
ギャグじゃ!」
絶対違うと思う。旅館の女中さん達も
笑ってないし。めんどくさい村長だなあ…
「ははは、まんまと騙されましたにゃ」
イヤだけど、付き合ってあげた。
「気にするなあ!ところで、今日は何をするか閻魔様から聞いてるか?」
「聴いてないです。何かあるんですかにゃ?」
「いやいや、何も聞いてないなら、いいや。住むところ、探しといてや。ここは今日だけだからね」
そう言うと、タムロンは出て行った。
どうやら、今日泊まった旅館は化け猫村が経営している旅館らしく、泊まるとかなり高いらしい。地獄に来てまでお金がかかるとは…
女中さんは何人かいて、みんな若い猫。
おかみさんが高齢の猫。
と言っても、地獄の年齢なんてあってないようなものだから、実際は若い猫と言っても
年寄りだったりする。
まあ、要するに年齢でなく見た目年齢が
大事なんだなあ…って思い、
次のお宿…どうしよう?って考えながら
女中さんが出してくれた、またたびジュースを一気に飲みほした。
『とりあえず…散歩でもしてみようかなあ…』
僕はそう思って、旅館の外に出てみた。
『うわあ…とにかく綺麗に整備されてる。
橋は朱色。橋の下の池には鯉が!
周りも緑が多くて空気が気持ち良い。
商店街も昔なじみの江戸時代みたいだし、、隣町はお城もあってまるで京都だあー!って、、感心。いや!!待って!!!僕は生まれたばかりなのに…何故だか…こんなに知識がある…何でだろう』
妖怪になったから、知識が備えつけられたのかなあ…
橋の上でぼんやりそんな事を考えていた。
「すみません」
花魁みたいな猫さんが声をかけてきた。
「何ですかにゃ?」
「閻魔様から事付けがあります」
『閻魔様も花魁が好きなのかなあ…男ってやつは…僕も男だけど…あんな大人にはならないぞ』って思った。
「何ですかにゃ?」
「閻魔様から『妖怪になったけど、良い事をしたら兄弟がいるあちらの世界に戻してあげる』って」
「えー!!妖怪なのに、戻れるの?」
「そうそう。その時は妖怪ではなくなって、
普通の猫に戻れるって言ってたよ」
「何でーそんな大事な事を僕に直に言わないですかにゃ!!」
「あー…ごめんなさい。昨日、飲みすぎたから今日はお昼過ぎまで寝てるって言われて事付けされたのよ」
「はあ。。ため息しかでない」
「まあまあ、そう言わずに、良い事をしなさいよ。ふふふ」
「良い事って何?」
「…分からないわあ」
「肝心な所が分からないじゃ、話にならないにゃ!」
「わっわっ!そうよね!待って!閻魔様に電話するから」
『電話があるんかーい!!!なんちゅう世界にゃ!』
女猫は閻魔様に電話した。スマホだあ!
「もし、もし、閻ちゃん。寝てた?ごめんね。私!今ね、例の猫ちゃんと話していたんだけど、、やっぱりいろいろ聞かれて、困ってるわけ」
そう言うと、僕にスマホを渡した。
「もしもし、閻魔様?」
「大体わかったじゃろ?何が知りたい?」
もう…勝手だなあ…
「良い事って何ですかにゃ?生き返るって本当ですか?」
「そうそう。良い事って言うのは、現世で悪い奴を懲らしめてほしいんじゃ。地獄が今なあ、悪い奴でいっぱいだから減らしてほしいんじゃ。それで、そこで頑張ったら、ご褒美に兄弟の所に返してやろうかなあって…昨日思いついたんじゃ!わっははは」
もう…猫の人生を何だと思ってるにゃ!
昨日思いついたって!腹立つなあ…
「やるか??」
僕は悩んだ。でもほんの一瞬だけ。
「やりますにゃ!」
早かった。だって、妖怪の僕があちらの世界で役に立つなら嬉しいし、さらに生き返るならもっと嬉しい。そう思った。
「因みに…僕はどうしてこんなに物知りなんですかにゃ?スマホって初めて見たのに…名前を知ってる」
「今更?こっちの世界に来たら大体下の世界の事は分かるようになっとんじゃ」
「にゃるほど」
どうして?と思ったが、、まあ、聞いたところで納得がいく説明なんてないと思い、、受け入れる事にした。
「早速だが、化け猫村の警視庁へ行って来い」
えー!!化け猫村には警視庁があるのかっ!
本当にあの世もこの世も変わらないなあってつくづく思ったにゃ…
じゃ、警視庁に行こうにゃ!
って…場所はどこだよーにゃー!!
やっぱり、説明が足りない!ぷぅー!!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる