三味線声優 しゃみきちとももの物語

桃香

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46.先輩ライブ その2

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吉祥寺の駅に集合した、いちこちゃんと
人間の姿をした本当は猫のたると一緒に
ライブ会場に向かいました。

「どんな方なの?
先輩ライブ聞けるなんて私嬉しいっ」

「あっそうかにゃ。
スゴイ演奏をきっと聞かせてくれるにゃ」


「あ~まだ習い始めてばかりだから、
勉強しなくちゃだ」

いちこちゃんも楽しみにしてるみたい。


会場に入ると椅子が並べられてました。


「アイドルライブは椅子って並んでないんだけど...そっか、ここは先輩の三味線ライブだもね」

「ももちゃん~」

いちこちゃん何故か大爆笑。

私そんなに面白く事を言ったかな?
いまいちツボが分からない。

「いちこちゃんは知ってたの?」

「もちろんだよ。だって、三味線ですよー
椅子ですよー座ってますよー」


「でも私達の三味線ライブは立ってるよー
お客さんは座ってたり、立ってたりだけど」


「あっ!!そうだった!
決まりって...ないよね....」

「...」


そんなくだらない会話をしていたら、
たるがいない事に気付きました。

「たるは?」

私が聞いたらいちこちゃんは、

「たるちゃん...知らないよ.....」

どこに言ったんだろう??

たる....もう始まっちゃうよ....

次の瞬間、

会場は青い照明に変わりました。


タンタンタン♪

タンタンタン♪

一定のリズムに心地よい力強さのある

撥付け。

あ~始まっちゃったー!

でもたるいないけど...戻ってくるよね

「...」

「...えっ!?」


「たーるー!!!!」


舞台の上に立っていたのは、
袴をばっちり決めた、凛とした姿の猫、、
じゃなかった、

たる師匠でした!


たる師匠の演奏は今まで聞いたこともないような力強さ。
その曲間にある静けさ。
心臓に響く撥の音。

たる師匠の顔は真剣でした。

向こうの世界の私を助ける為に、
こちらの世界に来て魔物を倒すたるの気持ち。
夢を諦めたくない、後悔させたくない、
たるの気持ち。

気付いたら涙が頬を伝ってました。


隣にいたいちこちゃんもその気持ちが
伝わったみたいで。。
同じく泣いてました。


演奏は60分でしたが、あっという間で、、

本当に素敵な時間でした。

弾き終わるとたるは照れた顔して
話かけてきました。

「たる...。お疲れ様。
びっくりしちゃったけど、本当に本当に素敵な演奏だったよ」

私は何と言えばいいか分からなかったけど
思った事をそのまま伝えました。

「向こうの世界の私も聞いていたと思うよ」

「ありがとうにゃ」

「いちこも感激しました!」

「実は君達にちゃんと三味線の僕の音を聞いてもらった事がなかったから、
聞いてほしかったんだにゃ」

「たるの真面目な表情好きだよ」

私は言いました。

「ももちゃん...。
その言葉を聞いたのは二回目だにゃ」

「たる..」

「明日からまたいっぱいいっぱい練習するにゃ!せめて、向こうの世界の君を超すぐらいににゃ」

「うん!」

って...向こうの世界の私も三味線弾けるんだ....。



私達あまねこの音を、声優であるリーディングと津軽三味線の音と一緒にのせる!

私達の夢の闘いは始まったばかり。




☆☆☆
ももlevel  4
三味線 level  4
勇者           3











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