秘密の仕事

桃香

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10.依頼者

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今日は朝からPCメールがきてる。

【殺し】の依頼だ。

「久しぶりだなあ…最近はアイドル業が忙しかったからなあ」と思いながら、

内容を読んだ。

【拝見 殺し屋様
私の友達をやって下さい。】

簡単なメールだなあ…まあ、依頼が依頼だからそんなに詳細を書く人も少ないんだけど…

にしても、短い。

「殺しに…様つけられるのも珍しい。
笑えるなあ」

殺し屋サイトはそう簡単には見つけらない。
警察の目もあるし、表向きは花屋さんのホームページになっているのだ。
でも、文章は暗号化されていて、それを解読すると別のサイトに飛ぶようになっている。
依頼の文章からすると、あまり頭が良いとは思えなかった。


僕はとりあえず返信をした。


【お問合せありがとうございます。
依頼の件ですが、依頼料金はかなり高いですが、、ご用意出来ますでしょうか?
それと、理由がないと依頼は受けません。
理由も私が納得しない限りは受付できません。ご了承下さい。
それでは、アンケートを送りますので書いてまた、メール下さい。】


僕は、いつもアンケート形式にしている。
ターゲットや何故殺したいのか?とか
悲しいことから嬉しかったことまで、関係ないように思える質問でも50問のアンケートに答えると人間性がみえてくるものだ。


依頼者からはすぐに返信がきた。

「早いなあ…まだ1時間しか経っていないのに…全ての質問に答えているのかなあ…」

返信メールを見て驚いた。

全てきっちりと答えている。
料金も5000万までは出せると。

「おっおう…まあ…そんなにはかからないだろうけど、料金の心配はなさそうだ」


内容はまとめるとこうだ。

名前はみきこ(仮)偽名
ターゲットは親友のみさこ


婚約者を取られた。
さらにみさこは妊娠までしてるらしい。

「なるほどね…そりゃ…こじれるはなあ」

そして、みさことは幼稚園からの幼馴染。

アンケートの答えからみて、依頼者のみきこはせっかちさんだなあ。
誤字脱字も目立つ。

「まあ、依頼が依頼だから、冷静にはなれないか…」

ターゲットのみきこはおっとり系。


これはあくまでアンケートから見た、みさこの主観だ。


「うーん。とりあえず、話を聞く事にするか」


僕は依頼者に会う事にした。



【日時は明日、15時,短冊公園にて。】


依頼者に会う事は珍しくない。
やはり話をさらに詳しく聞くには会うのが1番だ。
でも、依頼者が訳ありだったり断られた場合は電話の時もある。
今回は依頼者も会いたいという事だった。


依頼人に会う時の格好は全身黒づくめ。
黒帽子に黒マスク、黒のパーカに黒パンツ。

依頼者は赤いスカートという事だった。


「今日は天気もいいし、公園にはあまり人がいないし、良かった」

と、思った。

この公園はほとんど人がいないのだ。
何故なら…お寺の裏側にある公園で幽霊が出ると噂が絶えないから、人があまり寄りつかないのだ。




15時…


「来ないなあ…考えなおしたか」


殺しの依頼なんて、依頼者側も冷静になり
辞める事はザラにある。

「まあ、やらないで済むなら結果的には良かったのかもなあ」


その時、


「🎵🎵🎵」

スマホの着信音がなった。


「もしもし、」

「…」

「みきこ…さん?」

「はい…」

「今、公園にいますが、どこにいますか?」

「後ろにいます」


僕は後ろを振り返った。

びっくりした…いつの間にいたんだろか。

「わあ、びっくりしました。後ろにいたんですね」

「…全身黒づくめと言われたので、あなたかなあ…と思ったのですが、声をかける勇気がなくて…もし、人違いだったら…」


「あっそうですね。すみません。配慮がなくて」

「あの…殺し屋さんぽくないですね」

「そうですか」

僕は苦笑いをした。


「で、早速本題に移っていいですか?」

「はい…」

みきこは俯いたまま、顔を見せようとはしない。小さな声でボソボソ話はじめた。











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