三味線声優 しゃみきちとももの物語

桃香

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32.いちこの正体

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ライブが終わり私達は近くの喫茶店に入りました。
たるはもちろん人間の男性のまま。

「今日は一時はどうなるかと思ったけど、
無事一匹の魔物だけでも倒せて良かったにゃー」

「危なかった。。」


「ももちゃん。みんなを信じて笑顔の勇者=ファンを沢山見つけようにゃ」

「うん!」


「あっ。。あのーたるちゃん、ももちゃん。。」

私とたるはいちこちゃんを見た。

そしていちこちゃんはゆっくりと話はじめた。

「私が住んでいた所はあちらの異次元世界。
ここには私はいない。」

「えっ?待って!パラレルワールドは人も同じなんじゃ?」

「基本はそうなんだけど、、、。
私は例外なの。」

「例外?」

「うん。実は、、、。
じゅんきーのトーテム。守護動物なの」

「トーテム。。」

「だから僕が見えるんだにゃ」

「。。何で?まだよく分からないよ!何でじゅんきーの守護動物がここにいるの?」

「それはね、向こうの世界ではじゅんきーは亡くなったでしょう?」

「うっうん」

「私がいたのは向こうの世界のじゅんきーのトーテム。
そしてまた異次元の世界で守護していたの。
じゅんきーが向こうの世界で亡くなった時に私は守る事が出来なかった、そこで神様に相談してこっちの世界に来ることが出来たんだよ」

「はっ話が突拍子すぎて、、もうどんな反応をしたら、、」

「向こうの世界は魔法が存在する、異次元の守護神でも同じ。
だから、ここの世界の人だと信じがたいよね」

「なーにを言ってるにゃ!喋るねこだっているんだから、
今さらーだよ!ももちゃん」

「うっ。。確かなにそうだね」

苦笑い。

「こちらの世界に来て2人に近づいたのは、ももちゃんの使命やこれからやるべき事を助けたいと思ったの。
じゅんきーは本当にももちゃんやみんなの事が大好きで、
お芝居に生きた女の子。同じ想い、伝えたい!」

「いちこちゃん。。分かった。
それにありがとう、、」


「これからもここにいてくれる?」

「もちろん!ここにはじゅんきーもいる、ももちゃんやたるもいる。そして私も」

涙をこらえながら一生懸命に話してくれるいちこちゃんに
私はただ感謝しかなかった。

声優や三味線がつないでくれた人との輪を大事にしたい!

ってか大事にしなきゃいけないんだ!って

そして、これからライブで三味線の音とともに、
応援してくれる勇者を探しにいかなくちゃ!
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