三味線声優 しゃみきちとももの物語

桃香

文字の大きさ
47 / 50

47.日暮里ライブ~番外編~勇者①

しおりを挟む
「ももちゃん~ここ!ここ!」

いちこちゃんが大きく手を振ってる。

今日は日暮里ライブです。
リハの待ち合わせより早めに来ていちこちゃんとお茶を楽しんでます。

「いちこちゃんどう?完璧?」

「完璧じゃないよー!梅雨に入って湿気が
すごくて......」

「分かるよう!棹が湿気で滑らないんだよね」

「そうなんだよー。無香料の制汗スプレーがいいみたいなんだけど」

「あ~!!それなら私持ってるよ!」

「えっ?そうなの??」

「たるに教えてもらったから」

「貸して!」

「いいよ!1年前のだけど、大丈夫かな?」

「1年前!?」

「棹以外では使わないからね」

そう、私代謝が悪いからあまり汗をかかないのが悩み。

「いいなあ~ももちゃん。私は汗かっきだから」

「確かに...もう汗だくだよ!お店の中なのに」

「きゃははは」

..............

今日のライブも何だか楽しく出来そうな、そんな気がします。


根拠はないけど、だってこんなに楽しいんだもん。


時間がきて、リハを終えた私達は出演者さんと一緒に出番を待ちました。

「今日も魔物が来るのかな?」

「毎回来るよね。いちこちゃんと、ももと
勇者様の力で倒そうね!」

「うん!」

魔物は向こうの世界の私がこちらの世界に
おくってくる悲しみと絶望の塊です。

「ももちゃん!制汗スプレー貸して!
もう手の汗がすごくて!!」

「わかった!はい!!」

司会のお姉さんに名前を呼ばれ、
舞台に上がると...
もうすでに魔物が4匹いました。

『魔物が人間の隣でにやけているよ!』

しゃみきちが頭の中に話しかけてきます。

『うん。笑顔がない。』

『いちこちゃんとももちゃんとで笑顔にして
倒すんだ』

『わっ、わかった!』

今日のリーディングも前回同様、
私が書き、今回の衣装はロリィタで可愛いので、私達をフランス人形にみたてた、
リーディングです。

そこから曲に入ります。

タンタンタン♪  撥付け

タンタンタン タン  タラタラタン♪

私はじょんから節の新節を弾きました!


その時!!

ヘッドドレスが落ちて、、

「きゃー!前が見えない!!」

はははははは

会場からの笑え声。

『せっかく弾けたのに、ヘッドドレスで落ちて目隠しってきゃはははは』

しゃみきちも大笑い。

はぁ。。どうやら私には笑いの神がついてるみたいです。

いちこちゃんを見ると緊張のあまり笑ってない。

いちこちゃんー!大丈夫かな??

すっごく心配だけど、いちこちゃんの演奏が始まりました。

タンタンタン♪ 撥付け

タンタンタン♪タ     タン♪タラタラ     タン♪

あ~いちこちゃんの左手がどうやら滑らないみたいです。

いちこちゃんの焦りは見えたけど、
何とか曲を弾きました。

会場をみると魔物が今にも人間を
襲ってダークな闇に包みこもうとしている。

大変だ!!

勇者様は!!!


3人来てくださってる!!
だけど、勇者様の1人は全然笑ってない!

『ももちゃん!ソーラン節だ』

私達はさっきのヘッドドレス目隠し事件や
棹が滑らない事件を吹き飛ばすかのように
ソーラン節を歌い弾きました!

ヤーレンソーラン、ソーラン♪

会場のみんなから笑顔が戻ってきてる中、
勇者様の1人がやっとやっと笑ってくれた!

笑顔だあ!

その瞬間、魔物が苦しみ、
黒石を落とし消えました。

危なかった!本当に....

演奏が終わり物販の時間があります。

勇者様とお話しです。

「勇者様ありがとうございます!」

「勇者様楽しんでもらえました?」

私は心配で最後は笑ってくれた勇者様に
話しかけました。

「お疲れ様!いちこちゃん、ももちゃん、
黒石12個をどうぞ」

えー!!
12個!!!
そんなに魔物が来てたの!!
それを勇者様1人で退治してたなんて!!

「ワタモテと言います。」

「あっはい!ももです!」

「いちこです!」

「ははは。知ってるよ!楽しかったですよ」

ワタモテさんと言う勇者様は、
笑ってなかったのではなく、心から楽しんでくれていたみたいです。

その後も、勇者様2人から黒石を2個ずつ受け取り、計16匹の魔物を倒す事が出来ました。


そんなに.....魔物がいたなんて.....

勇者様ありがとうございます!





楽屋に戻った後、いちこちゃんが、

「ごめんね。無香料の制汗スプレーをかけたのに....棹が滑らなくて」

「無香料??」

「無香料じゃないとダメだってたるちゃんが」

「私のスプレー無香料じゃないよ。
たるは私には制汗スプレーしか言わなかったからずっとこれを使ってたよ」

制汗スプレーにはバラの匂いって書いてあります。

「も、も、、、ちゃーん!!」

「何??なーにー?」

「無香料なんだよー!!」

「ごーめーーんーー!いちこちゃん~痛い~逃げろー」


いちこちゃんには追いかけられたけど、
勇者様の力で魔物も倒せました。




☆☆☆
もも level  4
三味線 level 4
勇者様   3




















しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

サイレント・サブマリン ―虚構の海―

来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。 科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。 電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。 小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。 「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」 しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。 謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か—— そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。 記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える—— これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。 【全17話完結】

裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する

克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。

偽夫婦お家騒動始末記

紫紺
歴史・時代
【第10回歴史時代大賞、奨励賞受賞しました!】 故郷を捨て、江戸で寺子屋の先生を生業として暮らす篠宮隼(しのみやはやて)は、ある夜、茶屋から足抜けしてきた陰間と出会う。 紫音(しおん)という若い男との奇妙な共同生活が始まるのだが。 隼には胸に秘めた決意があり、紫音との生活はそれを遂げるための策の一つだ。だが、紫音の方にも実は裏があって……。 江戸を舞台に様々な陰謀が駆け巡る。敢えて裏街道を走る隼に、念願を叶える日はくるのだろうか。 そして、拾った陰間、紫音の正体は。 活劇と謎解き、そして恋心の長編エンタメ時代小説です。

アガルタ・クライシス ―接点―

来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。 九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。 同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。 不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。 古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

処理中です...