妖怪~化け猫〜

桃香

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9.化け猫村

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化け猫村を目指して僕は歩いた。
だけど、場所は分からない。
でも僕はそんな事は気にしないのだ。
この地獄の道を歩いていればいつかきっとたどり着く!
僕は信じている。。

なんてね、どこかの歌の歌詞にでもあるような事を思いながら歩いていたら、
茅葺屋根の家がみえた。
僕はそっと窓から覗いてみた。

そこには女が1人食事をしていた。
見た目は中の下ぐらいかな。
僕は声をかけてみた。

「あのーこんにちはにゃ」

女は僕をちらりと見ると、髪の毛が触手のように動いた。そしてその触手は茶碗に入っている御飯を掴むと後頭部にもってきた。
すると後頭部から口が出てきて御飯を食べた。
僕はびっくりした。
でも不思議と怖くはなかった。
だって、僕はもう妖怪の仲間で立派な化け猫だからね。

「可愛い猫ちゃん。こんにちは。
どうしたの?迷子?」

女はそう言った。

「迷子といえば迷子ですね。。化け猫村を知っていますかにゃ?」

「化け猫村…」

女は一言呟くと泣き出した。

「あっあの?どうしたんですかにゃ?」

「ごめんなさい。昔昔の事を思い出して。
昔、私の子供が化け猫村に行ったきり帰ってこなくてね.」

「えっそんなに恐ろしい村なんですかにゃ?」

「ええ。とても怖い所。私が化け猫村にいつか行く事が出来たら復讐してやりたいわ。でも今は病気になったから無理なんだけどね」

「どうしよう。。僕は化け猫ですから、化け猫村に行かなくちゃいけなくて」

「やめておきなさい。そんな事よりここにしばらく泊まっていきなさい。あなたみたいな可愛い猫ちゃんと私は暮らしたいわ」

『照れるにゃ可愛いだなんて。でも…どうしようかにゃ。タイプじゃないけど...疲れたから、今日1日泊まろうかにゃ』

僕は考えた挙句お言葉に甘えて泊まる事にした。

「あの、今日は泊まらせて頂きありがとうございますにゃ。ででね、、お腹がすいたから何か頂けないでしょうか?」

「………」

女は何も言わない。

『泊まらせてもらった上に御飯は図々しいかったかにゃ…。まあ、明日は朝早くからここを出て何か御飯探そうかにゃ。とりあえず寝ようっと』

僕はそう思ってぐうぐう寝た。

朝がきた。

「おはようございますにゃ」

「………」

女は返事をしなかった。
僕は怖くなってきた。
荷物をまとめて、戸の前に手を出した時、女の髪の毛が僕をぐるぐるに巻いた。

「にゃー」

僕を苦しくて声が出た。

だんだん力が失っていく、御飯も食べてないから力も湧かない。

『どうしよう。。ここで死ぬのかなあ。。いやあ、、あっでも妖怪だった。妖怪って死なないんじゃなかったかにゃ』

そんな事を考えていたら、
泊まれって誘って来たのは向こうからなのに御飯もくれないし、、、何だか本当にあの女に頭にきた!

「にゃー!シャー!」

僕は今まで聞いた事がないような声を出していた。全身の毛が逆立ち、口には鋭い牙が生えてきた。

「汚い髪の毛だけど噛んでやる!にゃー!」

女の髪の毛を牙で切り刻んで、やっと僕は解放された。
その勢いのまま戸を開けて、無事に脱出成功した。

「ハアハア」

僕は綺麗好きなインテリ猫ちゃんだから、知らない女の髪の毛を噛んだ事が本当に嫌だった。

『口の中洗いたいにゃ』

家の前に小さなアリが歩いていた。

「よく逃げきれたね。あの女は二口女って名前でね、昔人間だった時に後妻に入って前妻の子を餓死させた報いで妖怪になったんだよ。反省しているって言うけどあんたで1506匹目だよ」

「えっ、じゃ僕は妖怪なのに死んでいたかもしれないのかにゃ?」

「まあ、妖怪は死なないけど一生苦しむんだよ」

「なんですと!死ぬより最低じゃないかっ!にゃー!それにしても、、
化け猫村と二口女って何かあったんですかにゃ?」

「化け猫村と?ないない。あんたが化け猫村だしたから適当に何か話しただけだろうね」

アリはそう言った。

「アリさん。化け猫村知っていますか?僕は化け猫村に行きたいのですが。。」

「化け猫村?ははは、20メートル先だよ」

アリは大笑いした。

『何だよ~もうほぼ着いていたの!
化け猫村って看板ぐらい出しといてーにゃ!』


いろいろあったけど僕は化け猫村にたどり着いたのだ。




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