三味線声優 しゃみきちとももの物語

桃香

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10.じゅんきーの上京

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昨日のアレは何だったんだろう。。
夢見てたのかな?にしても。。リアルだったし。。
あのねこのたるって言ってた子。。懐かしい臭いがした。

『とぅるりーんとぅるりーん!!』

携帯のメール着信音だ。

【おはようございます。今日東京に行きます。
そして住みます。
仲良くして下さいねっもっ!

じゅんきー】

じゅんきー~来るなら来るでもっと早く言ってくれたらいいのに。。
昨日の件もあったから。。じゅんきーと聞くと少しドキドキしちゃう。
にしても、またじゅんきーと一緒に夢を追いかけられるのが嬉しくて、ニヤニヤしちゃうなあ。

じゅんきーはその日の夕方に来たから、新しいアパート先で荷物を解くのを手伝って、夜は私のバイト先へご飯を食べに行きました。
じゅんきーはまだバイト先が決まっていなかったから、店長に頼んだら「いいよー」って。なので一緒にレストラン屋のバイトが決まりました。
ここの店長さんがまた優しくて、急なオーディションにでも対応してくれるし、役者を目指してる方には本当に良いバイトなのです。だから私の他にもバンドさんやアイドルを目指したりしてる人がいます。

余談ですが、役者さんやバンドさんやら夢を追いかけてる方は結構バイト探しに苦労するのです。
だから人の優しさに触れるのは地元より東京が多いです。

「ねぇ、じゅんきーは事務所決まってるの?」

「ええ。決まったから上京したんですよ。」

「さっすがだねー事務所はどこ?」

「村井事務所です。」

「うわあ、大手だなあ~すごいね!」

「もっは?」

「私は。。声優はもちろん頑張ってるよ、後はアイドルやお笑いなどなどかなあ。何でも屋さんみたい。」


「すごいですね。」

すごくないよ。。
その道一本で目指してる方に申し訳ないよ。。
でも私にはマネージャーさんや、るるちゃんがいる。
言われた仕事はやりこなしたい!

私はじゅんきーの顔を見た。笑顔だった。いつもの優しいじゅんきーだった。
ふと。。昨日のたると名乗るねこの言葉が気になってきた。
まだ、信じられないけど。。
この世界もじゅんきーも守りたいっておもった。

ずっとずっとこの時間が続きます。。ように。。




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